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「課題解決を仕事にする人が全国に広まればいいなぁと思ってます。」と話すのは、
NPO法人Co.to.hana(以下コトハナ)代表の西川亮さん。
課題解決を仕事に・・・?
そんな疑問を頭に浮かべながら、取材をさせてもらうことにした。
2010年に起業して今年で2年目の若くて勢いのある団体コトハナ。
メンバーは全員、大学で専門的に建築の勉強をしてきたそうだ。
しかし、コトハナは決して建築デザイン事務所ではない。
例えば、コトハナが現在進行しているプロジェクトでは次のようなものがある。
・震災のことを考え一人ひとりの思いをつなぐ「シンサイミライノハナPROJECT」
・地域の遊休地を活用し、様々な人と一緒に農を通して、新しい価値を創造していく「北加賀屋クリエイティブファーム」
・宮城県石巻の高校生と一緒にカフェを何も無いところからつくりあげていく「いしのまきカフェ「 」(かぎかっこ)」
コトハナはプロジェクトを企画するところから始まり、プロジェクトのコンセプトづくりやデザイン物の制作、運営、広く拡大していくための営業や広報活動なども行っている。
そしてこれらのプロジェクトに全て共通することは、
社会や地域の抱える課題を解決するためにデザインの持つ「人に感動を与える力」、「ムーブメントを起こす力」、「人を幸せにする力」を使って、取り組んでいるということである。
その地域に住む「何かを起こしたい」という人たちに、刺激を与え、一緒に問題解決に取り組んでもらえるような仕組みをつくりだすことが、コトハナの仕事なのである。
* * * * * *
コトハナのメンバーは現在、代表の西川亮さん、
コーディネーターの金田康孝さん、
制作ディレクターの田中悠介さんの三名。
今回は、事務・広報スタッフとデザイナーの合わせて二名の求人を募集。
分野にとらわれず、何事にでも広く挑戦していく気持ちを持った、どこまでも一緒に突き進んでくれるメンバーを募集している。
「べつに男性限定の職場ではありませんよ!むしろ女性メンバーウェルカムなくらいです!!」(男性スタッフ一同)
Prologue コトハナの3人。
大阪北加賀屋、駅からすぐの場所にコトハナオフィスはある。
一階にお花屋さんが入っているビルの二階にあり、そのお花屋さんの店内を抜け、
キシキシっと音のなる木の階段を上ると、真っ白い壁に大きな本棚のあるオフィスへとたどり着く。光がいっぱいに差し込む心地いい空間は、最近自分たちでリフォームしたそうだ。
取材にお伺いした時間帯がちょうどお昼休憩の時間だったので、一緒に昼食をとらせてもらった。
「よくお弁当を買ってきて、屋上で食べますよ!」と話す西川さんにすすめられるままに、
屋上に向かうと、そこには木でつくられた長テーブルと椅子が置いてあった。
思わず仕事だということを忘れてしまうくらい、ゆったりとした空気が流れた。
このスペースは昼食時に利用したり、夜は月に一度知り合いや仕事で関わっている人たちを集めてバーベキューをしたり交流の場として使っているそうだ。
「金田くん、彼女できたんか?」とイタズラっぽく聞く西川さん。
「いや、まだできひんわ。」と金田さん。
それを見守る田中さんはにこにこ笑顔。
お昼休みに何気ない会話を交わす三人を見ていると、仕事仲間というよりも、もっともっと近くて、気を許しあった仲間のように思える。
Story1 アンテナを張り続けた学生時代
小学校の頃からずっと野球選手になることを、夢見ていた西川さん。
しかし中学校に入学すると同時に、その夢を諦めなければならなくなってしまったそうだ。
「環境や金銭的な事情で、当時の僕にはとても納得できないような理由で夢を諦めざるを得ませんでした今から思うと実力が足りなかっただけなんですけどね。」
それが、幼いながらに経験した、それが西川さんの初めての挫折だった。
しばらく経って、西川さんが次に興味を持ったもの、それが「建築」だった。
工業高校に進学を決め、入学。
在学中は勉強しながら、アルバイト漬けの毎日を送っていたそうだ。
「過去に、一度挫折した経験を引きずっていて・・・
