※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください
もなかや上生菓子など、クラシカルな和菓子を大切に作り伝えながらも、
小さな虎目のどら焼きに、
ラムレーズンあんや柚子あんを塗っていただく「手づくり ことらやき」など、
モダンな和菓子作りにも挑む。
創業126年。
伝統を受け継ぐ一方で、和菓子の新たな可能性を模索し、
おいしいだけでなく、たのしく、味わい深い和菓子を生みだしたいと
五代目・竹本洋平さんや職人たちが奮闘する本社・工場が西宮にある。
大阪から西宮へ
「髙山堂」は、明治20年、大阪市東区(現・中央区)の平野町にて、
たまご生地に粒あんを巻いた「あんまき」というシンプルなお菓子を
メインで実演販売する和菓子店としてはじまった。
大正7年には、二代目・竹本熊治が京町堀(大阪市西区)にて
粟おこしの専門店を出店。
粟おこしの髙山堂として、商人の町・大阪で名を馳せるも、
大戦末期の大空襲を受け、平野町の本店とともに全焼。
しかし当時、栗おこしが大阪名物として定着していたため、
粟おこしの髙山堂だけが、戦後、庶民の需要に応えるように復活した。
その後、大阪万博に直営店を出店するなど大躍進を果たしながらも
時代を経て変化し続けるニーズを敏感にとらえ、
再度、創業当時の想いを胸に、和菓子専門の髙山堂として再スタートすることに。
四代目が果たした方向転換を引き継ぎ、
現在、五代目として髙山堂を牽引するのが竹本洋平さんだ。
「昭和の終わり頃の大阪には、粟おこしのメーカーがたくさんあったんですね
それでいて、粟おこしを食べる方は少なくなっていた。
そこで父が、このままでは継続が難しいと、
創業当時の和菓子の髙山堂のスタイルにシフトしました。
再出発するにあたって、昭和62年、
はじめて和菓子専門店として店舗を構えたのが兵庫県の西宮でした。
というのも、長年、大阪で商売を続けてきて、
髙山堂=粟おこしという定着したイメージを払拭させたかったんです。
粟おこしは長持ちするうえ、製造も比較的簡単です。
おこし屋が作った和菓子というと、繊細さに欠けると思われてしまうんじゃないかと。
もちろん、うちとしてはゼロからスタートしなくちゃいけないので本気だった。
そういう態度を示すためにも、拠点を西宮に移したんです」
モダニズムが生きた和菓子
「もともと和菓子屋だったとはいえ、
一度は途絶えた経緯があるので、和菓子一筋のお店に比べると後発。
なので、後追いしてもかなわない。
そこでうちは、オーセンティックな和も踏まえつつ、モダンな和を提案していこうと」
正調でベーシックな和ではなく、モダンな和。
これは、工場を構える西宮=阪神間の土地柄にも通じる感覚で、
髙山堂の和菓子はそんな阪神間らしい気風を感じさせるものが少なくない。
代表銘菓「スウィートまーめいど」は、ヨットを表す楕円形の洋風まんじゅう
表面に描いた一本の線は、ヨットの行く手に伸びる水平線。
1962年、単独太平洋横断渡航を成しとげた堀江謙一さんの愛艇・マーメイド号、
その母港である西宮ヨットハーバーをイメージした、地元ならではの和菓子だ。
「できるだけシンプルでおいしいもの
それに削ぎ落としたデザインを添えてお届けしたいと思っています。
若い方にも興味を持っていただけるように、意識はしています。
ですが、従来の和菓子を好まれる40~50代のお客様にも愛されたいという想いもあって。
その点は、いまも模索をしているところですね」
機械で作る和菓子と手仕事の和菓子
今回、求人募集するのは、
本社工場での和菓子製造がメインとなる社員。
髙山堂のお菓子には、
手仕事による上生菓子や薯蕷(じょうよう)饅頭といった王道の和菓子もあるけれど、
直営店のみならず、百貨店やキヨスクなどへも出荷される
代表銘菓「スウィートまーめいど」など、
約15種の定番ものは、機械で製造されるものが多い。
「機械であっても、毎日同じ分量、同じ作業を繰り返したところで、 完璧にはいかない。
何年やってもまだまだ。終わりがないぞって思わされるところが面白い」
そう話すのは、製造歴20年の田原英幸さん。
「機械にかけると、たとえば生地とあんこのバランスや硬さが、
手作業で仕上げる状態と同じではなくなってしまう。
そのときの温度や湿度を意識して、微妙に調整しないといけない。
これは経験で、カラダで覚える必要があって、
その点では上生菓子と同じ。機械だから誰だってできる、という訳でもなくって」
機械作業と言えども、このストイックな仕事があるからこそ、銘菓が生まれる。
工場内のスタッフは、約20人。
焼きまんじゅう、大福、みかさ(どら焼き)など、
各セクションに数名のスタッフが入り、
製造、製造補助、箱詰め、検品など、担当別に動く。
高齢のベテラン職人が集うピリリとした現場かと思っていたけれど、
