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2014.02.18 公開 2014.12.23 更新
sione
女性が切り開く職人の新たな舞台

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください

イントロ

陶芸家ではなくデザイナー。
でも限りなく陶芸家に近いところでものづくりをしているのが、
〜読む器〜「sione」のディレクターであり、デザイナーであり、
企画担当であり、、、社長でもある河原尚子さん。
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「京都でろくろの職人もしてましたし、絵付けの職人として九州にもいってました。
なので、ろくろをひいて、絵付けをして作家としての道もあったのですが、
ただそうではなく、ひとつの会社を立ち上げ、いろんな人間が関わることで
もっと良いものができるのではないかと考えるようになりました」

今回募集するのは絵付けの職人が基本にはあるものの、
まるでベンチャー企業のようなエネルギーに満ちあふれたスタジオでの仕事です。

冷静に、情熱は内に秘めながら

sioneが今回求める人材について、河原さんにまず伺いました。

河原:「大きく2つあるのですが、1つ目は、絵付け師として黙々と仕事ができる人です。
2つ目は、同じ目線で一緒に取り組める人です。5年目のまだまだこれからの時期でもあるので、
ひとつの仕事に限らず、アシスタントとして実務をこなしてくれる人。
そして、企画だけでなく、それをまとめていけるスキルやお店のことも
ある程度マネジメントできるような、多岐に渡ってできる人がほしいと思っています」

今現在は、河原さんと直営店を任されている熊谷さんと二人三脚のsione。
絵付けの職人としてはもちろんですが、求める人材の質はかなり高いのかもしれません。

河原:「私自身、もともと陶板画の作家でありながら会社を立ち上げたということもあり、
みんなが職人であり、技術を持っていることを大切にしたいと思っています」
写真2
sioneは、京都だけでなく、佐賀の職人とも協働してつくっている器。
ただデザイナーや企画者というひとつの立ち位置だけで向き合ったのでは、
地域をまたいでの本当のものづくりにはなりません。自分自身が技術をもつことで、
協働する職人さんとはじめて対等な立場を築き、その上でどのように他のひと、
地域の技術と組み合わせていくかということを考えていってほしいと河原さんはいいます。

昨年、京都は烏丸三条にあるトレンドの発信地『新風館』に直営店がオープンしたsione。
その店長として、河原さんの右腕をともいえる熊谷さんにもどんな人が向いているのか話しをききました。
写真3
熊谷:「尚子さんの目指す伝統文化のこれからの形に興味を持っている方、
そして、繊細な方。絵付けも職人さんとのやりとりも、細やかな作業なので、
大雑把だったり適当な気持ちではできない仕事だなと思います。」

熊谷さん、実は河原さんとは10年以上前からの知り合い。
茶道・華道に慣れ親しむ彼女は、実家の器屋の仕事を手伝いながら、
毎月お茶のお稽古に通うため京都に出てきていましたが、
直営店オープンにあたり河原さんからヘッドハンティング、いや一本釣りされたようです(笑)
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sioneならではの線描(絵付け)を染みつける

普段、sioneの絵付けは河原さん本人を中心に、スタジオにて黙々と絵付けを行っています。
それゆえに即戦力が欲しい!というのが本音としてあります。

河原:「京都に2つありますが、伝統文化や伝統技術の職業訓練校を出ているひとが理想ですね。
そして何より筆になれていること。細密画など描いていた人などは、
やはり絵付けにもすんなりと入りやすいし、手つきも慣れていましたね」

そんな経験者でも、すぐにsioneで描くような線画は描けないそうです。
実際に入社してから歩む絵付け師としてのキャリアは、まずベタ塗りからはじめ、
続いて白盛り(白い釉薬での立体的な絵付け)を身につけて、
それから線画を、という順序になるそう。
写真5
先ほど出てきた職業訓練学校でおぼえるのは、七宝(しっぽう)や
青海波(せいがいは)といった古典的な絵柄です。
それを1年の間にみっちりと身につけないと卒業できないわけですが、
sioneの器に描かれる多彩な曲線は学校では学ばない独自のもの。
学校で叩き込まれた筆遣いが前提としてあり、その上でさらに3年ぐらいはかかると河原さんはいいます。

河原:「残って練習する分には実際の絵付けと同じ金を使ってもらっても構いません。
できるだけ早くsione独自の筆遣いを身につけて欲しいと思っています。
その先に、絵付けの技術を持ちつつ、企画や外回りの営業もできるように育ってくれるというのが理想ですね」

