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2021.04.05 公開 2021.05.06 更新
株式会社Earth Building
自然と共生し、成長を感じられる茅葺き職人の仕事。茅葺きを当たり前に選択できる未来へ向かう。

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください



株式会社Earth Buildingは、2012年創業の茅葺き屋根専門の工事店。宮城県に本社を置き、広島県にも活動拠点を構えています。

広島近県を中心に日本全国を飛び回り、茅葺き屋根の葺き替えや補修に携わっています。今回はその茅葺き職人の募集です。

近年、ヨーロッパでは環境保護の観点から茅葺きの在り方が評価され、新築住宅の屋根や壁などに取り入れられています。

そんな茅葺きに魅了され、職人になったお二人に話をうかがいました。振り返って思うのは、茅葺き職人の仕事は自然と共生しながら、人としての成長を感じられる仕事だということ。

彼らの生き方・働き方にワクワクしたら、ぜひエントリーしてください。

自然の中でのびのびと働き、学びが楽しいと感じられる環境がここにある。

上田 英馬(うえだ えいま)さんは、茅葺き職人と農家の二足のわらじを履く39歳です。もともと農業や自然を大切にしながら暮らす生き方に憧れがあった上田さんは、広島県に移住し農家のかたわらEarth Buildingの仕事に携わっています。

上田さんは茅葺きのどこに魅了されたのでしょうか?

上田さん アイコン
「茅葺きの素材は化学物質を使わない自然素材ですし、重機を使わず手作業で茅を束ねています。自然を大切にしながら暮らしたかった僕にとって茅葺き職人はぴったりな職業だったんです

上田さんは以前、東日本大震災で起きた原発事故を機に中国地方に避難してきた方たちのサポートをするボランティアを経験しました。食や自然と共生する暮らし、持続可能な社会の実現に向けて意識を高める方たちの姿に刺激され、上田さん自身も生き方への関心を高めていきました。

そういった経験から、「自然と共生する」暮らしを軸にしながら茅葺き職人の道を極める決意をしました。
茅葺きには、ススキや稲わら・ヨシなどの植物を刈り取って束ねたものが屋根や壁に使われています。刈り取ることで取り巻く生物や環境が循環し、茅は20〜30年の寿命ののち、役目を終えたあとは土に還ります。茅葺きは環境に負担がなく、むしろ保全となる技術です。

茅葺き職人の仕事は、自然と繋がり、自然と生き、生かされていると実感できます。自然環境を保ちながら、食や住まいを損なうことなく生活や仕事をすることが理想だった上田さんにとって、茅葺き職人はこの上ない仕事だったのです。
作業開始は8時から。採用されると、まずは先輩職人の手元(仕事の段取りをする人)として茅を切って束ねたり、一緒に足場を組んだりと、下回りの作業を行います。


上田さん アイコン
「最初は覚えることも多いと思いますが、丁寧にしっかりと教えますよ。手元作業は茅葺きの基礎なので、だんだんと全体の流れが把握できるようになりますよ」

陽が落ちると作業ができないため、仕事終了はだいたい17時頃。雨の日は現場にもよりますが、休みになったり、簡易的な屋根をつけてその下で作業をしたり、晴れの日に少しでも多く作業できるように茅を加工する作業に取り組みます。

上田さん アイコン
「僕はこの仕事をして3年ほどですが、比較的早い段階で屋根に上がらせてもらって、先輩の職人さんと一緒に葺き替え作業をさせてもらいました。職人は下積み期間が長いイメージがありますが、手元作業に真面目に取り組み慣れてくれば、『やってみる?』とチャレンジさせてもらえる環境がここにはあります

Earth Buildingの仕事は広島近県が中心ですが、仕事があれば全国どこへでも飛んでいきます。遠方の出張では、工期によって2〜3ヶ月滞在することもあります。

上田さん アイコン
「出張先では家やマンスリーマンションを借りてほかの職人さんたちと共同生活をすることがあります。みんなで暮らしを共にしていくことで、人間関係を深く築けていると感じています。茅葺き職人になる前は自分でご飯を作ったり、人と深く関っていこうという積極性がなかったので、ここで培われていますね」

見知らぬ土地で過ごす時間も多いようですが、上田さんにとってそんな働き方は決してストレスではなく、むしろ楽しめているようでした。出張があるからこそ得るものが多いと言います。

