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2018.08.02 公開 2018.09.03 更新
ひとしごと館(NPO法人Co.to.hana)
ちょっとした困りごと解決から、時代に沿った地域暮らしのシステムをつくるコミュニティデザイン。

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください



「自宅の掃除をしてほしい」と困っているおじいちゃん。そこに「掃除なら得意!」という主婦が駆けつける。「包丁の切れ味が悪くなってきた…」と困っている主婦。「包丁研ぎできるよ!」という元調理師学校の生徒だった若者が解決する。

そんな地域の助け合いをコーディネートするバイト。と言ったら驚かれるでしょうか?数あるまちづくりやコミュニティデザインの仕事の中でも、ここまで人々の暮らしや生活に根ざしたものをわたしは他に知りません。まちの再開発や大々的な活性事業などの派手さは、まったくと言っていいほどありません。

でも、お隣さんが今困っていること、近い将来みんなが困るであろう地域の問題に、地域の人たちと一緒に取り組み、時代に沿った暮らしのシステムをつくっていく…今回ご紹介する仕事は、そんなまちづくり・コミュニティデザインの真髄とも言える仕事です。

高度な技術は必要ありません。募集形態も、まずは一度この世界に飛び込んでみるには、ちょうどいい「アルバイト」。ちょっと働きに出たい主婦の方や、コミュニティデザインの仕事に関わってみたい方にぜひおすすめしたい仕事です。一風変わったちょっと不思議な仕事…。具体的にどういうこと?にお答えしていきます。


こんなバイト見たことない!包丁研ぎ、洋裁、掃除? 困っている人と、助けたい人をつなぐコーディネーターになろう。

(鮮やかなブルーのテントに、人が輝いて立っているようなロゴマーク。「ひとりひとりが輝く社会」を表しています)

「とくい」を持つ人と、助けを必要としている人を繋ぎ、双方の生活を豊かにするサポートをしているのが、今回訪れた「ひとしごと館」。2016年2月、大阪市浪速区にオープンしました。

まずは、この事業を進めているNPO法人Co.to.hanaの藤野さんに、ひとしごと館で起こっている具体的なストーリーをうかがいました。

藤野さんニコ
「たとえば高齢になって病気になり、自宅の掃除をするのが難しくなる人がいます。日常生活の困りごとを解決する制度として介護保険があるのですが、申請しても一定の病気の場合は使えなかったり、介護認定を受けたとしても換気扇などの細かい部分の掃除はお願いできなかったりします。そこで掃除がとくいな主婦にお願いして、行き届かない部分の掃除をしていただきます。

あとは病院内の付き添いとか。自宅から病院までの道のりは介護保険を使ってヘルパーさんにお願いができるのですが、病院内の介助は介護保険を利用できないので困っている人がたくさんいるんです。そういう人にはおしゃべり好きな人や車いすの介助経験があるような人を繋いでいます」
国の制度だけでは解決できないような福祉的な困りごとを、会員さんの適正を見ながら繋いでいるんですね。他の事例もおうかがいしました。

藤野さんニコ
「地域の人の『とくい』にはいろいろなものがあります。例えば“包丁研ぎ”。昔調理の専門学校に通っていた人が、不定期にひとしごと館や公共施設の軒先を使って包丁研ぎをやっています。『研ぎたかったけどどこにお願いしたらいいかわからなかった』という需要は結構あるんです。

他には、小学生のお子さんを持つ家庭で、ゼッケンをつけないといけない、衣装をつくらないといけないというときに、裁縫がとくいな方が解決してくれます」

(新社会人になるにあたってExcelの使い方を教えてほしい!という方からの依頼も)


確かに、主婦や働き盛りの人が趣味を活かして活動しようするときに、こういった後押ししてくれる場はとてもいい!

(ひとしごと館に展示されている、会員さんの写真が写ったカード。それぞれの「とくい」も明記されています。入会するとすべてのサービスを利用できるように)


包丁研ぎや料理、掃除、日曜大工、洋裁、勉強の講師など…多種多様な「とくい」を持つ人がしとしごと館の会員に登録しています。


受付、広報、マッチング、イベント企画…仕事内容は多岐。地域の人の声を聞き、必要なものをつくっていく。


アルバイトスタッフとして働く北口さんにお話をうかがいました。困っている人と、「とくい」を持つ人をつなぐコーディネーターの仕事内容は、具体的にどのような内容なのでしょうか?

