大阪西区にある民間による就労支援・ブックカフェ・イベントスペースなどの複合施設。
グッドデザイン賞受賞
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  • ひとしごと館(NPO法人Co.to.hana)
    ※この求人募集は終了しました

    ちょっとした困りごと解決から、時代に沿った地域暮らしのシステムをつくるコミュニティデザイン。

    「自宅の掃除をしてほしい」と困っているおじいちゃん。そこに「掃除なら得意!」という主婦が駆けつける。「包丁の切れ味が悪くなってきた…」と困っている主婦。「包丁研ぎできるよ!」という元調理師学校の生徒だった若者が解決する。

    そんな地域の助け合いをコーディネートするバイト。と言ったら驚かれるでしょうか?数あるまちづくりやコミュニティデザインの仕事の中でも、ここまで人々の暮らしや生活に根ざしたものをわたしは他に知りません。まちの再開発や大々的な活性事業などの派手さは、まったくと言っていいほどありません。


    でも、お隣さんが今困っていること、近い将来みんなが困るであろう地域の問題に、地域の人たちと一緒に取り組み、時代に沿った暮らしのシステムをつくっていく…今回ご紹介する仕事は、そんなまちづくり・コミュニティデザインの真髄とも言える仕事です。

    高度な技術は必要ありません。募集形態も、まずは一度この世界に飛び込んでみるには、ちょうどいい「アルバイト」。ちょっと働きに出たい主婦の方や、コミュニティデザインの仕事に関わってみたい方にぜひおすすめしたい仕事です。一風変わったちょっと不思議な仕事…。具体的にどういうこと?にお答えしていきます。

    こんなバイト見たことない!包丁研ぎ、洋裁、掃除? 困っている人と、助けたい人をつなぐコーディネーターになろう。

    (鮮やかなブルーのテントに、人が輝いて立っているようなロゴマーク。「ひとりひとりが輝く社会」を表しています)



    「とくい」を持つ人と、助けを必要としている人を繋ぎ、双方の生活を豊かにするサポートをしているのが、今回訪れた「ひとしごと館」。2016年2月、大阪市浪速区にオープンしました。

    まずは、この事業を進めているNPO法人Co.to.hanaの藤野さんに、ひとしごと館で起こっている具体的なストーリーをうかがいました。


    「たとえば高齢になって病気になり、自宅の掃除をするのが難しくなる人がいます。日常生活の困りごとを解決する制度として介護保険があるのですが、申請しても必ずしも適応されるわけではありません。一定の病気の場合は使えなかったり、介護認定を受けたとしても換気扇などの細かい部分の掃除はお願いできなかったりします。そこで掃除がとくいな主婦にお願いして、行き届かない部分の掃除をしていただきます。

    あとは病院内の付き添いとか。自宅から病院までの道のりは介護保険を使ってヘルパーさんにお願いができるのですが、病院内の介助は介護保険を利用できないので困っている人がたくさんいるんです。そういう人にはおしゃべり好きな人や車いすの介助経験があるような人を繋いでいます。」


    国の制度だけでは解決できないような福祉的な困りごとを、会員さんの適正を見ながら繋いでいるんですね。他の事例もおうかがいしました。

    「地域の人の『とくい』にはいろいろなものがあります。例えば“包丁研ぎ”。昔調理の専門学校に通っていたような人が、不定期にひとしごと館や公共施設の軒先を使って包丁研ぎをやっています。昔は地域にいた『研ぎ屋さん』も、今はほとんど見られなくなりました。旦那さんに研いでもらっていたけど数年前に亡くなって以来そのままになっていた人や、研ぎたかったけどどこにお願いしたらいいかわからなかった主婦の方などがいるので結構需要があります。

    他には、小学生のお子さんを持つ家庭で、ゼッケンをつけないといけない、お遊戯会の衣装をつくらないといけないというときに、裁縫がとくいな方が解決してくれます。」

    (新社会人になるにあたってExcelの使い方を教えてほしい!という方からの依頼も。)



    確かに、主婦や働き盛りの人が趣味を活かして活動しようと思うと、なかなか自分でやる自信がなくてハードルが高いので、こういった後押ししてくれる場はとてもいい!

