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長い年月をかけて、利用者の人生に寄り添う。
『社会福祉法人 協同の苑』は、大正・昭和期の社会運動家である、
賀川豊彦が設立した『生活協同組合コープこうべ』の関連法人。
1995年8月、阪神・淡路大震災から約7ヶ月後に、
復興の機運のなかで神戸市・六甲アイランドに開設された。
『コープこうべ』を母体とする安定した経営のもと、兵庫県で特別養護老人ホーム、デイサービスのほか、知的障がいを持つ人たちを支援する施設も運営している。
『協同の苑』の基本となるのは「愛と協同」の思想で、ぬくもりある社会の実現を目指している。
現場力の向上に力を入れており、専門職教育やマネジメントスクールなど職員研修制度が手厚い。
今回、生活支援員を募集している『さつき』と『くすのき』は、
同法人が運営する知的障がいを持つ人たちを支援する施設だ。
『さつき』は、就労困難な重度の知的障がいを持つ人たちが通う生活介護事業所。
さまざまプログラムを通じて、利用者が生きがいを持ちながら地域で暮らせるように支援する。
一方『くすのき』は、「就労継続支援B型」と呼ばれる施設。クリーニングや箱の組み立てなどの軽作業など、職業訓練を通じて就労につなげる支援を行う。
知的障がいを持つ人たちを支援する仕事の特徴は「利用者に長く寄り添う」ことだ。
『くすのき』所長(兼「協同の苑」障がい業態課長)の立野普巳子さんは話す。
「たとえば、高齢者を対象とする施設では、
“最期の時間をどう楽しんでいただくか”がテーマになります。
一方、『さつき』や『くすのき』の利用者さんは、18歳から60〜70歳までと、彼らの人生のほとんどの時間を、施設に通ってここで過ごされこます。
そのなかで“自分らしさを探していただくのをサポートする”のが私たちの仕事。
利用者さんの将来に関わる責任とやりがいがあります」
両施設の基本方針は、独りよがりな支援ではなく「点が線になり、面になる」支援を行うこと。
いろいろな職員の視点、家族や地域との連携のなかで、
一人ひとりの利用者に長い時間をかけて寄り添っていく。
立野さんは、利用者との関係を「刺激し合えるパートナーという言葉がぴったり」と言う。
「お世話する」ではなく、「パートナー」として。
大田晋平さんは、大学で福祉系の勉強をしたのち、新卒で入職。今年で11年目を迎えた。『さつき』『くすのき』の両施設を経験した後、2015年から『さつき』の事業所長に就任した。
大田さんは、学生時代に知的障がいを持つ人のための施設での実習経験が
「あまりも楽しかった」ため、現場の仕事を志望したという。
とはいえ、当初は言葉でコミュニケーションをとりづらい利用者さんに対して不安を感じ、
「なぜわかってくれないのか」と、いらだつこともあった。
「誰しも、自分にとって心地よい人との距離感があるもの。
よく観察して、利用者さんとの距離感を掴むこともこの仕事の面白さです。
“できない人だ”とレッテルを貼る前に、“できない、やりたくない”理由を理解しようとすると、
相手との関係も変わってきました」
この仕事には、「利用者さんを待つ心の余裕があるかどうか」が大切だと大田さん。
特に、印象に残っているのは3年目に担当した利用者さんだ。
「30代半ばの男性で力も強く、自傷行為をしたり、泣き叫んだりする姿を見ていたので、
正直なところ“怖い利用者さん”という印象を持っていました。
担当になったばかりの頃は、“これをしましょう”と提案しても、
“イヤ”、“もういい”と否定的な言葉が返ってくることがほとんど。
どうすればいい関係を作れるのか、手探りの日々が続いたのです」
ところがある日、ウォーキングに「行かない」と言ったはずの利用者さんが、
何か言いたげな表情を浮かべている。これに気づいた大田さんが手を差し出すと、
利用者さんは笑顔で歩き始めたのである。
このとき、この利用者さんの「イヤ」は「行かない」ではなく、
「ちょっと待って」の合図だったのかと、大田さんは感じたそうだ。
そんなある日、この利用者さんがパニックを起こして更衣室で泣き叫ぶことがあった。
大田さんは、「近くで様子を見ると何かがわかるかもしれない」と考え、
思い切って真正面から向き合ってみることにした。
「自分の気持ちを伝えることができないので、パニックが収まらないんです。
そして、私の手を掴んでプロレスの力比べのような体勢にされてしまって。
