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行政と市民の間でやるべきことがたくさんある
大阪市中央区の歴史や魅力を伝え、区内の小学校でも配布されている「わがまちガイドナビ」、地域住民が大災害にそなえるための「京都市避難所運営マニュアル」、
大災害時の観光客の避難誘導を事前に考えた「帰宅困難観光客避難誘導計画」、
豊中市の新しい複合施設「南部コラボセンター」の基本構想……
これらは、街角企画が行政の委託を受けて生みだした成果のごく一部だ。
「仕事の7~8割は行政のアウトソーシングです。
アウトソーシングには2パターンあって、
作業量が多すぎるので委託するというものと、専門性が求められて、委託される場合。
前者は答えが決まっているけど、後者は答えが決まっていません。うちが多いのは後者ですね。
ひとつの小学校区や商店街という、
目の届く範囲のサイズ、それほど大きくないコミュニティをフィールドにして、
そこをベースに住民や事業者などといっしょに、
ボトムアップでやっていくようなまちづくりを多く手がけています」
専門性が求められる上に答えが決まっていない?
それってたとえば、どんなケースなんだろう。
「たくさんありますよ。
昔のように、単純に道路や住宅が足りないから、
じゃあ道路をつくろう、住宅をつくろうという時代じゃないので、
多くのプロジェクトで、行政と市民がいっしょに進めていくことになるんですが、
どんな街にしますか、どんな人に集まってほしいですか、
答えを決めるのはどこかの誰かじゃなくて、あなたですよと行政は迫ってくるわけです。
とはいえ、行政が市民の話を聞くだけ聞いて、
『では、持ち帰って考えさせてもらいます』って言いながら、
出てきた案が全然違っていたり、時間ばかりかかって市民の熱が冷めてしまうこともある。
そうはならないように、行政と市民の間に我々が入って、話をしていくことになりますね」
本気で街のことを考えるのなら、
行政まかせでは物事はうまく進まない。
かといって、市民が関わる度合いもケースバイケースで対応しなければ
大義名分だけの市民参加ともなりかねない。
「そうですよね。いきなり『街をいっしょにつくりましょう』と言われても、
市民からすれば、『何もわかりまへんで』となってしまう。
そのためにも、たとえば、うまくいってる街のことをいっしょ勉強したり、
気軽に話しやすい場をしつらえたりして、
情報や進め方をうまく準備しないと、よい成果につながりません」
プロジェクトの現場に入ってから、実際に何が求められているのかを判断、
それから必要な仕事の進め方が決まっていく。
手間がかかるやり方かもしれないが、これからの市民社会に欠かせない手順に違いない。
たとえば、地域の巨大複合施設ができる前段階で
抽象的な話ばかりでもわかりにくいので、いくつか進行しているプロジェクトの中から
豊中市の「南部コラボセンター」における街角企画の関わりを聞いてみた。
「コラボ」は豊中市が市内4カ所で計画している、
図書館や公民館、福祉施設などが一体化した複合公共施設。
すでに、千里文化センター「コラボ」は08年に完成しているが、
続いて、豊中市南部地域で構想が進められているのが「南部コラボセンター」だ。
「複合公共施設をつくることは決まってますけど、
具体的にどんな機能をもたせて、市民がどうか関わっていくのかは決まっていなくて、
昨年度末にその基本構想がまとまり、市民に向けて紹介されています。
豊中市といっても、広くて街のようすはいろいろ。
南部地域は、商店街や町工場、それに長屋住宅の多い気さくな下町です。
ここでは、地域の活性化を目指して、
「子どもに夢を! 地域に輝きを! 南部地域がまとまる、つながる、元気になる。」
というフレーズがまずは打ち出されました。
とはいえ、掛け声だけでは誰も動かないですから、
地域の人と行政がいっしょになって、モデル的な事業にチャレンジしながら進められています。
地域の人といっしょにやりながら考えないと、何がいいかなんてわからないですよ」
ついイベントや成果にばかり注目してしまうが、
その前段階として行政、市民を巻きこんだ話し合いの場があり、
成果を積み重ねた先で、街につくられるべき施設のあり方が見出される。
この場合、イベントは長いステップの1過程なのだ。
「まずは、その町に行って会話をしなくちゃいけない。
その人たちが何を考えていて、どういう人たちなのかを知るために足を運んで、
たとえば京都だったら、朝から門掃きをしているのを見ると身が引き締まる、とか。
単純に、人の話を聞き出すのも時間がかかりますから、手間のかかる仕事ですよね。
だけど、そこを丁寧にやっていかないと、
あいつは何かを押しつけるためにやって来たのかと思われかねない。
話をさせてもらうためにも、まずは自分が信頼されること。
できるだけ、たくさんの関係者に会って話をしながら、信頼関係をつくっていきます」
現場のスタッフはいかにして働いているか
豊中市以外にも、京都市や大阪市中央区、大正区など、
関わる期間や規模はまちまちながら、年に20~30本ほどのプロジェクトが同時進行。
プロジェクト内容にあわせて、その都度、外部のさまざまな職能を持った企業や人と組んでいるというが、それでもこの幅広い業務内容、問われる現場力…
山本代表の下で働く、中堅&新人さんの働きぶりはさぞや…!?