北口さんニコ
「業務内容としては、①広報業務、②イベントの企画運営、③外部パートナーの開拓や関係性づくり、④受付業務、⑤マッチング業務です。基本的に開館日は2人で常駐するので、分担しながら取り組んでいます」

① 広報業務
Facebookや広報紙、ブログでの情報発信を頻繁に行っています。また、会員さん向けのメーリングリストを使って、定期的に活動状況やイベント情報をお知らせしています。

② イベントの企画運営
会員さんの興味関心のあることからスキルアップ講座を検討したり、ひとしごと館の認知度を上げるために高齢者や主婦が参加したくなるようなイベントを考え運営します。

③ 外部パートナーの開拓や関係性づくり
地域団体や、企業、公共施設など、連携可能な外部の組織やコミュニティを開拓し、関係性を築いていきます。またイベント講師の開拓や折衝、とくいの技術を向上させるための機会・場づくりなど、主に外部とやりとりします。

④ 受付業務
入会希望者や助けを必要とする人、イベント参加希望者などへの対応業務です。入会希望者には毎回1時間程度のヒアリングをしています。その人の人となり、ニーズ、過去の取り組みなどを聞き取ります。

⑤ マッチング業務
ひとしごと館には、自宅掃除や電球交換など、いろいろな依頼がきます。そのときに、すぐ来てほしいのか、ゆっくりでも大丈夫なのか、どんなスキルが必要なのかを聞き、どの会員さんと繋ぐのがいいのか考えます。また、「助けてほしい」という依頼から繋ぐだけでなく、会員さんの「とくい」を活かすような依頼が来るように後押しもします。

たとえば、包丁研ぎのスキルを活かすために地域の中で看板を出して「包丁研ぎ屋さん」になる機会をつくったり、「誰かの手作りの料理が食べたい」と言っている人に「スパイスからカレーをつくる人がいますよ!」と紹介したりしています。


(スパイスカレーをお渡ししたときの様子。)

とにかくたくさんの地域の方々と接する機会が多いように感じました。いろいろな人が訪れると思うのですが、働く中で大変なことはありますか?

北口さんニコ
「一人ひとりに合わせた対応をすることが難しいですね。ただ話を聞けばいいというわけではなく、相手が本当に求めていることを引き出せるように意識して会話をする必要があるので、表情や反応を見ながら臨機応変に対応できるようになることは今でもわたしの課題です」


北口さんニコ
「でも顔をあわせる機会が増えてくると会員さんもわたしのことを覚えてくれていて、それがとても嬉しいです。『近くまで来たからのぞきにきたで〜』と喋りに来てくれる会員さんもいて、何気ない会話が働く上で支えになっています。落ち込むことがあっても、笑顔を見られることでがんばろうと思えます」

会員さんとの関係性や絆が、仕事のモチベーションにつながっているんですね。そういった「人と人のつながり」を大切にできる人がこの仕事に向いているのでしょうか?

北口さんニコ
「そうですね。人と関わることを楽しめる人が向いていると感じます。どの場面でも必ず人と話したり、相談して調整する場面が出てくるので、そこを楽しめることは大事な要素だと思います。

パソコンのスキルや事務作業ができるに越したことはないですが、日々の業務の中で身につけていけるものだと思っているので、『自分にできるかな』と気負わずにまずは飛び込んできてほしいですね。わたし自身もひとしごと館で働くようになってからPhotoshopやExcelが使えるようになりました」

ともに働く仲間も、北口さんと同じ20代が中心。業務は先輩たちに教えてもらいながら進めることができ、困ったことや悩みがあれば、すぐに相談できる環境だといいます。


北口さんニコ
「マニュアル化された仕事ではなく現場の裁量も大きいので、最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、その分成功したときのやりがいもとても大きいですよ」


高齢化や孤立。このまちのちょっと先の未来に起こる問題に先手を打つ、斬新なコミュニティデザイン。


ひとしごと館は、これまで浪速区の委託事業として運営していましたが、現在はCo.to.hanaが自主運営しています。

藤野さんニコ
「超高齢社会に突入したいま、地域でどのように高齢者を支える仕組みをつくるかが重要な問題となって来ています。シルバー人材センターは各市町村にありますが、困りごとの解決だけでなく地域のコミュニティも育むことができるような取り組みができないか。そんな考えのもと運営しています。拠点が浪速区内にあるので現在は浪速区での活動が中心ですが、今後はより広い範囲の地域で活動が生まれていくことを目指しています」

(月に1度開催している麻雀イベントは会員さん同士の交流の場にもなっています)

現在の日本の平均寿命は80歳以上。人口に占める65歳以上の割合は26%を超え、それと共に社会保障費の収入と支出の差は年々広がり続けています。

特に都心ではご近所付き合いも薄くなり、これまではお隣り同士の支え合いや国の保障で助けてもらうことができていた「掃除」や「買い物」などの、ちょっとした困りごとが一層増えてくることが予想されます。日本で暮らす一人ひとりが、この問題の解決方法を“自分ごと”として考えていく必要に迫られているのです。

