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社会福祉法人ゆうゆうの求人サムネイル
2014.06.20 公開 2018.08.27 更新
社会福祉法人ゆうゆう
まるで、映画のように。

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください

運命を決めた、お母さんとの出会い

結論から言えば、社会福祉法人ゆうゆうの最大の魅力はその活動が、じつは
教育や地域経済の活性化にも波及した、“新たな町づくりのモデル事業であること”に尽きる。
なぜその思いに至ったのか。理由や法方論についてはこれから詳しく紐解くとして。
まずは、「福祉にまったく興味がなかった」という理事長の大原さんが、この世界に関わるきっかけから紹介したい。

福祉の枠を飛び越えよう。時代はグローバル化!
そんな漠然としたメッセージが、じわじわと現実味を帯びてくる。
業界内でも断トツに若い、若干34歳の理事長・大原裕介さんの言葉は、
聞く人の心を動かす力にあふれていた。

当時、当別町にある北海道医療大学の学生だった大原さん。4年生のとき、町の商店街にボランティアセンターを立ち上げるという地域との共同プロジェクトで、代表に選ばれた。
001
「僕たちに何ができるのか、早速行政の担当者や町の声を聞いて回った。
その中で特に印象的だったのが、障がいを持つ子どものお母さんたちの声。
彼らの話を聞いたら、あまりにも不条理で哀しくなった。
3歳ぐらいの子どもを持つお母さんが言ったんです。

『私よりこの子が長生きして欲しくない』って。

自分が死んだ後、この子をこの町で面倒みてもらえるなんて想像もできないし期待もしていない、と。ほんとうにそういうところだった。困っている人が相談できる施設や専門家もいなかった。
だったら、障がいをもつ子どもたちの預かりサービスを始めよう!!!って。美容院に行く暇もなかったお母さんたちのために、知識も経験もない僕らが、志だけで始めたのがきっかけです」
002

みんなの“楽しい”を創造する

この原体験が、「たった一人のニーズに応える。実践はここからしか生まれない」という組織理念を生み出した。

大学で芽生えた情熱を糧に卒業後、前身となる施設を発足させてから、今年で9年目。
学校を卒業した子どもたちに働く場所がないと聞けば就労施設を立ち上げ、親元を離れて自立したいと聞けばグループホームをつくるなど、いま目の前にいる子どもたちの成長に合わせて、必要とされる施設や支援を創造してきた。血の通った真っ当な歩みに、胸が熱くなる思いだ。

現在、大原さんは『社会福祉法人ゆうゆう』及び、『NPO法人ノーマライゼーションセンターにょきにょき』の理事長として、当別町で9施設、隣接する江別市で3施設を運営するまでに組織を成長させた。

各拠点では、障がいを持つ子どもからお年寄り、その家族まで、幅広いニーズに対応する。
関わるスタッフは当別町一番の若さを誇り、平均年齢20代後半!
31名のスタッフと大学生を中心としたパート職員70名を雇用する。
なぜ若者を惹き付け、全国から視察の波が押し寄せるのか。
答えは大原さんが言う、“福祉は暮らしをつくる仕事”の言葉にありそうだ。
003
「暮らしと考えれば、それは福祉だけでは成り立たない。農業や商売をやっている人、福祉に興味や関心のない地域の住民ごと、僕らの活動に巻き込む必要がある。そのためにも活動は“楽しいもの”でなければならない。障がい者や高齢者のためというよりも、関わるすべての人たちが大切にされるようなイメージ。福祉に関わることで地域が賑わい、地元産業が活性化する。
そんな活動を一個ずつ具現化してきた感じです」

確かに「楽しい」を基準にすれば、一気に物事のハードルが下がる気がする。
大原さんの口からは、理想論に留まらない事例(後に紹介する『渋谷ダブルトールカフェ 北海道医療大学店』もその1つ)が次々と出て来ることに驚かされる。ましてやそれが地域の活性化を生み出す仕組みともなれば、同業者でなくても参考にしたくなるはず。