ここ数年、日本のものづくりが国内でも多くのメディアなどで紹介されるようになり、
少しは身近に感じられるようになった職人ですが、こうして話を聞くと、
やはり簡単には身に付かないものであることがうかがえますね。
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これまでにも、未経験の方がsioneに問い合わせてきたことはたびたびあるそうですが、
たとえ並々ならぬ熱意をもっていたとしても、本当にまったく経験がない人については、
職業訓練学校に1年いくことをおすすめしているそうです。
車の運転を知らないひとが、いきなりすぐに車に乗れるわけがないことと同じように、
ものづくりを生業にしようとするためには、その覚悟も必要になるのは、しごく自然なこと。
そこで1年もがんばれないようなら、、、というのもありそうですね。

話を聞いていると『絵付け師』としてのハードルは当然のことながら高そうなので、
少し切り口を変えて「イラストレーターなどデジタルで描画の優れた人がいたらどうですか?」と投げかけてみました。

河原:「あ〜!ぜひ来ていただきたいですね(笑)
実際にそういう仕事も増えてきているので、それは、とても助かるし嬉しいです!」
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話しながらニヤケ出す河原さん。想像したら嬉しくなってきたようです(笑)
入り口は、グラフィックデザイナーの延長線としつつ、平行しながら職業訓練学校に通い絵付けを学ぶ!なんて人が、意外に今のsioneにはぴったりくるのかもしれません。

生活に彩りと時間を与える ”読む器 sione” の物語

河原さんが展開するブランドについて、時に彼女自身が斬新なキャラクターとして
プロモーションのビジュアルに登場するのも、
内に秘めた物語がきわめて独創性が高いことの裏返し。
しかし、こと「sione」については、彼女が主張し過ぎることはありません。
それは、sioneが「読む器」としてシーズン毎に「章」を持ち、
物語をつむぎながらブランドを育てているからです。
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これまで器といえば、産地や窯、釉薬の種類やかつての茶人・文化人の好みなどに
多くを依存しながら買われてくる中で、器自身が物語を備えている「sione」はまさに常識外れの存在。しかし、そこに引き寄せられ、魅せられるお客さんは後を絶ちません。そのsioneの世界観は店頭やオンラインストアだけでなく、時にワークショップなどの直接体験の場を通しても語り継がれます。そうして出会うひとりひとりに、読む器の物語は引き継がれ、sioneの物語が食卓やくつろぎの場に彩りと時間を与えてくれるのです。
写真9
今現在、外部にブレーンや協働している職人は多数いるものの、
sioneとしては河原さんと熊谷さんの2人体制。
そして、sioneは自営業ではなく『会社』です。物語のある器の『はじまりの物語』はどのようなものだったのでしょうか。

河原:「sioneは立ち上げの時から会社化すると決めていました。
自然な流れで採算が取れてから会社にしようとか、そういうことではなくて、
29歳で独立して一個人として女性がはじめる時に、個人事業主でやるよりも
会社としての体裁が整っていた方がよいと思ったんです。」

その会社設立の15日前まで、なんと前の会社で仕事をしていたというから驚きです!

河原:「やめる半年ぐらい前から準備をはじめて、10月15日に会社を立ち上げました。
でも、最初のシリーズを発表できたのが翌年の3月だったので、やはり半年ぐらいはかかりましたね。」

半年を長いとみるか、短いとみるかは本人にしかわからないことではありますが、
まだまだ実績もないたったひとりの女性が、京都と佐賀とを往復し、通い、そして連携しながら
発表に至ったsioneとしての第一弾。当時のことを軽快に語る河原さんですが、
きっとそこには相当な熱量と、そして目には見えない相当な苦労があったに違いありません。

あまり触れてきませんでしたが、河原さんのご実家は、
お茶を少しでもたしなんでいる人なら知らない人はいないほどの、
京都で代々続く焼き物の名家です。
娘が同じ焼き物を手掛けることに、ついてどのようなやり取りがあったのでしょう。

河原:「そうですね、自分でブランドを立ち上げようと思っていることは父とも話しはしていました。逆に実家の仕事についても私なりのアドバイスを色々とはしましたが、当時はまだまだ未熟でもありましたし、『家の中で』ということではなく、身軽な立場で取り組めるように実家の中ではなく外で立ち上げようと決めたんです。」

