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「現実なのに、現実じゃないみたいだ」
今回の取材に向かう道中、これを書いている私は、
祖父の葬儀の参列時に、そう考えていたことをぼんやりと思い出していた。
目の前のことを見ているつもりなのに、
ふと気を抜くと、いつの間にかどっぷりと自分の頭の中にある思い出に浸ってしまう。
荷物の片づけや引っ越しのときに感じる、あの感覚に似ている。
そうやって頭が勝手に現実逃避してしまうのは、
「自分の思いが詰まった大事なもの」と
決別しなければならないときの自然反射なのかもしれない、
そう気がついた。
時間をかけて積み重ねた想いが強ければ強いほど、
何かを手放すときには、心の整理が難しく、理性を保ちにくい。
そういう意味では、一生を終えた故人を見送る葬儀ほど、
その想いが募る瞬間はないんじゃないかな。
そんなとき、感情の渦中にいる親族に必要なのは、
とことん悲しみを共有してくれる人よりも、
目の前の真っ暗な道を灯りで照らしながら、
寄り添ってガイドしてくれるような人。
まさにそんな存在こそが、
今回株式会社セルビスで募集する、葬儀ディレクターなのだ。
人の人生に、まるごと携わるということ。
株式会社セルビスは、葬儀の専門会社というわけではない。
元々、埼玉県でギフト店を営んでいた先代社長の坂元正照さんが、
「互助会」という冠婚葬祭業の制度を引き継ぐため、
当時後継者の空きが出た大阪エリアにて、その灯を守ることにしたのが、
セルビス創業の始まりだ。
そこから、大阪・堺市を拠点とした南大阪エリアで、結婚式場から葬儀場、
供養施設の運営に仏壇仏具の販売、また、訪問介護や産後ケア、衣装レンタル事業に加え、
なんとレストランやパン屋さん、ケーキ屋さんまで(!)
冠婚葬祭を中心に、様々なサービスを展開してきたというのだけれど…。
まぁ、とにもかくにも、幅が広い。え、本当は何屋さんなの?
みなさんも正直、そう思いません?
「それはよく言われますね。実は僕も入社するまで、
どんなことをやっている会社なのか、
ほとんど知らなかったんですよねぇ」と屈託なく笑うのは、
跡を継いだ、現社長の坂元正幸さん。
「でもね、冠婚葬祭業って結婚式と葬式だけじゃないと思っているんです。
その合間だって人生の中では繋がっていて、ひと続きですよね。
だから、僕らが手掛ける事業はすべて同じ延長線上にあるんです。
たとえば、お通夜やお葬儀に来られる時間帯はちょうどおなかが空く時間帯でしょ?
でも、そこでお寿司とか出されてもちょっと食べにくい雰囲気だったりする(笑)。
でも、パンなら気負わず食べてもらえるんじゃないか?ということで、パン屋を始めたんです。
そうやって、すべてが結婚式や葬儀を良くするために辿りついたひとつのカタチなんです」
と、坂元社長。
普通なら、結婚は結婚式場、介護は介護業者、葬儀は葬儀屋のように、
それぞれのターニングポイントによって、専門の会社は違うもの。
けれど、仏教にある「人は50年後に生まれ変わる」という考えをもとに、
「ゆりかごから墓場」までじゃなく、
「ゆりかごから次生まれ変わるまで」(!)をサポートするのが、
株式会社セルビスのポリシーだという。
いろんな切り口をつくることで、誰かの人生の「あるタイミング」に関わり、
そこから先の人生も、そのまま一緒にお付き合いをしていく。
なんだか、マラソンランナーでいうところの、並走ランナーのような関係性だ。
そしてこの関係性こそが、
セルビスの原形である「互助会」という仕組みの大きな特徴でもあるのだ。
自ら、安心を積み立てていく。
