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コラム

型にはまらない就活を。コタツを囲んで、学生と企業が本音を語り合う合説のねらいとは?

2021.04.23 「コタツ就活EXPO2022 BY NANKAI」レポート
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【今年は中途向け!「コタツ転職EXPO BY NANKAI」開催】
2022年2月19日(土)、転職希望者の方を対象に「コタツ転職EXPO BY NANKAI」を開催!南海電鉄がおすすめする南大阪・和歌山の一押し企業20社がなんばスカイオに集まります。
▼詳細・申し込みはコチラ(2022年2月17日(木)18:00〆切)
https://s.hellolife.jp/kotatsu_expo/



「スーツのサイズ、ヒールの高さ、ヘアメイク、その他あらゆる暗黙のルールで似たり寄ったりのスタイルに身を包みながら、優れた個性をアピールすることにどうしても違和感を感じてしまっています」

2021年3月12日。就活にこんな違和感を持つ学生も参加する一風変わった合同企業説明会(以下、合説)が、なんば駅に直結する複合施設「なんばスカイオ」で行われました。

その名も「コタツ就活EXPO2022 BY NANKAI」。参加する企業の数だけ設置されたコタツを囲んで、経営者や人事担当者と学生が交流を深める南海電鉄主催のイベントです。

テーマは、「おもしろい会社で働きたい!を叶える」。2022年卒学生を主な対象として実施した今回は、南海沿線(南大阪から和歌山)に拠点を置く「おもしろい」企業19社、約140名の学生が集まりました。

参加した動機について、「去年のコタツ就活に参加した部活の先輩から『選択肢の幅が広がるおもしろいイベントだ』と勧められた」と語る奈良市在住の男子学生もいました。

「少人数×コタツ」が深い交流を生む


企業ブースを自由にまわる一般的な合説と違い、「コタツ就活EXPO」はプログラム型。今回はコロナの感染リスクを考慮し、全4ターン(1ターン20分)ある企業と学生の交流タイムは、すべて事前抽選による指定席制に。少人数制(最大8名)やラフな空気感が、学生と企業担当者のざっくばらんな対話を生み出していました 。
イベントに参加した学生はどんな感想を抱いたのでしょう? アンケートからいくつか声を紹介します。

・物理的な距離も心の距離も近く、企業の方とお話出来た。
・コタツを囲んだだけでアイスブレイクになって、すぐに打ち解けてお話ができた。
・それぞれの企業の方との距離が近く、働くことへポジティブな気持ちを得ることができた。
・興味のなかった分野の企業の話を聞いて印象が変わり、「食わず嫌い」をせずにすんだ。
・合同説明会のパーテーション越しでは感じられない親しみやすさを感じられた。服装やマナーにとらわれることなく、自然体の自分で就職活動ができる機会はほかにはなかった。
「距離の近さ」は、やはりコタツを囲んでいるからこそ生まれるのでしょう。その感覚は、企業担当者も同じだったようです。

「一般的な合説や会社説明会では、webサイトやパンフレットに載っている内容を話すのですが、ここではそういう話をまったくしていません。深いところまで聞いてやろうという学生の熱量や主体性を感じたので、こちらも深いところまで話さないといけない気持ちにさせられました。でもそのぶん、自然体で(率直すぎるくらい)率直に自分の経験や価値観について語ることができたように思います」とある企業の担当者は語ります。
その他、参加企業のアンケートではこんな声も挙がっていました。

・従来の説明会のように一方通行のコミュニケーションではなく、同じ目線で話せることが新鮮だったし、楽しかった。学生が突っ込んだ質問をしてくれたおかげで、私たちも気持ちを乗せて本音で話すことができました。
・他の就職説明会と異なり、ざっくばらんに話せる雰囲気が非常によかった。「仕事」でありながら仕事を忘れて学生の悩みや質問に真剣に回答し、また学生の考えを知る機会となった。
・就職活動に意欲的な学生さんと密接な交流ができた。コロナ禍において実際に学生さんとお会いし、どのような状況とモチベーションで就職活動に取り組んでいるのか聞くことができた。
・個人的には、意欲の高い学生と本音ベースで仕事や自分の会社について話すことで、自分の働き方や会社のビジョンについても見直す機会になり、学生さんたちに逆にモチベートされたことも非常に大きな収穫でした。
当日の様子は、メディアでも報道されました。

関西テレビ【あえての「コタツで就活」…学生からは「オンラインより質問しやすい」との声も 企業側にも好評】
なんば経済新聞 / Yahoo!ニュース【なんばで「こたつ就活」 南海沿線の19社が学生とほっこり面談】

南海沿線エリアに魅力的な会社があることを知ってもらいたくて

イベントを主催した南海電鉄を中心とする南海グループは、かねてより「沿線の人口減少」という課題を抱えていました。このような課題に対して長い時間軸で取り組むために、2018年に「南海グループ経営ビジョン2027」という長期ビジョンを策定しています。

