※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください
NPO法人アミティエ・スポーツクラブ(以下「アミティエ」)は、
兵庫、大阪、京都、滋賀などの会場で6,000人以上の子どもたちにスポーツを教えています。
今日は、ここで働くスタッフさんの募集。
仕事をしながら、サッカー、野球、卓球の先生もする、
アミティエのみなさんの働き方をご紹介します!
Prologue 部室へようこそ。
神戸市東灘区魚崎。酒屋さんの大きな工場のそばに、アミティエの神戸事務所があります。
中に入ると、ユニフォーム姿の人たちがパソコンに向かっていて、
壁面には新規入会数のグラフや今月の行動目標がびっしりと貼られています。
はさみやホチキスなど備品を戻す位置も決められていて、管理の行き届いた印象を受けました。
事務所のそばにある小部屋で、スタッフのみなさんにインタビューをさせていただきました。
自己紹介からはじまり、仕事の内容をたずねて、
という順序で進めていったのですが、ヒジョーに落ち着かない。
なぜなら、入口が全開になっているから。
部屋の前を通るスタッフさんが口々に
「おつかれさまです!」「会議ですか〜?」とこちらに声をかけて、
中にいる人がそれに応じて、というやりとりが続きました。
あっ、また、ユニフォーム姿の青年が通りかかりました。
理事の松本尚也さんがすかさず声をかけます。
松本さん
「ここに来てしゃべれ」
通りすがりの人1
「えっ?僕すか。えっ?えっ?」
松本さん
「元京都サンガユースのキャプテン。
いま、うちのトップチームのコーチをされている
サッカーエリートの塚原さんです」
そこにもう一人、通りがかる。
松本さん
「おいっす!」
通りすがりの人2
「おつかれーす。え、会議なんですか?会議すか」
塚原さん
「会議です。ちょっと、邪魔するのやめてください。パンチ!」
(そして、通りすがりの人2、逃げていく)
周りの人
「ふふふふ(笑)」
わけが分からない。でも、とってもたのしそう。
そんなふうにして、急遽インタビューに加わることになった
塚原真也さんは、いま、神戸支部の責任者をされています。
主な仕事は、どうしたら支部の生徒数が増えるかを考えて実行することと、
スタッフたちの社会人サッカーチーム
「アミティエSC」のコーチとして技術指導をすること。
塚原さん
「主には、これ、これ、これがしたいんですけど」
これ、と言っているのは、サッカーチームのほう。
(ちなみにアミティエSCは、天皇杯に出るくらいのすごーく強いチームらしいです。)
塚原さん
「これにずっと関わりたいんですけど、
ここをやるためには、そのお月謝が…えっ、こんな話でいいんですか?」
松本さん
「いいっすよ」
塚原さん
「リアルにお金が必要になってくるんで、
生徒を増やすところにも携わるのが必要なんです」
大好きなサッカーにずっと関わるために、
子どもの入会を増やして収入を上げる。
塚原さんのように、アミティエのスタッフは、
みんなアスリートとビジネスパーソンの両面を持っています。
塚原さんは、職場についてこんなふうに話してくれました。
塚原さん
「事務所で横の人としゃべってるときに、
他の人から『あれ、どうやってんのー?』みたいな感じで止められたり、
僕らが練習終わって帰ってきてうるさくなったり、
あとはいたずら好きな人が多いんで仕事すすまんかったり。
だから、にぎやか。
いい意味でにぎやかで、悪い意味で気が散る。邪魔者が多い」
そこに、松本さんが加わります。
松本さん
「会社自体がよくも悪くも部室みたいな」
塚原さん
「と言いますと?」
松本さん
「ん?と言いますと?