「元々は、『結婚式の着物や葬儀の祭壇をみんなで使おう』ということで、
地元の人たちが寄り合いお金を出し合ったことが、互助会の発端なんです。
それが、今では企業体になり建物を持つようになった。
だから、その場所でいつか来る『人生のセレモニー』を迎えられるよう、
お金を積み立てていくようになったのが、今の互助会のカタチなんです」
そのためセルビスでは、会員制で毎月2,000円を10年間積み立てていき、
それを元手にプランを選び、結婚式や葬儀を行う仕組みとなっている。
「万が一のときにはお世話になる」と言える場所や人を持つ心地良さは、
つまり「安心を積み立てていく」ことと同義だ。
そう考えれば、「互助会」という言葉は、
今の若い世代にはあまり聞き馴染みがないけれど、
経済格差の広がりや、核家族化の進行に伴う現代社会において、
もう一度見直されるべき仕組みかもしれない。
思わず、そんなことを思ってしまった。
すると、そんな私の考えを見透かしたように、
「昔は、葬儀ひとつにしても
『親御さんのために内緒で互助会入っとこう』っていう
ご家族の方が多かったんですけどね。
でも今は、ご夫婦で来られて
『わし、ここに決めるわ、息子にいうとくわ』って、
自分で決めて明るく話をしていかれる方が増えてるんです。
最近、結婚しても式を挙げないナシ婚が流行ってますけど、
葬儀の場合は余程のことがない限り、ナシっていう選択肢はほとんどないでしょ?」
そう言って、笑う坂元社長。
たしかに、葬儀は「人生の締めくくり」という集大成の瞬間。
だからこそ、見送る側も見送られる側も、
あえて「ナシ」という選択肢を選ぶことは少ない。
とすれば、葬儀ディレクターは、命の始まりに向き合う病院現場と同じくらい、
命を終えた人に向き合う「最前線」の仕事とも言えるんじゃないだろうか。
「そういえばこの間、とあるパーティーで、
たまたま我が社での葬儀をされた方と出会ったんですけどね。
その方から『◯◯ホールの◯◯さんという方にお世話になって
ね。本当によくやってくれたよ、ありがとう』って、そう言われたんです。
葬儀の間の短いお付き合いの中で、そこまでの関係性を築けたこと、
そして社員を名指しで褒めてもらえたことは、
僕自身を褒めてもらうよりずっと嬉しかった」
そう言って社員のことを語る坂元社長の顔つきは、
なんだか我が子を見る親のように優しい。
「僕自身、父がいつも『うちの社員はいい子ばっかりや』って、
いろんな人に話をしてた姿を見て育ったといっても過言じゃないんです。
だからこそ、僕はこの会社への入社を決意しましたからね(笑)」と、ポツリ。
社長自身の入社秘話に込められた想いこそが、
先代から受け継ぐセルビス流の「人育ての秘密」かもしれない、
そう思った瞬間だった。
では、そんなセルビスの社員は、一体どんな日常を送っているのだろう?
早速、入社4年目の頼れる先輩・木村恵さんに、
葬儀ディレクターとしての毎日を伺ってみることにする。
傍でサポートをする、という立ち位置。
木村さんは、新卒で入社後、葬儀を担当するメモリアル事業部に配属され、
2年間は葬儀ディレクターとして勤務。
のちに新人教育を担当する教育研修センターの指導員を経て、
現在はバックオフィス部門を担当する多彩な経歴の持ち主だ。
人当たりのよい笑顔をふわりと浮かべ、その口調は淀みがなく心地良い。
なるほど、先程、坂元社長が「社員がお客さんに褒められた」と
話す意味がわかるような気がする。
そんな木村さんに入社の経緯を尋ねてみると、
「私、正直、はじめは葬儀に興味なかったんですよね(笑)」と一言。
ここにきて意外な返答(!)
それでも、葬儀ディレクターを選んだんですよね?