中堅といっても、小林仁美さんは勤務4年ほど。
以前は、東京の大規模な事務所で5年ほど働いていた。
河野恵佳さんは大学在学中からアルバイトをはじめて、卒業とともに正社員として迎えられ、今年で3年目となる。まずはそれぞれの入社にいたるまでの経緯を。
小林:
「前職は建築設計、都市計画、構造設計とひと通りやってる事務所だったのですが、
どうしても規制がきびしいこともあって、もっと人と直接いろいろ関われて、ヒューマンスケールで物事を考えられるようなところで働きたいという思いが強くなってきたんですね」
河野:
「私はデザイン系の大学でランドスケープを学んでいました。
就職活動から大阪でずっと探していたんですが、縁があってこちらの事務所のことをwebで見て、ですね」
小林さんは、東京駅周辺の再開発など、前職では大規模な案件が多かったそうで、
街角企画に入って、働き方も随分と変わったという。
小林:
「同じ都市計画でも、前はハードに寄った仕事だったんですけど、
こちらではソフトが中心。見ている視点がぜんぜん違います。
行政の方でも住民の方でも、つきあう相手との距離がとても近いので
単にイエスかノーかという話にはならなくて、たとえば、これを頼みたいけど
あの人はパソコンができないことを知ってるし…みたいなためらいがあったり。
いい悪いじゃなくて、それが面白いところなんですけど」
河野さんは全体のサポートをしながら、
グラフィックデザインに強みを発揮しつつある。
多くのプロジェクトで、パンフレットや報告書を成果物とすることがあるため、
グラフィックデザインが活きる場面には事欠かない。
河野:
「全然まだまだなんですけど、
代表に今回は柔らかめにいこうとか方針を言ってもらって、イチからつくってみてます。
そのためにも地域に貼られたチラシに目が向くようになったり、
プロジェクトで扱う内容も幅広いので、新聞を読むようにもなりました。
おじさんたちと普通に会話もできないといけないので」
そう、行政も地域も関わりのある人はまだまだおじさん社会だ。
小林:
「私も河野さんもそんなにうまくしゃべれる方じゃないので、ふたりでもじもじしてることも。
そこを代表が突破していくようなこともあったり(笑)。
業務によっては、工場のおっちゃんと飲みに行って話をすることも多くて。
会議では言えないことがあっても、飲みの席ではコミュニケーションがとれたりする。
時々、親戚のおっちゃんとつきあってるような感覚になりますね」
バリバリのキャリアウーマンというのではなく、
いかにも自然体な2人の様子を見ていると、どこかほっとする。
思いはアツく、だけどあくまでも街の生活者目線に立ったままで。
じゃなければ、小さなコミュニティには入っていけない。
やったことないことは必ずしも難しいことではない
幅広い業務を同時進行で、なおかつ社員は少人数。
当然、1人に求められる職能は多岐にわたる。
具体的な仕事の流れに即していえば、
人から話を聞き出して、それに対する提案、合意を得て、ゴールまでの計画を練りあげて、わかりやすく伝えるために視覚化して、人が動かすためにどうすればいいかを考える。
つまり、
コミュニケーション/論理的思考/プランニング/デザイン/プレゼンテーションの
各スキルが要求されることになる。
……って、山本さん、そんなスーパーマンみたいな人、いますか?
