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その言葉の響きに憧れはするものの、どうも敷居の高そうな「職人」の世界。
しかし、様々な機械部品を製造する町工場が多い大阪は、
今からでもその世界に飛び込むチャンスが少なくない場所なのだ。
今年で創業40周年を迎えた「上原発條工業所」も、
そんな未来の職人を求めている会社の1つ。
大型機械から日常使いの小物まで、様々な場面で使われるバネの受注を請け負っている。
機械の大量生産ではなく、すべて職人たちが1つ1つ手作業で作ったバネは、
強度も精度も信頼がおけると評判だ。
現在、バネ作りのための社員を募集している、
上原発條工業所の2代目社長・上原健司さんから
仕事内容や、求める人材についてうかがってきた。
手作りバネの技を伝えていく。
「よくニュースなどで報じられている通り、
確かに今は小さな町工場には、なかなか厳しい時代です。
でも機械ではできない作業はまだまだ多いし、こういう職人技はこれから先も需要があるはず。
その手作りの技を伝えていきたいんです」と語る上原さん。
いかにも“大阪の町工場の社長さん”という感じの、気さくな雰囲気で対応してくれた。
上原発條工業所は、淀川沿いの築50年の町家の1階で、従業員4人が働く小さな工場。
すぐ近くには、上原さんの弟が責任者を務める第2工場(こちらも従業員は2名)がある。
中には最新鋭…というよりは、懐かしさを感じさせる手動の機械が多く、
古き良き昭和の工場という雰囲気だ。
そして、会社の中のそこかしこに、ケースに入ったいろいろな形のばね、バネ…。
「常に決まった形のバネを作るのではなく、注文に合わせてカスタムメイドする感じなので、
全部で何種類のバネを作っているのかは、はっきりわからないんですよ。
だいたい、100~200種類ぐらいはあるんじゃないでしょうか」
確かに子どもの腕ぐらいはありそうなゴツいバネから、
小指の先ぐらいの小さなものまで、形状も円錐形や板状まで様々。
中でも、日本で生産されている掘削機用のバネは、
なんと全メーカーのものを上原発條工業所が製作しているそうだ。
これは隠れた日本一の企業、と言えるかもしれない。
「最近は会社のHPを見て、個人で発注する人も増えてきました。
どこもやってくれないからと、
北海道の車屋さんから部品の注文をもらったこともありますし、
パラリンピックのスキー競技の人から、
ストックのクッションとなるバネをお願いされたこともありますよ。
そういう今までにないバネを考えて、作る機会があることも、
この仕事の楽しさの1つだと思います」
ノルマよりも優先すること。
バネ作りの行程は、
まずクライアントから、どのようなバネを求めているかを確認するところから始まる。
使用方法、必要となるバネの応力(跳ね返る力)、
収めるスペースの大きさなどをうかがった上で、形状や寸法などを計算。
さらに環境条件(風雨にさらされるか否かなど)に応じて、
使用する材質や表面処理の有無を決めるなど、
クライアントの理想に限りなく近いバネの形を探っていく。
「昔はこの計算も電卓でやっていたそうですが、
今はPCのソフトですぐ計算できるんですよ。
だから物理や数学などの知識は、特になくても大丈夫です」
こうして作るバネが決まると、職人たちの出番だ。
ワイヤーを切り出し、それを機械に巻きつけてどんどんバネを作っていく。
このワイヤーも、ピアノ線のような極細のものから、直径1cmはありそうなケーブルもあり。
材質も、ステンレスや鋼や銅など様々だ。
その後は余分なワイヤーのカットや、熱処理、グラインダーでの表面処理、最後の微調整まで、
バネの1つ1つに手作業をほどこしていく。
最後に検品専用の機械にかけ、応力等に問題がなければ出荷となる。
「うちの会社では、1日のノルマというものをもうけていません。
もちろん納期は考えてもらわないといけないけど、
基本的に自分のペースで働けるようにしています。
急かせるといい物ができないし、かえってお客様に迷惑がかかりますからね。