「ある方をハッピーにしたい!というのが僕の幸せだし、
利用者が楽しそうなら職員だって楽しい。
だけど、『僕らが楽しいからみなさんも幸せですよね!』では通用しない。
関わってくれたのが八百屋さんなら、彼らにとっては野菜が売れることが楽しいことだし、それが建設会社なら注文が入ることが彼らの幸せなんです。

その人にとっての“楽しい”が実現できれば、福祉に関わる=楽しいこと。
だったらまたあいつらの活動を応援してやろうと、障がい者理解につながる。
障がい者はかわいそうなので、みなさん優しくしましょうは絶対に、ナシ!
対等な関係を生まない上に、丁寧なようでいて極めて高圧的ですよね。
刹那的な感情で生まれるほど事業は甘くないし、無償の奉仕や負担を伴う支援では続かない」

単純に楽しみを見出せる職場なら、働く若者にとっては大歓迎だろう。
全国的に注目を集める組織のブランド力に、魅力を感じる人も少なくないはず。
何より、夢を実現する若きリーダーの経営手腕に、同世代の若者たちは惹かれるのかもしれない。


毎回が最高傑作!

「福祉の仕事はとてもクリエイティブだ」と言う大原さん。
日々の活動を、映画に例えて話してくれた。

「自分のなかでストーリーを重んじている。誰と誰をどんな舞台で結びつけたら、関わるみんなが笑いながら映画のような1日を過ごせるのか、監督のような気持ちで考えるんです。

映画もこの仕事も、感性が問われますよね。多くの人の共感を得ようとする点がとても似ている。
多くの感動を得る一方で、思ったより反響がないこともある。
何がいけないのか、俳優かストーリーか。映画になぞらえて事業を見直すととても整理しやすい」
004
主演は利用者さんでエキストラは地域のひとたち。監督を支える助監督は営業といった具合だ。

「僕らの仕事が難しいのは、『ドラえもん』だと大人は観ないし、『水戸黄門』だと子どもたちは喜ばない。多様な人たちに喜んでもらえる“映画”を作るのには、幅広い感覚が必要になってくる。だから最近は、パティシエや料理人、デザイナーなど福祉以外の人材も雇用していて。今後も色んな分野の専門家が“クルー”に加わってくれたら楽しいだろうな」


成長を見届ける喜び

映画に例えると、予算や配分を考えるプロデューサー的役割を担うのが総務企画部。
そこで部長として指揮を執るのが、入社9年目の鈴木櫻子さんだ。
005
「職員の雇用面から現場の管理まで、統括的なことを担当しています。
理事長には夢を語ってもらいたい思いがあるので。
実際に動かすのは、事務局長と私のところの役目かなと。
現場から急に今の部署に配属されたときは、分からないことだらけで葛藤もあったけど。2年経ってやっと、力の配分が分かってきたかな」

大原さんと同じ医療大学の後輩で、もとは保育士を目指していたという鈴木さん。
思うように就職先が見つからず悩んでいたところ、大原さんから連絡が入った。

「ちょうど組織を発足させるころで、『就職決まった?』って。それまで“ゆうゆう”の活動にはボランティアで参加したり、4年生の時は実習先でもあったので互いに面識はありました。ちょうど恩師からも『大原くんのところ、どう?』とすすめられてもいたので、ご縁かなと。卒業論文のテーマが『障がいのあるなしに関わらない支援』だったこともあり、福祉を通した地域づくりという組織の理念にも共感がもてたし。ただ、立ち上げ当初は凄いことになっていて、大丈夫かなこの法人?とも思ったんですけど(笑)」

組織の変遷を見てきた鈴木さんに、この仕事の醍醐味や印象に残っているエピソードを聞いた。
006
「楽しいのはやっぱり、関わった子どもたちの成長が見られること。
実習の時に小学1年生だった子が、今は高校生になっていて。
あの時できなかったことが、今だとこんなにも出来るんだー!って、完全に親目線(笑)。1人ひとりとの出会いから今を思って、涙するとこもしばしばですね。

