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2017.10.02 公開 2018.09.14 更新
NPO法人ちゅうぶ
バリアフリーのアドバイザーになって、誰もが住みやすい社会に変えていく仕事。こんな福祉もアリだった!

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください


恋人とテーマパークへデート。人気の鑑賞アトラクションで、係員から「規則なので、お互い離れた席で見てください」と言われたら、「えっ!カップルなのに、隣同士で座れないなんておかしい」と思わず声を上げたくなりませんか?

しかし、障がい者にとってそんな「おかしい」は、街中にたくさんあります。暮らしの中で感じる「おかしいな」という社会の一面を、障がい者と一緒に少しずつ改善しているのが、NPO法人ちゅうぶです。

今回募集している総合職では、障がい者の生活支援をしながら、制度や社会環境を変えていくさまざまな活動を企画・実施したい人を求めています。障がい者と一緒に街中にある不便な箇所を調査をしたり、バリアフリーのお出かけ情報誌を作ったり、その内容はあなたのアイデアと意欲と行動次第。

障がい者はバリアフリー化の最高のアドバイザー。彼らと一緒に楽しみながら、誰もが住みやすい社会へと変えていきませんか?


対立はしない。みんなが喜ぶ解決策を提案し、住みよいまちをつくっていく。


障がい者の自立を支援している団体は多数ありますが、ちゅうぶのように、制度や社会環境まで変えている団体は珍しいと思います。敷居が高そうにも感じるのですが、どんな職場か、総合職として入社3年目の大西 皓大(おおにし こうだい)さんに、入社のきっかけからお伺いしました。

(総合職で働く、入社3年目の大西さん)





大西さんニコ
「大学では防災の勉強をしていたのですが、災害時だけでなく、障がいや貧困・不登校など、日常の中で人を助けたいと思うようになり、就職したのがちゅうぶです。実は入社するまで、障がい者に関わったことはなかったんですよ。障がい者施設は閉鎖的で暗いイメージでしたが、ちゅうぶは、どんどん外へ出て行こうという方針で、面白いと思いました」


実際に、制度や社会環境を変えているそうですが、どんな例がありますか? 大西さんのように障がい者と接したことがなくてもできる仕事ですか?



大西さんふつう
「大阪の有名なテーマパークの鑑賞型アトラクションには、車椅子の席はあっても、車椅子同士は隣になれませんでした。車椅子の夫婦やカップルはいます。2人連れで遊びに来て、離れ離れで座らないといけないのはおかしいですよね。車椅子のスペースは2台置けそうですし、他にも立ち見席も利用できそうでしたが、最初はマニュアル通りに『決まりごとですから』と言われて断られていました。けれども、何度も行くうちにクルーの方も熱心に考えてくれるようになって、車椅子が隣同士に並んで見られるようになりました


(ちゅうぶが制作したお出かけ情報本『大阪バリバリマップ』には、テーマパークを筆頭に、さまざまな施設のバリアフリー情報を紹介。障がい者が出かける時の参考として役立っています)



確かに、カップルで遊びに来て、離れ離れに座ってくださいと言われたら楽しさが半減です。「社会にある“あたりまえ”がおかしい」と声を上げるのもうなずけました。それらは、大西さんが訴えたのですか?


大西さんニコ
「僕たちはあくまでも支援者。訴えるのは障がい者です。クレーマーではありませんから対立はしません。『楽しみにしてきました』『介助者がいます』『こうしたら座れないでしょうか』など、障がい者は自分の気持ちや提案を真摯に話します。待っているだけでは何も変わらないですから」


まるで社会を覆面調査してるみたい! 当事者である障がい者のリアルな声と提案が、第3者の心を動かし、制度や社会環境まで変えていっているのですね。



大西さんニコ
「場所は障がい者が行きたいところならどこへでも。普段の対応を見たいので、車椅子の障がい者2~3人と介助者で、突撃で行くようにしています。他にも神戸の須磨海岸では、階段の下にあったシャワー室がフラットになりましたし、移動しにくい砂浜にビーチマットも敷いてくれました!


大西さんたちスタッフは介助者という黒子に徹する姿も良いですよね。尊重と信頼で強く結ばれた絆も垣間見えました。他には、どんなフォローをしていますか?

