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「山崎亮の一問一答!」<イベントレポート>

2013.10.16 NEWS

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ハローライフ特集企画第一弾として行われた「地域デザイン・まちづくり」特集。
9月23日に行われたクロージングトークイベントにて、
展示をご覧いただいた方から集められたstudio-Lのみなさまや代表・山崎さんへの質問、
コミュニティデザインという仕事への疑問に「一問一答」という形でお答えいただきました。
お答えするのはもちろん、コミュニティデザイナー・山崎亮さん。

集められた質問は、
コミュニケーションスキルについて、
今の社会の課題について、
山崎さんの仕事の仕方について、
など。

「昨日栃木県で高校生達に熱く語りすぎちゃったんで、今日はオフモードで話させて下さい。」
と笑いを誘ったトークの滑り出しをよそに、様々な質問に対し次第にヒートアップ!
いつもの山崎さんの熱弁が繰り広げられました。
今回のレポートでは、そんな一問一答の様子の一部をお届けいたします。

これまでの関連イベントレポートもどうぞ。
「山崎亮さん!働くってなんですか?」イベントレポート
「studio-Lのホントのトコロ」イベントレポート
「studio-Lのワークショッププログラム」イベントレポート

■ コミュニケーションスキルについて

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一般的な仕事で求められることはもとより、
コミュニティデザインという仕事では更に高度なレベルが求められる「コミュニケーションスキル」。
イベント冒頭でも、山崎さんのコミュニケーション手法についての質問がいくつか選ばれました。

Q,ワークショップをされる際、アイスブレイクをされると思うのですが、子どもでも大人でも出来るお勧めのアイスブレイクは何ですか?

A,
「どのような場面でも万能なアイスブレイクはないと思いますね。
アイスブレイクはそれ単体で行うわけではなく、
その後の内容を説明しやすくしたり、スムーズに進めるためのものです。
お年寄りから子どもまでという場であれば、
「後出しジャンケン」も良いアイスブレイクだと思います。
試しにやってみましょうか?」
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<後出しジャンケン>
1,今から私とジャンケンをしますが、後出しでもいいので勝ってください。
2,次に、後出しでもいいので私に負けてください。

「これをやってみてわかるのが、
後出しで勝つのは簡単でも、負けることは難しいということです。
このアイスブレイクで場を和ませたあと、例えばこういう話をします。

『今から話し合いをしますが、僕達は普段から勝とうとするクセがついています。
しかし議論の中で自分が勝とうとするのではなく、
負ける(相手の意見を認める)という議論を意識することができれば、
そのグループはとても有意義なディスカッションができるんです。
今日は先ほどの後出しジャンケンのように、
相手の意見を認め合う、有意義な議論を行っていきましょう。』

というような繋げ方です。
特にお年寄りや子どもなど、発言力の弱い人の意見を大切にしたいときに、
このような手法を用いることがあります。」

Q,人と話す機会が多いと思うのですが、「もう人と話したくないな」と思う時はあるのでしょうか?またその時期からどのように脱しますか?

A,
「ものすごく気合を入れた翌日なんかは、そういう時もあります。
昨日なんかも高校生に熱く語りすぎました(笑)
高校生はこれからの未来をつくる「希望」ですし、彼らが変われば地域が変わります。
そのまっすぐな想いや、やる気、反応がポジティブに伝わってくるので、
その場で気力をもらえるんです。
人と接しすぎると時に疲れて気力がなくなることもありますが、
気力をもらうのも人からなんだと思います。」

■ 今の社会の課題について

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Q,地域が抱えているテーマの中で都市部でも起こりうる問題は?

A,
「正確な統計はとりづらいのですが、
都市部では高齢者の孤立死がますます増えていくと思います。
この問題に関しても今後何らかの形で関わりたいと考えています。
ワンルームマンションって、壁の厚さが20cmぐらいしかないんですよ。
自分がもたれかかっている壁の20cm隣で亡くなっている方がいるというような事態が、
これからどんどん増えていくんです。これは尋常ではないですよね。
少なくとも孤立死が起こってしまう3年ぐらい前には地域に入り、
孤立死してしまう可能性のあるような方を巻き込みながら、
コミュニティの力を高めていく必要があると考えています。

例えば今『しまのわ』というプロジェクトで広島の離島を色々回っているんですが、
その一つに鷺島(さぎしま)という島があります。
半分以上が高齢者という島ですが、ここにはとても元気なおばあちゃんたちがいて、
島の総人口の8分の1は観光案内できるおしゃべり好きな人たちなんです。
話を聞いていくと、そんなおばあちゃんたちが集まれる場所がほしいという意見が出てきました。
希望としては、ポットが一つあってお茶やコーヒーが飲めるような
簡単な場所でいいそうなんですが、
例えばその場所に観光客が来たときに、島の情報や案内が得られるようにしても面白いかなと。
地域の人のたまり場と、観光客が立ち寄る場をクロスさせる、ゆるーい観光案内所。
そんな場所づくりを今考えているところです。
無理せず、がんばりすぎないということが、長続きするポイントだと思いますね。」

■ 山崎さんの仕事の仕方について

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Q、山崎さんは落ち込んだり疲れた時、どうやってパワーを充電しているのですか?

