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ワヅカナジカン援農プロジェクト2017の求人サムネイル
2017.03.03 公開 2018.01.19 更新
ワヅカナジカン援農プロジェクト2017
きっと人生が好転する、3ヶ月間の援農体験。京都府和束町が仕掛ける、ちょっと変わった移住促進プロジェクト

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください



長い人生のたった3ヶ月。3ヶ月間だけ、日本茶をつくる京都の茶農家で、仲間と一緒に働いてみませんか? 3ヶ月後、見える世界や自分が、きっと変わっているはずです。

見渡す限りに広がる茶畑景観。「日本で最も美しい村」「京都府景観資産」にも登録されており、2015年には「日本遺産」の第一弾にも選ばれたこの和束(わづか)町で、「ワヅカナジカン援農プロジェクト」(以下、ワヅカナジカン)に参加する方を募集しています。

「なにかしたいけど、これといったものが見つかっていない」「社会に出る前に、たくさんの経験や価値観と出会いたい」「田舎暮らしに興味がある」「地方でのビジネスを計画している」。そんな方にとって、この上ないチャンスとなる求人です。


3ヶ月間だけおためし移住。仲間たちと茶農家で働く、援農プロジェクト


和束町は鎌倉時代から高級茶葉をつくる産地。実は宇治茶として市場に出回っているお茶のうち、40%近くは和束産なんです! 日本のお茶の伝統を今日まで受け継ぎ、これからの未来もつくっていく、そんな場所です。



しかし同時に、高齢化も進み、毎年100人のペースで人口が減り続けています。人口3,879人(2016年調べ)の町内だけでは、繁忙期の茶畑での仕事に人手が足らず、とはいえ京都市内や大阪市内から毎日通うには根気のいる山間地域のため、働き手不足に悩んでいました。

この問題に対し2014年に生まれたのがこの「ワヅカナジカン援農プロジェクト」。都市部から若者が集まり、シェアハウス生活を送りながら、繁忙期の茶農家で期間限定で働くプログラムです。


ハローライフでは、過去に2回、ワヅカナジカンの参加者募集についての記事を公開しています。より詳細は、そちらの記事をご確認ください。

2015年掲載分「”お茶の郷”に暮らしながら働く」
2016年掲載分「ワヅカナジカン、暮らしながら働く和束の時間。」




期間中は、町有の施設を寮として、プロジェクト参加者が寝泊まりし、そこからお茶づくりの現場である茶農家へ通って、働き、学びます。プロジェクト終了後に和束町への移住を決めた方が現在7名おられ、それぞれ地域おこし協力隊や和束町雇用促進協議会、和束茶カフェ、一般財団法人和束町活性化センターなどで働いています。

今回は、過去のワヅカナジカンに参加したあと、移住した方・移住しなかった方それぞれの立場からお話をうかがいました。


関心分野は、まちおこし。和束町に移住を決めた中村広美さんの場合。


現在、和束町雇用促進協議会で働く中村広美さんに話を聞かせていただきました。まずはワヅカナジカンに参加されたきっかけからお聞きします。

(和歌山市出身の中村広美さん)



中村さんは東京での大学在学中に、八王子の商店街の活性化を狙った地域のまちおこしに参加していたと言います。


中村さん
まちがもっている文化とか歴史とかに興味があって、まちの特徴が感じられるような地域に行ってみたいと思っていました。ハローライフで掲載されていた記事を読んでこのプロジェクトを知り、お茶とか農業よりもこのプロジェクトを手がけている山下さんがやっていることに興味があって2015年4月に応募しました」


(「ワヅカナジカン援農プロジェクト」発起人の山下丈太さん。大阪府枚方市生まれ、和束町育ち。大学入学とともにまちを離れ、様々な職種で関西を点々とした後、2012年にUターンし、和束町雇用促進協議会の実践支援員に。限界集落の問題や茶農家さんの悩みを解決すべく「ワヅカナジカン援農プロジェクト」を立ち上げました。現在は、独立し、ゆうあんビレッジ代表として同プロジェクトを運営しています。)



中村さんは、在学中に体調を壊して実家でゆっくりしていた時期もあり、きちんと働いたことがなかったことや、そもそも共同生活に馴染めるだろうかと申し込む直前まで悩んでいたそうです。

面接ではじめて和束町に訪れたときの印象は


中村さん
「あんまりパッとしなかったです。心惹かれるようなまちではないなあ、田舎だなあと思いました」

といたってクール!