部室と言いますと、やっぱりワイワイ、みんなで、楽しく。
仕事もちゃんとやらなあかんけど、みんな仲良しみたいな。
おんなじサッカー好きとかスポーツ好きが集まってる仲間なんで、
ワイワイ楽しく、年齢関係なく、プライベートでも遊んだりしますし、
っていうのはいいところ。
で、それを引きずってしまって仕事してしまうときもあるんで、
それが悪いとこですね」
部室、なるほどなー、と思いました。
この小部屋は、会議室じゃなくて部室なんだ。
そう思った瞬間、入口が開いていることが気にならなくなりました。
体が場所になじんだ、という感じ。
そうして、僕たちはアミティエの部室に迎えてもらうことができたのでした。
STORY1 「肉まん、どうや?」
アミティエは、2002年にこの魚崎の事務所からはじまりました。
先に登場した松本さんは、そのときの立ち上げメンバーです。
松本さん
「僕、この仕事やるまで、もうほんといろんな仕事やってきとって、
美容師やったし、夜の町でも働いたし、
記事に載せられん仕事もちょっとしたし、いろいろ飲食店でも働いたし。
でも、うちの代表が前職の先輩で、ここを立ち上げるっていうときに、
まだ若かったんで、ちょっと好きなことやりたいなあ、
サッカー好きやし、子ども好きやし、サッカーでメシ食えたらいいなあみたいな。
そんな感じで立ち上げちょっと手伝っとって、そのままずっといますね」
そうして松本さんたちは、NPO法人アミティエ・スポーツクラブを立ち上げ、
10年間で会員数6,000名、社員数97名にまで成長させてきました。
柏木正行さんは、立ち上げ当初のアミティエに入ったメンバーです。
入社九年目の現在は、ユニフォームなどの備品管理をしながら卓球教室の先生をしています。
彼は、こんな流れでアミティエに入りました。
柏木さん
「それまでの仕事は転勤が多くって、
ちょっと神戸に戻ってきたいなと思って仕事を探してたときに
『サッカーはじめてでもいいですよ。
子どもが大好きであれば来てくださいね』
っていうアミティエのアルバイト募集をみました。
で、面接に来てみたら『君の力が必要だ』っていうようなことを言われました。
やっぱりそういうのを聴くと『よしっ!』ってなりますよね。
それはきっかけではありますね」
「よしっ!」と入社した柏木さんに仕事を教えたのが、松本さんなのだとか。
柏木さん
「ずーっと、もう活動もスクールもずっといっしょに行ってて。
夏場は、いっしょに活動して汗いっぱい流して、
アイスクリーム、ガリガリ君をいつもおごってくれるんですね。
で、また寒くなった冬場には
『今日も頑張ったし、肉まん、どうや』みたいな感じで。
そういうなんかアットホームな感じがすごくよくって、
ずーっと続いてこれてるっていうのがありますね」
このとき、当の松本さんは電話に出るため席を外していて、
戻ってくるなり、こう言いました。
松本さん
「みなさま」
全員
「はい」
松本さん
「コーヒー、お茶、どうですか?」
わ、すごい偶然。
塚原さん
「あっ、じゃあ、あの、フルーツのやつ、トロピカーナ」
松本さん
「トロピ、トロピ、トロピーなんたらでいいですか、みなさん」
全員
「はーい(笑)」
松本さん
「トロピなんとかで、トロピなんとかで、わかりました」
と言って、松本さんはジュースを買いに走っていきました。
肉まんの話を聴いてすぐにこんなやりとりがあって、
柏木さんのいうアットホームさを感じられました。
たしかに、あったかかった。とても不思議でうれしい出来事でした。
STORY2 楽しいが勝つから。
ワイワイと楽しい部室でトロピなんとかを飲みながら、
僕は事務所の壁いっぱいに貼られていたグラフを思い出していました。
いまの部室の雰囲気にそぐわないあのグラフ。
スポーツとビジネスの温度差。
そのビジネスのほうの話を聴いてみたいと思って、塚原さんに尋ねてみました。
塚原さん
「僕に関しては、生徒数が増えた減ったで給料が五万と変わってくるんですよ。
めっちゃシビアです。
例えば、僕、西宮、芦屋で担当してるんですけど、
もう一人が三宮の担当やったら、この人よりも増やさないとダメなんです。
で、それが神戸だけじゃなくて大阪にも勝たなあかんし、京都にも勝たなあかんし、
七支部あるんですけど、百人ぐらいいる中の一番にならんと給料あがらん」
勝たなあかん。
塚原さん
「でー、それ上げるためには、他の人よりもチラシ配らなあかんし、
チラシ配るにしても効率よくやらなあかんし、
その効率よくするために、どの幼稚園に行くのかとか、
いつ、どのタイミングで行くのが一番いいんかとか、もうめっちゃ細かくやるんですよ」
さっきまでサッカー少年だった塚原さんの表情が、がらりと変わっていました。
同じ質問を柏木さんにすると、こんな応えが返ってきました。
柏木さん
「僕の場合は、自分が頑張ったから給料に反映されるっていうところではないんです。
でも、僕が手を抜くと全員に迷惑がかかる。
ユニフォームとか、サッカーボールを出せない状態が続くと、
せっかくサッカークラブに入ったのにユニフォームも着ていないっていう状況になって、
子どもたちのモチベーションも下がるし、保護者からの信用も落としてしまう。
縁の下っていうんですかね、そういうところを踏ん張ることで、
みんなの基準が安定して、それが当たり前になった状況で
みんなが活動すれば入会が取りやすいっていう考えで仕事はしています」
聴きながら、サッカーの試合を思い浮かべていました。
塚原さんがフォワード、柏木さんがディフェンダーとして縦横無尽に走りまわっている。
「勝たなあかん」と塚原さんが緻密に戦略を練って攻めこみ、
バックラインの安定感を柏木さんが「踏ん張って」上げて、ゴールを積み重ねていく。
競争は時として人を萎えさせる原因になるけれど、
彼らからそんな印象はまったく受けませんでした。
プレッシャーやネガティブになりそうなもの、
仕事の中ではあると思うんですが、どう向き合っているんでしょうか?