もし次夢を見つけたら、何かのせいで諦めるのだけはごめんだと思って。
芸術大学に進学するためのお金を貯めていましたね。」
そして、貯金を全て使い神戸芸術工科大学に入学した。
「自分で稼いできたお金で勉強しているので、とにかく無駄な時間は過ごせないと必死でした(笑)」と話す西川さん。
アンテナを常にピンピンに伸ばし、四年間色んな場所へと出かけたという。
そこでたくさんのデザイナーに出会い、西川さんの中にある“建築”への考え方が変わったそうだ。
「尊敬する人たちの中に安藤忠雄さんや、プラスアーツの永田さん、そしてstudio-Lの山崎さんがいて、その人たちの考え方に触れていくうちに、建物を建てるだけじゃだめだなってことに気づいたんです。問題を抱えている人たちの声を聞き取り、その人たちと関わりながら空間をつくり上げていくことこそが、これから先絶対必要とされる建築の在り方だと思ったんです。」
Story2 伝えるためにーシンサイミライノハナプロジェクト
学生時代はとにかく色んなプロジェクトに関わったと話す西川さん。
コトハナ設立以前から現在まで、継続して取り組んでいる「シンサイミライノハナPROJECT」は、学生時代の経験を活かし、大学卒業後に西川さんが仲間と一緒に考案したプロジェクトだ。
阪神淡路大震災から15年経った神戸の街で、震災を経験された方も震災を知らない世代も、一人ひとりが震災のことを考え、震災の記憶や教訓を未來につないでいくために始めたとのこと。
プロジェクトでは、多くの方に震災についての想いや伝えたいことを、花びらを型どったメッセージカードに書いていただき、そのメッセージの書かれた花びらが五枚集まると、一輪の花をつくることができる。
そして、その花を街の中などに飾ることによって、多くの方に見ていただき、震災について考えるきっかけをつくりだすという。
西川さん
「阪神淡路大震災によって、多くの方々が被災され、心に深い傷を負いました。
そこから時が経ち、神戸の街はとても美しく、何もかもが元通りになったかのように見えます。
けれど心の傷というものは、時間が経っても完全に消えることはありません。
その抱えている想いを言葉にし伝える仕組みが、絶対必要だと感じていたんです。」
そこで考えついたのが「シンサイミライノハナ」だった。
2009年11月。
3ヶ月後の1月17日に、シンサイミライノハナを神戸の街にたくさん咲かせようと動きはじめる。
しかしこのイベントで初めて、西川さんは大きな壁にぶつかった。
西川さん
「プロジェクトを進めるにあたって、被災された方々のお話を聞かせていただける機会がたくさんありました。震災のことを思い出したくない方、はやく忘れたい方など、様々な震災についての考え方があることを知り、自分たちのプロジェクトがそういう方々を傷つけてしまうのではないかと、不安でした。」
不安と格闘しながらもイベントの成功を信じ、メッセージを集め続けた西川さん。
すると、頑張っている姿を見て、協力してくれる人がどんどん集まってきてくれたそうだ。
「知り合いの方から高校の先生を紹介してもらう機会があって。
これはチャンスだと思い、その先生にメッセージの協力をお願いしました。
そしたらある店の名前だけ言われて・・・数日後その店まで来いって言われたんです。
約束通りにその店に行ってみると、席にズラッと高校の先生たちが座ってて。
その先生は、『集められるだけの先生を呼んで来たよ』って、
全員の先生にメッセージの協力をお願いしてくれました。」
ここで出会った先生達とは、今でも何かプロジェクトがあれば協力をしてもらっているのだそう。
小さな出会いを繰り返し、自分たちの活動に協力してくれる人が仲間を増やした西川さん。
イベントを企画してから3ヶ月で、3万人以上の方からのメッセージが集まった。
「積み重ねていけば結果になる。」と確信した西川さん。
この活動をこれからも続けていくために正式に団体にしようと決意。
そして2010年NPO法人Co.to.hanaを立ち上げた。
Story3 仲間になった理由
代表西川さんが、ものすごいスピードで色んなプロジェクトに関わっていた学生時代、
他のメンバー二人はどうしていたのだろうか?
