※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください
すみずみに潜む、モダンな日本美
CHASHITSU for workerのお店に足を踏み入れると、
まずインパクトのある店舗フォルムに驚かされる。
鉄と畳で構成されたキューブ型ブースには、
茶釜・柄杓・急須・生花など茶室を連想させる用具が並んでいる。
ブースに常駐するスタッフは着物のディテールを模したブラウスに、足袋型のシューズ。
和モダンな印象の制服を身にまとい、茶釜から柄杓でゆっくりとお湯を汲む。
1杯ずつ丁寧にお茶を淹れる所作を見ていると、
慌ただしい都会の真ん中にいることを忘れそうになる。
注文したお茶を受け取るとき、背景に靭公園の自然が大きな窓越しに飛び込んでくるのも、
茶室の露地(庭園)を連想させるデザイナーのこだわりが光っている。
「公園の自然を一枚の絵画のようにみせたくて、一枚ガラスにこだわった」そうだ。
現在提供しているお茶は18種類。
日本茶以外にもハーブティーも含まれており、中にはその昔天皇に献上されていたお茶や、
“幻のお茶”と呼ばれるような希少価値の高いお茶も扱っている。
和菓子やおむすびもラインアップ。
仕事につきものの疲れやモヤモヤを癒やす“効果”が、商品ひとつひとつに込められており、
注文に迷うお客さんにはスタッフが気分や体調を聞いてぴったりのものをおすすめしてくれる。
「体に倦怠感があるときは抹茶や黒豆が入ったお茶を」
「長時間集中したいときは、時間によって味わいの変わるお茶を」など、
まさに働く人たちの心に寄り添い“痒いところに手が届く”そんな気配りがなされた商品展開。
フードの原材料や卸元も、
生産者と顔を合わせ自信を持ってお客さんに提供できるものを選んでいる。
これまたおもしろいのが、忙しいワーカーたちがお茶をテイクアウトできるように
陶器ではなく専用カップで提供されている。
380円~450円という価格で本格的なお茶を楽しむことができるので、
テイクアウト=コーヒーという今までの概念から一歩進んで、
新たなテイクアウトのカタチをバリエーション豊かに楽しみたい
という人にとってはなんとも嬉しい。
モダンな日本美にこだわりつつも、
“日本茶版スターバックス”のようなカジュアル感がこれまでになかった店を完成させている。
「接客はお客様ひとりひとりに対してオーダーメイド」と話すのは、スタッフの中尾一也さん。
大手のカフェや飲食店で働いた経験を生かして昨年夏に入社。現在は日々の営業から、
商品開発における外部折衝など幅広い業務を担っている。
まずは日々の日常業務について、その働き方を聞いた。
「朝出勤の場合は9時に出社。まず店の前の掃除と仕込みを始めます。
それから、あらかじめラテ系の商品用にお茶を煮詰めないといけないので
朝からとてもいい香りに包まれて仕事をしています。
ランチの時間に合わせてお茶とおむすびのセットメニューを販売しているので、
お米を炊いたりにぎったり、パッケージするのも午前中です。
割とバタバタしていますが、仕事自体は毎日決まった内容なので
一度覚えて慣れていけばこなしていけるんじゃないかな。
閉店時は、茶器の片付け、レジ閉め、翌日分の仕込み、カフェスペースの掃除など
飲食店に必要な基本的な作業になります。
必要なものの発注は適宜、定期的に運営会議を自分たちで設けて、
業務の改善や相談事項などを話し合っています。」
聞くところによると、“マメな人”が向いている仕事だそう。
繊細な茶器や商品を扱うだけあって、
常に清潔な環境で丁寧な仕事ができることが大事だそうだが、
その心得はコミュニケーションの部分でも求められる。
「お客様がお店に入ってきたら、まず察する・空気を読むということを心がけています。
それから対応する・提案する。どの飲食店でもそうかもしれませんが、
ここが日本の茶室をコンセプトにしていることからも、押し売りにならずひとりひとりに合わせたおもてなしの気持ちを常に意識することが一番大切なんじゃないかな。」
常に察し、空気を読む。
そんなひとりひとりに優しく向き合う姿勢は、自身の働き方にも影響している。
「将来は、お店で出す商品の生産部分にもっと身を置きたいと最近感じています。
農家さんや専門家の方との関係の中で今は商品を仕入れていますが、
たとえば自分たちの手でお茶の葉を育てたり…
そんなことができたら、よりお客さんへの対応や提案が
“もっと自分の心の深いところから出てくるもの”になるんじゃないかと思っています。」
CHASHITSU for workerが具現化する日本美は、
店舗のしつらえだけではなく、気持ちや精神の部分にも表れている。
「for worker」である意味
CHASHITSU for workerは、
「職業安定所」の機能をもつ仕事ライブラリー「ハローライフ」の中に入っているショップインショップ形態の店だ。
