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脱・都会計画!ローカルワーク大解剖<レポート>

2014.11.03 NEWS

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「職人」「福祉」につづくハローライフの特集「地方で暮らす」。
10月6日にオープニングイベントとして開催した
イケダハヤトさん、川人ゆかりさんを交えてのトークセッション
「脱・都会計画!ローカルワーク大解剖」
のイベントレポートをお届けいたします。

今年6月に高知市に移住したプロブロガーのイケダハヤトさんと、
地方と都会の若者をつなぐコーディネーターとしてご活躍のローカルキャリアカフェ代表川人さん。
それぞれの視点から「今、ローカルワークで何が起こっているのか?」について語っていただきました。


■ローカルワークで今起こっていること



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―まず総論として、どのような形で地方で仕事を見つけ、移住されている方が増えてきているよう感じますか?


川人:

選択肢として増えてきているのが、地域おこし協力隊という制度でしょうか。
良い面悪い面相当あるんですが、地域おこし協力隊は最長3年原則雇用が保障されるので、
その制度を卒業するまでに何か仕事を作ったり見つけるという方法が
増えてはいるなぁと感じています。

またサテライトオフィスなどは徳島県の神山町が有名になってきていますが、
IT人材はどこの地域でもまだまだ人材不足なので、都市部でキャリアを積まれていたような方は、
比較的すぐ仕事が舞い込むのか、結構忙しそうにされているのはよく見かけます。

そのように都市部だと人が多すぎて供給過多になっているような仕事でも、
その地域にその職種がいなければその人だけの仕事になることもあります。
弁護士や建築士の方が地方に行ったら意外に年収が1.5倍になった、といった話も聞いたりしますしね。

ほかにも例えば、年間20〜30万人観光客が訪れるような観光地でも、
若い人が行けるようなお店が一件もないような地域だってあったりするんです。
商工会も空き店舗の対策を何とかしたい!と思っているような状態です。
そういった所をチェックして、
助成金を活用しながら初期投資を下げつつ始めてみるのも良いと思います。
固定費も都市部に比べるとですが低く抑えられるのでじっくり作品や商品を作りたいような方など、
都会だと家賃等固定費に圧迫されてしまうような業種の方は
結構関東・関西から地方へ移住されたりしていますね。

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ただ、
「やりたい仕事で条件下げず雇われたい」
「大阪など都会での生活をそのまま田舎でしたい」
という方は地方で暮らしていくことは難しいかもしれません。
生活コストが下げられるといっても、日用品、車の維持費、冠婚葬祭や付き合いの出費、
寒い地域ではガス・灯油代などお金は結構かかってきます。
そこは、どれくらいの田舎に住んでどういうところにコストをかけていきたいか、
情報収集しながら実験的に「テストリビング」していくのがいいと思います。

移住に積極的な地域はテストリビングの制度が整っているところもありますし、
そういう制度を利用するところから始めるのは良い手段ではないでしょうか。


―そうした制度や情報は、どうやって探せば良いのでしょう?


川人:
「JOIN」というサイトは移住関連の情報がまとまって見れますね。
あとは地方自治体のページを直接見にいかないといけませんね。めんどくさいですけど。
どんな地域がおススメかと言われたら、一つ参考になるポイントとしては
ホームページにお金かかってるところですね(笑)イケてて見やすいところ。
そうした所は県や市の首長にやる気があって、予算をとってきて人も配置している。
なので、県の移住定住の情報がわかりやすくまとまっているところは迎える気もあるので
入りやすいと思います。
ただ、移住定住に積極的な地域はコミュニティもできあがってますし
地域活性の動きも成熟を迎えようとしているところも多いので、
「この地域を活性化するパイオニアになりたい!」とか、
「まだ有名になっていないところで、自分の力を活かしてみたいんだ!」
といった方はもう人づてで情報を集めるしかないんじゃないでしょうか。
あとはローカルキャリアカフェやハローライフ含め、
地域と都市を結ぶような活動をやっている所から情報を集めていくのが良いと思います。
地域系のメディアを見ながらこの人と一緒に住んでみたいな、
なんかやりたいなと探してみるのもいいですね。


―地方での仕事は「雇用される」よりも「自分で始める」ものも多いよう感じます。
イケハヤさんは地方で「仕事をつくる」ことに関して実感されていることはありますか?