(ちゅうぶでは、環境改善を役所へ訴えるため、国の制度を勉強しています)





大西さんニコ
「僕たちは、これらの事例をレポ―トにまとめ、大阪市や各施設へ提出をしています。何かを訴えるためには、国の制度を知らないといけません。内容が難しいうえに、どんどん変わるので、ちゅうぶでは毎年オリジナルの制度試験を実施し、社員は全員受けているんですよ」


クレーマーのように一方的に権利を主張するのではなく、しっかりと法律や制度を勉強したうえで、客観的に「おかしいな」を指摘し、みんなが喜ぶ改善策をあきらめずに提出してきたからこそ、国や施設もちゅうぶの主張を認めて改善してきたのでしょう。


障がい者はバリアフリー化の最高のアドバイザー。そんな障がい者と二人三脚だからできることがある。




ちゅうぶの取り組みについて、創設時から在籍する事務局長の石田 義典(いしだ よしのり)さんからもお話を伺いしました。

(先駆者の苦労とやりがいを、笑いを交えて語ってくれる事務局長の石田さん)





いしださんふつう

「今、大阪市の駅には車椅子でも利用できるようエレベーターが当たり前のようにありますが、最初はエレベーターではなく、車椅子対応エスカレーター案が出ていたんですよ。断固反対しました。車椅子対応エスカレーターを利用するには職員が2人必要で、使用中は一般のお客様が乗れないんです。目立つうえに一般客と対立するのでは、実用性はありませんよね。エレベーターも当初は鍵付きばかりでしたが、みんなが使えるタイプにすべきだと強く訴えました



便利のための改修なのに、車椅子対応エスカレーターではみんなが不便になり、不満も募ります。逆にエレベーターは、車椅子の障がい者だけでなく、ベビーカーのお母さんや年配者、荷物の多い旅行者など幅広く使われています。駅員の手間もかからず、誰もがハッピー。ちゅうぶの先見の明にうならずにはいられません。


いしださんニコ
「最近では、商店街の要望もあって、トイレの写真入りの『みなみバリアフリートイレMAP』をつくりました。1軒ずつお店を巡ってトイレの写真を撮っていると、店員さんからは変な人と思われましたが(笑)。マップは数千部配ったのですが、『みなみには車椅子トイレは少ないと思っていたので意外だ!』など、多くの人に喜んでもらえました。新聞でも紹介されたんですよ」


(一口にバリアフリートイレといっても、障がい者によっては、便器や手すりの位置が違うと使いにくく、写真付きだととても助かるのだとか。健常者にはない発想に脱帽)



総合職で働くようになれば、生活支援だけでなく、街を改善していく活動にもどんどん関わってほしいそうです。



いしださんニコ
「この仕事は、まずは街中にあるおかしさに気づくことが大事です。地道な努力ができ、調査中に変な人と思われても折れない根性(笑)、情報をまとめる力、いろいろな人や団体とネットワークを築くコミュニケーション力もあると良いですね。でも、それらに自信がなくても、未経験でも大丈夫一連の作業を面白いと楽しめる人なら向いていますよ!」

生活支援現場での学びが、まちを変えるための糧になる。障がい者のやりたいことを応援できる人を求む。

一般的な福祉事業所ではなかなかできない活動をしているちゅうぶですが、総合職の大部分の時間を占めている仕事は、障がい者の生活支援です。そして、障がい者の生活と気持ちに寄り添う毎日の積み重ねがあるからこそ、障がい者の目線での「おかしいな」に気づけるようになったり、障がい者から信頼を得てタッグが組めるのでしょう。

福祉といえば大変なイメージがあるのですが、実際にはどうでしょうか? 管理者兼サービス管理責任者の中野 陽介(なかの ようすけ)さんも交え、お話を伺いました。まずは、勤務形態を教えてください。



大西さんふつう
9時に出勤し、10時~16時に障がい者の生活や活動を支援します。具体的な内容は、出かける・考える・交流する・体験するなどの、障がい者が自立していくための個別支援です。また、仕入れたお菓子を売ったり、手作業で製品を作ったりすることもあるし、障がい者が住みやすい社会づくりを発信するための学校交流・バリアフリー調査など、地域や社会へ発信する活動をしています。障がい者の要望によりさまざまに支援します。


(障がい者のこんな笑顔を見ることができる職場です)



終業は17時30分です。会議で少し遅くなることもありますが、普段残業はあまりありません土日祝が休みで、イベントがある時は出勤しますが、代休や有休もあります

勤務時間は、一般の会社員とあまり変わりませんね。職場内の雰囲気はいかがですか?



大西さんニコ
「障がい者団体としては歴史がありますが、今は若い職員も多くて勢いがある職場だと思います。多様性を大事にしていて、いろいろな風が吹き、多彩なアイデアも出て楽しいですよ」


(管理者兼サービス管理責任者の中野さん)





中野さんニコ
「現場での個性と多様性は大切にしつつ、この10年ほどで、社内のブランディングを強化して、『障がいがあっても、人の力を借りて自己選択・自己決定すること』という理念に向かって、スタッフ全員の方向性もそろい、居心地も良くなったと思います。しんどい時はみんなが助けてくれますよ


どんな人が総合職に向いていると思いますか?