「入社試験の一環で事業所見学というものがあるんですけど、
実際に働いている先輩の働きぶりを見聞きしたときに、
『あぁ、この人と一緒に働きたい』と思える人に出会ったんです。
私よりも2年先輩なだけなのに、しっかりしてて明るく親しみやすい。
それまで私、葬儀=暗いイメージで
『仕事をしてる人も暗いんやろうなぁ』って思ってたんですけど、
むしろ逆なことばかりだったんです(笑)」
入社前から感じた「いい意味」でのギャップは、
「入社してからもいくつもあった」と木村さん。
葬儀の流れは、基本的に病院か家族から電話が入り、
そこからお迎えの寝台車を手配して故人を安置したのち、
式の日にちや内容を打ち合わせして、
体を綺麗にして納棺、お通夜、葬儀、告別式という流れになる。
普通ならば、打ち合わせをする人、納棺をする人、
司会をする人はそれぞれ分業になっていることが多いのだけど、
セルビスの場合は、なんとその全てを一人で担当する(!)というのだ。
ちょっと一連の流れを想像してみると…、式場の中や打ち合わせでの作法、
お客様のご案内の仕方など、思いつくだけでも覚えることが相当にありそうだ。
しかも、大規模な式を行うメモリアルホールに、家族葬を行うファミリーメモリアル、
自宅で行うマイホーム葬など、会場の規模もいろいろあるし、
ましてや宗派によって葬儀のスタイルも違うはず。
木村さん、入社してすぐに、こんなこと本当に一人で全部できるんですか…?
「もちろんメインの担当は一人とはいえ、葬儀の規模によってアシスタントが入るので、
最初は物品の準備やお客様のご案内など、式のお手伝い業務から始まります。
ただ、そのためにも、まずは葬儀のことについてみっちり学ぶ研修期間が、
約半年間ありますけどね(笑)」とにっこり。
専門用語や言葉遣いはもちろんのこと、儀式の中での動作や所作など、
細部に亘る知識が必要とされる仕事だからこそ、
「この研修は徹底的にマスターしてもらう」と坂元社長も口を揃える。
その知識をベースに、社内試験に合格して初めて、
現場に配属されるという流れだそうだ。
「ただ、一人で悶々と思い詰めてやるわけじゃなくて、
同期で『みんなで一緒に合格しようね』っていう目標をもって臨みますし、
マニュアルがちゃんとあるのでそこに自分らしさをどうやって肉付けしていくか、
というのが大事なんです」
だからなのか、この日ちょうど取材に伺った堺中央メモリアルホールでも、
スタッフの皆さんの間に、和気あいあいとした雰囲気が流れていた。
けれど、どうしても聞いてみたかったある質問を、
木村さんにぶつけてみる。
「仕事中、悲しいという感情に、自らも流されそうになることはないんですか?」
すると木村さん、「以前、私の母と同じ年の方が亡くなられたとき、
ご家族の方々がとても悲しんでおられる姿を見て、私も母親を重ねてしまって…。
お棺の蓋を閉めるときとても心苦しかったことがあるんです。
でも、私たちは寄り添うことはできても、その方になることはできない。
あくまで、後悔がないように心からのお別れしていただく、
そのお手伝いをする立場なんだと自覚しています」
あぁ、やっぱり心が強くないとできない仕事なのかなぁ、そう思ってしまう。
でも次の木村さんの言葉を聞いて、それは単なる思い込みだということに気付かされた。
人の縁をつなぐ 、究極の仕事。
「我が社の優先順位は、まず故人が一番。葬儀と結婚式の大きな違いは、
見送られる側が喋れないということなんですよね。
だから、本当は伝えたくても伝えることができなかったかもしれない想いを汲み取って、
故人になり替わって大事にしたい人をもてなす。
それが私たちの役割だし、だからこそ葬儀ディレクターというのは、
究極のサービス業だと思っています」
そう話す木村さんからは、
自分の仕事に対する強い信念が、確かに伝わってくる。
「そう言えば、私の担当ではないんですけど、
とある高校の先生が亡くなられて学生さんや教え子がたくさん参列された式があったんです。
その方がJ-POPが大好きだったということで、最後の出棺の一番悲しいタイミングに、
大好きな明るい曲を流してお別れしたということがありましたね。
あとは、ゴルフ好きだった人がいて、
祭壇にグリーンを再現してクラブを飾った葬儀もありました。
多分、こんなことをしている葬儀場、他にはあんまりないんじゃないかな(笑)」
葬儀の場に、明るいJ-POPやゴルフクラブ(!)。
思わぬ取り合わせに、一瞬「え?」と、驚いてしまった。
でも、葬儀は明るく執り行われてはいけないという固定概念は、
自分の中での「勝手なタブー視」なのかもしれない。
故人の想いを伝える場と考えれば、もっと自由なスタイルがあってもいいし、
参列者自身が自分のことを振り返るいい機会になるかもしれないのだ。
もっとも、テクノロジーが進む中で、
遺骨をお寺に郵送したり、インターネットを通じて参列したりと、
葬儀自体のカタチも日々様変わりしている昨今。
そんな時代に、対面で葬儀を行う意味はどこにあるだろう?
