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2013.07.03 公開 2014.12.23 更新
ひだか建設
今こそ型枠を!!

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください

姫路からJR姫新線で3駅。
タケノコの産地として知られる太市は
自然の色濃い小さな集落だ。
太市駅前の絵地図ですこの地に、
まもなく創業50年を迎えるひだか建設の本社がある。
駅から車で訪ねると、
こちらの想像をはるかに超える約3千坪の敷地が姿を表した。
これが型枠工事、大工工事で実績のある「ひだか建設」の拠点!

建設業に欠かせない型枠工事、
その魅力と、業界をとりまく大問題。
そして、それでもひだか建設で働くことの意味とは。

取材を終えて、
今こそ型枠を!! と叫びたくなったそのワケを伝えたい。
山あいに広々とした敷地

一家と呼びたいような会社のありかた

まず、出迎えてくれたのが会長の日高秀人さん。
昭和39年に会社を興して、現在、満80歳。
一昨年、片足を失うほどの交通事故に遭い、13カ月病院に入っていたそうだが、
そんなアクシデントを感じさせないほど、
バイタリティに満ちて、まだまだ現役感がたっぷりだ。
日高会長です
「自分で会社をやり始めた頃は、家の2階に職人を泊まらせて、
嫁さんがご飯を炊いて。職人は10人くらいおったかな。
その時の職人の子どもが大きなって、今も働いとるよ。2、3人おるわ。
中卒から子どものように教えてきたのもいるし、嫁さんも世話してな」

そんな話を聞いて、まず「一家」ということばが思い浮かんだ。
会社という名の大家族。

「型枠いうのは、コンクリートを流し込む型を作る仕事。
それができる職人をたくさん育ててきたけど、みんな若いと思ってたら、
『おまえ歳なんぼになった?』『62です』いうてな、
その教え子でももう50歳や。
姫路の工業大学を出た子が何人か来てくれてるけど、
職人の数は全然足りてない」
事務所の風景
会社を支えてきた職人の高齢化。
仕事がキツいから若者のなり手がいないということなのか。

「いわゆる3Kと言われる、ええとこのないやつやな。
それに賃金もなかなか安いから。
自分でもずっと現場に出てたから知ってるけど、大変やな」

この仕事のいいところを挙げるとしたら何ですか?

「そう言われるとむつかしいな。朝は早いし休みは少ないし…
せやけど仕事というのは面白みがあってな。何の仕事でも一緒やと思うけど。
嫌やったらできひんわな。
この仕事は図面から立体的に考えて、実際に作って。そこは面白いな。
それに、みんなほんまに真面目。
何十年来のつきあいの中でやってるから、狂いがないわな」
将来の独立も応援したいと

型枠大工に未来はあるか

壁、柱、梁、床…建てもののほとんどは型枠工事で作られる。
型枠に生コンを流しこんで、固まってから型枠をはずせば、構造物の形ができあがる。
建築図面から型枠そのものを作って、現場で型枠を組んで生コンを流し込むまでが、
ひだか建設の職人に求められる仕事となる。

兵庫県下を中心に、大阪界隈まで広がっている現場へ
直行、直帰している職人も少なくない。
そんなひだか建設の現場一切をとりしきるのが、古森健司さん。
開口一番、切迫した気持ちが伝わってきた。
古森さんです
「この会社に尽くせとは言わないから、型枠の技術を覚えてくれたらそれでいい。
誰かが技術を伝承していかないと、このままではどうしようもないですよ。
コンクリを流しこむのにしても、
いくら型枠で固めても、流し方で形が変わってしまうから、
こっちはチェーンで補強して、とか、そういうのは現場で覚えるしかない。
それが勘でわかるというような人が、もう平均55歳くらいじゃないですか。
やばい、ほんまにやばいです。
あと5年もしたら、日本の現場では住宅の基礎工事すらできなくなりますよ」

これはひだか建設一社の問題ではなく、日本全体で緊急の課題となっていること。
老朽化した建てものを改修する際にも型枠工事は必要となるが、
とにかく現場の職人が足りていない。
敷地内には型枠の工場が
「昔は普通の大工さんでも月収50万円くらいにはなってたんです。
それが今はゼネコンを通って、ひどい会社だと日給1万円ないところがある。
うちは最低賃金は払ってますけど、それでも生きていくのが精一杯ですよ。
プロを育てないといけないのに、そのプロが食べれない。