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イケダ:
けっこう地方っていろいろ余っているんですよね。
実は昨日、高知県の山の中にある限界集落に行ってきたんです。
10世帯ほどの集落で、うち今はもう1世帯しか住んでいないんです。
みなさんお茶畑で生計をたてていらっしゃった土地なんですが
そこが素晴しいところでした。
渓谷が目の前で景色もいいし土地は豊なんですが、山の中なので人口が少なくなってしまったんです。
そこで聞いた話によると、その茶畑をしっかりやってJAに卸すと、300万ぐらい稼げるらしいんです。
しかもなんとLTEや光も通ってるという。税金の無駄遣いじゃないかと思いましたが(笑)
そういう所は、誰かやりたい人がいけばいいんですよ。

そういう「余っているもの」をいろいろ知っている人っていますよね。情報を持っている人。
家や山や耕作放棄地があるとか、漁船が余ってるっていう話もあります(笑)
色んな情報が集まる人とつながると、キーパーソンと繋げてもらえるんですよね。

つなげることができる人は、各地域にいるはずです。
自分で仕事をつくるのって難しいと思うんですが、そういった人に紹介してもらうのも手段です。
まず中心市街地に住むんで、情報を持っている人と繋がることが大切だと思います。
いきなり仕事をつくるっていうのは起業と同じなので、
そういう経験やトレーニングを受けてきた人じゃないと難しいと思います。
まずはソフトランニングで入ることが重要。
オススメなのは、「仕事はなくても移住する」ということ。みなさん順番が逆なんです。
仕事がないから移住しないんじゃなくて、移住したら仕事が見つかるんです。
アルケミストという本でも書かれているんですが、
後ろのドアを閉じないと前のドアって開かないんですよね。
行かないとつながりも出来ないですし。週末だけ通うだけではダメなコミュニティもあります。
まず安く住める場所があれば、無職期間を乗り越えれますし、
その間に仕事をつくるなり探すのが良いと思います。



■「幸せ」の価値観が違う



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―おそらくローカルワークへの転職を悩まれる理由の一つが、収入だと思うんです。
都会働いていた頃より年収が下がるケースが多いですよね。
ただそれで「幸せ」ではなくなるかと言うと、そうではなさそうです。
地方と都会の「幸せの価値観」の違いについてお伺いしたいと思います。


イケダ:
僕は衝撃的な出会いがありましたね。
僕と同年代の女性なんですけど、リアルに貯金が1万円しか無いような方です。
仕事は整体マッサージや、借りた家を友達に貸したり、シェアハウスにして生活をしています。
彼女が言ったのが「高知の夏は仕事している暇がない」という言葉です(笑)
夏はずっとキャンプをしていて、言葉だけじゃなく本当に遊んでいるんです。
安心できるだけの貯金があるわけじゃないのに、すごいなと思って。
自分がせかせか働いているのがバカみたいに思えてきましたね。
彼女は「お金を稼がなければ生活できない」という常識の枠から外れ、
彼女なりの経済圏で、お金のかからない幸せをつくりあげているんです。