大西さんニコ
障がい者のやりたいことを応援できる人ですね。つい先回りをしたくなりますから(笑)。また、健常者の当たり前は、障がい者の当たり前ではないので、障がい者の立場になって、世間のおかしさを指摘できる人も良いですね」




いしださんふつう
「最近、公園にバイクや自転車が入れないようPゲートが設置されるようになりましたが、これがあると入れない車椅子も多いんです。安全を重視するあまり利用者を拒否している気がします。あらゆる立場の人にとっての一番ベストな道はなにかを考えられる多様性重視の人もちゅうぶに合うと思います」



中野さんニコ
「ほかにも、何でも楽しめる人も向いてますよね。自分の好きや興味、特技も活かせる職場ですよ」


(ちゅうぶでは、障がい者が行きたい場所へ、どんどん出かけています)



誰かが困る環境を変えていきたい。福祉の先駆者的存在のちゅうぶが「そよ風のように街に出る」理由。


そんな1本筋の通ったちゅうぶの創立秘話を、石田さんに教えてもらいました。



いしださんふつう
「1970年代は、今のように障がい者の作業所やデイサービスもなく、生まれてから家から出たことがない障がい者がたくさんいました。『そよ風のように街を出よう』をキャッチフレーズに、障がい者とボランティアメンバーが共に街に出かけ、一人暮らしを支援してきたのが始まりです。毎年夏には琵琶湖で『大交流キャンプ』を開催し、数百人が参加して楽しかったですね。


(毎年、数百人が集まったという「大交流キャンプ」)


当時の社会は、障がい者は差別されるのが当然という風潮でした。養護学校卒業後、親による子殺しや親子心中も多く、親は同情されても、障がい者だからしょうがないと思われていました。障がい者ゆえに、親から殺されてもしょうがないという風潮に疑問を抱えていました

世の中への疑問が始まりだったんですね。そして、1984年に古い民家を改造して中部障害者解放センター(現・ちゅうぶ)が設立されました。

1985年には大阪初の障がい当事者が中心の作業所、1989年には大阪市第1号の重度身体障がい者のグループホームなど、先駆的な取り組みを次々とスタート。1992年に全国に先駆けて制定された「大阪府 福祉のまちづくり条例」のバリアフリーに関する条項にも影響を与えたそうです。

(ちゅうぶの現在の事務所)



現在は、生活介護・グループホーム・介護派遣がちゅうぶの主な事業です。さらに、「障がい者問題は障がい者側の問題ではなく、社会や環境の問題だ」と訴え、制度や社会環境まで変えてきた、創業当時の志はそのままに、街のバリアフリー化や制度の改革などにも関わっています。



いしださんふつう
「障がい者は街中に、不便や差別がいっぱいあります。そのおかしさに対して、僕たちが提案をしなければ、誰かが困る状況はそのままです。むずかしいことを面白がるぐらいがちょうどいいかもしれません。這い上がってくる力があれば、必ずまわりは理解してくれますよ!」


障がいを物ともせず、みんなで社会と向き合っていく。ここにしかない福祉の仕事があります。


最後に大西さんに、印象に残っているエピソードをお聞きしました。


大西さんニコ
「入社して一番初めに関わった重度の障がい者の方は、言葉が話せないので意思を表現するのが難しく、自分で買い物に行った経験がほとんどない方でした。ある日、自分の貯めたお金で時計を買いたいと打ち明けてくれました。お母さんにもご協力していただき、願いが叶いました。ご本人は非常に喜んでくれ、いつでも見れるように車椅子の卓上に時計を取り付け、友達にも見せびらかして…(笑)。僕も自分のことのように嬉しくなりました。同時に、障がい者が願いを叶えることは、親やとりまく環境も大事だと実感した瞬間でした」


「健常者の当たり前は、障がい者の当たり前ではない」「障がい者問題は、障がい者側の問題ではなく、社会や環境の問題」という、ちゅうぶが大切にしている言葉が染み入るエピソード。制度や環境を変えていこうとする原動力につながるお話です。
ちゅうぶに通うスタッフも障がい者もとても前向きで(時には障がいを自虐したような会話に花が咲く)、お互いに認め合っている関係の良さをひしひしと感じました。とにかく明るく、さわやか。障がいを物ともせず、みんなで社会と向き合っています。

障がいを、バリアフリー化へのヒントを得る最高のメリットと考え、街に出て、制度や社会のおかしさに気づき、誰もが住みやすくなる街に自分たちで変えてきたちゅうぶ。そんなちゅうぶがかっこいいと感じたなら、ぜひエントリーをしてみてください。

【記事を読んで、NPO法人ちゅうぶに興味が湧いた方はぜひイベントへ!】
9月21日にハローライフで開催する「ホンネで話せる夜の合説〜NPOというキャリア編〜」にNPO法人ちゅうぶが出展します。少しでも気になる方は、ぜひお話を聞きにいらしてくださいね!