    (施設の中にはひとしごと館を利用する会員さんの写真が写ったカードが展示されています。それぞれの「とくい」も明記されています。入会することですべてのサービスを利用できるようになります。)



    包丁研ぎや料理、掃除、日曜大工、洋裁、勉強の講師など…多種多様な「とくい」を持つ人が登録されています。来館された人がこのカードを見て、洋裁がとくいな人にお気に入りの布でオリジナルの枕カバーづくりを依頼したり、50年以上スパイスからカレーづくりをしている方にオリジナルカレーを依頼された方もいるそうです。


    受付、広報、マッチング、イベント企画…仕事内容は多岐。地域の人の声を聞き、必要なものをつくっていく。

    ひとしごと館がオープンし、いまちょうど1年が経ちました。オープンして間もないときからアルバイトスタッフとして働いていた吉崎さんにお話を伺いました。困っている人と、「とくい」を持つ助けたい人をつなぐコーディネーターの仕事内容は具体的にどのような内容なのでしょうか?


    「業務内容としては、①受付業務②広報業務③マッチング業務④イベントの企画運営です。
    基本的に開館日は2人体制で常駐しているので、分担しながら取り組んでいます。」

    ①受付業務
    ひとしごと館には、入会希望者や助けを必要とする人、イベント参加希望者など、いろいろな方が施設を訪れたり電話をかけてきたりするので、そういった方に対応します。

    入会希望者には毎回1時間程度のヒアリングをしています。その人がどのような人となりなのか、入会することでどのようなことを求めているのか、過去にどんなことをしてきて、今後なにをしたいと思っているのかなどを話します。

    ②マッチング業務
    ひとしごと館には「自宅の掃除をしてほしい」や「電球を変えてほしい」など、いろいろな依頼がきます。その時に、すぐ来てほしいのか、ゆっくりでも大丈夫なのか、どんなスキルが必要なのかを聞き、どの会員さんと繋ぐことがいいのかを考えます。
    私たちはこうした「助けてほしい」という依頼から繋ぐだけでなく、会員さんの「とくい」を活かすような依頼が来るように後押しもします。たとえば、包丁研ぎのスキルを活かすために地域の中で看板を出して「包丁研ぎ屋さん」になる機会をつくったり、「誰かの手作りの料理が食べたい」と言っている人に「スパイスからカレーをつくる人がいますよ!」と紹介したりしています。

    (スパイスカレーをお渡ししたときの様子。)



    ③広報業務
    もっと存在をいろんな人に知ってもらう必要があるため、Facebookや広報紙、ブログでの情報発信を頻繁に行ったり、イベントの周知や終了後のレポートをブログで発信しています。また、会員向けのメーリングリストがあるので、そこへ定期的に活動状況やイベントをお知らせしたりもしています。

    ④イベントの企画運営
    業務に慣れて来たら、イベントを企画することもあります。会員さんの興味関心のあることからスキルアップ講座を検討したり、ひとしごと館の認知度を上げるために高齢者や主婦が参加したくなるようなイベントを考え運営したりします。


    とにかくたくさんの地域の方々と接する機会が多いように感じました。いろいろな人が訪れると思うんですが、働く中で大変だったことはありますか?

    「苦戦したところで言うと、やっぱり1番は会員さんとのコミュニケーションですね。私が入ったときには既に30人以上の人が入会されていたのですが、みんなどういう人なのかわからず、始めはどれくらいの距離感で話しをしたらいいのかがわからず難しかったです。でも、時間が経つに連れて会員さんも私も接し方に慣れてきて。年始に出勤した時にひとしごと館に私宛の年賀状が届いていたときはとても嬉しかったです。話しを聞いている中で会員さんの「こんなことがしたい」という想いが見えてくるので、なにかできることがないかなと思います。


    あとは毎日決まった仕事をするわけではなく、日々いろいろな業務をしていることですね。広報業務やマッチング業務が中心ではありますが、資料の作成が必要になったり、ふらっと遊びに来た会員さんとお話をしながら最近の調子などをみたり。やろうと思えばいくらでも仕事が出てくるし、業務の管理もある程度任せてもらっているので、自分でどんどん進めていかないと終わりが見えないと言うか。笑」

    毎日しっかりと会員さんに向き合いながら、事務的な仕事も同時にこなしていかないといけないんですね。他にはありますか?