僕の妻は彼女との出会いがとても新鮮だったようで、
「貯蓄をしなきゃいけないという束縛から開放されたね!」ということを言っていたり、
「ものやお金を貯めることって、動きが鈍くなるし変化がなくなる。」
ということを感じたようです。
自分の持っているものを貯めるのではなく、循環させていくことこそ豊かさなのかな?
そんなことを彼女の生き方から感じました。
例えば僕の今年の収益が良くて100万円ぐらい余剰利益が出たとしたら、
その100万円を高知の若者に渡してなにか面白いことをやってもらったほうがいいと思うんです。
そういうことをしていたらもし僕が来年お金を稼げなくなったとしても、
何らかの形で還ってくるように思うんです。お米とかで還ってくるのかもしれないし。
それが豊かさなのかなと。
僕の妻が言っていたような「余っている時はそれを循環させる」ってそういうことなんでしょうね。
そんな風に、ものとかお金をまわしていくことがすごく重要なのかなって思います。
これは東京では考えたことなかったですね。この数ヶ月の大きな変化なんじゃないかと思います。


―地方での暮らしを選択された方って、
都会での価値観と違う価値観に気づいた方が多いのかもしれません。


イケダ:
僕の場合は2000万の年収より、ただの空き家をもらってなおして暮らす方が断然ワクワクします。
移住したいって思う人って、お金を稼ぐことにそんなにワクワクしない人なのかもしれないですね。
お金はひとつの価値基準にすぎませんし。
お金を稼ぐことにそんなにワクワクしない人は、もう「そういう人」なんだと思うので、
そっちの方向に突っ走っていいんじゃないかなと思います。
僕もそうなんですが、お金を稼いでいないと「自分は社会に役立っていない」
と自分を責めて苦しくなってしまうこともあると思うんです。
そうして自分を苦しめるよりも、もう自分はお金をたくさん稼ぐような人間じゃないと割り切って
「私は年収150万円で生きていきます!」
って宣言して、自信もって自分の幸せのカタチを言えたらいいんじゃない?と思うようになりました。

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―川人さんが感じられる「地方と都会の幸せの価値観」はどう違いますか?

川人:
先日京都の山奥で猟師をしている友人と炭焼きパーティをやったんですけど、
その子に、「都会って遊ぶとこないからおもんないやん」と言われたんです。
世間一般では都会は遊べるところあって田舎はないといわれてますよね。
でも、あぁたしかにな、と思ったんです。
都会の遊ぶって「カフェいく、映画みる、買い物する」くらいのものじゃないですか。
それって遊ぶなのかな?ってなんかずっと思ってたのですごいスッキリしたというか。
その子の言う遊びって、BBQする、キャンプする、海や川に飛び込んで泳ぐ、山に入ってキノコや山菜採るとかです。
いちいちお金も払わなくていいし、誰にも許可もわらなくてもいい。
自然を使って遊ぶんですね。
一方都会に住んでいるとBBQするだけで、ネットでキャンプ場検索して電話で予約して断られてまた検索して・・・
たしかに田舎のほうが遊べるなぁと思いましたよ。
そんな「遊び」自体の価値観の違いに最近出会いました。


それに都会にいたら、「お金貯めなきゃ」「稼がなきゃ!」
という気持ちがどうしても強くなってしまうと思うんです。
消費させる仕組みもすごいですしね。わたしもそう思ってました。
でも何のためにお金がいるかというと、
欲しいものを買ったり、自分に何かあったときのための貯蓄をしておくためですよね。
もちろんお金がないといろんな選択肢は減りますが、本当にお金さえあれば大丈夫なんでしょうか。
このお金は価値を持ち続けるのでしょうか。
お金を払えば本当にいつまでも食べ物は手に入れられるのでしょうか。
自分で食べ物をつくれば、または地域で良好な人間関係ができていれば、
仲間が多ければお金よりももっと強固なセーフティネットになると思います。
将来何らかの国のシステムが破綻したとしても、食べるものを作れる人は飢えないと思います。
消費するのでなく、生産出来る人のほうがこれからは強いのかなって感じますし、よくそんな話を地域の方としています。
その辺りの「生きてはいける」という安心感などを価値として考えている人も多いのかもしれません。