ようやく国交省も動き始めて、雇用保険、医療保険、厚生年金保険は
みんなに強制的にかけなければいけないという法令ができたけど、
それが完全に施行されるのが4年後なんです。4年後じゃ、もう誰も残ってないじゃないの。
とはいえ、今いる職人すべてに保険をかけましょうとなれば、
スーパーゼネコンでも利益がふっとぶくらいの金額になる。
だから、ゼネコンも簡単には保険をかけられないんです」
型枠を自分でつくって現場へ持っていく
ちなみに、
ひだか建設は業界では珍しく、社会保険を完備した働きやすい会社。
その話を聞きつけて、移ってくる職人もいるというが、
それでも、古森さんの話を聞くほどに、
業界が抱える構造的な問題が大きすぎて、若者が飛び込むにはあまりにもハードルが高い。
はたして、ここに光はあるのか?

「光はありますよ。
兵庫県下で型枠の職人が今は700人くらい、以前は約3000人はいましたから、
1/4くらいになってるでしょ。で、仕事量はバブル期の半分くらいなんです。
つまり、仕事は2倍あるということです。
しかも、高齢化した職人が年々、減っていくわけですから、
今のうちに仕事を覚えはじめて一人前になった頃には引く手あまたですよ、確実に。
いくら建設投資額が減ったとしても、需給のバランスからすれば絶対に職人は重宝されます。
その時代がすぐそこまで来てるんです!」
開放感のある工場、暑いのだけが難点
確実にこれからの建設業界に欠かせない、
つまりは、未来の日本に不可欠な型枠の大工職人。
一人前になるまで10年、20年はかかるという、まさに職人仕事だからこそ、
人よりも早く、今のうちから手に職をつけておくのがいいと古森さんは言う。

「型枠大工は稼げるでという時代になったら、おそらく多くの希望者が出てくる。
その時に、ペーペーやったらどないもしゃあないでしょ」
右は日高太都士社長

型枠という職人仕事のこだわり

現場からの説得力あるエールに続いて、
型枠大工の職人仕事ぶりを紹介しておきたい。

シンプルな建てものなら、既存の型枠やちょっとした作業で対応できるが、
装飾的なビルや、個性ある住まいが増えている今では、
特殊な変型型枠づくりが必要になることも頻繁にある。
そこを一手に引き受けている職人が、津田勝美さんだ。
津田さんです
「設計士の先生が書いとる図面だけではできあがらない建物もあるんです。
図面は鉛筆の線1本で書いてますけど、実際に厚みを計算すると収まらなくなったり。
型枠は実際のできあがる形の外側につけるから、仕上がりの反対を考えないかんし、
簡単に崩せるように、バラせるようにと、作ったらすぐに壊すことを考えないといかん」

たとえば、たい焼き器でも想像してもらうとわかりやすいだろうか、
実際に建つ建造物と型枠は、凹凸の関係にある。
マンションの何気ないデコボコした外壁の装飾も、
その多くは型枠でつくられているというから大変だ。

「コンクリートは寿命が40年と学校で習いますけど、
今はそれ以上の年数たってる建てものが多いでしょ。その補修にも型枠が必要ですし、
公園なんかでも僕らの仕事はあるんです。
アプローチの曲がった通路とか、型枠で土台を作ってたりして、
芝生と土で見えなくなってる地下にコンクリートが使われている。
型枠の仕事はいろんなところにあるんです」
津田さんはイレギュラーな型枠のスペシャリスト
型枠の製作現場は、
職人の減少を見越して、日高会長が早くから設備投資を推進してきたため、
さまざまな工作機械が置かれて、作業効率はいい。
とはいえ、最後の仕上げは手作業になるものも少なくない。

えっ、畑ですか!?


津田さんの下で働く太田垣泰章さん、
専門学校を卒業してから入社、今年で3年目となる。
太田垣さんです
太田垣:「最初のうちは何もかもがわからなくて、
ほとんど津田さんにつきっきりで教えてもらってます。
本音を言うと、木造大工になろうと考えてたんですけど、ほとんど求人がなくて。
それで迷っているうちに、こちらを紹介されて、皆さんと会って。そこから続けてます」

津田:「(太田垣さんは)よく気が利く方ですよ。
僕らの弟子の時分は、言われんでも1を聞いて10を知る感じで、
たとえば、茶碗と言われたら箸がいるやろうと、おまけに湯のみくらいは持ってきて当たり前という時代でしたが、最近の子はそこまでは難しいので」
太田垣さんの仕事風景
2人並んで話を聞いていると、
太田垣さんの津田さんに寄せる信頼や敬意が垣間見えるようで、心地いい。