最後の質問に、坂元社長はこう答えてくれた。
「故人も、見方を変えてモノ扱いしようと思えば、いくらでもできるわけです。
でも、例えば自分を生んで育ててくれた親御さんをそんな扱いにしていいんでしょうか?
もし自分がそうしたら、きっと巡り巡って、
自分もまた全く同じ扱いを受けてしまうと思うんです。
どんなに便利な世の中になっても、
一人の人が亡くなるということは、手間もかかるし悲しい思いもする。
でも、そうやって自分の体と持てる感情全てで向き合って、
悲しい思いを乗り越える。それがあるからこそ、人は次に進めると思うんです 」
体と感情全てで、向き合うこと。
なんでも合理的に時短できてしまう世の中においては、
特に感情が大きく揺さぶられる瞬間は、最も省いてしまいたい。
なんだかそんな風潮が、今の世の中に蔓延している気がする。
「時代と逆行してるかもしれないですけど、
我が社は、社員と故人、そして家族をずっとつなげていく。
そうやって縁を切らない関係性を、ずっとずっと続けていく役割だと思っています。
だから、『人が好き』というのが、うちで働く上で何より大切な部分ですね。
そうじゃないと、そもそも『人のために本気で何かをしてあげたい』なんて、思わないでしょ?」
葬儀ディレクターは、人と接する仕事の中でも、
最上級に気を遣い、ナーバスになることも多いのは、間違いないと思う。
でも、自分の先祖を辿って1000年遡ってみれば、
なんと全員、血がつながっているとも言われている。
そんな生と死の橋渡しをする仕事は、きっと世の中に二つとしてないんじゃないかな。
本当に「人のために役立つ仕事がしたい」そんな強い想いがある人ならば、
チャレンジ「しない」「できない」理由は、どこにも見当たらないはずだ。
※本求人記事は、NPO法人スマイルスタイルが大阪府より委託を受け、
「地域人づくり事業(雇用拡大プロセス)未就職卒業者等と
優良中小企業早期マッチング事業(事業期間2015年3月〜2015年12月)」の一環で
作成したものです。
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- 株式会社セルビス
- 募集期間
- 募集終了
- 募集業種
- ○葬祭業務全般を行っていただきます。
*お葬儀に関する打合せ、司会進行等が担当業務となります。
*4ヶ月間は葬祭に関する研修センターでの勤務となります。
*試験合格後、現場配属となります。
※社用車使用(箱形の軽自動車〜ワンボックス車)
※AT限定免許は可ですが、ペーパードライバーは不可となります。
- 雇用形態
- 正社員
- 応募資格
- 普通自動車免許(AT限定可)
高卒以上
- 勤務地
- 堺市・大阪市平野区・和泉市・泉大津市・岸和田市・貝塚市・河内長野市・松原市・高石市
- 勤務時間
- 変形 1年単位
1)08:00〜17:00
2)10:00〜19:00
3)13:00〜22:00又は08:00〜22:00の間の8時間程度(60分)
- 給与
- 基本給(月額平均)又は時間額178,200円〜250,000円
その他の手当等付記事項家族手当:5000円 〜20000円
役職手当:10000円 〜80000円
業務手当:70000円 〜250000円
※33歳女性(入社4年目):固定給22万円+業績手当 23万円
昇給:あり 1200円 ~15000円/月
- 休日・休暇
- 109日
- 待遇
- 実費支給上限あり月額:100,000円 雇用 労災 健康 厚生 財形
- 採用予定人数
- 若干名
- 選考プロセス
- 1)まずは履歴書・職務経歴書等の書類作成サポートや面接対策、
キャリア相談等を実施致しますので、
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