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熟練の技を生かして、日本の産業を支える元気な町工場がまだまだ数多い大阪。
大阪市平野区に本社を構え、今年で創業60周年を迎えた「神谷機工株式會社」も、
そんな企業のひとつだ。
工業用の丸鋸(マルノコ)を中心に、様々なジャンルの工業用切削工具、
刃物の受注・生産を請け負い、そのクオリティの高さに国内外から注文が舞い込んでいる。
今回募集するのは、刃物の製造部門の見習い職人と、
企業と職人の間に立って、様々な刃物のアイデアを提案していく
営業部門(セールスエンジニア)の人材。
刃物づくりって、実は思った以上に幅が広くて、
そして、コミュニケーションが重要な世界なのだ。
日本人の感性を生かした、手づくりの特注刃物
「自動車から食品加工まで、モノづくりには必ず『切る』という工程が存在します。時代とともに切るモノは変わっていきますが、刃物の需要だけはなくなることはないんです」
と、製造部部長の神谷宗孝さん。
扱っている刃物の種類は、
30~1500mmまで、さまざまな大きさの丸鋸から、
複雑かつ繊細な形状の錐(キリ)まで、その正確な数を把握するのは不可能に近いほど。
しかもそのほとんどが、世の中のモノづくり企業からの依頼で作られた特注品だ。
「決まりきったモノを作るのではなく、お客様からの要望をしっかりとヒアリングして、
その目的に一番合った刃物を、オーダーメイドで作っていきます。
たとえば同じ木を切るのでも、木目に沿って切るか、逆らって切るか、
どれぐらいの厚みのモノを切るのかで、刃の数や刃先の形は大きく変わってくるんです」
機械を使ったオートマチックな生産ではなく、
ほとんどのラインで職人の手が入るのが、神谷機工の製品の特徴。
機械と違って作業工程に融通がきくので「こんな刃物があればいいなあ…」という要望にも、
気軽に──1個からの注文にも対応できるのが強みだ。
しかも、機械では測れないほどの細かさのバリ(毛羽立ち)や歪みも見逃さないので、
神谷機工の刃物を使うことで、加工する製品自体の向上にもつながるという。
「繊細な仕事は、人間の手や目などの五感を使う。
機械を使うにしても最後は人間の判断や感覚が重要。
こまかやに相手の思いをくみ取る、
そんな力に長けた日本人が得意とする仕事じゃないかと思います。
匠と呼ばれる職人は、製品精度だけではなく『ここをしっかりやった方が、うまく切れる』
など、製品が使われた後のことまで想像した仕事ができるんです」
日本人の感性を生かしているからこその、誰からも信頼される製品づくり。
ホームページを通して、無料の切削試験サービスも行うなどして、
日本全国、最近では海外からも相談、注文が増えているそうだ。
匠の技を生かすために
神谷機工の刃物職人に求められるのは、専門的な知識や手先の器用さ以上に、
いい刃物を生み出すことに挑戦する意欲と好奇心だと、神谷さんは言う。
「前例のない刃物の注文があった時に、
『どうすれば顧客の要望に合った刃物が作れるか?』と自ら考え、
要望の向こう側にある真の要望を職人同士でアイデアを重ねて作っていく必要がある。
それに、好奇心のある人は、技術を覚える意欲が自然と湧いてくるので、
積極的に技を盗もうとするし、多少の困難は乗り越えられますよね」
一方で、営業部門になると、さらにコミュニケーション能力や、
刃物づくりとはまた違う発想力が必要になってくるという。
「うちが持っている匠の技を、
お客様の会社でどのように生かしていけるかを考えてもらい、
提案して売り込んでいく部署です。
工場や仕入先と連絡を密に取りながら、『うちの技術を使うと、このようなこともできます』
というアイデアを出したり、逆に職人たちに作業の改善策を提案したりすることで、
それを生産革新につなげてもらうこともあります。
そのためには、刃物づくりの現場も経験していただくことになります。
うちは基本的に『何でもやってもらいます』という会社ですので、
世間一般の『営業職』のイメージとは違うかもしれませんね。
ただ、『手に職がつく営業職』だと思っています。
ですので「営業しかやらない』という方よりは、
『なんでもできる』とワクワクして頂ける方に向いていると思います」