そのなかで重点戦略のひとつに据え、全社的に取り組んでいるのが「沿線価値の向上」です。2019年には、「くらしたい場所」・「出かけたい場所」として選ばれる沿線づくりに向け、長期的な戦略立案や社内外のプレーヤーをつなぐハブ役を担う「沿線価値創造部」を新設しました。同部の仲矢明子課長補佐はこう語ります。
「進学・就職を機に若い世代が流出する傾向があるので、定住人口を増やすには沿線に魅力的な仕事があることが重要です。堺の刃物や自転車、泉州のタオルや毛布など、特色ある地場産業はもちろんのこと、時代のニーズに合わせて事業転換に挑んだり、日々新しい商品やサービスを開発したりする魅力的な会社が、このエリアにも多くあります。そのことを意欲的な学生さんに知ってもらうために、このイベントを開催したんです」

働きたい会社が、地元にもあることを知らなかった


参加した企業の担当者にも、話をうかがいました。大阪府忠岡町に本社を構える三進金属工業株式会社の人事担当・前田大輔氏は、参加した背景についてこう語ります。
「マイナビやリクナビに登録して説明会を開催していても、掲載する企業が多すぎて埋もれてしまうんです。直接話をしたら興味を持ってもらえる自信はありますが、日常的に接点のない商品を扱っていることもあり、説明会に参加者が1人しか来なかったことも。

その点、このイベントは学生に目を向けてもらえるチャンスになる。参加する企業数も限られているうえに、当社に興味のある学生が多く来てくれるのでやりやすいです。

今回参加させていただいて思ったのは、就活が本格化する前の1〜2月頃にこういう学生と企業が交流できるイベントがある方が学生も企業もうれしいのではないかということ。学生にとっては就活の軸を決めるのに役立つでしょうし、企業にとっても今の学生の雰囲気を知ることができる点で双方にメリットがあるように思います」
三進金属工業は、オフィスや物流センターの大型倉庫に設置するさまざまな棚やラックをつくるメーカーです。Amazonや楽天、ユニクロ、ニトリとも取引があり、保管する物品に応じた形状のラックをカスタムメイドすることで顧客満足度を高めています。コロナ禍で巣ごもり消費が拡大した2020年度は、ネットショッピングの需要が増加したおかげで、57年の歴史で最高の売上と利益を記録したそうです。

ちなみに、前田氏は忠岡町出身。高校卒業まで地元で過ごしたのち、福岡で過ごしていた大学時代は、「地元で働いている自分の姿はイメージしていなかった」のだとか。

「ニーズに合わせて棚をカスタマイズする当社の事業モデルや、棚を使って限られた空間を有効活用する『スペースコントロール』という考え方に共感したことが入社の決め手です。だから、働きたいと思える会社が地元にもあることを知らなかっただけなんです」

魅力ある企業や人が、人を呼ぶ


もうひとり、話を聞いたのがオーダーカーテンの企画・製造から販売・施工まで一貫して行う株式会社インテリックス(和歌山市)のアトツギ・木村太郎氏。
学生との交流タイムでは、東京の広告会社で働いていた自身の経験も踏まえながら、「華やかでキラキラした世界に惑わされないでほしい。長年働いている50代、60代の人たちの顔を見ればその会社の真価がわかる」というアドバイスを送っていました。

近畿圏を中心に全国に13の直営店舗を展開しているインテリックスは、「地域未来牽引企業」や「くるみん(子育てサポート企業)」に認定されるなど、社会的評価も高い会社です。入社後は事業を全国規模に拡大するために採用枠を全国に広げてきた木村氏ですが、壁を感じているそうです。

「(従業員300名規模の)当社は和歌山県内ではそれなりに名が通った会社なので、県内ではあまり採用に困らないのですが、ひとたび県外に出て、大阪などで開かれる大きな合説に参加すると目立たない存在になってしまいます。だから、県外の人たちに興味を持ってもらえるこういうイベントはとてもありがたい。学生にとっても、南海グループが参加企業を選んでいる点では安心して参加できるでしょうし、話を聞く価値のある企業に出会いやすいのではないでしょうか」

そんな木村氏いわく、「カーテンは、陳列されているものをレジに持っていくような商品じゃない。サイズや仕様など、お客様一人ひとりへのカウンセリングを通じた提案力が求められる。だから、カーテンのスペシャリストがいることが自社の強み」なのだという。

「家業である当社に入社することを決めたのは、親の会社を継ぎたかったのではなく、会社を経営したかったからです。要は、自分のやりたいことができる環境がたまたま家業だったんです」

前田氏にも木村氏にも共通するのは、やりたいことができる、おもしろいと思える環境(企業)が南海沿線エリアにあったということです。結局のところ、地域を盛り上げていくのは、積極的にチャレンジする企業、そしてそこで働く前向きな人たちなのでしょう。
「コタツ就活EXPO」は、企業との距離を縮めたい、企業についてより深く知りたいと感じている学生が企業と出会う大きなチャンスです。魅力ある企業や人が、人を呼ぶ――。その連なりが、地域の価値を高めることにつながっていくのかもしれません。

【ご案内】

「次があれば参加してみたい」「ちょっと興味あるぞ…」という企業の方や、お仕事探し中または就活を控えている方へ、次回「コタツ就活EXPO」開催決定時のご案内などをハローライフからお届けいたします。ご案内を希望する方は、以下のフォームまで(参加申込みではありません)。みなさまのリクエスト、お待ちしております!


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