上田さん アイコン
出張先で応援に来てくれる職人さんたちの技術を見るのがとても勉強になるんですよね。オリジナルの道具を使っていたり、地域によって葺き替え方が違っていたりして学ぶことが多いんです。使う材料も土地柄によってススキだったり稲わらだったりして、また違った雰囲気の茅葺き屋根を見られるのも面白いんですよ」

この仕事について、もっと知りたい・もっと学びたいという気持ちが満たされるのは、様々な地域に出張し多様な経験ができるから。「今よりもっと技術を身につけたい」と上田さんは語ります。

葺き替え作業には一部分の補修もあれば、屋根を丸ごと葺き替えたり、屋根の棟の形によって葺き替え方を変えたりすることもあります。場数を踏みながら技術の向上に力を入れています。

上田さん アイコン
「野外の作業なので夏は暑いし、冬は寒い。体力的にも楽とは言えない仕事だからこそ、円滑に作業が進むようにみんなで声を掛け合ったり、『次はどうしたらいいか』を考えながら動くようにしています」


上田さん アイコン
「茅葺きの家を守ろうとする人は農業をされていたり、自然を大切にしながら暮らしている人が多いので、施主さんと農業の話や昔の暮らしについて教えてもらったりしています。僕自身がそんな話がとても好きなので、話が盛り上がって可愛がってもらえることも多いんですよ(笑)。自分より年上の施主さんが多いですが、年齢関係なく話ができるのが嬉しいですね」

仕事内容自体が、自然を大切にしながら共生していく暮らしをしたい上田さんに合っていることはもちろん、この仕事の在り方や取り巻く環境を楽しんでいる様子が印象的でした。

人の暮らしを支えているという実感。「自然と共生できる最先端の技術」を残していきたい。


沖元太一(おきもと たいち)さんはEarth Buildingの代表。職人気質な雰囲気とは裏腹に、穏やかな話し方が印象的です。

(右が沖元さん。上田さんと一緒に)


沖元さんはもともと設計士を目指していました。大学生の時に行なった民家調査で昔ながらの技術で建てられた民家に出会い、感銘を受けたと言います。

沖元さん アイコン
「現代の家は木造でも柱がまっすぐなんですが、昔の家は曲がった木を曲がったなりにうまく組み上げて使っていたんです。古い技術なのに新しく感じて。そこに職人の名前が残っているわけじゃないけど、『俺がこれを作ったんだぞ』という先人たちの強い誇りが伝わってきました」

職人の仕事に興味を持った沖元さんは、その後宮城県石巻市にある茅葺きを専門に扱う会社で働きます。

沖元さん アイコン
「会社の近くに北上川があって、河川敷にはヨシという茅葺きの材料になる植物が生えていました。刈り取ることで水質の浄化になり、茅葺き屋根として役目を果たした後は土に還りゴミになりません。茅葺きは古い技術でありながら、自然と共生することができる最先端の技術ではないか、と感じたんですよね

そんな中、東日本大震災が発生。街の建物やその中にある思い出までもが流され、災害廃棄物になっていく様子を目の当たりにします。

沖元さん アイコン
「茅葺きは災害廃棄物にならず、自然に還ります。刈ったところからは新しく芽が生えてきて、自然環境が保たれる。震災をきっかけに『環境にいい茅葺きの技術や伝統を残していかないと』とさらに強く思うようになったんです」

独立した沖元さんは生まれ故郷の広島県にも活動拠点を作り、今では全国を飛び回っています。国や地方自治体が指定する有形民俗文化財や県指定史跡の邸宅などの葺き替え作業も行っている中、特にやりがいを感じるのは個人宅の施主さんからの依頼だと言います。

沖元さん アイコン
「こちらもお金をいただいて仕事をしているのに、『あなたたちのような職人がいてくれるから本当に助かるよ』と言ってもらえるんです。職人がいなくなると、茅葺きの民家に住む人も困るので、暮らしの役に立てている実感がありますね

日本全国の茅葺き職人は約200名ほど。茅葺き職人がいるからこそ暮らしが成り立つ人たちがいると考えると、途絶えさせてはいけない業界とも言えます。また、ヨーロッパではエコの観点から茅葺きは大変注目されており、壁の一部や天井などに取り入れられ、新しい可能性を見ることができます。

沖元さんは茅葺きの世界や魅力を多くの人に知ってもらうためにワークショップを開催したり、モニュメントを制作して情報発信しています。技術や伝統を受け継ぎつつ、茅葺きの新しい可能性を今後も見出せると感じているからです。