機械じかけの中にも求められる「職人の目」
神谷機工の工場は、本社ビルから徒歩1分強の場所にある、4階建てのビルだ。まず、ドイツ製のレーザー切断機を使って鉄板から型を抜き、
その後、鉄の強度と柔軟性を増やすための熱処理、
通称「焼き入れ」を行う(これは外部の工場に依頼)。
そこから製品1枚1枚を研磨機にかけ、表面の微妙な凹凸を平らに慣らしていく。
「刃物づくりで重要なのは、刃物のボディの歪みをいかに平坦にするかということ。
人間と同じで、一見同じように見える鉄板でも、それぞれに違うクセがあるんです。
そのクセを見ぬいて、どうすれば平らにできるかというので、
焼きを入れたり磨きをかけたりするわけです。人間を育てるのと似ていますよね(笑)」
この研磨部門を担当している1人が、現在21歳の大塚勇馬さんだ。
「手に職を付けたい」と思って求職をしている時に、最初に出会ったこの会社に入社。
入社2年目となる現在は、
研磨機5台を駆使しながら、多い時で1日200枚以上の刃物を磨き上げる。
「淡々と機械にかけているだけのように見えますけど、
こまめに研磨面の汚れを取らないと、製品にムラが出るんです。
残りカスがあったり歪みがあると、機械音に変化があるので、
その音の違いをちゃんと察知して対応できるようにしています。
最近は失敗も減ってきて、できることも増えてきたので楽しいです」
手元には「マイクロメーター」と呼ばれる、厚みを図る装置が。
研磨の設定自体は機械で行うが、最終的なチェックはこの装置を使って、目測で行う。
この若さで、厳しい「職人の目」が求められている。
「ゴミ取りは大変だし、鉄板は重いし、たまに指を切ってしまうこともあります。
でも納期までに全部仕上げて、しかもミスがなかった時は嬉しいですね。
職場の人も、いい人が多いです。中には職人気質の頑固な人もいるんですけど(笑)、
でも、そういう方のほうが一生懸命教えてくださったりしますから」
熟練の技がいちばんの強み
研磨にかけられた製品は、刃物づくりで最もデリケートな行程となる、歪みの調整に回される。厚さは均等になっても、実は0.05mmレベルの歪みはどうしても残る。
それを1枚1枚、ハンマーで叩いて調整し、
マイクロレベルでの微調整をかけて平らにするという、まさに熟練の業が求められる作業だ。
ここの出来次第で、刃物の切れ味は大きく変わってくる。
海外の企業では、このレベルの技術がまだできないという。
この部門を担当しているのが、今年で入社57年目、72歳となる松野保さん。
まず機械で歪みの幅を確認した後、その歪んでる箇所を叩いて慣らしていくわけだが、
強すぎると逆に歪みを大きくするし、弱すぎては何の効果もない。
一瞬で歪みを見抜く眼力と、ピンポイントで補正するための絶妙な力加減。
刃物づくり一筋50年以上の松野さんは、
1枚の調整に1分もかからないほどのスピードで、あざやかに直していく。
「これだけ長いことやってると、新しい素材や形の刃物がどんどん出てきますよね。
それがどんな風に力を加えればちゃんと調整できるかを考えて、改善して、
使った人に喜んでもらって、また注文が舞い込んでくる…
そんな当たり前のことが大きなやり甲斐になるんです。
とはいえ、それができるのは日々の努力の積み重ね。
自分を一人前だと思ったことはまだありません」
まさに、これぞ職人という雰囲気の松野さん。
先に話をうかがった大塚さんにとっても「話をする時は緊張します」という存在だとか。
「最近の若い人は、教えられるのを待っているように思えますね。
自分から教えを請うてくれる方が、教え甲斐があります。
やはり腕に技を持つのは、本当にいいことですよ。
だからこそ、70歳を過ぎても会社で働かせていただけますから」
自分でも「この仕事は天職だ」と言い切った松野さん。
神谷機工の会社全体にみなぎる職人気質は、
社員全員がこの背中を見てきたからじゃないか…と思えるほどの風格だ。
刃物づくりを通して、新しい社会貢献を実現する
今後、神谷機工が目指していきたいのは、自社を「100年企業へと育てる」ことだと神谷さんは言う。
そのためには、地域への貢献と海外進出にも力を入れていきたい。
「例えば、昨年から地元のNPO法人に協力して頂き、
自分たちの仕事で小学生たちに夢を持ってもらってもらうプロジェクト