あとは承認欲求というか、その地域のコミュニティへの参加を幸せに感じている人もいます。
これは実際そうなんですが、里山ってだいたいどこでも綺麗なんですよね。
海も山も、どこでもだいたいキレイですし、魚もだいたい美味しいです(笑)
他との差別化って難しいんですけど、「じゃあなぜその土地を選ぶのか」というと、
地域の魅力的なコミュニティと、それをつくっている人がいるからなんです。
田舎に行くと若いというだけで希少価値があり、ひっぱりだこになるので承認欲求は満たされやすくなります。
集落によっては一番若い人で75歳とかあり得ますから、そこに20代が行くインパクトたるや(笑)
あとは挨拶さえすれば「いい子や!」ってなりますよ。まぁそこからが大変なのですが(笑)
都会で「自分の替えはいくらでもいて、自分は必要とされていない」という疎外感を持つような人は、
思い切って地方へ飛びこむのも一つの手だと思います。
ただその時に、自分の価値観を押し付けず、郷に入りては郷に従えの考えは大事ですけどね。


―飛び込んでみて、礼儀さえちゃんと踏まえれば「役割」が与えられるかもしれないと。


川人:
全体的にどの地方も担い手不足です。
日本全国で人が減っているのですべてにおいて人がたりないんです。
少し草をむしるだけでも高齢者って大変なんですよ。
例えば数字は適当に言いますが、困っていることを手伝って一月1万もらったとして、それを月に10件やれば10万稼げる。
そんな生活も無理ではないのかなと思います。

イケダ:
関連して言うと、僕も個人で農家とつながりあるんですが、
「移住して農家をやりたい」というような人って、
畑を耕したいっていう直接関わることより、企画やPRをしたい人が多いんです。
純粋に収穫、農作業を出来る人は募集しているんですよね。
行って農家さんとつながっていけば、必ず仕事はあると思うんです。
都会でニートやってひきこもっているよりは、田舎で農業するほうがよっぽど楽しいと思うんですけど。

川人:
そんな都市部でひきこもっている子をサポートしながら自分の後任として育ててやる!
という農家さんって、数は多くはないかもしれないですがいらっしゃるんですよね。
一度地域に入って、一生懸命がんばっていたら、
「うちの所もやってくれ」とどんどん土地が集まって来すぎて困っている2〜3年目の就農者もいます。
地域に入って日々のことをちゃんとやり信頼を得ていけば、土地の規模拡大は勝手に進んでいくんだよと言ってましたね。
そんな風に、席は空いてるんです。
あとは誰が行くか、いつ行くか、という所です。


―そういう情報ってwebには載っていないですよね?


川人:
そうですね。地域側も誰でも良いというわけではないですから。
変化を恐れるような文化もありますし、何をされるかわからず不安という思いもあります。
人のつながりで入っていく、というのが良いですかね。
ぜひ来てよと言われて行く方が当然良い。
あとは、各都道府県に移住相談窓口が結構設置されています。
そこのアドバイザーに入りやすい地域や制度を聞くというのはいいと思いますね。
公共の窓口の活用と、民間からのコミュニティ両方から入っていくと
情報は結構集まるのかなと思います。



■参加者からの質問



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Q,「こういう人は移住すべき!」は、どんな人ですか?


イケダ:
ワクワクするんだったら、移住したほうがいいです。
いても立ってもいられない!という人。
そのワクワクの片鱗を抱えたままサラリーマンをやるのって、どんどん人がダメになっていきますよ。
そんな状態で事故にあって死んだら嫌じゃないですか。
別にちゃんとした言葉で説明出来なくてもいいんです。
おもしろいからやってしまえ!という人は移住したほうがいいですね。

川人:
さみしがりは移住すべきかなと思います(笑)
男の人は消防団に入らなきゃいけなかったり、町のお祭も1年かけてやったり、
寄り合いがあったり、飲み会があったり、役を与えられたり。
地域によるかもしれませんが、移住するともれなくかまってもらえますよ。
狭く濃い人間関係にストレスを感じやすい人はちょっと都会に近い町に暮らす方がいいかもしれませんけど。


Q,結婚してから移住すべき?移住してから相手を見つけるべき?

