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「studio-Lのホントのトコロ」イベントレポート

2013.10.02 NEWS

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8月16日(金)〜9月30日(月)の期間、
ハローライフでは
「地域デザイン」の仕事の特集企画を開催しました。

会期中2回目のイベントとして、

「地域デザイン」の分野で注目を集める「株式会社studio-L(スタジオエル)」で

実際に働くスタッフ3名の方をお招きしてトークイベントを実施。
事前に参加者の方から集めた質問を中心に、

studio-Lでのお仕事の「ホントのトコロ」を赤裸々に語っていただきました!

<studio-Lスタッフさんのプロフィール>
吉永さん 結婚して大阪に来たのを機に合流、5ヶ月目。前職は教師。
村岡さん 結婚後しばらく専業主婦を続けた後、1年半前に合流。前職は土木・建築系コンサルタント会社に勤務。
堀内さん 合流して3ヶ月、事務所内でも最年少。前職は電機メーカー開発職。
※インタビュアーはハローライフ企画運営団体、スマスタの塩山が務めます。


■ どんな経緯でstudio-Lに?

まず最初にお聞きしたのは、一番多く集まった質問「どんな経緯でstudio-Lに?」というもの。
皆さん前職でさまざまな経験を経て合流されているとのこと。
ちなみに、studio-Lではメンバーになることを「合流」と呼ぶようです。

地元コンプレックスが強かったという村岡さんは、
学生の頃から土木を専攻し、土木・建築系コンサルタント会社に勤務されていたそう。
「結婚で関西に来たものの、主婦は3ヶ月で飽きちゃったんですよね(笑)」と話します。
まちづくりをやりたいとずっと思っていたところ、
「水都大阪」というイベントのボランティアでかかわったのがきっかけで、
そのまま落ち着いてしまったとか。

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■ やるのは全部自分

ただし、こういった経緯の方は少ないようで、
通常はスタッフの募集が行われ、毎回約100名もの応募があり、実際に合流される方は1〜2名だとか。
「実際に入るとハードと聞きますが?」という質問に対し、吉永さんは
「入ってまず思ったのは、自分で何でもやらないといけないことでした」と回答。
それまでの教師の仕事と異なり、
タイムカードもなければ「教科書」もない仕事に戸惑いの毎日だったとか。
「スタッフのスケジュールもGoogleカレンダーで共有し、
それを確認するだけというのも最初は驚きました」

個々人のスケジュールもフレキシブルに組まれているんだとか。
社員のキャラクターの棲み分けにも皆が意識されているそう。


■ 仕事、そしてスタッフの魅力

「そんなstudio-Lでの仕事のやりがいとは?」と聞くと、
阿倍野ハルカスで縁活イベントの運営を担う吉永さんは、大阪にどっぷり浸かれるのが魅力だとか。
「毎日百貨店に足を運ぶので、まちのことをよく知れますし、
熱い思いの人が多いのですごく面白いですね。」
と、引っ越してすぐの時にはよそ者感が強かったという大阪のまちへの愛着を語ってくださいました。

最近合流された堀内さんはというと、
伊賀事務所に勤務しながら、北は北海道、南は宮崎まで飛び回る毎日。
「カレンダーに関わらず働いているので、仕事とプライベートの境目はあまりありません。
でも、以前の仕事では物足りなさを感じていましたが、
今は全部自分でやれるので、やりがいが大きいですね。」
と笑顔で話します。

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また、studio-Lのスタッフのすごいところとは?
「皆頭の中で24時間プロジェクトのことを考え続けています。
地域の人よりもその地域の人のことを考えているかもしれません」と村岡さん。
大変なスケジュールの中でも、
地域の人たちに「この人と一緒にまちをつくっていきたい」と思ってもらえるよう、
コンディションの調整だけは欠かさないそうです。


■ studio-L流のコミュニケーション

スタッフそれぞれの「キャラ立ち」が求められるstudio-Lはまるで「よしもと」のよう。
そんなstudio-L流のコミュニケーション術を聞くと、「本当に芸人のようです」と堀内さん。
年に2回実施されるスタッフの合宿でも、初参加の人は面白い自己紹介を求められるそうで
「今年の冬もきっと楽しくなりますね!」と、笑顔。

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また、地域へ入り込んでいく際のコミュニケーションのコツは?
「私たちは比較的若いですが、地域には年配の人が多くいます。
どうしても“任せて大丈夫?”という目で見られるのですが、
多くの情報を持っていることが垣間見えた瞬間に安心してもらえるので、
とにかく情報のストックを持つことを大切にしています」と村岡さん。
「たとえばこのまちは表札が多い、つまり住民同士の信頼関係が強いんだな、とか、
まちや本人を前にしてしかとれない情報をかっさらってきて、
それを糸口にお話しして信頼につなげていきます」
と、柔らかいながらも力強い笑顔で話してくださいました。


■ studio-L、今後どうなる?

たくさんの魅力を持つstudio-Lですが「ぶっちゃけ、大変なところは?」と聞くと、
そこは大変なところもあるようで…
「行政対象の仕事は、実績になるのは翌年。
そのため、初年度は収入ゼロ。固定費を押さえながら暮らしています」と堀内さん。
また、家庭との両立の面では、
「地域の都合に合わせるため、なかなか夫婦一緒にいる時間を確保することが難しいですね。
今度studio-Lの嫁会をしようか、って話してるところなんです(笑)」と村岡さん。
「今後、スタッフの年齢層が幅広くなったり、色んな生活・家族形態の人が増えれば、
studio-Lはもっと面白くなると思います」。とstudio-Lのなりたい姿についても語って下さいました。

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トークの後は、参加者の皆さんで4〜5名の班に分かれて感想ワーク。
トークについての感想を共有し、さらに踏み込んだ質問を考えていただきました。
「プロジェクトを進める際の手順やルールはありますか?」という質問には、
「必ず大切にしているのは事例収集とヒアリングです。次の日までに事例100本ノックとか。」
と村岡さん。
また、「あの本のあそこにああいうことが書いてあったでしょう、と聞いて目が泳いだ人はもうプロジェクトに入れない、という言葉も聞きました。それには怖さも伴うと思いますが、一歩進むためにどんな努力をされましたか?」という質問には
吉永さんが「始めのうちはいろいろと辛くて、毎日夫に愚痴をこぼしては励まされ出かけていましたよ」とここだけの話を。
「毎日百貨店の現場に行って、事務所に行って、手を動かす。
止まったら沈んでしまうので、目が泳ぎながらでも踏み出すしかないのかな、
と思いながら日々やっています」
と締めくくられました。


さまざまな地域で活躍されるstudio-L。
実際に働かれている方のお話をお聞きするのは初めての機会で、
リアルなシゴトの現場のようすを少し知れた気がします。
何より印象に残ったのは、スタッフの皆さんのプロ意識の高さ。
ただしそれだけではなく、人間らしい部分も垣間見えて、
「完璧(スーパーマン)」ではない一人の人として、
等身大で働く皆さんの姿勢がとても素敵でした。

吉永さん、村岡さん、堀内さん。
ほんとうにありがとうございました!