柏木さん
「仕事で失敗したときに、いまはスクールっていう場があって、
そこで子どもと会って好きなスポーツをすると、
その瞬間の一時間っていうのは、どんだけ体が疲れていても、ぜんぜん変わるんですね。
その一時間だけすんごい元気で、終わった途端に倒れるんですけど(笑)。
だから、なんか失敗してうまくいかないときがあっても、
忘れて次に向かおうっていうふうに切り替わってますね」
松本さんにも同じ質問をしてみました。
松本さんのお仕事は、主にスタッフの人事とアミティエSCのプレーヤーのスカウト。
柏木さんのような「その一時間」はなさそうですが、しんどいことはないんですか?
松本さん
「まあ、ちっちゃなヤなことはもちろんたくさんあるんですけど、
でもまあ、ほんまおっきな目標のためのステップかなあって思うんで。
うん、ミスだらけですからね、僕なんて。な?
でも、まあまあまあ、あんま気にしないです。楽しいが勝つから」
楽しいが勝つから。
松本さん
「ま、一番は、人かなーと思ってるんで、
会社、アミティエは好きやけど、そのアミティエ好きやっていうのは、
たぶん、その、たくさんの仲間がおるっていうのが一番ですね」
たくさんの仲間がおる。それで楽しいが勝つんですね。
ビジネスに起こりうるしんどさやプレッシャーを、
スポーツや子どもたちとのふれあいでバランスさせながら、
仲間といっしょにがんばりながら、最後に楽しいが勝つ。
勝つんだなあと思いながら、その言葉に耳を傾けていました。
STORY3 スポーツやっててよかった。
そんな松本さんは、このNPOの理事。
スタッフとしてだけでなく、経営者として、
アミティエと自らの「おっきな目標」をこう語っています。
松本さん
「会社の理念としては、
スポーツを通して世界の平和と健康に貢献するっていうところでやってるんですけど、
僕、個人的に思うのは、いまうちに入ってる子どもたちが
大人になったときに、うちで、うちで就職してほしい」
うちで就職してほしい。
松本さん
「はっきし言って、スポーツの世界って銭まわらないんですよ。
トッププレイヤーはまた別ですけど、やっぱ給料もぜんぜん安いし。
その銭まわらん世界の中で、サッカーとかスポーツに関わることが
ちゃんと職業として認められる世の中にしたいって思っとって」
松本さん
「なんか、NPO、スポーツ、子ども、って、イコールお金にしちゃうと
『子どもとスポーツとNPOやのに、お金ー?』
ってなってしまうと思うんですよ、いまの世の中。
それやったら変わらんなあと思って。
NPOでも、スポーツに関わってても、子どもに関わってても、
それがちゃんと職業として認められて、
一生ちゃんとメシ食えるだけの給料もらって。
ほんなら、たぶんスポーツってものに価値が生まれるし、
子どもたちとか保護者にも、もっといいもん還元できるようになる。
そういう意味でも組織はでかくしていかなあかんなっていうのを感じてますね」
お話をうかがいながら、大事なことを尋ね忘れていたことに気がつきました。
「そうそう、どうしてスポーツがそんなに好きなんですか?」
柏木さん
「僕自身が卓球をやっていて、周りでスポーツをやってきた人を見ていて、
やっぱり、やってる方が圧倒的にいいよねって。うん。
体力がつくっていうのもあるんですけど、
仲間が増えるのもいいですし、あとは、のめり込む。
一回優勝しても、次どうなるかは分からないですよね。
勝ちも負けも両方味わえる。
そうすると、やっぱずーっとがんばっちゃう」
勝ちも負けも両方味わえるから、ずーっとがんばっちゃう、か。
アミティエのみなさんにとって負けは、がんばっちゃうきっかけになっているんだなあ。
入社一年目の中村桃子さんは、こんな話をしてくれました。
中村さん
「私は、ずーっとスポーツは好きで、あんまり深く理由を考えたことはないんですけど、
もうなんか、私個人の中では、
例えば、ごはんを食べるとか、寝るとかとおんなじような感覚で。