    「運営の戦略会議にも出させてもらっているのですが、これまで経営戦略なんか考えたことがなかったので、いつも難しいなと思いながら参加させてもらっています。でも会員さんと一番近い距離にいるのがアルバイトスタッフなので、会員さんの状況を私たちが伝えて、それを元に今後どんな活動をつくっていくかを考えていかなければいけません。私は実際に会員さんの中で「英語を勉強したい」というニーズを聞いたので、『英語カフェ』というお茶を飲みながら英会話を話すイベントを提案し、実際に運営させてもらいました。」

    吉崎さんは、1年近く働いて、やっと会員さんたちのやりたいことをつかみ、活動の提案までできるようになったそうです。

    「まだまだひとしごと館の業務には改善できる部分がたくさんあると思います。どうやったらより会員さんが増えるのか、どうやったらイキイキするのかを考えていきたいです!」


    高齢化や孤立。このまちのちょっと先の未来に起こる問題に先手を打つ、斬新なコミュニティデザイン。

    ところでひとしごと館はそもそもどういった経緯で始まったのでしょうか。これまでになかなか例をみない取り組み。運営はどのようにまわっているのかも不思議です。

    「この事業はいま、浪速区役所の委託を受けて取り組んでいます。超高齢社会に突入したいま、浪速区内でも地域でどのように高齢者を支える仕組みをつくるかが重要な問題となって来ています。シルバー人材センターは各市町村にありますが、困りごとの解決だけでなく地域のコミュニティも育むことができるような取り組みができないか。そういった考えがあって今回のひとしごと館をつくることになりました。」

    (月に1度開催している麻雀イベントは会員さん同士の交流の場にもなっています)



    現在の日本の平均寿命は80歳以上。日本の人口に占める65歳以上の割合は26%を超え、それと共に社会保障費の収入と支出の差は年々広がり続けています。さらに特に都心ではご近所付き合いも薄くなり、これまではお隣り同士の支え合いや国の保障で助けてもらうことができていた「掃除」や「買い物」などの、ちょっとした困りごとが一層増えてくることが予想されます。日本で暮らす一人ひとりが、この問題の解決方法を“自分ごと”として考えていく必要に迫られているのです。


    「ひとしごと館が目指している社会は、『地域の人が活き活きとする社会』の実現です。今は有償ボランティアとして、会員さんがもともと持っているスキルやノウハウを活かした取り組みがほとんどです。しかし、今後はさらに得意なことをステップアップする後押しをして、例えば本業をしながら取り組む「個人プロジェクト』立ち上げサポートや、自分のとくいやスキルを活かして小額の収入を得る『小商いづくり』、さらにステップアップしたところでいくと『企業家支援』までできないかなと考えています。」


    ひとしごと館の一番メインの会員は、定年退職したばかりの高齢者です。これは今後日本が一層高齢化する中で、定年退職した後も無理なく地域のためにいきいきと活動できる場をつくるためだそうです。しかし、ひとしごと館には社会人1年目の若者や、働きざかりの30代や40代の方も登録されています。高齢者ばかりではなくいろいろな世代が入り交じることで、活発なコミュニティを育んでいます。

    自分の周りで暮らしている人が困っていたら、助け合える社会。当たり前のようで、今最もむずかしいそんなコミュニティづくりを実現する確かな一歩が、ここで始まっています。


    必要なのは、地域の人の想いやニーズを正確に汲み取る姿勢。

    ひとしごと館の広報物を担当するのは、デザイナーの大木康代さん。ひとしごと館の広報物づくりから、ここで働く上での心構えについて伺いました。


    「きれいなデザインというと、文字組を優先して字が小さくなりがちです。しかし、ひとしごと館の主なターゲットは高齢者。文字が小さすぎると読めなくなってしまう。だからと言って、大きくしすぎてごちゃごちゃした印象にはしたくない。両方をかなえるようなデザインを意識してつくっています。」

