特集企画第3弾「FUKUSHIビッグバン!」レポート -後半-
「FUKUSHIビッグバン!」レポート後半、イベントダイジェストの続きです。
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「FUKUSHIビッグバン!」が開催したイベントの中でも、話題沸騰・大人気だった、
7月4日開催の「湯浅誠×家入一真 トークセッション」。こちらは社会活動家の湯浅誠さんと、
活動家の家入一真さんをお招きし、6つのテーマに沿ってトークを繰り広げました。
まずはゲストも参加者も含め、「福祉」のイメージをそれぞれ紙に書いて、一斉に掲げます。
湯浅さんは「クリエイティブ」家入さんは「これからの居場所づくり」と表現。話題を深めます。
家入さんが都知事選に出馬した際、市民からネットを介してつくってほしい政策を集めましたが
「福祉」に関する分野は少なかった、と言います。湯浅さんは「“問題”に自分を入れることが必要。
そして理想的なのは、誰が支えているのかわからないという状況」と語ります。
それほどにも地域で支えあうことが当たり前の社会こそ、“最先端”の福祉なのでは?と。
終盤、二人はこのように語ります。
「政治は政治家が、福祉は福祉士が…ではない。
境界線を越え、民間の力も投入し、福祉はイノベーティブになるべきなんだ。」
「福祉は誰にとっても無関係でない。だからこそ、福祉を専門にする人はリーダーとして期待される。」
また、100年先の未来、介護ロボットが何でもできるとしたら、人間には極論、どんな仕事が残るのか
という話題に対して、「それはイマジネーションとクリエイティビティ。そして大切なのは
メデシン(medicine=薬)ではなく、めでしん(目・腕・心)、つまり相手が何を感じ、求めるのかを
読み取る目、それに対して環境を整備する腕、人を支えていこうという心なのでは?」とまとめました。
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こちらも、アンケートの声を少しご紹介。
・福祉の枠にとらわれず、これからの日本や社会のあり方、
そして個人の生き方を学べた気がします。(20代・会社員・男性)
・正直福祉の仕事は選択しないだろうと思っていましたが、このイベントをきっかけに、
福祉はもっと面白く、可能性があると感じました。(20代・大学生・女性)
・遠いものと思っていた福祉が、ぐっと近づきました。(30代・会社員・女性)
オープニングイベントでは、福祉団体の代表のみなさんが登場しましたが、
福祉界への就職を目指す人にとって、もう一歩踏み込んで知りたいのは「ぶっちゃけトーク」。
そんな要望を叶えるべく、7月9日に開催されたのが、若手スタッフをゲストに
福祉の仕事のホントのトコロをセキララに語る「福祉のから騒ぎナイト!」です。
進行方法やBGMなども、某バラエティ番組調にお届け。
トークでは、福祉界に入った経緯、職場での珍事件、私生活とも絡めた話題が繰り広げられ、
「わかるわかる(笑)」という身近なネタから、ジーンと胸が熱くなる話…かと思いきや、
思わぬ展開のストーリーに爆笑が起きたり。参加者からは
「楽しく面白いだけでなく、社会に与える影響が大きいのが福祉という仕事だと想いました」
「福祉って、思っていたよりも創造的。大変なことがあっても、
笑ってエピソードを話せるゲストのみなさんに、今までにないワクワク感を感じました」
などの感想をいただきました。
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7月18日には、いざ、就職活動に向けて役立つ「自分シートづくりワークショップ」を開催。
自信をもって、それぞれのやりたい福祉の実現につなげることが目的です。
自分が持つ“純粋意欲”、得意や短所、福祉に関する自分だけのストーリー、
目標やそこに向けたアクションなどを、対話やオリジナルのワークシートを通して明確化し、
「自分シート」を完成させていきました。
そして7月24日、ファイナルイベント「FUKUSHI就活SHOW!!」
オープニングでも行われた就職説明会が、好評によりパワーアップして帰ってきました。
イベントスペースを「映画館」に見立てて、参加者の手にはポップコーンとコーラ。
まるで映画を見るような120分間の就職説明会を上演(!)しました。