ハプニングではないですけど、現場に入って1年目のときは、地域のお母さんと関わることが多くて。学生上がりで大丈夫かという声がある一方で、応援してくれる人もいて。そこでは本当に色んな経験をさせてもらった。今の自分を作ってくれたと思うし励みにもなったけど、当時はツライ部分もあって。どうやって多様な人々を味方につけていくのか。いま同じ悩みを抱えている若手職員には、伝えられるかな」


自分も誰かに支えられている

業界では人手不足が叫ばれて久しいが、現場で働く身として、何か感じることはあるだろうか?

「やっぱり障がい者や高齢者は“助けてあげなきゃいけない人”というイメージがあるんだと思う。
でも実際には違っていて。障がいのあるAくんではなく、Aくんには障がいもあるけどこういう所もあるよね、という見方で支える。ボランティアの方に対しても、お願いしたいというよりは、助けてください。私たちにはできないことなので、あなたの力が必要ですと伝えます。そうすると、私なんかでよければと手伝ってくれたり、NPOの理事にまでなってくれた人もいる。誰もが誰かの支えであり、誰かに支えられている。それが実感できれば、介助しなくてはならない=福祉ではなくなる」

一方で就職に至っても続かない、高まる離職率についてはどうだろう。

「何年か前に大原が全道でリサーチしたことがあって。
表向きは3K(給料が安い、きつい、汚い)が理由として挙げられますが、
紐解いて行くと、実際は相談相手がいないことが一番の原因だった。
悩みを1人で抱えて、結局どうすればいいのか分からずに辞めてしまう」

その点、“ゆうゆう”では、相談できる環境や人材に恵まれているという。

「そこはすごくうちの特長だなと思う。上司が話を聞いてくれる。
まず大原が人を観察する力がピカイチですよね。少しでも顔色が悪かったら、
どうした?って気遣ってくれる。“ゆうゆう”では困っている1人に対して、
どんな支援ができるのかを一番に考えている。
それは地域住民に対してもそうですし、職員1人ひとりに対しても同じなんです。

あとは、仕事が終わってからのスタッフ同士の雑談も重要で。
私も現場を務めていたころは、日々の何気ない会話に救われました。今日誰々ちゃんがこんなことできたんだよとか、そんな話から悩みの解決の糸口が見つかったり。労務を担当するようになってからは、早く帰るように注意を促したこともあったけど。でもやっぱり、そこは必要だよねって」

そんな葛藤を解決するべく、近年は総務や事務局面の強化に努めている。

「現場は意外と事務作業に追われることが多いので、そこを今後は事務局が引き受けようと調整中です。現場は空いた時間で、利用者の支援を充実させたり、スタッフ同士の話し合いの時間にあてたり。今まで事務を理由にできないこともあったけど、今後はそんな言い訳は通用しませんよ、と」

えー先輩、怖いです!(笑)

「大原の考えです(笑)。時間を与えたときに、あなたには何ができますか。
考えなきゃいけないし、考えればいろんな展開ができるよねと。
やりたいことを実現するために、1つひとつ不具合を調整してきた感じです」

今も昔も、現場レベルでの問題解決が、着実な一歩を生み出してきた。
現場の新陳代謝が人を、組織を成長させていく。


夢は、旅行会社の設立!?

実際に現場スタッフの声が聞きたくなって“ゆうゆう”の本部を訪れた。
大通りから小道を入ったとある住宅街の一角。すぐ先には広大な田園が広がり、民家の軒先には赤やピンクのチューリップ、都会で見るより1.5倍は大きいタンポポが風に吹かれて揺れている。喧騒とは程遠いのんびりとした風景の中に本部はあった。

元は保育園だったという平屋の建物。全てはここから始まった。
現在施設は3施設の拠点を担っていた。まずは、母体である『NPO法人ノーマライゼーションセンター にょきにょき』の本部、次に昨年の組織編制で設立した『社会福祉法人ゆうゆう』の本部。そして、新施設が完成するまでは『放課後等デイサービスセンター アマリリス』としても機能していた。
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「伊藤くん、遊ぼー!!!」