職人としての達成感と、仕事としての到達度の違いに気づくこと

直営店を任されている熊谷さんも実家は陶芸ゆかりの商売をされています。
あらためて考えてみると、今のsioneは実家を飛び出した2人の女性の物語のようでもありますね。熊谷さんはどのような気持ちで日々店頭に立っているのでしょうか。
写真10
熊谷:「お店の営業時間は決まっているんですけど、ディスプレイの変更をする時には
定時だからといってそこで終えるわけではなく、勤務時間とは関係なしに取り組む必要があります。わたしは自分の好きなことに関しては納得するまでやる性格なので、そこは向いていたかなと思います。」

先ほど触れたように、2人はもう10年来の友人、一緒に話しをする時間が少ないとしても、
その辺りは信頼関係のもとにお互いがそれぞれのモチベーションを維持しあっているようです。

熊谷:「河原さんは本当に忙しい人なので、できることはひとつでも多く自分がやらないいけませんし、プレッシャーというのか、店を預かっているわけなのでその責任は重いと思います。やはり、数字のことを日々、あたまに入れながらセールスしないといけません。数字を任されていなかった実家の仕事よりも重圧はめちゃくちゃ感じます。(笑)」

今の熊谷さんの話しからも、それぞれが職人としての目を持ちつつ、
また仕事として採算を考えながら取り組むという姿勢が伺えます。
そして、それは絵付け師に関しても同じことのようです。

河原:「例えば、1日8時間ずっ〜と絵付けの仕事をして、
個人的な達成感とともに帰ってもらうのは違うと思っていて。
自分の仕事が会社としてプラスになるのか、採算の面までを俯瞰して考えてもらいたいのが本音です。」
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厳しい言葉にも聞こえますが、これは職人に限ったことではないですよね。
一度社会人として勤めたことがある人なら誰でもその意味を理解できるのではと思います。
とはいえ、職人を目指すようなタイプの人には俯瞰することが苦手なひとも多いはず。
そこで、sioneでは自分の仕事を客観視するための仕組みが導入されています!

河原:「はじめはこちらで考えて1日のノルマを与えますが、
じゃあ、これをなぜ15分で描かなければならないのか、をわかってもらわないといけない。
そこで、制作状況を示すグラフを自分で作ってもらうことにしてます。
そうすることで器ひとつに何分かけたか、時給を計算し上代とを見比べた時に赤字になってないかを考えてもらってます。」

他の工房ではそういうことを絵付け師にもとめていないのかもしれないですが、
sioneではそういうやりかたをして、みんながコスト意識を持った上で、
みんなが販売員だったり絵付け師だったり企画者だったり、
になってくれればいいなと思っています。

今はものすごく選択肢が多い時代です。そういう意味で負けちゃうひとも多かったですね。
そこはわたしも人相手の商売でもあるのでなんとかしていかないといけないところ。
少しずつ到達度を上げていけるように目標を与えていってあげなければと思っています」

一人歩きしはじめたsioneと絵付け師とのこれから

熊谷:「職人さんやったら、めっちゃ表に出るのが好きっていう人なら
行き詰まってしまうかなと思います。そのあたりのバランスが取れる方じゃないと。」

熊谷さんも言うように、少し前から職人とデザイナー・クリエイターを勘違いして
工房の門を叩く人が多いという話しをよく耳にするようになりました。

河原:「2009年にsioneを立ち上げた頃に、絵付け師として工房に入ったものの、
自分自身が前に出たい、立ちたいという人もいました。
でも、メディア出るのはどうしたって私になってしまいます。」
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立ち上げから5年、そんな風に当時を振り返る河原さん。
しかし、徐々にsioneの認知が進む中で状況は変わりつつあります。

河原:「ようやく最近になって、河原尚子とsioneが分かれてきて、
sioneが一人歩きしはじめました。この先にsioneにどんどんスタッフが増えてきて、
特色が出てきて、絵付け師が何人か育ってきたら、
裏に絵付け師の名前を入れられるようなったらいいなと思います。
そうすることで、モチベーションと責任をもって絵付け師として続けていってもらいたいと思います。」

社長であり、デザイナーであり、職人でもあり。ひとりで何役もこなしながら、
sioneを育て続ける河原さんは、ゆくゆくは絵付け師としてキラッと
才能の光るひとがいてくれてもいいと思っているようですね。
ただ、それは今すぐ!ではなく、もう3,4年後のことなのかもしれません。