    大木さんは大学卒業後、ゲーム会社でパッケージなどのグラフィックデザインを経験。その後市役所の広報に務め、一般市民の方の感覚を意識しながらもデザインを磨くことを大切にしてきたそうです。

    「文字の大きさや間隔をしっかりとるとなると、書ける文字量は限られてきます。イラストや写真も交えながら、少ない文字でも伝わるように心がけています。」


    季刊誌として発行するフリーペーパーには、会員さんのインタビューや今のひとしごと館の動きがわかるような内容が詰め込まれていました。サービスや制作するものを届ける相手は誰なのか、その人は何を求めているのか。ひとしごと館に関わるスタッフに一貫している「ニーズを汲み取る、汲み取ろうとする力」があれば、きっとここがあなたが活躍できる場所になるに違いありません。


    あなたの「とくい」を活かした、まちづくりに挑戦しよう。

    (ひとしごと館を運営するNPO法人Co.to,hanaのみなさん。)



    ひとしごと館は、大阪市住之江区に事務所を構えるNPO法人Co.to.hana(コトハナ)というデザイン事務所が運営しています。「デザインの力で社会を変える」と理念を掲げる、今注目のNPOに身を置けることもまた、ひとしごと館で働く魅力でもあります。コトハナの活動の詳細は、過去の掲載記事をぜひご確認ください。(http://hellolife.jp/company/19863.html

    ひとしごと館には年齢も、職業も、価値観も多様な方が集まります。人とより密に関わる仕事がしたいという人にはもってこいの職場。そしてなにより、新しい地域暮らしシステムの創り手になれることで、他ではなかなか味わえないおもしろみややりがいを感じられるのではないでしょうか。

    業務の成果を加味して時給が上がったり、雇用形態の変更も考えられるそうです。自分の立ち位置を変えるのも自分次第。枠にとらわれず、いろいろなことに挑戦してみたい。直接人に関わりながら仕事をしたいという方はぜひ手を挙げてみてください。あなたの「とくい」が輝くのは、この場所かもしれません。

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  • 企業名・団体名NPO法人Co.to.hana
    募集期間2017/03/24 〆切
    募集職種コーディネーター
    雇用形態アルバイトスタッフ
    (今後能力や意欲により雇用形態を変更する可能性あり)
    応募資格Word、Excelの基本的な操作ができる方
    介護職、カウンセリング職の経験者優遇
    Illustrator、Photoshopが使える方優遇
    勤務地大阪市浪速区敷津西1-5-13
    勤務時間10:00~17:00(休憩1時間あり)
    給与学生 900円/時間
    社会人 1,000円/時間
    ケアマネージャーもしくは
    臨床心理士の資格を持つ方 1,200円/時間
    休日・休暇火・木・金・日曜日
    (出勤日:基本的には月・水・土曜日。
    希望があればもう1日出勤日を増やすことも検討可。
    夏季休暇、年末年始休暇あり。週2回以上勤務できる方。)
    待遇交通費支給
    採用予定人数2名
    選考プロセス1 ) 本サイトからエントリー後、履歴書を弊社までお送りください。その他なにかこれまでの活動をPRできるものがあれば同封お願いします。
    ※お送りしたものはお返ししていません。

    2 ) 書類審査後、1週間以内にご連絡
    ※もし連絡がない場合はお手数ですが[06-6654-8830]まで問合せください。

    3 ) お電話またはメールにて面談日時を相談の上、決定。

    4 )履歴書を元に面談を実施

    5 ) 面談の結果を全ての方にお知らせし、採用が決定

    6 ) 勤務開始
    応募者への質問1)弊社を選んだ理由を教えてください
    2)今後挑戦してみたいことはなんですか
    WEBサイトhttp://cotohana.jp/
    メッセージ人と密に関わる仕事は本当に大変ですが、その分やりがいもとても大きい仕事だと思います。 まだまだできて間もない施設なので、「これをやっておけばOK」というものはありません。その分大変なこともありますが、スタッフ同士で一緒に試行錯誤していける仲間をつくりたいと思っているので、熱い気持ちをお持ちの方はぜひご連絡ください!
    ※この求人募集は終了しました


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