コトハナメンバーでダントツのいじられ役、金田さん。
コーディネーターとしてコトハナ創立時からメンバーとして所属している。
「金田くんは、本当に人から好かれるよね。みんなくっついてくもん。」と西川さん。
小さな子から、おじいちゃんおばあちゃん世代にまで慕われる、その明るいキャラクターはコトハナのどのプロジェクトにも欠かせない存在だという。
金田さん
「僕は、小さいころから大きな建築が好きで、専門的に勉強するために、中学を卒業してからは
神戸工等専門の都市高学科に入学しました。高専というのは、5年制でより専門的なことを学べる高校みたいなところです。
「都市工学科」という名前をきいて、かっこいい建築の勉強ができる!と思い、あんまり何も調べずに入学しました(笑)。
高専では毎日、橋や道路のつくり方、建物をつくる鉄やコンクリートのこと、地震や津波のことなんかも勉強していました。でも色々勉強しているうちに、建物はつくるのは同じでも、“土木”と“建築”は別もので、僕がやりたかったのは“建築”、高専でやっていたのは“土木”だったんですね(笑)」
話しを聞いていて、思わず吹き出してしまった。
それと同じタイミングで「ほっっんま金田くんは適当やなぁ!」と他のメンバーから突っ込まれる金田さん。
ちょっと適当なこの感じが、話しを聞いているこちらをリラックスさせてくれてるのかも。
「で、高専を卒業して、建築の勉強ができる神戸芸術工科大学に三回生から編入したんです。三回生から編入すると、他の人たちは皆出来る人ばっかりで、グループとかも出来てたし・・・。
なんか置いていかれた気持ちになって焦りました。
とりあえず何でも積極的に参加してみようと思って、たまたま参加したプロジェクトで西川さんに出会いました。」
プロジェクトで関わっていくうちに、西川さんの建築や空間づくりの考え方に引きこまれていったそうだ。
四回生になって、就職活動を続けるもなかなか内定へと結びつかない金田さんを見て、西川さんから「今からやりたいことやってみる実験をするんだけど、もし良かったら一緒にやっていかへん?」と声をかけられ、コトハナを一緒に立ち上げることとなったそうだ。
一方、コトハナが出来てしばらく経った後に、メンバーに加わった田中さん。
彼は、大学卒業後一年間住宅メーカーで勤務した経験をもつ。
ファンが続出するほどのスーパースマイルの持ち主だが、コトハナでは制作ディレクターとして細かい部分にまでこだわり、妥協を一切許さない厳しい一面も持っている。
そんな田中さんも大学時代に西川さんに出会ったことで、考え方が変わったそうだ。
「小さい頃から両親の影響で、日曜大工とか物をつくるのが好きで。
専門的な勉強をするために、大学は神戸大学の建築学科に入学しました。
西川さんとは、大学時代に阪神淡路大震災のこと考えるイベントで出会ったんです。そのイベントの打ち上げで、西川さんとゆっくり話す機会があって。
それまで建築にしか選択肢に入れてなかった僕ですが、西川さんの話しや活動を見たり、デザインの本を読んでるうちに建築への考え方がかなり変わりました。しかし、考え方に少しずつ変化が出始めた頃には、すでに就職が決まっていて。
このままでいいのかなぁ・・・と思いながらも、そのまま住宅メーカーで働く道を選びました。
でも実際に働き始めると、想像していたのと全然違って。」
これは西川さんに初めて誘われたプロジェクト「シンサイミライノハナ」で、田中さんが書いたメッセージ。
「西川さんと話せてなかったら、このプロジェクトに参加すら出来てなかったと思います。」や「飽きたら雇って下さい(笑)」と書かれたその言葉は、就職が決まりながらも、自分の気持ちに嘘がつけなかった田中さんの心の声だったのかもしれない。
そしてその後、思い切って仕事をやめた田中さんは、この言葉通りコトハナのメンバーとなっている。
今、こうして3人が集まりそれぞれが仕事をする毎日を送っているが、立ち上げた当初は手探りで仕事をしている状態だったそう。
西川さん
「給料なんて最初は出せないので、みんなバイトしながらコトハナの仕事をしていましたね。
しかもバイト一個だけでは稼げないので、何個も掛け持ちしながら。
バイトが終わってからコトハナの仕事をするっていう生活は、正直きつかった(笑)」
田中さん
「そうそう、僕は給料手取り25万のとこからいきなり0円になったんですけどね(笑)
貯金を切り崩しながらでも、一緒に働きたいなぁって気持ちのほうが強かったから頑張れました。
自分のやりたいことがそのまま仕事に生かされていく事が、毎日仕方なかったです。」
そしてやっと給料を出すことが出来たのが、去年の7月のことだった。
「給料といっても1万円程度。お小遣いくらいの金額です。
でも、やりたいことを実現していく中で、初めて出せた給料。
時間はかかりましたが、この1万円は、すごく自信になりました。」と西川さんは話す。
Story4 地域に広がる「課題解決屋さん」
どんどん人を巻き込みながら、夢を実現していくコトハナメンバー。
これからはどんなことをしていくつもりなのかを尋ねてみた。
「これからですか?