河原:「今は、立ち上げとわかってきてくれる人が欲しいですね。
5人ぐらいまでは特にそういった部分に共感・理解してくれる人じゃないと
やっぱり厳しいと思います。」

熊谷:「河原さんには、店長として店舗を任せてもらって、
本当に自由にさせていただいています。制限がないというか(笑)
そういう点に関しては本当にすごいやりがいがありますね。」

その部分を理解した上で働いている熊谷さんのモチベーションの高さは、
話しを聞いている中で終止実感できました。

女性が働きやすい工房で、sioneとの物語を一緒に紡ぐ

「カタチには重さとか制限があるけれども、物語には制限がないですよね。
組み合わせられるようなカタチがあるんです、sioneには。
お椀に対して、ソーサーにもフタにもなる豆皿があるんですが、
それをお客さんが自分で選んでストーリー作っていってくださいます。
そうやって自分で生み出した物語は、きっと誰かを家に招いた時に語られること。
自分の想像しなかったもの同士が結びついて、新たなsioneの物語が一人歩きしていくことはすごい嬉しいことです。」
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ただでさえ職人の世界は厳しいものがありますが、
sioneはさらにベンチャーとしての立ち上げ期でもあります。
他の一般的な工房よりも求められるものは大きいかもしれませんが、
それはやりがいとチャンスに比例するもの。

河原さんのパワフルさに圧倒されて見えなくなっていましたが、よくよく考えてみると、
いわゆる男社会の職人仕事が多い中で、sioneは女性が働きやすい珍しい工房です。
ただでさえ少人数でベテラン・年配の方が多い工房環境の中では、
男性であっても自分の「居場所」をつくることはとても難しいのが、
多くの工房における実情です。でも、sioneは違います。

女性であるだけでなく、実は妻でもある河原さんは「働く女職人」の気持ちを
誰よりもわかってくれるに違いありません。
つくっているアイテムも、女性らしい曲線美にあふれた、
伝統をふまえつつも新しさのあるデザイン。
厳しさや繊細な職人仕事でありながらも、
女性らしさを日々もとめられる環境があなたを待っているわけです。
ものはつくりたいけれど、ものだけをつくりたいのではない。
そんなちょっと欲張りだけれど高い志のある女性にとっては、
これ以上ない活躍の場と舞台をsioneは用意してくれるのではないでしょうか。
写真14
(取材・文/宮下直樹 #Terminal81 撮影/大島拓也 コーディネーター/喜多舞衣)

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Job description
募集職種
企業名・団体名
sione(シオネ)/株式会社スプリングショウ  
募集期間
2014/7/19(土) 〆切
それ以降の募集につきましては随時こちらのサイトにてお知らせさせていただきます。
募集業種
1.絵付け師
2.販売スタッフ
3.販促物制作
※1〜3は兼務でもOK
雇用形態
アルバイト
応募資格
上絵付け経験者優遇
Excel、Illustrator、Photoshopを使える方優遇
勤務地
京都市中京区烏丸御池上がる 二条殿町543-5 bumbldg 5F
勤務時間
10:00~19:00(うち1時間休憩あり、残業あり)
業務内容によって、週2〜3日から応相談
給与
時給800円〜
経験・スキル等を考慮し、面談の上決定します。
休日・休暇
週休2日制・祝祭日・年末年始・慶弔
待遇
交通費支給(上限あり)
雇用保険加入あり
採用予定人数
1名
選考プロセス
1)本サイトからエントリー後、
  履歴書・職務経歴書、個人作品を弊社までご郵送ください。
  ※お送り頂いたものはお返ししておりません。
2 ) 書類審査後、通過者の皆様にのみご連絡(1週間以内)
3 ) お電話にて面談日時を相談の上、決定。
4 ) 一次面談を実施
5 ) 面談の結果を全ての方にお知らせし、採用が決定
6 ) 勤務開始
応募者への質問
1】弊社を選んだ理由を教えて下さい。
2】自分が得意だと思うことはなんですか?
WEBサイト
http://www.sione.jp
http://www.springshow.jp
メッセージ
強いやる気のある方、弊社の目標に同じ気持ちで参画してもらえる方を募集しております。 まだ若い会社ですが一緒に成長していきましょう。ご応募おまちしています!