手加減なく体当たりしてくる小学生を受け止めつつ、SOSを求める工作が苦手なスタッフには素早く手順を指示し、お手伝いが終わったと報告する中学生には「ありがとう」と笑顔で言葉を返す。
幅広い視野と細やかな気配りで子どもたちから大人気の彼は、伊藤尭紘さん。
「彼がいると現場が活気付く」と上司からの信頼も厚い、入社3年目の若手職員だ。

“ゆうゆう”へ入る大元のきっかけは、高校在学中に冬休みを利用して取得したヘルパー2級の資格。ただ資格取得は母親のすすめであり、本人は「大学進学の助けになれば」という程度。
高校3年生のときに“ゆうゆう”の活動を手伝ったのも、「たまたま実家から徒歩5分の場所だったし、せっかく取得した資格を使わないともったいないから」。
そんなわけで、元々ツアーコンダクターに興味のあった彼は、迷わず観光学科のある大学へ進学した。
008
「ヘルパー2級の資格を取ったときも実習先では嫌な思いというか、それまで福祉には明るく善良なイメージしかなかったけど、実際の現場では『これが現実か…』と哀しくなるような場面にも遭遇してたので。だから資格は取ったけど、就職先として福祉の仕事をしたいとは、一切思っていませんでした」

事実、大学卒業時には一般企業からの内定ももらっていたという。
そんな状況からなぜ今、“ゆうゆう”に!?

「旅行関係ではなかったんですが、いくつか内定を貰いだしたころに大原さんから就職のお誘いを頂いて。雑貨店なら雑貨、ツアーコンダクターなら旅行、飲食店なら飲食しかできないけど、福祉なら色んなことができるよって。

確かに“ゆうゆう”ではレストランやドーナツ店を展開したり、他の事業所ではキーホルダーを作ってアート系のこともやっていた。なるほど、福祉は自分たちの好きなところでクリエイティブな活動ができるのかもしれない。障がい者向けの旅行会社も夢じゃない!と思ったのがきっかけです。

実際にお菓子作りの現場では、子どもたちと一緒に専門的なことが学べるし、高齢者の利用者さんからは学ぶことも多くて、校長先生と接するような感覚。サービス内容も配食や買物の付き添い、系列の交流サロンへの送迎が主なので、介護というよりは一緒に楽しく遊ぶというイメージですね」


自分が必要とされる喜び!

今の伊藤さんの活躍からは想像もつかないが、
現場に入りたての頃は「子どもたちを怖いと思う瞬間もあった」と明かす。

「僕はもともとあがり性で、人と話すことがすごく苦手だった。
その上『障がい』という言葉が一個加わるだけで、意味も分からずに怖くて。
最初の2、3ヶ月は子どもたちと1メートル以上離れたところからじゃないと話せなかった」

しかし、ある男の子との出会いが、その後の人生を変える転機になった。

「その子は新しいスタッフが大好きで、向こうから『遊ぼー!』と僕のところに来てくれた。僕は工作が好きなので、その子が当時ハマっていた馬車をダンボールで作って渡したんです。そしたら凄く喜んでくれて。その時初めて、自分が必要とされているんだ!と分かった。嬉しかったですね。その晩にはスタッフからも『今日の伊藤くん良かったよ』と電話をもらって、二重の喜びですよね。それがきっかけで、他の子どもたちや職員の方とも普通に話せるようになりました。彼との出会いがなかったら、今の僕はここにいなかったですね」
009
『アマリリス』では障がいを持つ小学生から高校生を対象に、
毎日5~10名の利用者を受け入れる。
伊藤さんは、今その子が何を望んでいるのか1人ひとりに丁寧な視線を向ける。
010
「やっぱり全体を何気なく見ていると、何気ない支援しかできないんです。
いざ、会議とかでその子のことを話してといわれても情報不足で話せなかったりする。
障がいとかは特に意識はしていませんね。むしろ才能だ!と感じることの方が多くて。
例えば、都道府県の形にすごく興味を持つ子がいて。その子はある都道府県を指して、『これは哀しい』とか言うんです。この感性は他の誰にもなく、凄いだろう!って。

会議は不定期で、担当している子に問題や成長の芽生えが発見できたら、
担当者主導で開きます。その子の将来について考える時間なので。
結構、意見がポンポン飛び交う。笑顔溢れる楽しい会議です」


福祉なのにドーナツ屋?

