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高槻市の阪急富田駅から歩いて10分ほどの場所にある、グループホーム「コラム富田」に取材に行ってきました。
こちらのグループホームは、知的障がい者を対象に、専門スタッフにより地域の中で生活する利用者さんをサポートする共同生活援助事業です。
母体である「社会福祉法人つながり」は、2002年に高槻市で設立。グループホームを運営する共同生活援助事業を2005年からスタートさせました。
今回取材に行ったコラム富田は、つながりが手がける初めての、常時見守り・介助を必要とされる方々のための「夜間支援付きグループホーム」。時代のニーズにこたえて2017年5月に開設されました。
今回は、
コラム富田をメインにグループホームで働く、職員、パート・アルバイトを募集しています。
利用者さんにとって第2の家族ともいえる存在になる仕事です。
そのやりがいも、人と人とのコミュニケーションや関係性の中でしか絶対に生まれないものでした。福祉の仕事に興味があるなら、これからの未来のモデルにもなり得るコラムにぜひ注目してみてください!
トイレ、お風呂、食事など、障がい者の生活そのものの支援。介助・見守り・イベントなどグループホームスタッフの仕事内容
コラム富田のサービス管理責任者・仲津 秀行(なかつ ひでゆき)さんと、コラム富田のリーダー・伊東 誠一(いとう せいいち)さんに、実際の仕事内容からお話をうかがいました。

(サービス管理責任者の仲津さん。「インタビューを受ける機会などなかなかないので緊張します」とのことでしたが、終始落ち着いた様子でこたえてくださいました)
「このコラム富田は、30代前半~50代後半の、常時見守り・介助が必要な知的障がいのある男性7名が入居しています。僕たちは利用者さんがご自宅と同じように安心して生活ができるよう、また、少しでも自立した生活を送ることができるよう、一人ひとりの障がい特性に合わせた個別支援をしています」

(コラム富田の支援スタッフであり、リーダーの伊東さん)
「コラム富田の常勤職員は、39歳の僕を含めて4名。20代半ばが1名、20代後半が1名、40代後半が1名です。さらに、仲津さんが僕たちの休みの日などに加わります」
コラム富田での
勤務時間は昼勤と夜勤にわかれ、現在2名1組体制。今は2週間に1回位のペースで、昼と夜の勤務を交代しています。
「昼の勤務時間は常勤職員だと14時15分~23時。パート、アルバイトは14時45分~23時。出勤後は洗濯物の整理や夕食とお風呂の準備などをします。また、各所の掃除を行い、利用者さんをいつでも気持ちよく迎え入れることができるよう環境を整えます。利用者さん7名は、歩いて数分の場所にある、当法人運営の生活介護事業・就労継続支援事業B型施設『サニースポット』で日中過ごされているので、16時に迎えに行きます」
コラムに帰ってきたら、
利用者さんの夕食と入浴の介助・見守りにあたります。夕食はサニースポットから調理済みのおかずが届くので、調理は白ご飯と汁物のみ。直前におかずを温めたり、利用者さんによっては刻み食にして提供します。
入浴は17時前後から。食事同様に利用者さんの好きな時間に入浴できますが、半年ほどの共同生活で生活リズムも生まれ、順番がおおまかに決まりスムーズになってきたとか。とはいえ、ピークの時間帯は慌ただしく、通院や体調などにより時間や順番が変わるので、毎日臨機応変に対応しています。

(あらゆる障がいに対応できるよう設計されているお風呂)
夕食・入浴とも21時ごろには終わり、その後利用者さんは個々の時間を過ごされるので、職員の仕事も落ち着いてきます。
利用者さんを見守りながら、洗濯の準備やお風呂の掃除、記録の書き込みなどをして、23時に夜勤の職員とバトンタッチします。
「夜勤の勤務時間は23時~翌朝10時です。利用者さんは23時ごろにはほぼ就寝されるので、夜中の主な仕事は、トイレなどで起きてこられた利用者さんの介助や水分補給、2時間に1回の各部屋の安全確認です。忙しい夜もあれば、静かな夜もありますが、たいてい夜中は落ち着いているので、夕食の食器洗浄や洗濯・乾燥など昼勤のスタッフが完了できなかった部分を引き継いだり、翌日の朝食の準備をします」

(夜勤中の仮眠は、スタッフルームもありますが、利用者さんが起きてこられたときにすぐに対応できるように、リビングの畳スペースやソファーを利用することが多いのだとか)
伊東さんは、サニースポットで約10年の介護経験がありますが、夜勤は初めて。最初は仮眠や休憩のタイミングが分からず、朝がつらい時もあったそう。
「勤務は2人1組体制なので小刻みながら順番で眠ることができ、一晩中気を遣う必要はありません。半年経った今は慣れて休めるようになりましたよ。また、朝食は栄養士さんのレシピをもとに、魚を焼いたりなど簡単なおかずをつくります。僕は自他とも認める料理下手(笑)。でも、他のスタッフに教えてもらいながら、何とか一通りのメニューは作れるようになりました」