茶農家での仕事。1日の流れと内容は?


担当する農家さんによって多少は異なりますが、中村さんが過ごした平均的な1日の流れを教えていただきました。


中村さん
「朝ごはんは自分でつくって、7時半に農家さんに迎えにきてもらいます。8時から農作業をして、お昼ご飯は週に3回ほどお弁当が配達されるのですが、それ以外の日は自分でつくるか農家さんのところで食べさせていただいたりします。夕方6時ぐらいに仕事が終わり、寮に帰るとおいしい晩ご飯が待っています




今年、寮の晩ご飯をつくってくれるのは、ワヅカナジカン一期生の矢守さんを中心とした地元の方。まるで学校の給食のときのような楽しい時間だったと言います。最初に心配した共同生活は、ぜんぜん苦にならなかったそうです。

(期間中は、寮として和束町体験交流センターの一部をお借りし、参加者全員がそこで生活します。割り当てられたそれぞれの茶農家さんに、寮から通い、仕事が終われば寮に帰ってきます。悩みがあれば、仲間や山下さんに相談できる環境があります。)




中村さんニコ
雨の日は仕事は休みになります。寮のみんなで集まってしゃべったり、トランプしたり、大掃除したり。木工ができる人がいたので、スプーンをつくったりして楽しかったです。1ヶ月ぐらいで和束町の印象もどんどん変わりました。肉体労働なので体は疲れるのですが、心はどんどん元気になっていくんです。農家さんやいっしょに暮らしている仲間との会話の中で、自分が生き生きしていることに気づきました」




中村さんの働き先は、個人ではなくある会社が運営する茶農家さんでした。会社が独自で雇っているアルバイトの方を含めて約10人で農作業をしたそうです。


中村さん
「最初は私以外全員男性の方で、どんなふうにコミュニケーションをとれば良いのかわからず不安でしたが、みなさんわりと気さくに話してくださったので安心しました」


初日の作業は「かぶせ」と呼ばれる、太陽の光を遮るために茶葉に黒いシートをかぶせていく作業でした。ネットを洗濯バサミでお茶の木の枝にとめていきます。



ワヅカナジカンからは、中村さんを含めて3名がその農家さんで働き、2名が働きに行って1名が休日とするサイクルでした。


中村さん
「一軒の農家だけでなく、何軒か回らせていただきました。夜勤の工場で補助する仕事もさせてもらったのですが、茶葉が詰まらないように機械の点検やとか掃除をしました」。


朝目が覚めて窓から見える、茶畑に霧がかかった景色がとてもきれいだったと言います。




中村さんニコ
和束町の景色がすごくきれいで、働いて汗をかいて休憩時間に見るからか、景色が元気をくれました。『3ヶ月のワヅカナジカンが終わったらどうしよう。別の知らないまちにも行ってみたい』とも思いましたが、和束でできたつながりを大切にして、それを活かしていくことに興味がありました。このまちに来て元気なエネルギーをもらえたんだから、まちに恩返しがしたいと思ってそのまま移住することに決めたんです」



和束町での地方暮らし。一ヶ月の生活費はたったの3~4万円!?


そんなふうに考えていた時期に、山下さんから和束町雇用促進協議会の求人が出る話を聞きます。面接を受け、就職が決まったのが7月の半ば。ワヅカナジカンに参加を決めたのが3月なので、その4ヶ月後のお話です。最初は家探し。和束町で住む家を探すことは、実は結構難しいと言います。


山下さんニコ
「不動産屋とか空き家バンクなどはなくて、家を持っている人との交渉しか手段がありません。だいたい2〜3万円ぐらいが相場です」
と山下さん。


中村さんは昨年ハローライフの記事で紹介した岡田香南さんと一軒家に住んでいるそうで、だいたいの生活費をお聞きすると…3〜4万円という驚きの安さ!