ハローライフは、それぞれフロアごとに機能をもっており、
1F日本茶カフェ「CHASHITSU for worker」
2F 仕事探しに関する総合窓口「WORK INFORMATION」
3Fイベントスペース「GALLERY&EVENT SPACE」
4F製造&中間的就労「CHASHITSU factory」となっている。
館内はwi-fi・電源完備。
カフェには「働く・仕事」に関する雑誌や専門書が200冊以上揃い、
お茶や本はどのフロアでも持ち運び自由だ。
館内には、ノマドワークや打合せスペースとして活用する人の姿も。
もちろんカフェのみの利用も歓迎で、一般客を巻き込みながら、
日常に溶け込む“働く・仕事の情報発信基地となっている。
ハローライフには、サラリーマンやOLの他に、
転職を考えている人、仕事を探している若者、
家庭と職場以外のサードプレイスとしてイベントやプログラムに参加する人など、
さまざまな人が集まってくる。
共通するのは「働く」「仕事」に関するさまざまな情報にアンテナを張っているというところ。
ハローライフとCHASHITSU for workerの関係性について、
統括責任者の塩山諒さんに話を聞いた。
「昨年の5月に、このハローライフとCHASHITSU for workerを同時にオープンさせました。
ハローライフは、「働く」「仕事」に関する情報やサービスを提供する総合施設。
ぼくたちの会社で、行政から委託を受けて若者の就労支援事業を実施していたことがきっかけになって、自分たちで理想の就労支援施設をつくってしまおう!と構想がスタートして…
かなり気合いをいれてつくってしまいました(笑)」
理想の施設の構想の中に「カフェ機能が必要だ」と考えた塩山さん。
「散歩途中や通りすがりでという理由だけでカフェを気軽に利用する中で、
世の中にある「仕事」や「働く」に関する
いろんな人の考えや問題に触れてもらえると思いました。
そしてもちろんハローライフを利用する求職中の方や
ノマドワークに来られた方に、
肩の力を抜いてほっと一息つける時間やコミュニティをつくる必要性も感じました。
workerという言葉は、単純にお仕事中の方以外にも、お仕事“探し中の方“など、
広い意味でぼくたちは捉えています。」
最近、自分の働き方や仕事を考えたり見つめ直す社会的な風潮が強くなってきている。
自分に合ったよりよい働き方を自分で自由につくっていくことができる一方、
体を壊して働けなくなったりリストラが他人ごとでなくなったりと
「仕事」や「働く」に関する社会の問題が、もしかしたら明日自分に起こりえるとも言える。
だれもがどこかで考えないといけない普遍的なテーマが、ハローライフには込められている。
CHASHITSU for workerが目指す未来と求める人物像は?
「労働や雇用の問題に取り組む組織が展開しているお店ということだけあって、
CHASHITSU for workerのゴールは他の飲食店とは違う独自のものがあります。
それは、この場所があらゆる人の雇用をうむ場所になること。
CHASHITSU for workerでずっと働き続けることができる人が生まれるのはもちろん、
この場所がひとつのキャリアアップの機会になって他の会社で活躍できる人が生まれたり…
そのためには、純粋に売れるものをつくって売上もあげないといけないし
店舗拡大もどんどん攻めて仕掛けていかないといけない。注目もされないといけない。
まだまだそこに追いついていないというのが現状です。
今回募集しているアルバイト枠は、お店での接客がメイン。
お客様から注文を聞いてお茶をつくるまでの一通りの作業から
社員スタッフが行なう商品開発の補助に関わってもらうことも。
また、CHASHTSU for workerはカフェとして利用するお客様だけでなく、
2FのWORK INFORMATIONを訪ねて来られる方や3Fのイベントに参加される方、
ハローライフのパートナー団体など、様々な方が来られます。
ハローライフの入り口に位置する役割として、
誰に対しても気持ちの良いコミュニケーションをとることは大事な仕事のひとつですね。
CHASHITSU for workerを一緒に育てていくような感覚で、
前向きに考え、行動してくれる人と一緒に働きたいです。」
CHASHITSU for workerで販売中のお菓子「OHAGI BURGER」は
ハローライフ4F「CHASHITSU factory」と呼ばれる小さな工場で製造されている。
そこでは、一般の会社で就職する前に働く自信を身につけたいと考える人が、実践的な力をつける場として機能し、指導、教育係としてカフェの社員スタッフが携わっている。
飲食分野のみならず、雇用や就労支援などの分野に興味をもつ人にとっても、
とても刺激的で学びのある職場であることは間違いない。