(トイレは障がいに合わせてさまざまなタイプが設置されています)
翌朝は、
7時ごろに起床する利用者さんに合わせて、着替えやトイレの介助、朝食の提供、連絡帳や記録の書き込みなどをします。9時30分にサニースポットへ送り出し、食器の片付けなどをして10時に仕事が終了します。
「土曜・日曜は、大半の利用者さんが実家へ帰られるので1人勤務となり、10時~14時15分(10時~14時45分の場合もあり)のシフトも加わります。仕事は利用者さんの昼食提供や見守り・介助がメインで、比較的ゆっくりしています。見守りを行いながら記録の記入やごみの片付けなどを行います」
また、スタッフ全員で話し合いながら、グループホームで行う
夏場や年末年始のイベントの企画をしたり、
地域のお祭りでの出店、サニースポットの行事の応援等、業務はバラエティに富んでいます。休憩は45分、休みは基本的に
週休2日制で、月ごとに事前に定めるシフトにより決定します。
「コラム富田の運営はまだまだ始まったばかりなので、シフトや勤務時間は、状況に応じて変わっていくと思います。新しく入職したみなさんの改善案も、どんどんお聞きしたいと思っています」
なお、コラム富田の昼勤は23時までなので、遠方在住の方で通勤に公共交通機関を利用する場合は注意が必要になります。また、
入浴やトイレは同性介助を基本としているので、コラム富田の夜勤は男性のみの募集となります。しかし、朝食の介助や身支度、見守りは女性でもできますし、他に市営住宅を利用している女性グループホーム「コラム富寿栄(ふすえ)」での募集もありますので、興味があれば男女問わずぜひエントリーを。ちなみにコラム富田以外で働く場合は、夜は21時までの勤務で夜勤はありません。