山下さんニコ
「同じ移住者とシェアするなど、工夫すれば安くなるし、工夫しなければ無駄に高くなるのが田舎の特徴です」



移住後の仕事について。勤める? 持ち込む? 起業? 和束町でどう働くかはあなた次第。


ワヅカナジカンの時を経て、和束町雇用促進協議会に就職し、いただいた名刺の肩書きにはコミュニティーデザイナー(実践支援員)と記載されている中村さん。


中村さん
「地元の木をつかったおもちゃの商品開発をして、まちの人につくってもらったり、地域に新しい雇用を生み出そうとしています。ほかにも森林で遊びながら学ぶプログラムを企画提案して、地域の方に受け継いでもらう仕事です」




中村さんは嘱託職員。和束町に残って働く道は、役場や農家などいくつかありますが、期間の限られた仕事が多いのも現状です。期間を決めて働く道の他に、和束町で新しい仕事を始めたり、ITやデザインなど場所を選ばない仕事を持ち込むなど、あなた次第でさまざまな働き方が考えられる環境です。




関心分野は、農業。手に入れたのは、チャレンジする自信。移住しなかった濱口彩美さんの場合。


(濱口彩美さん。地元は長崎の五島列島)



濱口さんは現在28歳。大学では環境や心理学を学び、その頃のバイト先である八百屋さんで野菜のことが好きになり、野菜に触れる仕事をしようと集荷場を運営している会社に就職。その後、農業の生産についての関心が湧き、ハローライフの記事を読んでワヅカナジカンに応募しました。

こちらも前述の中村さんと同じく、男性しかいないグループに女性ひとりで入り、心細かったと言います。初日はかぶせ作業からはじまりました。


濱口さん
「2〜3日で精神的につらくなりました。農家さんとのコミュニケーションがうまくいかず、…なんというかガンガン農作業をしていくような職場でした。実はそれまでひきこもり状態だった時期もあり、人とどう接したら良いかわからずに過ごしていました。ある出来事があって、私は役に立っていないんだと勝手に思い込んでしまって。あとでそれは勘違いだと知るのですが…」


山下さんもその時のことが印象的だったようです。




山下さんニコ
「濱口さんが涙を流しながら『実はつらい』と語る様子に、どうしようかと思いました。茶農家さんって言葉が足りないこともあるんです。正直言えば別の農家さんに変更することは簡単だったのですが、ほかに移住した女性たちと相談したりしながら、『もう一回行ってみよう、ダメなら違うところを紹介するから』と提案しました」


濱口さんは吹っ切れたかのように、何かを得て帰ろうと感じたそうです。次の日に農家を訪れると、気さくに話しかけてきてくれたようで、その後何ごともなくうまくいったと言います。茶農家さんは男性が多く、女性とのコミュニケーションに慣れていない方もいることは、ここであらかじめ伝えておきたいと思います。




濱口さんニコ
「山下さんをはじめ、ワヅカナジカンを通じて移住した方など、相談できる空気が最初からあったことは良かったです。寮に帰ると『おかえり』と言ってくれる人がいて、しんどかったことやうれしかったことが共有できる仲間がいます。毎週水曜日の夜は山下さんがいろいろな人をゲストに呼んでくれていて、和束町に移住された方や、京都で面白いことをしている方と触れ合える時間がありました」。


うれしかったエピソードもたくさんいただきました。


濱口さんニコ
「茶刈機を持たせてもらったことがありました。作業を終えたあとに『これがあやみちゃんが収穫した茶葉だよ』と言って袋につめていただいたんです。それをこれまでお世話になった方々に郵送したら、『おいしかった、ありがとう』とメッセージをもらうことができて。すごくうれしかったです」




また、濱口さんは寮に帰るといろんな価値観をもった人たちが集まっていて、いろいろな考え方や生き方に触れることができて良かったと言います。


濱口さんニコ
「ワヅカナジカンの仲間には公務員を辞めてバックパッカーをしている人や、宮城県で古民家に住みながら自然農をしている人など、今まで出会わなかったような人に出会うことができました。いろんな人と話す中で、新しいことに挑戦するエネルギーをもらえたと思います」