走るのが当たり前、ボール蹴るのが当たり前っていうところにまでなってる。
そういう経験をしてきたからこそ、もう単純にスポーツっていいんやでって、
具体的じゃないんだけど、それがもう自分から出ると思うんですよ」
はー、ごはんを食べるのといっしょなんだ。
それが自分から出るから、子どもたちに伝わるんですね。
松本さんは、こう言います。
松本さん
「僕とかは、地元で遊ぶ連れはやっぱりサッカー部やった子なんですね。
そういう人間関係とかも、サッカーやってたからできたし、
それ、野球やっててもバスケやっててもバレーやってても、いっしょやと思うんですよね。
スポーツやっててよかったなと思える、その、スポーツに対する感謝の気持ちは、
たくさんの子どもたちにスポーツと出会わせることで返したい」
帰宅部の時期が長かった僕は、運動部に対して、
上下関係が厳しいとか、叱られるとか、レギュラーになれないとか、
そんな不自由なイメージを持っていました。
でも、アミティエの部室や、
みなさんが話す「スポーツ」には、とても風通しのいい何かを感じます。
仲間ができるもの。感謝したくなるようなもの。
それがみなさんにとってのスポーツなんですね。
柏木さんは「勝ちも負けも両方味わえるから(スポーツに)のめり込める」と言っていました。
「スポーツ」を「仕事」に置き換えても、おなじことなのかもしれません。
少なくともアミティエの仕事は、なんだかスポーツみたいに感じられました。
Epilogue 夕焼けと虹
インタビューの一週間後、中村さんが先生をするサッカーのクラスを見学させてもらいました。
クラスがはじまる十分前、子どもたちが思い思いにボールを蹴っていました。
やたら元気。中村さんの言うことをぜんぜんききません。
「お約束しましたよね」と子どもたちを叱る中村さんは、
インタビューのときとは別人のように「先生」でした。
とても風の強い日でした。最初の基礎練習を見届けた後、
僕は次の仕事のために地下鉄に乗り、汗をかくくらい深く眠りました。
はっと目を覚ますと、窓の外に信じられないくらい真っ赤な夕焼けがみえました。
中村さんと子どもたちはそれをフィールドで見て、こんな話をしていたそうです。
「空燃えてるで!なんか強くなりそうや!!」
そして、二重に架かる虹も見えたのだとか。
「先生、今日めっちゃいい日やなぁ!!」
そんな思い出がひとつひとつ子どもの瞳に焼き付いて、
スポーツが「ごはん」みたいになっていくんだな。
そして、成人した彼らがアミティエに就職する。
その頃には、もっとたくさんの人が一生スポーツに関われる社会になっている。
あの部室のにぎやかなやりとりが、「肉まん、どうや」がそんな社会や世界につながっていく。
そうなるかもしれないなあと思いながら、ぼんやりと秋の夕陽を眺めていました。
「先生、今日めっちゃいい日やなぁ!!」
(2012/11/06 インタビューと文:澤 祐典、写真:箭野美里、島田 彩)
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- NPO法人アミティエ・スポーツクラブ
- 募集期間
- 2013年11月1日(金)~2013年11月30日(土) ※それ以降の募集については、随時お知らせ致します。
- 募集業種
- スポーツクラブ運営事業(サッカー・野球クラブ指導)
スポーツ大会・合宿企画運営事業
スポーツ指導者派遣事業
- 雇用形態
- 正社員
- 応募資格
- 健康で1年以上勤務できる方
- 勤務地
- 関西一円(事務所所在地:神戸市、明石市、姫路市、豊中市、京都市、野洲市)
- 勤務時間
- 9:30~18:30
- 給与
- 180,000円
- 休日・休暇
- スタッフカレンダーによる
- 待遇
- 交通費全額支給
社会保険完備
指導者ライセンス取得援助
- 採用予定人数
- 3名
- 選考プロセス
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