(女性グループホーム、コラム富寿栄での仕事の様子。市営住宅を利用したグループホームなので、施設というより住居といった雰囲気)
学生やフリーター、主婦のパート・アルバイトも募集しています。ちなみに富寿栄の勤務時間は7時~10時、18時~21時のシフト制。どのグループホームも介助内容や注意点は、コラム富田に準じています。仲津さんは「勤務体系や条件について、不明な点があれば気軽に問い合わせてほしい」と言葉を添えました。
利用者さんにとっても、スタッフにとっても「第2の家族」のような存在になりたい。小さな変化や分かり合える瞬間がやりがい。
グループホームでの仕事は大変そうなイメージがありますが、続けていけるモチベーションは何でしょうか? 2人に聞いてみました。
「僕は利用者さんがちょっとずつなにかをできるようになってくる、そんな小さな発見がどんどん増えていくことがうれしいですね」
「確かに日々の発見が、何よりも面白いですよね。利用者さんの日々の変化は少しずつですが、1ヶ月や3ヶ月などの長いスパンで見返すと大きな違いを感じます」
常時見守りや介助が必要な利用者さんであってもそれぞれに生活力があり、できることは多いと2人は口をそろえます。むしろ、
できるのに介助してしまうと、自立の妨げになるとか。
最終的に職員は声かけと見守りだけですむよう、自立の過程に合わせて少しずつ介助の手を引いていき、ご本人が持っている自立の力を引き出すのがポイントだそう。
といっても、何が自立のきっかけになるか予測がつかないのもこの仕事ならでは。
「ある利用者さんが『洗髪ができない』と自信をなくされていたのですが、なぜできないのか原因を探ってみると、一回分のシャンプーの量をどれくらい使ったらいいのかがわからないからだということがわかりました。
それで、シャンプーを1回分だけ小さな容器に入れてお渡しすると、ひとりできちんと洗えたんです!ご本人もとても喜んでおられました。僕も嬉しくて。そんな印象に残る感動がたくさんあるのも、この仕事の魅力です」
日々利用者に向き合うからこそ、なにかができたときの喜びは、互いにひとしおなんですね。次は、シャンプーのボトルから直接量をわかってもらうために試行錯誤中だとか。
「時々開催するイベントも楽しいですね。夏に利用者さんと一緒に花火を見たり、スイカを食べたりしましたが、みんなとても楽しそうにされていたのが印象に残っています」
利用者さんの喜びが、職員の喜びでもある…。心がほっこりとします。そんな2人が日々の仕事で気をつけていることを聞いてみました。
「利用者さん主体であることですね。僕たちの考えや価値観を一方的に押し付けるのは、最もしてはいけないことです。当然ですが利用者さんも私たちと同じ人間です。誰もがみんな、伝えたい思いがありコミュニケーションを取ろうとしています。お互いに理解できないときは僕たちだけでなく、利用者さんも同じように苦しく、もどかしい思いをされているのではないでしょうか。
ある利用者さんが、リビングで毎日夕方になると独特の発音でなにかを訴えてくるのですが、意味が理解できずにいたことがありました。理解したいという思いからご家族に電話で伺ったところ、その言葉が理解でき、利用者さんも落ち着かれ解決しました。あくまでも利用者さんのために、僕たちだけではできないことは時にはご家族の協力も得ながらひとつひとつ問題を解決していきます。
ちゃんとコミュニケーションが取れたときは、お互い嬉しいですし、その積み重ねによって、信頼関係も築かれていきます」
「僕は利用者さんを日々観察して、表情などからサインを見逃さないように気をつけています。お母さんにはかないませんが、利用者さんにとって家族のように安心できる存在、家にいるように心身が休める場所でありたい。僕にとっても今やコラム富田は、職場でありながら第2の家族のような存在です」
第2の家族。それがコラムで働く真骨頂ではないでしょうか。しかし、せっかく親しくなっても、失敗をして信頼を失うこともあります。お風呂の見守り中に、壁の電気のスイッチが背中に当たって真っ暗になったことがあり、しばらくその利用者さんが話しかけてくれなくなったことがあると仲津さんは苦笑い。職員同士で注意点を共有して反省したそうです。
「良くも悪くもそんな人間くさい、利用者さんとの関わりの毎日が、この仕事の醍醐味かもしれません」
職員から利用者さんに、伝えたいことも日々たくさんあります。その場合には、必ず説明をして納得してもらうようにしています。けれども、なかなか伝わらず、ジレンマやストレスを感じることもよくあるそう。
「僕はコラムのリーダーですが、何が正しいのだろうと日々迷いながら仕事をしています。実は人見知りでコミュニケーションも苦手なので、利用者さんだけでなく職員同士も助け合う職場の空気と、何でも話せる雰囲気に助けられています。とくにコラム富田は2人1組勤務なので、仕事の落ち着いた時間などに同僚に相談しやすいですね。利用者さんも職員もこんなに近い存在の職場って、なかなかないと思います」
未経験者はもちろん、業務に不安な人も働けそうな職場ですね。どんな人が向いているかたずねました。
「グループホームは福祉の資格はなくても大丈夫です。勿論あると有利ですし、働きながら資格を取ることもできますが、未経験者も大歓迎です。この仕事で最も必要なのは、利用者さんを一人の人間として当たり前に受け入れ、尊重できる人柄です。さらに、利用者さんのちょっとした変化に気づける観察力や他人に気遣いのできる余裕や丁寧さがあるといいですね。
僕たちだって、利用者さんの人生すべてがわかるわけではありません。誰にでもチャンスや選択肢のある世の中で、障がいがあることによってその人からチャンスや選択肢が奪われることのないよう常に考え、失敗を恐れずいろいろ実践することが大事だと思っています」
「僕は利用者さんを好きになれる人なら、誰でも大丈夫だと思います。介護の経験がない新人だからこそ気づけることもあるはず。今いる職員の刺激になりそうです。だから、入職後に疑問に思ったら、何でも言ってほしいですね。新人さんの良いなと思ったことは、何でも吸収していきたいです」
包容力のある先輩に囲まれて、のびのびと自分を出して働けそうな職場だなと感じました。
地域と、互いに助け合える関係性に。グループホームの未来を築いていく。
コラム富田は街の真ん中にあるのも特徴です。地域に溶け込む場所にしようと、開設にあたり近隣住民や自治会に向けた説明会を何度も開きました。竣工式や祝賀会にもたくさんの人を招くことができたそうです。
例えば施設の広いリビングは、災害時の一時避難に役立つかもしれません。備蓄品やAED、緊急時の消火器の貸し出しなども地域には有効ですし、夜勤者の存在や建物周囲の監視カメラは地域の防犯対策にもなり得ます。「コラム富田の地域に対するメリットも打ち出し、
地域に助けてもらうばかりではなく、互いに助け合える関係性になれればコラム富田の存在価値はますます上がるのではないでしょうか」と仲津さんは語ります。
重度・高齢の障がい者に関する問題は今後ますます顕著になり、コラム富田のようなグループホームも増えていくかもしれません。同業者や支援学校からの見学者も多いそうです。障がい者グループホームの未来の在り方がここから生まれていくかもしれません。
優しさとやりがいにあふれた第2の家族とわが街を、一緒に築きたいと思ったら、ぜひエントリーしてみてください。