7月にワヅカナジカンが終了したあと、濱口さんはアクティブにさまざまな地域へ動き回り、長野、和歌山、静岡の各地で農作業に関わっていきます。農業専門のアルバイトサイトではしんどいことで有名な、農業への登竜門的な場所にチャレンジしたこともあります。


濱口さんニコ
「今は気の向くまま、自分が今後やっていきたい作物や自分がやりたい栽培方法を模索していきたいと思っています。ずっと生産現場にいたい思いがあったのですが、何ごともチャレンジしてみるようになりました。一歩踏み出したことで自信がついていったと思います。これまではあまり社交的ではないほうだったのですが、自分の住む世界が広がったと思います」


その言葉に山下さんはうなずきます。




山下さんニコ
「濱口さんはすごいマイペースで、ペースを崩されるとストレスに感じている部分が見てとれたので、ちょっと苦痛を与え続けてしまったかなと思っています。うれしかったのは五島列島に行こうというツアーを当時の仲間に向けて組んでくれたことです。行ってみてめっちゃ面白かったし、海もきれいで、すごいもてなしをうけました。帰りの夜行バスの中で、地元に帰って地域を盛り上げるような仕事をしたいと言ってくれて。僕はふるさとが増えていくような気分になってうれしかったんです」。



自分が変わる、かけがえのない地方移住体験をしよう。


ワヅカナジカンは、少し変わった求人です。「地方創生」の波に乗って日本全国で企画されている移住促進政策のような「さまざまな良い条件を提案するので、わが町に移住してほしい」という地域からの願いのようなものではなく、参加する人が一歩踏み出し、受け入れ側の和束町の人たちも一歩歩み寄ることで互いがバージョンアップしていくようなプロジェクトになっています。

和束町で学んだ生き方、暮らし方、働き方を和束町に移住することでさらに深めて広げていくもよし、そこで学んだノウハウを地元に戻って広げていくもよし。

今の自分を変えたいと思っている人、農業のノウハウを身につけたい人、どこかの地域に移住を考えている人は、ぜひワヅカナジカンに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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Job description
募集職種
企業名・団体名
ワヅカナジカン援農プロジェクト2017
募集期間
2017/04/20(木)〆切
募集職種
プロジェクト参加者
(茶にかかわる生産補助業務すべて)
雇用形態
アルバイト(研修期間7稼働日)
(5月1日〜7月31日まで、共同シェアハウスでの住み込みになります)
応募資格
・未経験可
・将来、農業に従事、あるいは農山村地域での生活(田舎暮らし)を考えている方
・地域振興に興味を持っている方
・共同生活を通じた仲間作りに興味を持っている方
勤務地
京都府相楽郡和束町内の茶農家
(複数箇所の農家さんから、勤務先が決まります)
勤務時間
08:30〜18:00(休憩1時間あり)
17:00〜24:00(夜間製茶工場補助、休憩1時間あり、延長あり)
給与
時給1,000円〜
(能力・勤務時間帯により異なる。研修期間中、時給1,000円)
休日・休暇
平均週休2日(季節労働のため、連続勤務有り)
待遇
ファームステイ保険完備
(シェアハウスでの共同生活のため)
採用予定人数
20名まで
選考プロセス
① サイトからエントリー後、電話によるヒアリング。

② 現地訪問にてヒアリングと現地案内をし、最終的な意志確認をします。
※会場は原則として現地にて実施していますが、
遠方の方など、場合によっては電話でのヒアリングの場合もあります。
※現地訪問時に履歴書をご用意ください。

③ プロジェクト申込書を記入して、申込完了

④ 4月29日~30日 現地入り

⑤ 5月1日よりプロジェクトスタート!!
応募者への質問
1】このプロジェクトを選んだ理由
2】将来の夢はありますか?あればご自由にお書きください。
WEBサイト
http://youandvillage.wixsite.com/wazukanajikan
メッセージ
強いやる気のある方を募集しております。
また、未経験者でも大丈夫ですよ!
一緒に成長していきましょう。
ご応募おまちしています!