地域や社会の課題を解決するのが僕達の仕事なんですが、
そもそも今若い世代の人たちが自分の地域に関心を持っているかと言われれば、そうではない。
関心を持たなければ、抱えている課題にだって気づきにくい。
でも、もし課題に気づいた時、地域に住む人たちや仲間が集まって解決していけたら、
地域の中の繋がりも強くなるし、暮らしが活き活きすると思うんです。
自分の住む地域の課題解決を仕事にする若い人が、出てきたらいいなぁって思ってます。
コンビニみたいにどこに地域に行っても「課題解決屋さん」がいるのが理想です!
コトハナは、その課題解決屋さん第一号店として頑張っていくだけですね。」と西川さんは話す。
例え小さなことでも全力で挑めば、その力は積み重なっていき、
やがて社会に対して大きなインパクトを与える力へと変化する。
それはつまり小さな街の小さな課題解決であったとしても、
真剣に向き合う人が増えれば、社会をも変えていける力を持つということに繋がる。
* * * * * *
課題解決に答えはない。
信頼し合った仲間同士、意見を言いながら時にはぶつかりながら、答えをつくりだしていく。
どういう答えを出すかどうかは、常に自分たちの中にある。
自由度が高い仕事だからこそ、上手く進まなかったりもする。
でも、それがきっと彼らにとっては最高におもしろいことなんだと取材を通して伝わってきた。
とは言っても、仕事は仕事。
投げ出したくなる時も絶対にあったはず・・・。
最後、フランクな空気になったところで、メンバー全員に目をつむってもらい、
ちょっと意地悪な質問をしてみた。
「正直に答えてくださいね。やめたいなーと一回でも思ったことある人!」
私は、手を挙げた人がいればその人に後から、それはどんな時なのか、
それでも続けているその理由は何なのかなどをこっそり聞いてみようと思っていた。
組織の素顔を見るには、そんな質問も必要だからだ。
しかし・・・
手を挙げたものは、誰ひとりとしていなかった。
今日も、北加賀屋の街では課題解決屋さん第一号店が
小さなアクションを起こし続けている。(箭野)
- 企業名・団体名
- NPO法人Co.to.hana(コトハナ)
- 募集業種
- ○事務・広報スタッフ
事業の円滑な運営のためのマネジメントや、事業をより多くの人に知ってもらうための広報PRに関する業務に携わっていただきます。
各種事務/財務/PR企画/プレスリリースの作成・配信/メディアとの折衝
○デザイナー 分野にとらわれず課題を解決に導くデザイン制作に携わっていただきます。 デザイン制作業務(グラフィック/建築・空間/WEB/プロダクト/映像/コミュニティデザイン/イベント)/企画書作成/プレゼンテーションなど
- 雇用形態
- 正社員・新卒
正社員・中途
- 応募資格
- ■事務・広報スタッフ
総務、経理など基本的な事務業務に加え、広報や資料作成などの業務も行っていただきます。 <必須> Word、Excelなどの基本的なスキル
■デザインスタッフ
<必須> Photoshop・Illustratorのスキル <歓迎>
- 勤務地
- 大阪府大阪市住之江区北加賀屋2-10-21 2F
(大阪市営地下鉄四つ橋線「北加賀屋」駅より徒歩1分)
- 勤務時間
- 9:30~19:00
- 給与
- 月給15万円~25万円
(実力・経験・意欲を考慮のうえ決定いたします)
- 休日・休暇
- 休日/日曜(その他休暇については相談の上決定
- 待遇
- 昇給あり
- 採用予定人数
- 2人
- 選考プロセス
- 【プロセス1】書類選考
書類選考を通過された方の面接日時をご連絡いたします。
<提出していただく書類>
◇デザイナーにご応募される 方:履歴書、ポートフォリオ
◇広報・事務にご応募される 方:履歴書
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【プロセス2】面接
採用担当者との面接を行ないます。
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【プロセス3】内定
*選考はなるべく迅速に行ないます。
【面接場所】
大阪市住之江区北加賀屋2-10-21 2F
【採用担当】
西川/田中
- webサイト
- http://cotohana.jp/
- 企業からのメッセージ
- 私たちが一緒に仕事をしたいと思う人は、弊社の理念に共感し、「社会を元気にしたい!」という気持ちを持っている方です!
社会を元気にしていくことは決して簡単なことではありませんが、一緒に頑張ってくれるメンバーを大募集します!
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