伊藤:「ケース会議は楽しいよね!」
気仙:「うーん……難しいです」
伊藤:「や、難しいけど楽しいよね!」
気仙:「先輩なので、楽しめるところまでいってらっしゃる!」

伊藤さんの問いかけに、申し訳なさそうに答えてくれたのは、入社2年目の気仙友美さん。
入社1年目は江別市の『共生型地域複合サロン よるのにじ』に配属され、
駄菓子屋を併設したドーナツカフェで、障がい者の就労をサポートしてきた。
伊藤さんとは働く環境や内容も異なる。仕事にもまた違った思いがあるようだ。
011
「6名の利用者さんを担当したのですが、1人ひとりの理解度も違うので。
その方の特性を見極めながら、仕事をマッチングさせていく作業が難しかった。
言葉が話せる方も、言葉と気持ちが一致しているとは限らないので……」

社会人1年目のプレッシャーもある中、現場での苦労は想像するだけでも大変そうだ。
それでも、不思議と悲壮感がないのは彼女の人柄だろう。ほんわかとした話しぶりに癒される。

「そんなことないですよー! 利用者さんはスタッフを選べないのでごめんなさいと思うことばかりです。恵まれてるなと思うのは、人間関係に悩んだことがなくて。相談できる素敵な先輩方がいるのは“ゆうゆう”の一番の魅力です! でもまさか福祉業界に入って、自分がドーナツを作ることになるとは思わなかった(笑)。福祉だけじゃない、出会いがいっぱいある職場だと思う」

2年目の今年は本部の“にょきにょき”へと配属され、昨年より重度の障がい者を受け持つ。
言葉によるコミュニケーションツールを持たない人を前に興味を引き出し、
仕事や余暇をサポートする作業は、五感を超えた、第六感まで鍛えられそうだ。

「まだまだ楽しめる余裕はありません。でも例えば、絵や文字を書くことを日々の営みにしている利用者さんの姿を見ていると、これがこの人たちなりの表現方法なんだなって。私にはできないことだし、一体どんな風に世界が見えているんだろうって感動する。感性が表出する瞬間に立ち会えることが、一番楽しいです!」


適度な田舎感も魅力です

障がいを持つお兄さんとの暮らしが、福祉に興味を抱くきっかけになったという気仙さん。
医療大学に学び、保育士と養護教諭の免許を取得した。

「大学選びの段階では、まだ就職先まではイメージできなくて。
在学中は保育の現場もいいなと思い始めていました。それが、実習を経験して変わった。
実際に先生方が障がいを持つ子どもたちへの対応に悩まれている姿を目の当たりにして。
今の知識じゃ福祉の仕事に関われない、もっと勉強しないと!と率直に思った。
上手く言えないんですけど。将来が決めきれずに悩みすぎて、一般企業にまで就職先を絞ったこともあったけど、現場を見てやっぱり障がいのある人と関わりたいと思ったんです。そんな時、大学に張り出されていた“ゆうゆう”の求人票を見つけて」

間もなく、職場を見てみようと住所を頼りに一人電車で向かった。

「当時は札幌市内に住んでいたんですけど、職場がある辺りは適度な田舎感がすごくいいなって。もう直感的に、いい職場だ!と思ったんです。大学に四年間通って答えが出せなかったのに、悩みに悩んで決めるときは直感だなんて、自分でも可笑しいんですけど大胆に決めました(笑)」