A、
「実は僕はとても落ち込みやすいんです。
絶対にしないことは、自分の名前をインターネットで検索することですね(笑)
テレビのコメンテーターとしての発言でも、短い時間でのコメントが上手に伝えられず、
誤解を生んでしまったのではないかと落ち込んでしまうことが多々あります。
そんな時にコメンテーターの先輩などから、
「批判はよくあることですよ」
なんてさらっと言われるととても気持ちが楽になるんです。
どんな業界でも色々と周りから批判を言われることもあると思いますが、
『がんばっていこうよ』と、
励まし合える関係の人が必要なのではないでしょうか。

あとは、歴史上の偉人の本を読むことですね。
昔の偉人も、数々の失敗やスランプを乗り越えてきていますから。
それぞれの時代のそれぞれの起き上がり方を学ぶことができ、勇気をもらえますよ。
こちらの方法もとてもオススメです。」

Q,子どもたちにコミュニティデザインを伝えるときに、どのように伝えていますか?

A,
「自分の仕事内容を子どもに伝える機会は少ないですね。
『あなたの肩書は?』
という形でしか話を聞けないのは大人だけです。
子どもたちにとっては、『この人、恐い人かな』とか『今日何するんだろう』といったことが
大事であって、肩書きや仕事内容なんかは関係ありません。
『島の子どもがゼロにならないためにはどうすればいい?』
というような投げかけを行えば、
『この人がどんな仕事をしているかは知らないけど、確かにそれは考えなければいけないな』
という気持ちになってくれますし、そうすれば子どもたちは考え始めてくれます。

説明のつかない仕事をする人が増えてきたのなら、それは時代が変わっている証拠だと思います。
大学のどの学部を卒業したらどの産業界に入るかが決まっている時代は、安定している時代ですよ。
新しい学部や学科が増えてきている時代というのは、
何屋なのかわからない人たちが増えてくるような時代なんです。
『社会に求められてはいるんだけれど誰もやってこなかったこと』
を仕事にする人が増えてきていますし、今は時代の変革期なのだと思っています。」

■ 最後の問い

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一問一答の最後に、ハローライフから山崎さんへこんな質問を投げかけました。
「幸せに働き続けるために、日々自分に対してどのような問いかけを持ち続ければいいですか?」

この問いへの山崎さんの答えは、
「この世に何を遺したいのか」
という言葉でした。
この言葉は、ちょうど展示の中でも紹介されている内村鑑三さんの言葉です。
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「お金を遺したいのか、会社を遺したいのか、思想を遺したいのか。
内村鑑三はいずれも遺すに値するものだとしながらも、
誰でも努力次第で遺せる最大のものは、
後の人の気持ちを奮い立たせるような生き方自体だと考えました。
今が恵まれない状態なのであればあるほど、そうしたことが可能なんです。
自分の人生を使ってこの世に何を遺そうと思うのか。
僕が自分自身に問いかけている言葉は、この言葉ですね。」

そう熱く語る山崎さんの言葉が、参加者の方々の心へずしりと響きます。

山崎さんが自分自身へ問い続けているこの質問、
実はそのまま参加者のみなさんご自身に問いかけていただきたい
山崎さんからの「一問」でもありました。
働くことに立ち止まることがあった時
一度ご自身に問いかけてみてはいかがでしょうか。

「私はこの世に何を遺したいんだろう?」

地域デザイン特集のクロージングトークイベントは、
山崎さんのこの問いかけで、幕を閉じました。
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今の生き方や努力が、将来だれかに勇気を与えるかもしれない。
そんな想像は、わたしたちの働き方の意識を変えてくれるものかもしれません。

ハローライフ特集企画「山崎亮の働き方展」へは、
関東や九州など遠方からも多くの方にお越しいただきました。
この場をお借りして、お礼申し上げます。

今後もハローライフでは、
利用されるすべての方が、よりよい「働き方」や「生き方」を考えられる、
そんなコンテンツを提供してまいります。

次の企画展・イベントも、ご期待くださいね!
あなたのお越しをお待ちしております。