藤野さんニコ
「ひとしごと館が目指している社会は、『地域の人が活き活きとする社会』の実現です。これまでの活動に加え、包丁研ぎやアロマハンドケアなどに取り組む人がグループとなり他の地域で実践できるようにサポートする『ひとしごとプロジェクト』や、個人のやりたいことを掘り起こしグループで実現するまでのサポートをする『ひとしごと実践講座』の開催もしています。

今後は、ひとしごと館で生まれたグループをまとめていく『ソーシャルリーダー育成』までサポートできたらと考えています」
一番メインの会員は、定年退職したばかりの高齢者ですが、社会人1年目の若者や、30〜40代の方も会員登録されています。いろいろな世代が入り交じることで、活発なコミュニティとなっています。

自分の周りで暮らしている人が困っていたら、助け合える社会。当たり前のようで今最もむずかしいそんなコミュニティづくりを実現する確かな一歩を、ひとしごと館は歩み続けています。


あなたの「とくい」を活かした、まちづくりに挑戦しよう。

(ひとしごと館を運営するNPO法人Co.to,hanaのみなさん。)


ひとしごと館は、大阪市住之江区に事務所を構えるデザイン事務所・NPO法人Co.to.hanaが運営しています。「デザインの力で社会を変える」と理念を掲げる、今注目のNPOに身を置けることもまた、ひとしごと館で働く魅力でもあります。コトハナの活動の詳細は、過去の掲載記事をぜひご確認ください。(https://hellolife.jp/company/19863.html

人とより密に関わる仕事がしたいという人にはもってこいの職場。そしてなにより、新しい地域暮らしシステムの創り手になれることで、他ではなかなか味わえないおもしろみややりがいを感じられるのではないでしょうか。

業務の成果を加味して時給が上がったり、社員登用も考えられるそうです。自分の立ち位置を変えるのも自分次第。枠にとらわれず、いろいろなことに挑戦してみたい。直接人に関わりながら仕事をしたいという方はぜひ手を挙げてみてください。あなたの「とくい」が輝くのは、この場所かもしれません。

\講演のお知らせ・ひとしごと館の活動を紹介します!/
8/18(土)13:30〜15:30に大阪有償ボランティア団体連絡会さんが主催する勉強会「住民参加型のコーディネーション」にて、スタッフが「ひとしごと館」の活動を実践事例として紹介させていただきます!
申込不要ですので、興味のある方はぜひ当日お越しください!開催概要は以下になります。

◎開催概要
【日時】2018年8月18日(土)13:30〜15:30
【会場】大阪市立社会福祉センター 301会議室(大阪市天王寺区東高津町12−10)
【対象】地域福祉や地域活動に携わる方
詳しくは、こちら(Facebook記事)をご覧ください。

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Job description
募集職種
企業名・団体名
NPO法人Co.to.hana
募集期間
2018/09/02 〆切
募集職種
コーディネーター
雇用形態
アルバイトスタッフ
(能力や意欲により社員登用の可能性あり)
応募資格
Word、Excelの基本的な操作ができる方
Illustrator、Photoshop、一眼レフカメラが使える方歓迎
勤務地
大阪市浪速区敷津西1-5-13
勤務時間
9:30~17:30(1時間休憩あり)
給与
1,000円/時(試用期間1ヶ月間は910円)
休日・休暇
火・木・金・日曜日(出勤日:基本的には月・水・土曜日。週2~3回勤務できる方を募集。
能力・状況により出勤日を増やすことも検討可。夏季休暇、年末年始休暇あり。)
待遇
交通費支給
採用予定人数
1〜2名
選考プロセス
1 ) 本サイトからエントリーください。みなさまへご返信させていただきます。
フォーム項目「自己紹介、企業へのメッセージ」へ、以下の「応募者への質問」の回答を記入しエントリーください。その後、弊社へ指定の「自己紹介シート」をご郵送ください。
(自己紹介シートはメールでお送りさせていただきます)
※ その他自己PRできる資料(形式自由)があれば一緒にご送付ください。
※お送りしたものはお返ししていません。

2 ) 書類審査後、選考結果を全ての方にご連絡
※もし連絡がない場合はお手数ですが[06-6654-8830]まで問合せください。

3 ) お電話またはメールにて面談日時を相談の上、決定。

4 )応募書類を元に面談を実施(複数回実施の場合あり)

5 ) 面談の結果を全ての方にお知らせし、採用が決定

6 ) 勤務開始
応募者への質問
1)弊社を選んだ理由を教えてください
2)今後挑戦してみたいことはなんですか
WEBサイト
http://cotohana.jp/
メッセージ
人と密に関わる仕事は本当に大変ですが、その分やりがいもとても大きい仕事だと思います。 まだまだできて間もない施設なので、「これをやっておけばOK」というものはありません。その分大変なこともありますが、スタッフ同士で一緒に試行錯誤していける仲間をつくりたいと思っているので、熱い気持ちをお持ちの方はぜひご連絡ください!