「まあ、無理ですよね。
ですから、自分は何ができて、何ができないのかの自己分析がしっかりできていて、
この分野に興味があるという気持ちの部分があればついてこれるかな。
ただ、『こんなことやったことありません』と言う人だけは勘弁してほしい。
誰もやったことがないから、うちに仕事の依頼がくるわけだから
そこはわくわくしないとね」
前半にも書いたように、
前例がなくてやり方がわからないからこそ、行政は業務委託を考える。
街角企画が関わった「京都市避難所運営マニュアル」に則していえば、
これまで災害時に地域の支えとなる避難所は、行政が運営するものだと思われていたが、
東日本大震災などの経験を経て、まずは住民で自主的に避難所を開設、運営しないと
行政だけではケアしきれないことがわかってきた。
そこで京都市は、市内400カ所超の避難所でいざという時の「避難所マニュアル」をつくって、
各地域住民の非常時の動きかたを決めておいてもらいましょうという取り組みをはじめたという。
「いきなりマニュアルと体制をつくりましょうと言っても、ふつうは到底できないので、
見本のようなものをつくって、訓練を重ねながら、
そこを埋めていくような形で自分たちで避難所運営ができるようになればと。
これも、行政が何もしないというのではなくて、行政と住民はフィフティ・フィフティだから、
一緒にやりましょうという話を先に組み立てて、それをどんな言い方で住民に伝えていくか。
行政職員が言うのか、学識者が言うのか。
今までなかったものを形にしていく過程で、
結局は、行政や住民らそれぞれの言葉をどう翻訳して、最適解を見つけていくかなんですね。
それでも実は、京都のコミュニティってすごいので、
それを余裕でやれちゃう地域もあるからおもしろい。
僕らは先生ではなく、伝道師であり、盛り上げ役、そして翻訳者なんです」
前例のないことだったとしても、
目指すべきところがあって、関わる人たちの話を突きあわせていけば
おのずと答えが見えてくる。その間に立って、うまく「翻訳」ができるかどうか。
わからないと逃げ出すのではなく、現場で粘ればきっと答えはそこで見つかるはず。
「我々は対話をしながらつくっていくので、そこは苦にならない人がいいですね。
あとは、デザインでも、文章が書けることでも、設計でも、
どのスキルでも生かせる現場があるので、そういう経験は大歓迎ですね」
小林さん、河野さんからも
新たに街角企画の扉を叩こうという人へひと言いただいた。
小林:
「すでにどこかで社会人経験のある方だったら、
楽しんでたくさんの仕事をこなせたり、自分でどんどんやっちゃえるくらいの方がいいですね」
河野:
「私はおなじくらいの立場の人がいないので、職場の同期というのがうらやましくて。
いっしょに働ける、意欲ある新卒の方がいればぜひとも!」
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- 街角企画 株式会社
- 募集期間
- 2016年3月18日(金)~2015年4月19日(火)
※この期間内であっても、採用人数が定員に達し次第締め切らせていただきます。
- 募集業種
- 地域に笑顔があふれ、人々がその誇りのもと豊かに暮らす社会のために─地域づくりをコーディネート!
京阪神を中心に、地域を支える人々とともに、住宅地、中心市街地、商業地、産業集積地等での地域振興や課題解決を手がける。
主なクライアントは地方自治体や民間のエリアマネージメント組織。
地域や組織等コミュニティのコーディネート、調査、企画、設計(建築、環境等)、各種デザイン、事業コーディネート(商業施設、ビル、共同住宅、福祉施設、イベント等)等が業務フィールド。
- 雇用形態
- 正社員、もしくは契約社員
- 応募資格
- 新卒採用希望者(2016年9月期、2017年3月期)、
中途採用希望者
都市計画や地域振興、地域自治の専門知識等を備えた大学院出身者、
または、関連業界での実務経験やデザインや設計のスキルのある方。
※意志と意欲があれば、学部卒、異分野、未経験者等でも歓迎します。
- 勤務地
- 大阪市北区天神橋1-1-1 中塚ビル4階
- 勤務時間
- 9:00~18:00
- 給与
- ・新卒採用
月給23万円(交通費含む)
・中途採用
月給23〜35万円(交通費含む)
※能力・経験を考慮し、相談の上、決定します。
いずれも、2年目以降は年俸制となります。
(300万円~500万円程度)
- 休日・休暇
- ■週休2日制(土日祝)
※夜間の会合や週末のイベント等が多々あります。
※休日出勤をした際は代休を取得していただきます。
■夏期休暇、年末年始休暇
- 待遇
- 社会保険完備(労災、雇用、健康、厚生年金)
- 採用予定人数
- 2名前後
- 選考プロセス
- 1)このサイトからエントリー
↓
2)書類選考
選考後(1~2週間)こちらよりご連絡します。
質問があれば、事前にお尋ねください。
↓
3)説明会・面接
実際にお会いして面接試験を行います。面接時には課題論文の他、過去の実績や技術についてアピール資料をご提示いただきます。希望者には、事前に事業内容や勤務内容についてお伝えする説明会を実施します。
↓
4)選考
状況によっては、インターンシップや試用期間を設け、業務への理解を深め、入社の判断材料としていただきます。
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5)合否通知
面接、説明会の日時、入社日、待遇などはお気軽にご相談ください。即戦力でなくても、素養や意欲があれば、待遇等相談させていただきます。
- 応募者への質問
- 志望動機や自己PRについて、「募集業種」に即してお答えください。
その際WEBサイトにある「組織案内」を参考にしてください。
・(仮称)南部コラボセンター建設に向けたポータルサイト「マチじゅうコラボ」
・豊中市みんなでつくる地域コミュニティ
・京都市避難所運営マニュアル
・京都市帰宅困難者対策
・中央区ガイドナビ
・中央区まちづくりセンター
・有隣地区計画
・深草暮らしの交流サロンふかふか家
・大正ものづくりフェスタ2015
・大正オープンファクトリー
などのキーワードで検索すると行政のサイトから成果物を見ることができます。
- メッセージ
- まず、大切なのは、人との対話の中で答えを一緒に見つけるコミュニケーション力です。
つぎに、それを表現する力。論理的思考力や、文章力、ポスターや冊子、ホームページなどにイメージを具体化できるデザイン力、空間にする、建築設計や環境設計のスキル。
これらのいずれかの技術をお持ちの方、関心のある方、前向きに楽しく取り組むことのできる方、男女ともに歓迎します。
-
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