JOB information

「master-piece（マスターピース）」というバッグブランドのことを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。

「最高傑作」を意味するそのブランドは、MSPC株式会社（以下、MSPC）が展開しています。大阪堀江や銀座などに直営店、大阪市平野区と兵庫県豊岡市に自社ファクトリーを構え、デザインから製造・販売まですべてを自社で担っています。

日常に溶け込むファッション性と機能美が両立するMade in Japanブランドとして国内のみならず海外からも高い評価を受けており、台湾やフィリピン、タイなどにも出店しています。

今回、MSPCでは以下のスタッフを募集しています。

①　カスタマーサポートスタッフ
②　修理/サンプル師
③　縫製スタッフ
④　自社web/ECサイトの企画運営スタッフ
⑤　店舗スタッフ
⑥　自社ファクトリー「BASE豊岡」の生産管理スタッフ

募集に伴い、4人のスタッフにMSPCの仕事についてお聞きしてきました。

2024年にブランド設立30周年を迎えるMSPC。これまでの技術や歴史を大切にしながら、ともにブランドの未来をつくっていける方を求めています。

思い入れのある大切なバッグの修理依頼を扱うカスタマーサポート

カスタマーサポートを担当する坂東 宏美（ばんどう ひろみ）さんは入社20年目。バッグのエピソードや感謝の言葉をお客様から聞けることがとても嬉しいと、そのやりがいを語ってくれました。

「『中学生の頃から使っていて、思い入れがあるからどうしても修理してほしい』『きれいにしてくれてありがとう、また大切に使います』といったお言葉をいただくと嬉しいですね。そういうときは修理に関わった人たちに『こんなお言葉をいただいたよ！』と共有するんです」

カスタマーサポートでは、お客様やお客様から依頼を受けた直営店から修理依頼や問い合わせを受け付けています。修理を担当するスタッフとの工程確認、お客様とのやりとり、修理の手配、検品、発送など、依頼を受け付けてから修理が完了したバッグが再びお客様の手元に戻るまでの一連の業務を担います。

「お客様とのやりとりで、『こうしてほしいと思っておられるだろう』というニーズや本意を汲み取り、お一人おひとりへの相応しいコミュニケーションを心掛けています。

お客様の言葉を傾聴でき、ニーズへの対応を考えて提案ができるような、コミュニケーション能力がある人が向いていますね」

「社内のコミュニケーションでも『次は何をしたらいいですか？』と聞くより、『こうした方がいいと思うんですけどどうですか？』と提案できるような人が来てくれたら嬉しいですね」と、新しく入社する方についてイメージする坂東さん。

問題解決能力・柔軟性・臨機応変・粘り強さ・客観性。そういった対応力が求められる仕事ではありますが、坂東さんも最初からこれらが備わっていたわけではありません。

「私を育てるために真剣に悩んでくれた先輩や、いつも話を聞いてくれる仲間の存在があったから、20年間がんばってこれました。ここで自ら考える力が身についたと感じます。まさに『MSPCに育ててもらった』という感覚です」

皆が会社をよくするにはどうしたらいいか考えていて、足の引っ張り合いがない。「この環境がこれからも続いていけばいいな」と感じる場所で働けていることが、坂東さんがMSPCで働き続ける理由となっているようです。

master-pieceを語る上で外せないものづくりの現場。同じ想いの仲間と「縫う楽しさ」を存分に味わおう

master-pieceの心臓部であるものづくりの現場に立つ、修理/サンプル師と縫製スタッフのお二人に話をうかがいました。

和田義人（わだ よしと）さんは、入社14年目の修理/サンプル師です。

先ほどご紹介した坂東さんと連携し、修理に関する工程組み・見積もり・資材調達・実際の修理などを手掛けています。また、デザイナーが制作した新商品のデザイン画をもとにサンプル品も製作しています。

「平面のデザイン画から、縫製して立体に仕上がっていく過程が楽しいですね。自分でパターン（型紙）を引いて納得がいくバッグが完成したときの達成感もあります」

サンプル品はデザイナーと何度も話し合い、仕様や形について考えながら縫製します。改良を重ね完成した後は製造ラインに引き継がれ、縫製スタッフたちによって生産されていきます。

「サンプル品は1回の展示会で20個ほどつくります。納期に間に合うようにつくるのが大変だったり、難しい縫製もありますが、ベテランのサンプル師とも相談しやすい環境の中で皆で力を合わせながらつくっています」

和田さんは服飾専門学校時代、MSPCのインターンシップに参加。職人の丁寧な指導と温かい人柄に感銘を受け、入社しました。それから10年以上もミシンと向き合ってきましたが、職人として歩むのならモチベーションの保ち方が重要だと話します。

「この仕事は、何時間も何日も同じことを繰り返していく仕事とも言えるかもしれません。飽きる人は飽きてしまう。

夜遅くまで夢中でミシンを踏んでいた頃から今も感じる『縫う楽しさ』があるから、この仕事を続けていけるんだと思います。難しい縫い方ができるようになるのが嬉しかったり、次はこのレベルのものを縫えるようになろうと考えられるかどうかが大事です。ものづくりが好きで自分なりのモチベーションを持てるかどうか、ですかね」