利用者さんの爪が食い込んで私は手に怪我をしてしまいましたが、
やがて彼の手から力が抜けるとパニックも収まったんです」
大田さんは、「この人には、パニックになったときに受けとめてくれる人が必要なのではないか」と考え、その後はパニック状態になるたびに真正面から向き合うようにした。
すると、利用者さんとの距離はぐっと近くなり、
また彼自身にも大きな変化が起きていったという。
「相手を拒否するように見えても、やっぱり誰かと関わりたいんだとわかってきた」と大田さん。
「攻撃的な態度をとるのは不安があるから。
今、その利用者さんはとても穏やかに過ごされています。
僕達が関わることで、利用者自ら変わろうとしてくれる瞬間に立ち会えるのは大きな喜びです」
大田さんが考える「この仕事に向いている人」は「利用者さんと一緒に遊べる人」。
『さつき』の利用者さんはまだ若い(平均年齢27歳)。
利用者さんたちのパワーに負けないエネルギーと遊びごころがあることも大切だ。
確実に、毎日笑っていられる仕事
『さつき』の女性職員で最も若い職員の青山輝美さん。学生時代は障がい者教育について学んだが、
教師よりも「障がいのある子どもの生活を支援する仕事」がしたくて、ここに就職。
今年で5年目を迎えた。
出勤は朝8時半。朝礼後に、車4台に分かれて利用者さんたちのお迎えに行く。
10時15分頃に利用者さんがそろうと、着替えやトイレを済ませて全員で朝礼。
作業やウォーキングなどの運動をした後、11時40分頃からお昼ごはん。
職員たちは、食事介護をしながら一緒に食べるので、実質的なお昼休みはない。
13時頃から約1時間は午後の作業をして終礼。利用者さんが帰った後はさまざまな事務作業をする。行事が近づくと残業もあるが、特になければ定時で上がって帰路につく。
意外なのは、「パソコンで仕事をすることも多い」ということ。
利用者さんの帰宅後は、一日の様子を記録したり、支援計画書を作成するからだ。
職員が集う事務所は、個人の机を持たないフリーアドレスを採用。
職員同士の会話も多く事務所には笑い声が絶えない。
「利用者さんが帰られた後、事務所で“今日はこんなことがあったよ”と、
みんなでワイワイ話すことが多いです。
利用者さんとの間で起きた楽しいことを職員同士で言い合って盛り上がることもありますね」
さつきの利用者さんは、概ね1〜7歳の子どもと同じくらいの言葉を話す。
なかには使う言葉が少なかったり、言葉で自分の気持ちを正確に表現することが難しい人も。
そのため「今、なぜ泣いているのか」「なぜ、怒っているのか」を、理解しづらいこともある。
「理由はわからないけど、しんどい思いをしていることはわかる。
そんなときは、とりあえず担当の私がいることで安心してもらえればと思って、
“しんどいのね”と声をかけながら、傍にいるようにしています」
仕事のなかで悩むことがあっても、
「利用者さんは一日一度はユニークな言葉や行動をするので、確実に毎日笑っていられる」
と青山さん。「仕事がつらい」と思ったことはないと言う。
そのうえで何よりもうれしいのは、
利用者さんが少しずつ「自分でできるようになる姿を見ること」だ。
「利用者さんは日々変化するので、“困ったな”ということが続いていても、
翌週にはコロッと状況が変わることもあります。
考えているうちにも利用者さんはどんどん動いていくので、壁にぶつかってる暇もないんです」
「この人のために自分はいる」という達成感
『くすのき』に勤めて10年目、リーダーの大野晴也さんはシステムエンジニア(以下、SE)として15年間働いた後に中途入職した、異色の経歴の持ち主だ。
SEとして多忙な日々を送っていた大野さんは、脳梗塞で倒れたことを機に転職を決意。
技術的な壁を感じていたこともあり「まったく違う業界で働こう」と、この仕事を選んだ。
未経験でこの仕事に就く人は多いが、理系出身者はかなり珍しい。
「正直、初日は“ムリ!”と思いました(笑)
あまりにも知識がなく、あちこちで奇声が上がったり、言葉が伝わらないことに驚いたんです」
しかし、「転職してきたのに、すぐに辞めるわけにはいかない」とふんばった大野さん。
やがて「関わりかたを変えると伝わる」ことに気づき、仕事にやりがいを感じ始めるようになった。
また、集合研修で他施設の職員とディスカッションをした際には、
『協同の苑』では研修体制がしっかりあることを感じたという。