柔軟になんでも挑戦する。
ハローライフやCHASHITSU for workerを運営するスマスタ(NPO法人スマイルスタイル)は、
社員・非常勤含め19名で構成されている。
昨年は、高校生向けキャリア教育事業を展開する宮城県石巻市にも拠点を構え、
スタッフが常駐するようになった。
男女比は半々で、平均年齢は26歳。スタッフは互いをニックネームで呼び合う。
他の会社と比べると比較的スタッフ同士の関係性はフラットと言えるのではないだろうか。
「何かを始めようとして構想が生まれてから、
それが実行されていくスピードが早いと言われることが多いですね。
プロジェクトの核となる部分や何かを決定するスタッフがみんなと近いところにいる分、
柔軟性もあると思います。
最初はこう進んでいたのに、しばらくしてから方向転換…なんてこともたくさんあるのですが、
それは世の中が変わっていくスピードが早い分、求められるものもどんどん変化していくから。
次から次へもっといいアイデアが出てきて、これもやってみよう!となることもザラにある。
自分たちがつくっていくものを常にアップデートしていくというような感覚がないと、
肌に合わない職場かもしれません。」
CHASHITSU for workerの店舗展開に関しても、ひとつの場所にとどまる形態をよしとしない。
その昔、持ち運び可能なモバイル茶室が存在したように、
このキューブ型ブースがあらゆる場所に現れるような店舗展開もイメージしてつくられている。
「今は靭公園が茶室から見える景色になっているけど、
駅や商業施設が茶室の周りの景色になるとおもしろい。
駅の真ん中にあのキューブ型ブースがどかんと現れたらと考えるとワクワクします。
期間限定で出没したり2店目展開できるように企画を考えている最中です。」
その他、イベントでのケータリングで小型版のブースをつくって出店したりすることも。
やはり、どのイベントでも本格的な茶器をつかった商品提供や
CHASHITSU for workerならではの空間づくりは好評だと言う。
最後にお仕事探し中の方に向けてメッセージを。
「お客さんに、おいしいお茶やフードを提供するという日常の業務だけでなく、
専門家や職人・生産者・さまざまな分野の方々と関係性をつくりながら
お店全体を育てていくという総合的な仕事である分、
チャレンジや冒険が好きな人にとってとても楽しめる環境だと思います。
CHASHITSU for workerの目指す未来に共感してもらえたら、ぜひエントリーしてくださいね。」
関連記事:自分のパワーを、ソーシャルデザインに注ぐ。
(取材:田川香絵 撮影:箭野美里 コーディネーター:田川香絵)
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- NPO法人HELLOlife(旧・NPO法人スマイルスタイル)
- 募集期間
- 2015/2/23(月) 18:00 〆切
それ以降の募集につきましては随時こちらのサイトにてお知らせさせていただきます。
- 募集業種
- ・アルバイト
CHASHITSU for workerの通常営業業務(仕込み・接客・仕入れ・経理等)
お客様とのコミュニケーションを大切にしながら、日本茶を中心とした各種ドリンク作成、おはぎバーガーを始めとしたオリジナル和菓子や、スープ・おむすびなどランチセットの商品販売などを担います。
- 雇用形態
- アルバイト
- 応募資格
- 問いません。
- 勤務地
- 大阪市西区
- 勤務時間
- 9:00〜18:00の間で4〜8時間の勤務を予定
- 給与
- 時給850円(3ヶ月間の試用期間あり・ その後の雇用に関しては要相談)
- 休日・休暇
- シフト制
- 待遇
- 面接の上、能力・経験・前職を考慮し優遇します。 社保完備
- 交通費
- 一部支給(上限あり)
- 採用予定人数
- 若干名
- 選考プロセス
- まずは、履歴書と自分シート(下よりダウンロードしてください。)
個人作品(あれば)を本社までご郵送ください。
※お送り頂いた履歴書・作品等はお返ししておりません。
自分シートダウンロード:http://smilestyle.jp/recruit2014/sheet.pdf
送付先:〒550-0004 大阪府大阪市西区靭本町1-16-14
応募締め切り:2015年2月23日(月)18:00まで 必着
※それ以降の募集については随時お知らせ致します。
1)書類審査後、通過者の皆様にのみご連絡させていただきます。(1週間以内)
2)面談日時を相談の上、決定。
3)一次面談を実施します。(2月24日〜3月2日)
4)面談の結果を全ての方にお知らせ致します。採用が決定します。
5)勤務開始(相談の上、決定)
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