「ここは自分が縫ったんだ」「この商品をつくったんだ」という誇りが、自分の仕事への自信にもつながっています。

「不器用な方なので、少しずつ技術力が上がっていくのが楽しいんです。職人は器用じゃないとだめだと思われがちですが、技術力は積み重ねていけばいい。根本的にものづくりが好きで、商品や技術を探究していける向上心のある人に来てもらえたら嬉しいですね」

入社12年目の辻川 直也（つじかわ なおや）さんは、堀江店の販売スタッフからスタートし、東京のプレスルームでPRを担当。4年前から縫製現場に身を置くようになったのは、自ら会社に志願したことが始まりでした。

「master-pieceを語る上で外せないものづくりの現場にどうしても携わりたくて、異動を申し入れました。それまでミシンを踏んだこともなかったのですが、縫製歴4、50年のスタッフに教えてもらいながら技術を身につけ、4年経った今ではいちからバッグを仕上げられるまでになりました」

最初はミスをしてもリカバリーできる箇所の縫製に繰り返し挑戦し、徐々にできる範囲を増やしていったそう。次第に「こうした方が美しく見えるんじゃないか？」と考えながら縫製できるようになったと言います。

「今回縫製スタッフとして入社する方にも、同じように時間と実践を重ねてもらいます。絵や文字で教えるよりも、ミシンを実際に踏む時間が多いほうが上達スピードは上がります。ミシンを踏んだことがないという、4年前の僕みたいな人でも大丈夫です」

販売やPRを担当していたときには見えなかったmaster-pieceの心臓部。「縫製の現場に携わることで、『いいものをつくっている』という自信が明確に出てきた」と辻川さん。お客様やメディアの方にmaster-pieceを評価してもらえるその理由が何なのか、この現場にすべて詰まっていると感じたそう。

「縫製技術や経験値は他社にも同じようにあるかもしれませんが、縫製スタッフ、カスタマー、修理/サンプル師、裁断スタッフ、生産管理スタッフなど、同じ想い・同じ熱量を持った人たちがひとつのブランドのもとに集まって、商品をよくするために近い距離で話し合えるのが他社にない強みであり、ここでのものづくりの凄さだと感じます。

『だからいいバッグができるんだ』って、現場に入ってより深く思うようになりましたね」

「master-pieceを好きなお客様がいて、その人たちに向けて30年もいいものをつくり続けているのってすごいことだと思います。これからもこの現場を1本の幹として貫いていきたいですね」

お客様が最初に目にするビジュアルを生み出し、ブランドを守るweb/ECサイトの管理・運営

奥村 考裕（おくむら こうすけ）さんは入社1年目。web/ECサイト、SNSなど、多くの人が最初に目にするであろうMSPCの情報管理とデザインを手がけています。

サイトに掲載する商品の撮影やディレクション、webデザイン、ECサイトで売れた商品の出荷指示や在庫補充指示などオンラインに伴う業務管理を担います。また、堀江店と京都店の店舗ウィンドウデザイン、EC限定商品のデザイン開発、公式SNSのグラフィック制作なども手がけています。どんなスキルを持つ人を求めているのでしょうか？

「Adobeのデザインソフトの基本操作ができたら大丈夫です。ただそれよりも、主語を自分にせず、master-pieceを好きな人やバッグをデザインしたデザイナーの想いを想像し『why』『how』『what』を弁えて企画やデザインに取り組めることが大事です。

あとは、素直であること。僕はもともと人に頼ることが苦手で、自分で解決できることは自分で解決したいほうだったんですが、時間だけ浪費して会社的にも自分的にも良くないということに気付かされました。素直に社内外のいろんな人と関わって話を聞き、自分なりに考えながら人を頼れる人のほうが成長していけると思います」

働く中で奥村さんが感じるのは、海外への情報発信・販路拡大の必要性。公式SNSのフォロワーやECサイトの顧客にも、海外の方が増えてきています。

「バッグはすぐに買い替えたり、毎月買うような商材ではありません。英語を使える人は世界に30億人もいるので、マーケットの規模を考えても海外にmaster-pieceのカッコよさを伝えていく必要があると考えています」

海外で評価の高い「Made in Japan」であり、企画から販売まで自社で行っているMSPCだからこそ、作り手の想いや技術も伝えやすくなります。

「いろんな部署の人たちと意見を交わし、イチからつくりあげている凄さがこのブランドにはあります。作り手の生の声を仲間としていつでも聞けるというのは、永遠にいいものがつくれる循環になっていると思います。

皆の連携が強く、いいものをつくりたい・発信したいというプロ意識が高い環境なので、ビジュアルひとつ、フォントひとつとってもダサくしたくないと思いながら仕事ができていますね」

どの場所、どの業種であってもお客様に「master-piece（最高傑作）」を届ける気持ちは同じ

今回インタビューした方々の業種以外にも、
・関西の直営店で働く店舗スタッフ
・兵庫県豊岡市にある自社ファクトリーで生産管理や資材発注、外注先の管理、納期管理などを担う生産管理スタッフも募集しています。

どの場所、どの業種であっても、「お客様にいいものを届けたい」気持ちは同じです。自社ファクトリーだからこそ生まれてくるスタッフ同士の強い共感や商品クオリティ、ブランドへの愛がmaster-pieceとなり、私たちの暮らしを彩っていくのでしょう。

バッグをつくり届ける営みを通じて、master-pieceをさらにいいものへと進化させていく…そんなクリエイティブな仕事に関わってみませんか？ぜひエントリーを。