『ドリカムスクール』に挑戦しています。約4カ月前から部署を越えたメンバーが集まり、
NPOや学校側とコミュニケーションをとりながら授業を企画運営していきます。
最近は将来の夢がないと言う子どもが増えているらしいですが、
それは「仕事」に対するイメージが持てないからだと思うんです。
うちの仕事を感じてもらうことで、モノづくりに興味を持ってもらうだけでなく、
将来の夢が少しは描きやすくなるんじゃないか。
いつか、自分たちの授業を受けた小学生が弊社へ入社したいと言う日がくれば、
100年企業へ近づいてることになるんでしょうね」
また、海外進出に関しても注力しておられる神谷機工。
世界へと視点を広げるのは、単に事業の拡大だけでなく、
人材の成長のためにも不可欠だとも。
「日本の切削工具技術、そして日本人の感覚というのは、
世界でまだまだ求められていくと思います。
これまで日本で作ってきた物だけでなく、新しい素材であったり、
現地の人の生活に根ざした、今までにない刃物づくりが求められるかもしれません。
そういう予測不可能な未来へ向かっていく、
ある意味で第二創業体験を自分たちの世代はやっていかないといけない。
それは国内でもできるんでしょうけど、海外の方がより挑戦できる環境にあるはず。
ただそれを実現するためには、同時に、若い世代が先輩方の技術をきっちりと引き継いでいく必要がある。
弊社は、まだまだ団塊の世代と言われる世代に頼ってしまっている部分があるので、
その技や感性を継承する人をどんどん育成したいですね」
刃物という「切る」モノを作る作業を通じて、様々な国や世代を「つなぐ」。
この一見相反する将来像も、神谷さんの情熱と、
日本人の感性を生かして誠実な仕事をする職人たちならば、遠からず実現できるかもしれない。
モノづくりが好き、職人として成長してみたい。
製造にしても営業にしても「一生モンの技術を身につけたい」という方には、
きっと理想の職場となるはずだ。
(取材:吉永美和子 撮影:倉科直弘 コーディネーター:喜多舞衣)
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- 神谷機工株式会社
- 募集期間
- 2014年5月1日(木)~2014年5月30日(金) それ以降の募集につきましては随時こちらのサイトにてお知らせさせていただきます。
- 募集業種
- ・製造スタッフ(刃物づくり職人見習い)
・営業スタッフ(セールスエンジニア見習い)
- 雇用形態
- 正社員(試用期間あり)
- 応募資格
- 18歳~35歳
経験不問。
- 勤務地
- 神谷機工株式会社 本社
※営業スタッフは、海外勤務の可能性も有り
- 勤務時間
- 8:30 ~ 17:30 (昼食12:00~13:00)
- 給与
- 17万円 ~ 35万円
昇給:年1回 賞与:年2回
- 休日・休暇
- 週休二日制(土・日) ※祝日は出勤
年末年始・ゴールデンウィーク・夏季休暇
年間休日数111日
- 待遇
- 交通費支給(月5万円上限)
・社会保険
・厚生年金
・社内行事は基本会社負担
・ユニフォーム貸与
- 採用予定人数
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選考後(当日~1週間)こちらより合否結果についてご連絡します。
質問があれば、事前にお尋ねください。
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●合否通知
面接、説明会の日時、入社日、待遇などはお気軽にご相談ください。
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- 応募者への質問
- ・志望動機や自己PRについて、「募集職種」に即して教えて下さい。
- WEBサイト
- http://www.kamiya-saw.co.jp
- メッセージ
- 「モノづくりが好き、モノづくりに関わってみたい」
「手に職をつけたい」
「匠の技を発信したい」
という方、ぜひご応募お待ちしております!
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