川人:
男性は「田舎暮らしOK」という女性を見つけてから行った方がいいです。
女性は行ってからでも見つかります。
田舎は結婚が早い地域もあるので、男性が30過ぎて地方にいっても、
同じ年代の人はたいてい結婚していたりするんです。
最近は都会からのツアーでやってきた女子と結婚したりするのをよく見かけますが、出来たら見つけてからいくのがいいのかなと。
逆に嫁不足的なところがあるので、逆に女性としてはチャンスが多いかもしれないです。
いい男だなっていう人が余っていたりします。
私も地方へ行くと、「あそこのせがれどうや?」といった縁談がたくさんきます(笑)

イケダ:
僕は子ども出来てから移住しましたが、嫁不足婿不足は言われますね。
変な話、ストライクゾーンがひろいなら大丈夫(笑)
そこはストライクゾーンの問題です。
ただ地域によって文化は違って、高知の場合は働いている女性も多いですから、
奥さんに専業主婦になってもらいたい人は難しいでしょうね。
逆に共働きで女性の社会進出を応援するような家庭を築きたい人は向いているのかなと。
どの地域を選ぶかは、どんな家庭を築きたいかによるんじゃないでしょうか。


Q,イケハヤさんが移住して最初2ヶ月で取り組んだことは?

イケダ:
色々やりましたけど、空き家の活用が面白いなと思って、それ関連で動いていましたね。
今日本全体で空き家の活用って話題になっているタイミングでもあり、仕掛けやすいですから。
なのでシェアハウスを作るといった活動に根を張っていっていきました。
僕が意識しているのは、日本全体、世界全体で、これからどんな問題がおこって、
どんな解決策が求められるかということです。
その地域でやったことが、スケールアウトして全国の先進事例になり得ますから。
高知は空き家の活用先進国になりうると思っています。

空き家に限らず、高知は医療費、病院の数が全国トップです。
医療をもっと介護寄りのインフラに作り変えていかなきゃいけないということで、
これからの日本を担う介護インフラを作ろうとみんなで躍起になっているんです。
それって、やっぱり高知独特なんですよね。
高知って中山間地域も多く限界集落も多いですし、物流インフラも悪いですし、所得も低いです。
そんな課題を背負っているがうえに、新しい地域課題のソリューションが生まれていくはずです。
高知から最初の事例が生まれて、それが全国にスケールしていくという絵が見えています。
そうした展開を見据えていたので、そこは結構戦略的に考えていましたね。

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Q,地方の5年後はどうなっていますか?

川人:
地域おこし業界は今、極端な言い方をすると戦国時代のようだと感じています。
今出遅れて手を打っていない地域は、かなりしんどい戦いを強いられると思います。
人が減ると、今ある地方自治体のうちいくつかは言葉を選ばずに言えば淘汰されていくはずです。
そうなりたくなければ、今から動き出さなくてはならないと思います。
人採り合戦は5年後はますます激化しているでしょうから、
より地域同士のコントラストは強くなっていると思いますね。

イケダ:
移住者的観点から見ると・・・地域に入り易くなっていると思います。
5年後あたりも移住促進はそれぞれがんばっているでしょうし、
移住のインフラは整っていくと思います。
行政もそうですし、市民コミュニティも醸成していっているでしょうね。
あと、教育のインフラもこれから整っていくと思います。
高知県に嶺北(れいほく)という地域があって、
そこは移住者だけで毎年60〜70世帯増えているような所なんです。
小さな子連れ移住者多いんですが、あまり教育環境も良くない。
なので自分たちで学校つくっちゃえという発想を持つ人も増えてきています。
そういう場所が今後増えていくんじゃないかなと思います。
子連れ移住者向けの「いい教育コミュニティがある」という地域も増えていくんじゃないでしょうか。


Q,地方で暮らすことの“ネガティブな側面”は何でしょうか?