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Job description
募集職種
企業名・団体名
NPO法人ちゅうぶ
募集期間
2017/11/03 〆切
募集職種
■総合職
障害者の自立に向けて、さまざまな支援策を考え、実行していく仕事です。
障害者の支援を行なう日常業務に加え、誰かが困る環境を変えていくために、障害者のことを社会に発信する活動も展開しています。
その他、法人内部のプロジェクト(採用や広報)があり、応募者の適性や希望に応じて、業務の割合をすり合わせさせていただきます。
雇用形態
正職員(試用期間3ヶ月)
応募資格
特に問いません。
経験者・介護の資格がなくてもOK。
対象となる人物
人と関わるのが好きな方。
いろんな問題に興味がある方。
なにか得意なことがある方。
考えるのが好きな方。
勤務地
大阪市東住吉区田辺5-5-20
勤務時間
9:00~17:30
1カ月単位の変形労働時間制(週平均41時間以内)
※労働時間が月171時間を超える場合、別途残業手当を支給致します。
※イベントの前日など、1時間程度の残業をお願いする場合があります。
給与
187,500円~340,000円
経験・スキルを考慮して決定します。
賞与:3.2ヶ月分以上(夏期・冬期)
※毎年欠かさず全職員に支給しています。
各種手当あり。
休日・休暇
変形労働時間制(基本週休2日)
※土日に休日を取得することが多いです。
有給休暇、慶弔休暇、特別有給休暇(年間5日まで)
新婚休暇(1週間)など
福利厚生
各種社会保険完備
(健康・雇用・労災・厚生年金)
スポーツクラブ法人会員
(職場から徒歩5分のスポーツクラブを無料で利用可)
資格取得支援制度

【諸手当】
■交通費支給(月15,000円まで)
■時間外手当(労働時間に伴い支給致します)
■自転車手当
(月 2,000円 自転車20分圏内で通勤が条件)
■住宅手当
(最大15,000円)※当社規定による
■家族手当
(子1人目⇒15,000円、子2人目10,000円、子3人目5,000円)
■緊急対応手当
(急なシフト依頼の場合、時給に換算して25%増の給与を支給)
■宿泊手当
(泊りをお願いする場合は、1日当たり別途)2,000円を支給)
■特別一時金(※評価制度について欄参照)

【評価制度について】
1年に1回、増給を前提とした昇給を必ず行っています。
評価制度は上から決められたものではなく職員の中からプロジェクトを作り、みんなの意見を聞きながら決めたもの。
「頑張っている姿勢」など、目に見えるもの以外も評価対象になり、実際の現場で働くスタッフならではの意見をふんだんに取り入れています。

また4月に業績に対する一時金を支給しています。
ちなみに昨年は社員の半数以上が取得した実績もあります。
採用予定人数
職員1~2名
選考プロセス
1)本サイトからエントリー

2)書類審査
履歴書(手書き)職務経歴書など、エントリーシートを弊社までご郵送ください。
※お送り頂いたものはお返ししておりません。
エントリーシート:「ちゅうぶで働くことを通じて、自分自身をどのように高めたいか。あなたの人生観を織り交ぜて書いてください。(A4 1枚)」
(通過者の皆様に、お電話にて一次面談日時を相談の上、決定)

3) 一次面談と筆記試験
(面談の結果を全ての方にお知らせし、通過者の皆様に職場体験日時を相談の上、決定)

4) 職場体験2日(仕事体験ですが、時給850円お支払いします。)
※在職中の方は都合にあわせ、調整を行うことも可能です。
(職場体験の結果を全ての方にお知らせし、通過者の皆様に二次面接日時を相談の上、決定。)

5) 二次面談と筆記試験
(面談の結果を全ての方にお知らせし、採用が決定)

6) 勤務開始
Webサイト
http://www.npochubu.com/
メッセージ
どんな障害があっても自己選択でき、自分らしく生きていくために、ちゅうぶは活動を続けています。
社会の中にはバリアがたくさんありますが、障害者が選択できる社会になるように、障害者と積極的に活動し、ともに挑戦していく人が必要です。
 
ちゅうぶは介護や福祉に関係が無かった人が活躍している職場です。
未経験、無資格の人も大歓迎です。

応募待っています!