実際は若いスタッフ、なかでも女性が多くて
雰囲気的はとても穏やか。
それでいてスタッフの動きにはキレがあり、
抜群のチームワークで続々とお菓子を仕上げていく。
機械製造は、スタッフ同士の呼吸を合わせることが大切になる。
一方、ひとりの手仕事で仕上げるお菓子は、
すべてを均一に仕上げなければいけないという、ストイックな職人仕事だ。
「たとえば上生菓子は、ちょっとした力加減で形が変わってしまう。
10個作るなら、10個とも、形も大きさも全部同じにしないといけない。
そこが難しいですね。毎日やっていても、いまだに失敗することがある」
と、田原さん。
新人スタッフは、機械での製造を覚えることはもちろん、
やる気さえあれば、上生菓子作りなどを担当するチャンスもあるという。
先輩職人に教わりながら、自分の手で和菓子を作るおもしろさを体感できる。
「和菓子といえば、クラシカルで職人的な世界で、
自由に創作することは許されない、と思われるかもしれません。
確かに、学ばなければいけないことやルールはあります。
だけど、うちはそれだけではなくて、
和菓子業界を変えてやろう!というくらいの心意気を持って、
自らのアイデアをぶつけてくれる人にこそ、来てほしい」と、竹本さん。
資格や経験は、なくても問題はない。
手仕事や、もの作りの世界に飛び込みたい人にとって、
ここは、絶好の職場かもしれない。
やっぱり好きじゃないと
竹本さん曰く、新しいスタッフに求めるのは
知識や経験ではなく、前向きなこと。
「うちは、お客様から急な注文が入るなど、予定していないことがたくさん起こりうるし、
ときには別注で、こんなお菓子を作って欲しいという依頼が入ることもある 。
そういったときに『えぇ~』ってネガティブな気持ちで取り組むよりは、
フレキシブルに対応して楽しんでやってほしい」
「経営者の勝手ですけど…」と恐縮する竹本さんだが、
何より大事なことは「お菓子が好きなこと」だと言う。
「やっぱり、好きじゃないと作れないと思う。
お菓子作りは作業じゃなくて、気持ちを込めてする仕事なので。
配合表や工程表を見て、たんたんと、味見もせず、
興味もない感じで作られては、うちが伝えたいお菓子の魅力が伝わらない。
たとえば、
ハレの日やお悔やみごとのときに使っていただくことが多い、薯蕷(じょうよう)饅頭。
とてもシンプルなお饅頭ですが、そういうものほど奥が深く本質的です。
だけど、このお菓子は、人生の大事な場面で使っていただくもの。
もらうだけじゃなくて、それを家族と一緒に食べたとか、
そういった思い出を作るお菓子でもある。
だからこそ、うちは、素材を丁寧に選んで、想いを込めて作りたい。
そういう気持ちを同じように持てる人、それでいて、
毎日、工場で作ってるものを食べたくてしょうがない! と思うくらい
和菓子が好きな方がいいですね」
(2013/5/28 文:村田恵里佳 写真:倉科直弘 コーディネーター:喜多舞衣)
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- 株式会社 髙山堂
- 募集期間
- 2013年11月1日(金)~2013年11月30日(土) ※それ以降の募集については、随時お知らせ致します。
- 募集業種
- 和菓子の製造に関する全て
和菓子の製造、製造補助、包装、検品、開発、開発補助、機械の清掃、メンテナンス、衛生管理、品質管理など
- 雇用形態
- 嘱託社員(契約社員)
- 応募資格
- 短大卒以上
- 勤務地
- 本社工場(西宮市鳴尾浜2丁目1-26)
- 勤務時間
- 8:30~17:30
- 給与
- 月給 175,600円~(経験により考慮あり)
(日給7,800×22日+皆勤手当4,000円)
- 休日・休暇
- 年105日(前年実績)
- 待遇
- 交通費支給(上限20,000円/月)
各種保険(雇用・労災・健康・厚生・厚生年金)
- 選考プロセス
- 本サイトよりエントリー
↓
担当者よりご連絡させていただきます。
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履歴書郵送
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書類選考
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面接
↓
(二次面接)
↓
採用 となります。
- 応募者への質問
- ・お菓子に対する想い(和洋問わず)
・自身の前向きエピソード
- webサイト
- www.takayamado.com
- メッセージ
- 和菓子が好きで、前向きな方ならどなたでも歓迎。ぜひチャレンジしてください!
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