品質重視で、自分が納得いくようにやってもらいたいんですよ」
任されるから楽しい。
従業員の中でも最若手となる松森駿さんは、まだ19歳。
高校生の頃からアルバイトで工場に出入りするようになり、バネ作りに魅了されて、卒業と同時に入社した。
キャリアとしては2年目とはいえ、この年齢で作業の全行程を任されている。
「昔から物作りが好きだったんです。
最初はバネを箱に詰めるとかの地味な作業ばかりで、
正直、3ヶ月目ぐらいには飽きが来たりしました(笑)。
でもだんだん任される作業が増えてきて、それが自力でやれるようになってくると、どんどん仕事が楽しくなりましたね」
趣味のバイクのプレートに付けているバネも、実は松森さんが仕事の合間に作ったもの。
自分の理想を形にしていけることが、楽しくて仕方がない様子だ。
今は社長から直々に、一から手で巻いて作るバネの技術を教えてもらっている最中だという。
1~2個の注文だと機械を使わずとも、手作業の方が早いそう。
「なかなか社長のようには上手くできないけど、今はバネ作りの作業全部が面白い。
グラインダーの火花でやけどしたりとか、小さな危険は多いけど、
最後の検品でバッチリの数値が出た時は、そのたびに嬉しくなりますね。
辛いのは、朝が早い(始業は8時半)ことぐらいです(笑)」
自由で家庭的な環境で物作りを。
現在求めているのは、コイルバネを作る第1工場の作業員(1週間~1ヶ月の研修期間あり)。
たまに、板状バネを作る第2工場での補助作業が入ることも。
重い物を運ぶなどの力仕事が多いので、男性の方が望ましいが、女性も相談に応じるそうだ。
経験や専門知識は特に必要ないが、やはりある程度、手先が器用な人が理想的だという。
「そう言いながら、僕も結構不器用でしたけど(笑)。
でも、コンマ何mmの世界だから、集中力や粘り強さは必要ですね。
あと、これからの季節は、機械の熱がこもって暑くなるのも大変です。
自分のペースで、ある程度時間をかけて仕事ができるのは、
マイペースな人には向いていると思うし、髪型なども自由。
それにたとえば、うちはマンホールの蓋につけるバネも受注してるんですが、
マンホールを見るたびに“うちの作ったバネが役に立ってるな”と(笑)。
それは物作りをしている人間ならではの、わかりやすいやりがいかもしれませんね」
上原発條工業所では、集中力の維持のために、
お昼休憩とは別に1日2回、15分程度の休憩が入る。
その時間になると社長の奥様が、母親のようにコーヒーのカップを配って回るのが、
家族経営の工場ならではの光景だ。
冬になると、熱処理用の機械で作った焼き芋がふるまわれることもあるとか!
「低温でじっくり熱が通るから、美味しく焼きあがるんですよ」と笑う姿に、
昔ながらの日本の職人たちの、温かな世界を見たような気がした。
(2013/6/11 文:吉永美和子 写真:倉科直弘 コーディネーター:辻かおり)
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- 有限会社 上原発條工業所
- 募集期間
- 採用が決まるまで
- 募集業種
- 各種バネの製造 機械操作でバネ巻取、研磨、プレス等
- 雇用形態
- まずはアルバイトから
- 応募資格
- 特にありませんが体力のある人
- 勤務地
- 大阪市福島区海老江8-15-17
- 勤務時間
- 8:30〜17:30(昼休憩1時間)
- 給与
- 800円〜/時間(経験、能力に応じる)
- 休日・休暇
- 土、日、祝日、GW、盆休み、年末年始
- 待遇
- 交通費上限10,000円
- 採用予定人数
- 若干名
- 選考プロセス
- このサイトからエントリー
- 応募者への質問
- ・ネコ好きですか?
・子どもの時からプラモデル作りや図工は好きでしたか?
- webサイト
- http://ueharaspring.com/
- メッセージ
- ものづくりが好きな人、お待ちしております
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