太田垣:「わからないところは全部、津田さんに聞いて。
多少はできるようになったかなと思いながら、でも、全然まだまだ。
津田さんに並びたいですけど、軽く10年、20年はかかりそうです」

津田:「何人か若い子はおるけど、彼はこのままやっていけば、
なんでもできるようになるんじゃないかな」
それぞれの信頼関係が心強い
この仕事にハマる人、ハマらない人では一体、何が違っているのか。
やっぱり技術の差だろうか。

津田:「いや、感性ですよ。植物ひとつ見ても、何が植わっとるかだけやなしに、ツルが元気やとか、この窓辺には合うとか合わんとか、そこまで一緒に見えるかどうか。
いつも言うんやけど、感性は誰も磨いてくれへん、人間は自分で磨かな光らんよ、と。
僕らここでね、百姓みたいなこともしとるんですわ。仕事の合間に。
そういうことをするのがやっぱり仕事に絶対につながると思ってるから」

言われてみると、
事務所の前にはゴーヤがすくすくとツルを伸ばし、
敷地の高台にはなんとぶどう畑まで! 畑にはシソや大根も植わっている。
夏になるとネット全面にツルが伸びる
津田:「おまえの趣味でやってるんかと言われるけど、そうじゃない。
僕も休憩時間に他にやりたいことがないわけやないけど、
それよりも、植物を作ることは非常に繊細で、それが仕事の繊細さにつながっていくんだと。
会長もそういう考えは同じなんです」

日高:「はたから見たら、この忙しいのに何をしよんかなと思う人もおるやろう。
けど、それが身について仕事に結びつくかもわからんし、
また、若い人との仲をとりもって、職人のコミュニケーションにつながる。
仕事にはそういう余裕、遊びが必要やな」

高台にあるぶどう畑
とはいえ、片手間にやるには本格的な畑、大変そうだ。

太田垣:「そうでもないですよ。
収穫とか忙しい時期になると、ほんとに全員で集まってさっと作業したりします。
それで穫れた作物はみんなで平等に分けるんです」

型枠、コンクリートというイメージからすると、
自然とは縁遠い職場だと勝手に思いこんでいた。

津田:「いや、それはどっちも人間が作るものですから。
人間の心がこもってないものを作ってもしょうがない。そう、思いますよ」
畑では表情が変わった!

未経験だとかそんなことは二の次だ

最後に、
求人にあたっての、というか、
今の若者へのメッセージをまとめて紹介しておきたい。
あらゆるものづくりの現場に通じる、熱いことばに感じるところがあれば幸いだ。
社訓はまっすぐど真ん中
津田:「経験なんてなくてもいいから、やる気次第ですよ。
できたものを本人が見て、また作ってみたいと思うか、感動するかどうか。
それだけですよ。
僕もこの仕事をはじめた頃、1軒の家を自分で建てて、その棟に上がった時のあの感動。
頭のてっぺんから電気が走ったというか、これは二度と辞められんなと思ったもん」

日高:「若い子に最初からこうしてほしいというのは無理やわな。いろんな人がおるから。
だから、まずはこっちを向いてもらって。仲間に入ってもらったら、教えていくし、
できるようになったら独立してもらってもええ。それは応援するわな。
なかなかそこまで大変やけどな」

古森:「うまく働けずに、遊んでる若者がいるなら手に職をつけてみないかと言いたい。
衣食住は必要なものですから。この仕事はなくならない、絶対に。
今は厳しいけど、未来はあるんです!」
まさに「今でしょ!」な会社
(2013/6/20 文:竹内厚 写真:倉科直弘 コーディネーター:福田拓也)

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Job description
募集職種
企業名・団体名
ひだか建設株式会社
募集期間
2013年11月1日(金)~2013年11月30日(土) ※それ以降の募集については、随時お知らせ致します。
募集業種
型枠大工見習
*ビル、病院、マンション、学校、老人ホーム、他
コンクリートを流し込む型枠工事
雇用形態
正社員
応募資格
高校卒業
勤務地
姫路市太市921番地の5
勤務時間
6:45〜15:30(残業あり)
給与
164,000円
休日・休暇
日曜日、指定日
待遇
交通費、社会保険、福利厚生
採用予定人数
若干名
選考プロセス
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採用担当者より連絡
応募者への質問
・一生懸命に仕事ができますか
・長続きできますか
webサイト
http://www.hidaka-kk.com/
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仕事に夢を持ち、夢の花を咲かせましょう!