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<兵庫県丹波市>この土地に、必要不可欠な存在になる。

date:2014.10.04

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「動かないのは、本気じゃないから」。
横田親さんの思いは、このひと言に集約されるのかもしれません。
大手企業を退職し丹波市へ移り住んで4年。
聞けば三重県出身という彼が何を求め、この土地を目指したのか。
また“よそ者”だった彼を、「日本一豊かな町」とまで熱狂させる丹波市の魅力とは。
爽やかな秋空の下、横田親さんを訪ねました。

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大阪市内から車を走らせること約1時間半。
いつしか車窓には、のどかな風景が広がっていました。

兵庫県丹波市は、朝晩で寒暖の差が激しい農業に適した環境です。
作物たちは、日中に栄養を溜め込んで、夜になればギュッと実を縮める。
ホクホクと実が詰まった黒豆や栗が育つのもそのためです。
収穫時期には「丹波米」の稲穂が市内を金色に染め上げ、
市島町の野菜は有機ブランドとして全国的にも知られています。畜産も牛、豚、鶏、猪、鹿まで。
さらに、日本三大杜氏に名を連ねる地酒の町としても有名で……。

すでに横田さんがこの土地に惹かれた理由が、半分分かったような気がしますが(笑)、
改めて、定住までのプロセスを伺いました。

現在、丹波市の最年少市議会議員を務める横田親さん。
市政に従事する傍ら、主にIターン希望者を募る活動に取り組んでいます。

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「今日はよろしくお願いします!」
この日、颯爽と作業着姿で現れたのは、復興地域を巡回するため。
市内一体はこの夏のゲリラ豪雨により、甚大な被害を受けました。
現地では今なお多くの復興ボランティアの支援を必要としています。
そんなわけで、当日は横田さんの車に同乗し、市内各地を移動しながらの取材となりました。

大学卒業後に大手企業へ就職し、法人向けの雇用アドバイザーとして勤めた横田さん。
年々環境や業務内容の変化が刺激となり、年を追うごとに成長している実感があったといいます。
ところが入社3年目以降に変化が訪れます。部署が固定化されマンネリ化を恐れた矢先、
世界的金融危機リーマンショックが起こりました。2008年9月のことでした。

「若いうちに目一杯成長したい思いがあったので、3年目以降は自分に負荷をかけるため、
通信制の大学院に学びました。社内ではリーマンショック以降、扱う求人が激減して。
メーカーも低賃金を求めて海外に工場を作るので、新規の求人も現地の営業所や工場長など
海外での仕事ばかり。今後、日本での雇用が少なくなっていくという実感がありました」

大学院で農業ビジネスを選択したのも、そんな雇用状況に危機感を抱いてのことでした。
大企業にいても安定は望めない。都会で仕事を生み出せないなら、田舎に活路を見出す他はない。

写真3
そんな予感めいた思いに突き動かされ、横田さんは行動に出ました。

「“田舎に雇用を作る”という目標を掲げたのが、田舎暮らしを始めたきっかけでした」

移住先を決めた最大の理由は、知人を介して丹波市に職を得ていたことにあります。
すでに家庭を築いていた横田さんにとって、『今すぐ食える』ということが何より優先すべき項目でした。
しかし蓋を開けると、わずか4ヶ月で退社することになるのですが……。

「その時考えたのは、とにかく自分が地域の役に立つ人間として、
この場に“必要不可欠な存在になること”だった。そうすれば必ず飯は食える!と。
地域の人は何に困っているのか。そこから2ヶ月間はあらゆる人にコンタクトを取り、
約200人の住民らと対話を重ねました」

そこでの縁がきっかけで横田さんはその後、市議としても歩むことになるのでした。
横田さんは言います。

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「ただし注意すべき点があります。もし田舎での起業をしたい!そう考えて
田舎への移住を考えるなら、まずアプローチの順番を間違えないこと。
地域のことを知る前に、自分のやりたいことだけ伝えても夢は叶わないよと。
あなたが何をしたいのかより相手が何をして欲しいのか、そこを満たさないと。
それを知るためには、まずなんとかして自分の足で動き回ることが大事。
その方法なんてのは、別になんでもいいと思いますよ。
ただ、自己満足だけなら、地域は受け入れてはくれない」

同行して感じるのは、とにかくひと所に留まっていない。
車はもはや身体の一部と化し、飛ぶように市内を駆け巡る。
頭の回転や話す速度も超スピーディー! 常に2、3のことが同時進行している印象です。

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「自分が変わりもんだと、最近やっと自覚したんですよ(笑)。
みんなやりたいことあるならいますぐをやったらええやん!
あとはスケジュール組むだけでしょ、ぐらいの感覚だったけど。
『いつやるの?』と聞いたら大抵の人が口ごもる。やる前から無理だと言ったりね。
そこでちゃんとスケジュールが組める人は、必ず物事が前に進む。
気になる人に会うためにアポを取ってみる、とかね。
スケジュールを組まない人ってねは、言い方が悪いけど“本気”じゃないだけ」

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キッパリとした物言いに、彼は市議会議員になるべくしてなったのだなと、
妙に腑に落ちる瞬間でした。

