「やってみたい」が、自信に変わる。
商業施設を舞台にしたキャリア教育プログラム「はたらくフリースクール」の現在地(2/3)
実際に子どもたちは、どんな経験をしたのか
ここからは、2025年度の「はたらくフリースクール」で、子どもたちがどんな時間を過ごしたのかをご紹介します。
まずは、安心して参加するための「事前面談」
はたらくフリースクールでは、プログラムが始まる前に、参加する子ども本人と保護者の方との事前面談を行っています。
面談では、参加するきっかけや不安に思っていることだけでなく、好きなこと、最近ハマっていること、興味のあることなどもお聞きします。
参加する子どもたちにとっては、初めて会うスタッフの雰囲気を知り、安心して当日を迎えるための機会です。
同時に私たちスタッフも、一人ひとりが安心して参加できるよう、必要な配慮やサポートについて事前に確認します。
実際にお越し頂いた保護者の方からは
子どもは「面談でどんな事を聞かれるんだろう…」と緊張していましたが、「自分の好きなゲームの話で安心した。話しやすかった。」と、参加へのモチベーションがあがっていました。
スタッフの雰囲気を事前に知ることができたので、親子共々安心して当日を迎えることができました。
「はじめまして」から始まる、仲間との時間【1ヶ月コース】
1ヶ月コースでは、最初のキャリアスクールから、初めて出会う仲間と一緒に活動します。
ゲームやワークを通して、お互いのことを少しずつ知っていきます。商業施設をチームで探索したり、仕事にまつわるクイズに挑戦したり。自然と声をかけ合い、一緒に考える中で、少しずつメンバー同士の距離も近づいていきます。
1日目のフィールドワークを通して、グループのチームワークがグッと高まります。
「はたらく」に向けて、少しずつ準備する【1ヶ月コース】
仲間との活動を続けながら、職場体験に向けた準備も進めていきます。
まずは、伝え合うゲームなどを通して、相手の話を聞いたり、自分の考えを伝えたりすることに挑戦します。1日目から続いてきた「人と関わり、協力する」経験を重ねながら、職場体験に向けて少しずつ準備をしていきます。
そして、この日に次週の職場体験先を発表します。
「どんな仕事をするんだろう」
「ちゃんとできるかな」
楽しみな気持ちと同時に、さまざまな不安も出てきます。そこで、動画を見ながら働くときに気をつけることを探す「ダウトを探せ」や、受け入れ企業について知るクイズなど、毎回内容を変えながら、楽しみながら仕事への理解を深めていきます。
さらに、自分が感じている不安や、困ったときの対策を整理する「職場体験サポートメモ」も作成します。
「困ったときは誰に相談すればいい?」
「こんなときはどうしたらいい?」
職場体験当日のことを具体的にイメージしながら、自分なりの準備を整えていきます。
仕事を知るだけでなく、人と関わること、自分の不安を整理すること、困ったときの対処を考えることなど、さまざまな準備を重ねながら、いよいよ実際の仕事体験へ向かいます。
いよいよ、本物の職場で「はたらく」【1ヶ月コース+1日コース】
いよいよ、実際の職場で「はたらく」に挑戦します。
1ヶ月コースの子どもたちは、これまでのキャリアスクールで準備してきたことをもとに、いよいよ職場体験に臨みます。
1日コースの子どもたちは、この日がはたらくフリースクールのスタート。1日だけの仕事体験に挑戦します。
体験先は、あべのキューズモールやもりのみやキューズモールBASEの協力テナントなど。実際の店舗でスタッフさんと一緒に、約3時間、本物の仕事に取り組みます。
各グループにはスタッフがつき、事前面談で伺った一人ひとりの不安、必要な配慮なども踏まえながら、それぞれのペースで仕事に取り組めるよう伴走します。
初めて会う人に挨拶をしたり、仕事を教えてもらったり、困ったときには相談したり。
緊張しながらも、実際の仕事を通して、人と関わることや、自分の役割を担うことを経験していきます。
仕事を終えたあとは、できたことや難しかったこと、やってみて感じたことを振り返ります。
1ヶ月コースの子どもたちにとっては、これまでの準備が実際の「働く」につながる日。
1日コースの子どもたちにとっては、「まずは1回やってみる」ことから、社会や仕事と出会う日です。
「やってみたら、できた」子どもたちの声
実際に仕事を体験した子どもたちからは、こんな声が届きました。
「最初は緊張していたけれど、だんだん慣れてきて、最後は楽しんで仕事に取り組めた。反省点は特にない!」
「お客さんに、飲み物を渡す時に「ごゆっくりお過ごしください」と伝えたことがめっちゃ緊張した。教わってなかったけど、店員さんがやってたから、やった方がいいかなと思ってやってみた。」
「テキパキ動けたと思う。『洗い物をするのが早いね!笑顔がいいね!』と褒められて嬉しかった。」
「職場体験中の全部がたのしかった!最初、覚えるのが大変だったけど、めちゃくちゃ褒めてくれて。褒めがあったから楽しめたし、緊張も早く解けた。」
- 初めての人と関わること。
- 自分で考えて、やってみること。
- できたことや頑張ったことを、誰かに認めてもらうこと。
- 「やってみたら、できた」という経験を積むこと。
実際の商業施設で、支援者やご家族とは異なる立場の大人と関わり、社会の中で実際にやってみるからこそ得られる経験があります。
自分のペースで、最後までやりきる【1ヶ月コース】
職場体験を終えたあとは、4日間の活動を振り返ります。
楽しかったこと、勇気を出したこと、反省が残ることなど。仲間と一緒に振り返りながら、プログラムを通じて新しく発見したことや気づいたことを言葉にします。
そして、プログラムを最後までやりきった子どもたちには、修了証と「お給料」として2,000円分のギフトカードを渡します。
「初めての場所に行けた」
「仕事を最後までやりきれた」
「誰かに褒めてもらえた」
一人ひとり違う「できた」を持って、4日間を終えます。
1ヶ月の経験を、次の挑戦へ
そして2025年度からは、1ヶ月コースでの経験をさらに深める「3ヶ月コース」もスタートしました。
舞台は、HELLOlifeが運営する「CHASHITSU time」
参加者は「商品企画」「広報・SNS」「CM制作」の3つの部門に分かれ、プロジェクトチームとして実際の仕事を題材にした探究に取り組みます。
「何をつくるか」を考えるところから、実際につくって、誰かに届けるところまで、仲間と意見を出し合い、それぞれの役割を担いながら、ひとつのものを完成させていきます。
活動の中では、外に出て、実際に働く人や生産者と出会うフィールドワークも行います。夏には茶畑、冬には農場を訪れ、そこで働く人の話を聞いたり、畑仕事をみんなで体験しながら、普段の生活ではなかなか出会えない仕事や大人とつながります。
さらに、ゲスト講師から仕事や社会について学ぶ機会も準備しています。教科書だけではなく、実際の場所や人、自分自身の体験を通して、「働くこと」や「社会」について考えていきます。