各団体20分のトークタイムだったのですが、限られた時間だからこそ聞ける、
オープニングイベントとは違った内容。み・らいずは社員の様子をプロモーションビデオで紹介。
ゆうゆうは起ち上げストーリーや事業に携わる地域の方々がどのように変化していったかを。
しゃらくは仕事の過程や成果を物語のように語り「これ以上しあわせな仕事はない!」と言い切ります。
そしてワークスみらい高知は、今の福祉業界にある課題…福祉自体が、
障害を持つ人のチャンスを殺してしまう現状を挙げ、変革すべき世代への想いを叫びました。
終盤には全団体の代表が並び、参加者からの質疑応答タイム。
伝えるべくところをバシッと抑えながらも、まるで漫才のような展開に。(笑)
笑いあり、涙あり。まさにエンターテイメントな120分間でした。
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アンケートにも、嬉しい言葉が。
・福祉業界の就職説明会に初めて来ました。すごく刺激的なお話ばかりで、
福祉の世界で働きたいと思いました。(20代・大学生・女性)
・自分がいかに固定概念にとらわれているかということを実感。
すごくエネルギーのあふれていて刺激を受けました。(20代・大学生・女性)
・福祉に抱いていたマイナスイメージ(3K)が大きく変わった。介護・支援だけではなく、
わくわくするような社会をクリエイトするかっこいい仕事なんだと。(20代・大学生・男性)
【福祉未来の“最先端”とは。】
今回「FUKUSHIビッグバン!」には、合計809名の方が来館され、USTREAMの放送も合わせると、2000人ほどの方に触れていただく機会になりました。
特集の中で唱えてきた「福祉の“最先端”」というキーワードがありますが、そもそも「福祉」とは、
「しゃべる、食べる、学ぶ、働く、愛する、暮らす、旅をするなど、人の暮らしをつくり、
当たり前のしあわせに向けたサポートをする」ということ。そして、
「足りないものを補うだけでなく、そのしあわせがより広がるようにする」ということです。
そんな中で、わたしたちがこれから目指すべき福祉の“最先端”は、一体どんなカタチなのでしょう?
答えは、今回足を運んだ現場に、インタビューの言葉に、イベントのゲストの言葉に、
そして参加者のみなさんの中にありました。言葉の掛け合い、手と手の触れ合い。
そんな人間の心に宿る “共助の心”、“お互いさまの気持ち”こそ、どんな科学技術や制度の充実にも勝る、
福祉の“最先端”ではないでしょうか。 みんなが当たり前のしあわせを感じ、生きていける仕組みを、
家庭で、職場で、まちで、クリエイトしていく。そんな未来像がここから始まっています。
そんな「FUKUSHI」を担う若者たちの働く場を拡げ、提供してきた今回の特集。
最後に、各団体が描く“最先端”の福祉のカタチと描く未来を記し、レポートを締めたいと思います。
「FUKUSHIビッグバン!」にお越しいただいたみなさま、携わってくださったみなさま、
本当にありがとうございました!!
<NPO法人み・らいず>
社会を変えるって、一部の人間がやることじゃない。いかに多くの人を巻き込んで、変えていくか。
いつの時代も、世の中を変えるのは”若者”だから。その大きな仕掛け人に「福祉」がなっていきたい。
<社会福祉法人ゆうゆう>
日本がこれから向かう先の「超少子高齢化」は、まさに世界中においても“課題の最先端”。
でも言い換れば、日本がその“課題解決先進国”にもなりえる。
「世界最高の福祉は、日本のFUKUSHIだ!」そんな概念を世界に広めたい。
<NPO法人ワークスみらい高知>
今、「福祉」という言葉から世間が想像する「きつい」「汚い」「給料安い」は、
10年後には、「感動する」「カッコいい」「食っていける!」そんな3Kに変わってくると思う。
<株式会社ミライロ>
障害のある方や高齢の方にとどまらず、誰もが暮らしやすいまちへ。
これはミライロだけが描く夢じゃなくて、この先、日本全体が描いていく夢になる。
これが、“ユニバーサルデザイン”ってことなんです。
<NPO法人しゃらく>
世の中のクリエイティブ業界は、「真似されたら困る!」でしょ?でも、どんどん真似されて
世界中へ広がってナンボというのが福祉の世界。世の中が暮らしやすくなる仕組みを
デザインしていくのが、これから福祉業界が目指すべく“クリエイティブ”だ。