沖元さん アイコン
「僕が目指すのは茅葺きが特別なものではなく、ふつうにあるものして暮らしに馴染んでいる世の中です。

日本でも店舗デザインの一環として茅葺きが取り入れられることがありますが、まだまだ少ないです。新築やリフォームのカタログに瓦屋根や鉄板葺き屋根がある中、茅葺きもあるような未来を想像しています。いろんな選択肢の中に当たり前に茅葺きがある未来にしていきたい。だから広める活動をずっと続けていきたいですね」

沖元さんは茅という素材や茅葺きの技術に魅了され、この「自然と共生できる最先端の技術」の必要性を強く実感しています。この仕事を伝承していくことは、沖元さんにとって自然と湧き上がってくる使命なのかもしれません。

人として成長できる茅葺き職人。茅葺きの未来を一緒に歩んでほしい。

作業自体は複雑ではなく単純作業なので、極端に不器用でなければチャレンジできる仕事です。出張が多く、暑さや寒さもあってタフな仕事ではあるけれど、いろいろな地域にいくことを楽しめたり、真面目にコツコツ取り組めるなら心地の良い環境と言えそう。

沖元さんは、「茅葺き職人になれば人として成長できる」と自信を持って言います。

沖元さん アイコン
「僕が20年以上続けられているのは茅葺きを通していろんな人と関われたり、施主さんからの『ありがとう』があるから。いろんなことを吸収して人として成長していると感じています。

茅葺きの新しい可能性を見つけながら技術を残そうという今が業界全体のターニングポイント。やっとスタート地点に立っています。茅葺きの面白さを一緒に見つけたり、新しい茅葺きの可能性に一緒に挑戦してくれる人をお待ちしています」

(社名は、日本語にすると「地球人具」。「地球の素材で、人が道具を使って、ものを作り上げていく」という意味が込められています)


茅葺き職人は自然が好きで、自然の中で働きたいという人にはもってこいの仕事。
自分が丁寧に手をかけた先にあるものは、自然と共生していく生き方や施主さんの「ありがとう」の言葉です。

昔ながらの技術を受け継ぎ、誇りある茅葺き職人にあなたもなってみませんか?ぜひ、エントリーを。

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Job description
募集職種
企業名・団体名
株式会社Earth Building
募集期間
2021/05/04 〆切
募集職種
茅葺屋根職人
仕事内容
茅葺屋根工事現場の作業スタッフ
雇用形態
正社員(試用期間3ヶ月)
応募資格
未経験者大歓迎(※育成のため35歳以下)
要普通自動車1種免許(MT)
勤務地
主に広島県及び近県、基本全国
※拠点は東広島市福富町上竹仁226-1になりますが、ほぼ現場での作業になります
勤務時間
8:00〜17:00(内、2時間の休憩あり・早出・残業あり)
給与
月給180,000円〜
試用期間中:日当8,000円〜
経験・スキル・前給与等を考慮し、面談の上決定します。
休日・休暇
休日はお天気に左右される仕事のため不定期
事前に申請して頂ければ振替休日には柔軟に対応します。
夏季休暇、年末年始は5日〜7日程度、慶弔
待遇
社会保険・雇用保険
泊りの出張の場合宿泊代・食費・日用品等会社負担
寮あり 無償
採用予定人数
1人
選考プロセス
1)本サイトからエントリー後、履歴書・職務経歴書を弊社までごメールでお送りください。
 【メールアドレス】earth-building@quartz.ocn.ne.jp

2)書類審査後、通過者の皆様にのみご連絡

3)お電話にて面談日時を相談の上、決定

4)面談を実施

5)面談の結果を全ての方にお知らせし、採用が決定
職場見学
仕事内容や職場の雰囲気を体感頂ける、職場見学を受付けています。
ご希望の方は、「希望日・見学を希望する理由」を記載の上、エントリーフォ ームよりご連絡ください。

実施日:個別対応
場 所:広島県及び近県、その時に行っている現場
内 容:作業現場の見学、体験、質疑応答など
WEBサイト
http://hiroshima-kayabuki.com/
応募者へのメッセージ
私たちの紹介を見て頂いて、ありがとうございます。
屋根の仕事なので、天気に左右されますし、人力ですし、出張も多いですし、決して楽な仕事ではありません。
そして茅葺きはいま、未来へ繋がるかどうかの端境期にあります。
しかし、それだからこそ、夢があります。
そして、茅葺きやそれを取り巻く自然は、私たちにたくさんのことを学ばせてくれます。
一緒に力になってくれる方、一緒に挑戦してくれる方、一緒に成長してくれる方、そんな方に出会えることを、楽しみにしてます。
ご応募、お待ちしております!