川人:
私は地方の暮らしが100%ポジティブだとは言いたくないんです。
合う合わないはあります。
実際に移住に失敗して帰っていく人もいます。
結局はヨソモノだと疎外されてしまう場合もあります。
都会の生活をそのまましようと思ったらまあ無理ですし、
よほど秀でている何かがなければ年収など所得は維持も難しいと思います。
農業をやったとしても時給換算で県の最低賃金を下回ることもザラ。

また、一度地域への入り方を間違うと印象を良くするのはとても困難だったりします。
地域の権力者への発言や行動、慣習や人間関係を知らずに入ってくる移住者にとってみたら何が地雷になるかわかりません。
過去に何度か移住者が失敗をしてしまった地域では、新しい移住者がいじめられることもあると聞いたこともあります。
一度信頼を損ねてしまうと、挽回は難しいですし逃げ場がないですからね。
コミュニティが小さいだけに、そういった側面もやはりありますね。

イケダ:
僕個人は高知でそんなマイナスの目にあったことはないんです。
なんでかな?と考えてみると、高知市って30万人都市で、けっこうな都会なんですよ。
前住んでいた多摩市よりも便利で、この町に住みにくいってなかなかないと思うんです。
でも少し行くと、土佐山っていう1000人ぐらいしか住んでいない地域があったり、
また別の所には5万人ぐらいの都市があったりします。
中心市街地って東京とか都市部と変わらない文化で、
その分家賃が高かったり都市的な生活になってしまうんですが、
田舎特有の嫌な思いをすることはないと思います。
なのでオススメのやり方としては、
まずは中心市街地の安いシェアハウスなどに住みながら週末に色々な地域を見にいって、
自分に合う地域を探していくという方法ですね。
地雷なんて正直分からないですし、週末にどんどん踏みに行ってみたらいいんじゃないでしょうか(笑)



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【ゲストプロフィール】
<イケダハヤト>
プロブロガー
1986年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、大手半導体メーカーを経て、ベンチャー企業トライバルメディアハウスでSNSマーケティングコンサルティング事業部を立ち上げる。2011年4月、フリーランスとして独立。ブログ、ツイッターで積極的に情報発信を行い、ブログの月間PV数は115万(2014年8月)。2014年6月高知に移住。自身のブログタイトルも「まだ東京で消耗してるの?」に変更し話題を呼んでいる。
【著書】 「新世代努力論」(朝日新聞社出版)「年収150万でぼくらは自由に生きていく」(星海社新書)等

<川人ゆかり>
ローカルキャリアカフェ代表
大学卒業後約3年間株式会社リクルートエージェント(現リクルートキャリア)にて採用アドバイザーとして勤務した後、無期限海外一人旅へ出かける。帰国後は『暮らす・働く・旅をする』をテーマに独立し、日本の若者に対して多方向へのキャリア支援を開始。グローバルキャリア教育の企画開発や地域への移住定住促進サポートなどを中心にフリーランスとして多数のプロジェクトに参画中。その他講演・司会業なども行う。
観光庁『若旅★授業』登録講師/公益財団法人信頼資本財団フェロー


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このレポートは10月6日にハローライフにて開催したトークセッションの一部を抜粋したものです。
立場の違う2人による移住定住やローカルワークの話を通して、
お読みいただいた方の生き方や将来設計のヒントになれば幸いです。
ハローライフでは今後も「地方で暮らす」という人生の選択肢をサポートするために、
このような「情報を集める場」や「人生について考える場」を提供させていただきたいと思っております。
ハローライフwebサイトの特設ページに関連イベント情報等が掲載されていきますので、
またぜひご覧ください。
https://hellolife.jp/info/chihou