毎年作成する「個別支援計画」については、
「他施設では、作ったことがないと言われた」と大野さん。
職員たちの仕事に対する意識も高さも魅力のひとつ、と話す。
毎朝8時半に出勤すると、午後15時までは利用者さんと一緒にクリーニングや箱詰めなどの軽作業を行う。片付け、清掃、利用者さんの見送りが終わると、16時頃からは事務所で記録や計画書作成などの作業をする。)だが、『くすのき』は就労支援を行う施設。時には、納期に追われながら仕事を進めることもある。
「利用者さんは支援の対象ではありますが、感覚としては良きパートナーです。
“職員も大変だから助けてね”、“みんなのおかげで納期に間に合ったよ、ありがとう”と、
感謝の気持ちは必ず言葉にしています」
大野さんは、生活支援員に向いているのは「本当の思いを受けとめられる人」だと話す。
相手の行動の意味を理解しようとすること。
一度で伝わらなくてもあきらめず、関わりかたを変えながら相手に伝わるまで粘ること。
本当の意味でのコミュニケーション力が問われる仕事だからだ。
人は誰も「ここにいていい」という安心感があれば、他者に対して攻撃的になることはない。
『さつき』や『くすのき』の利用者さんが、穏やかでやさしい雰囲気をまとっているのは、
きっと職員たちが、利用者さんの存在をしっかり受けとめているからだと思う。
「こんな場所で働いてみたい」と思う人は、ぜひ応募してみてほしい。
今までとは違う価値観で、人生の豊かさを感じられる職場が待っている。
(取材・文/杉本恭子、撮影・コーディネーター/藤吉航介)
Job description
募集職種
- 企業名・団体名
- 社会福祉法人 協同の苑
『さつき』(生活介護事業所)
『くすのき』(就労継続支援B型事業所)
- 募集期間
- 2015年7月15日(水)〆切
- 募集業種
- 生活支援員:
知的障がいを持つ人たちに対する生活支援(通所)、
作業支援、余暇活動支援、更衣、排せつなどの支援
- 雇用形態
- 正社員、嘱託職員
(試用期間3ヶ月)
- 応募資格
- 未経験可、経験者優遇
- 勤務地
- 兵庫県伊丹市中野北2-11-22
(法人内での異動により勤務地変更あり)
- 勤務時間
- 8:30~17:30(うち、1時間休憩あり、残業あり)
- 給与
- ■正社員191,000円~
■嘱託職員173,000円~
経験・スキル・前給等を考慮し、面談の上決定。
- 休日・休暇
- 土日他( 週休2日制)、年間休日111日 夏季休暇、年末年始(12/29~1/3)、誕生日休暇あり
- 待遇
- 交通費支給(月額5万円まで)、
マイカー通勤可(駐車場代として3,500円必要)、
社会保険、雇用保険、育児休業、介護休業
昇給(2千円~)、賞与年2回、資格取得応援制度あり
- 採用予定人数
- 若干名
- 選考プロセス
- 1)本サイトからエントリー後、
履歴書・職務経歴書を弊社までご郵送ください。
※お送り頂いたものはお返ししておりません。
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2 ) 書類審査後、通過者の皆様にのみご連絡
▼
3 ) お電話にて面談日時を相談の上、決定。
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4 ) 面談を実施
▼
5 ) 面談の結果を全ての方にお知らせし、採用が決定
▼
6 ) 勤務開始
- 応募者への質問
- 1】知的障がいを持つ人達と関わる仕事を選んだ理由を教えてください。
2】仕事をしていく上で大切にしている事、しようと思っている事はなんですか?
- メッセージ
- 20代の利用者さんがおられるので、思っているより体力が必要な仕事です。 意外とデスクワーク等のPC入力や書き物の量が多いです。 人と関わる事が好きな方、物づくり、料理など色々な事に興味・関心を持っている方歓迎します。また、未経験者でも大丈夫ですよ!入職時に研修を行いますので安心してご応募下さい。 当法人は、コープこうべを母体に設立されたました。基本理念「愛と協同」、お互いが思いやり、助け合い、協力しあって生きていくことのできる、ぬくもりのある社会の実現を目指しています。一緒に成長していきましょう!!
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