さて、横田さんが仲間たちと取り組む「移住者支援活動」は主に2つです。
1つは、Iターン希望者専用のシェアハウス『みんなの家』。
入居期間1年を目処に、実際に希望者が現地に暮らしながら移住までの不安や疑問を改善できる、
実践型の取り組みです。
2つ目は、横田さんがフェイスブック上で受付ける『スカイプ面談』。
キャリアアドバイスを通じて、希望者が思い描く移住ライフと現実とのミスマッチを防ぐのが狙いです。

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また、当初の目的である“田舎での雇用促進”についても、土壌はあると力を込めます。

「以前、都会から呼び寄せた青年がいたんだけど、
彼は最初、ここで普通のスーパーの店員として働いていたんです。
でもその後、彼はなんとなく、休日に趣味のアウトドアイベントを内輪で開催するようになって。
それがキャンプ場のオーナーの目に留まった。
そしたら彼は、丹波のキャンプ場の企画職員として採用されることになったんですよ!
田舎に限らず、今は、組織も人材もどこか成長の余力を残したまま、飽和状態にあると思う。
でもそこに、彼のような若い人のアイデアを持ち込めば、一発で状況は変わる。まだ全然やり尽してない。
そういう意味では、趣味から仕事になる、なんてなんぼでもあるんです!」

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頼もしい言葉を受け、最後に質問。
4年間の田舎暮らしの中で刻まれた、一番印象深いエピソードとは?

「例えば、“ボロ家”というシェアハウスがあるんですけど(笑)、
ここで暮らしてる子たちは、家をライブハウスのように作り変えて、趣味の音楽を楽しみながら暮らしてる。
仕事は農家の仕事を手伝ったり、掛け持ちしたり、自分ができることをしたりと様々だけれど、
生活費をめっちゃ抑えて、1人1ヶ月8500円で暮らせたー!とか言って喜んでいる。アホでしょ(笑)。
あとは、農家のおっちゃんたちは、儲けより美味しい野菜を作ることに生きがいを感じてる。
そんな多様な暮らしぶりを目の当たりにしたことで、価値観がガラリと変わりました!

都会ではいかに、“大企業”とか“正社員”とか“安定した給料”みたいなものが
「世の中の豊かさの基準である」っていう
人工的なゴールに向かって走らされていたのかと、気づかされました。
言われるままに仕事して、みんな同じような四角い家に住んで。窓からは空も山も見えない。
そういう暮らしが好きな人はもちろんそれでもいい。けど、僕は違った。
会社の看板を背負わないと何もできない自分にも、なりたくなかった。

ここには、豊かさの“答え”を持った人がいっぱいいるんです。
だから、影響を受けることもあるとは思うけど。でもそれは個人の基準なので。
参考にしつつも、自分が大切にしたいものは何?何があれば自分は幸せと感じるのか?
自分がしっくり行く方向を見定めて、ひとつ確信がもてる自分の答えが見つかれば、
誰の言葉にも揺るがない、“豊かな暮らし”ができるんじゃないかな」

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“人工的なゴール”とは、取材を終えて最も印象に残った言葉です。
今ある道の先に求めていた答えはあるのか、自らの日常も飽和状態になかったか。
改めて、働き方を含めた“人生”を見直すきっかけとなりました。
それほど、横田さんという人や彼が目指す取り組みには、周囲を巻き込むダイナミズムに溢れていました。

「動かないのは、本気じゃないから」

彼の言葉に背中を押されるような気がしました。

(取材・文/石橋法子 撮影/喜多舞衣 コーディネーター/古市邦人)

▶そんな横田さんのイベントはコチラ!
 「移住者シェアハウスって実際どうなの!? 地方の暮らしを語らナイト!」
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企画名 丹波市復興ボランティア
日時 こちらの企画へのエントリーは終了しております。
活動内容 被災家屋での拭きそうじ、畳の搬入、泥出し・土砂だし等
(時期により内容は変わります)
活動場所 兵庫県 丹波市の水害・土砂災害被害エリア
応募資格 特になし
募集人数 特に制限なし
補助 現地までの往復高速料金が全額補助(平成26年10月31日(金)まで)
※条件あり
服装・持ち物 軍手・厚手のゴム手袋、防塵マスク、長袖・長ズボン、活動しやすい靴(長靴・安全靴)、帽子、タオル、食料・飲料水、保険証等
参考webサイト http://tambawel.jp/publics/index/88/&anchor_link=page88#page88
応募者へのメッセージ 何かに自信が持てない方ほど「自信がなくて、なにから始めたら良いか分からない」と言います。ですが、それはまったく逆です。なにかを始めないで自信を持つことなど出来ないに決まっています。だって、やってないんだから(笑)
向いてるか向いてないかを知るまでには、「全力を尽くし、経験し、それでも適性がない」と判断する必要があり、本来は数年かかるはずなのに、どうせ出来っこないんだと勝手に判断して、失敗する為のアクションをして失敗し、「ほら、やっぱり僕はダメだった」って言う。そりゃ最初から全力で失敗に向かって走って、答え合わせしに行ってるんだから、そうなるに決まってる。そんな考えを改めるきっかけが欲しい人が来てください。相変わらずうまくいかない自分を答え合わせしたいために来るのなら、来なくて良いです。必死で頑張れるひと、待ってるよ!
参加までのフロー 1.こちらのフォームより、ボランティア希望申し込み。
2.横田さんから電話およびメールでの返信、
ボランティアセンターへの紹介。
3.その後はボランティアセンターと直接のやりとりをお願いいたします。
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manabe  fujii

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