入社してからの日々は前述の通り。
2年目の今は、とにかく「1日1日を一生懸命務めること」に集中する。
彼女の可能性に満ちた新生活は、まだ始まったばかりだ。


ラテアートもお任せ♪

カフェやレストラン、農園にアパートまで。
“ゆうゆう”が運営する多彩な施設の中から、冒頭の大原さんとの記事でも触れた、『渋谷ダブルトールカフェ 北海道医療大学店』を見学させてもらった。
新校舎の10階に今春オープンしたばかりだ。
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「“ゆうゆう”のパティシエがオリジナルレシピで作るチーズケーキやチョコムース、地元の町村農場のミルクを使ったラテがおすすめです!」

明るい声の主は、店長の山下あゆみさん。ここでは知的障がいなどを持つ3名の障がい者が働いている。一連の作業は彼らに任せ、山下さんを含む2名のスタッフはサポートに回る。
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「それぞれにコーヒーを抽出したり、デザートを補充したり。彼は仕上げを担当しています。カップにコーヒーを注いで、最後にラテアートを描くんですよ!」
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そういって紹介されたのが田村準起さん。「いらっしゃいませ!」と笑顔の彼にラテを注文して待つこと数分。差し出されたカップの蓋を開けると……ふわふわのミルクのキャンバスに、くまの絵が! かわいいー!!!
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「足繁く通ってくれる学生や先生方もいて、田村さんたちも気分ウキウキですよね。急に○○さんこんにちは!と大きな声で挨拶したり。通っている病院の先生と間違えたのかなーと思って聞くと、『いえ、食堂で会いました』と。一度会っただけで顔と名前を覚えていたり、知らない間に顔見知りになってたりするんです」

道内唯一の渋谷の人気店は学生のハートをつかみ、なおかつ福祉を学ぶ身なら、障がい者の就労施設には学ぶことも多いだろう。大学としては障がい者や学生、地域の産業にも貢献できる話題性が何よりの魅力だ。

「当別町は夕陽がきれいなので、10階から見渡す景色は最高ですよ。カフェは16時に閉まるんですけどね(笑)」

どうやらそれは、スタッフだけのお楽しみらしい。
山下さんをはじめ、出会うスタッフはみな笑顔の絶えない楽しい方たちばかり。
それぞれが1人ひとりを尊重している。大原さんの理念が隅々にまで浸透していると実感する。


目指せ、東京オリンピック!

現在、大原さんは「NPO法人全国地域生活支援ネットワーク」の代表理事として、障がい者政策について政治家や官僚と議論する立場にもある。法が生まれる現場の実態や、全国の施設を巡るなかで見えてきた制度の矛盾や限界。また、人手不足の担い手として外国人介護士の投与が検討されている事実など。福祉の最前線に立つ彼は今、何を思うのか。
最後は、大原さんの言葉で終わりたい。

来年で活動10年目に突入する社会福祉法人ゆうゆう。
少子高齢化で先行きの暗さばかりが叫ばれる業界内にあって、
大原さんは“ゆうゆう”とこれからの福祉に、壮大な未来予想図を描いていた。
016
「自分たちが10年やってきたことが、
じつは教育や地域経済の活性化にも波及した新たな町づくりのモデル事業であることを、
この5年をかけてしっかりと形作りたい。目指すのは2020年の東京オリンピック。
この年に、世界各国から視察が来るような町にしたい。
世界最高の※ウェルファーは日本の福祉だ!と、日本の事業モデルが世界に輸出されるようになったら面白いなと。福祉を和製英語の“FUKUSHI”にしたいんですよね。
※ウェルファー・・・英語で「福祉」という意味。

笑われてもバカにされても、夢を語り続けることは大切で。言い続けると誰かがいいね!と言ってくれる瞬間がある。そこから賛同の輪が広がる。“ゆうゆう”もそうやって始まった。
しらふで言うのが恥ずかしいときは、たまに酔ったふりもするけどね」

