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コラム

住宅付き就職支援プロジェクトが、7年の月日を経て、幕を閉じます。

2024.04.26 「住宅付き就職支援プロジェクト」レポート
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2024年、春。
私達HELLOlifeが「住宅付き就職支援」の取り組みを開始して、7年という月日が経ちました。

大阪の四條畷市にある「清滝団地」で小さく始まったこのプロジェクトは、不安定な就労状態を繰り返している若者に対して、就職・住宅・コミュニティの3つの側面からサポートを行うという全国で初めての取り組みです。この数年で、様々な支援機関やメディアの皆様にご関心をお寄せ頂き、ニュースや新聞等でも取り上げて頂きました。

沢山の人に見守られ、応援して頂き、気づけばこの団地から巣立った卒業生の数は38名。
長い年月を過ごしてきた清滝団地ですが、団地の老朽化と入居者の減少による大阪府営住宅の集約事業(一部の棟の閉鎖)に伴い、この春、寂しいながらも一度プロジェクトの幕を閉じる決断に至りました。


思い返せばこの7年、本当に多くの方々に支えられてきました。

出会いは2017年。清滝団地の自治会の皆さんと出会い、「この清滝から全国初のプロジェクトを作り上げたい!」と運命みたいなものを感じたことは、今でも記憶に鮮明です。
地域の皆さんの大きな懐に支えられ、本当に様々なチャレンジをさせて頂きました。

団地のお祭りに参加して、一緒にやぐらを建て、盆踊りを踊ったり。
時には、団地にオーケストラの人をお呼びして、「清滝団地の歌」を作ったり。
団地を使って企業交流会を開催し、プロジェクト卒業生に”企業で働く先輩”として、登壇頂いたこともありました。

卒業生・地域の皆さん・企業さんなど、沢山の人達とこのプロジェクトを作りあげてきたことが、私達の支えになりました。


コロナが本格化した2020年には、「住まいと仕事」の問題が急激に深刻化する状況となりました。
これまでプロジェクトの対象としてきた「若年層」だけでなく、コロナ禍で仕事や住まいの状況が不安定な方・就職氷河期世代もサポートの対象に含めることに踏み切ったこの年。改めて、住まい・仕事など複合的な支援の必要性を再確認できた、ターニングポイントとなりました。


清滝団地から巣立った38名の卒業生は、今それぞれの道を歩んでいます。

卒業後も四条畷で暮らしている人
夢をもって東京に旅立った人
新しい仕事に出会い、今でもやりがいを持って働いている人
思い切って未経験の業界に転職した人

人の数だけ、物語があります。


また、プロジェクトを実施してきた数年間の中で、公営住宅の活用も大きな変化を遂げました。
2021年の省令改正に伴い、NPO法人等が「住まいを確保することが困難な人たちの自立を支援する」場合に、全国にある公営住宅の空き住戸を積極的に活用できるようになりました。(「公営住宅法第 45 条第1項の事業等を定める省令」(平成 8年厚生省・建設省令第1号)

私達と同じように「困っている誰かのためになにかしたい」という想いで活動されているNPO等の皆様・自治体の皆様もぜひ、「住宅」という切り口でできる取り組みをご検討いただければ嬉しいです。

この清滝団地での取り組みは終了しますが、住まい・仕事・コミュニティなどの複合的な支援や、住まいの支援における公営住宅の活用は、今後様々な支援現場における選択肢の1つになってほしいと考えています。

私達HELLOlifeは、上記の実現に向けた「自分らしい働き方・生き方を実現できる仕組みづくり」を、これからもめざしてまいります。