スタッフや利用者に向けられた温かなまなざし、
現状を俯瞰して分析できる客観性と未来へ繋ぐ実行力、
そして仕事を映画にたとえるロマンチシズム。
多方面に開花した大原さんの人間力が、熱意ある人々を呼び寄せている。

もしあなたが現地を訪れたとして、
歓待の席でやけにピッチの速い大原さんを見ても、
ただの飲んだ暮れでないことが分かるはず(笑)。

この人、この町から日本の福祉の未来が変わるかもしれない。
ダイナミックな予感を実現するために、“あなた”の協力が待たれている。
018
(取材・文/石橋法子 撮影/木村耕平 コーディネーター/塩山 諒)

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Job description
募集職種
企業名・団体名
社会福祉法人ゆうゆう
募集期間
2014年6月20日(金)〜2014年7月31日(木)〆切
それ以降の募集につきましては随時こちらのサイトにてお知らせさせていただきます。

※ハローライフWebサイトでは募集終了となりますが、 引き続き社会福祉法人ゆうゆうのWebサイトにて募集継続しております。  詳しくはコチラ
エントリーに際して
エントリー頂く際は 応募資格の(A)(B)(C)の中からいずれかをお選び頂きエントリーフォームの「自己紹介、企業へのメッセージなど」欄へ必ず記載頂きますようお願い致します。
募集業種
福祉職及び福祉専門職に関わらず多岐にわたる事業から、みなさんの能力を最大限に引き出し、理念を実現する職種・職場への配属とします。
雇用形態
正規職員(試用期間あり)
応募資格
(A)専門学校・短大・大学・大学院を2015年3月に
   卒業見込みの方

(B)既卒者で2015年4月より就職希望の方

(C)既卒者で現在求職中の方
勤務地
当別町・江別市
勤務時間
月シフト制(勤務時間・日数は要相談)
給与
(A)専門学校・短大・大学・大学院を2015年3月に
   卒業見込みの方
→基本給160,000円~ 賞与:年2回(6月、12月)

(B)既卒者で2015年4月より就職希望の方
→経験、年齢、扶養者の有無等を考慮の上、
 当法人規定に準じて決定させていただきます

(C)既卒者で現在求職中の方
→経験、年齢、扶養者の有無等を考慮の上、
 当法人規定に準じて決定させていただきます
休日・休暇
月8日・年末年始・有給休暇・育児休暇・介護休暇 ほか
待遇
<手当>
通勤手当 住居手当 資格手当 扶養手当 宿直手当

<社会保険>
健康保険 厚生年金 雇用保険 労災保険
採用予定人数
若干名
選考プロセス
1】1次試験/書類選考(履歴書・自己PR作文)
履歴書・自己PR作文を弊社までご郵送ください。
<本社>
〒061-0231
北海道石狩郡当別町69番地11
社会福祉法人ゆうゆう 採用担当者 宛

自己アピール作文について
*文字数・様式については特に取り決めはありません
*当法人の活動を踏まえ、これまでの自分のやってきたことと、これからの自分のやりたいことを存分にアピールして下さい。

2】2次試験/面接
*今回の就職フェアをきっかけに応募頂いた方は免除します!!

3】3次試験/実地試験(職場体験 ほか)

4】4次試験/理事長面接

内定・入社・勤務スタート!!
応募者への質問
1】弊社を選んだ理由を教えて下さい。
2】信頼できる友人はいますか?またその友人との想い出を教えてください。
WEBサイト
http://yuyu24.com/recruit.html
メッセージ
どんな障がいがあっても、どんなに年を重ねても、その人らしく、住み慣れた地域で暮らし続けることができる地域づくりを目指して。走り続けて疲れても、歩き続けて、そしてまた走り始めて、常に進んでいきたい。そう思っています。
経験者の方の知識を必要としていますし未経験者でも大丈夫ですよ!一緒に成長していきましょう。
ご応募おまちしています!

※ エントリー頂く際は 応募資格の(A)(B)(C)の中からいずれかをお選び頂き エントリーフォームの「自己紹介、企業へのメッセージなど」欄へ 必ず記載頂きますようお願い致します。