「家庭と両立」柔軟すぎる働き方を徹底解剖 <イベントレポート>
それぞれのしあわせな「働き方」や「仕事」を考える、次世代ワークスタイル研究所Webサイトはコチラ
ちなみに第1回目は、千房株式会社 代表取締役 中井 政嗣氏をお招きし
ファミリーの心が生み出す親愛関係と、
元受刑者採用も実施するその企業挑戦の実態を調査研究。
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第2回目は、「日本で一番社員満足度の高い会社」として知られている
ChatWork株式会社 代表取締役の山本 敏行氏や、
東京大学大学院教育学研究科教授 本田 由紀氏をゲストに招き、
「日本一社員満足度が高い会社」の“社員第一主義”の理念と、
日本社会の変容と若者就労支援の課題を調査研究しました。
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そして今回、第3回目の調査研究対象は、様々な賞の受賞や
メディア出演をされ、全社員完全自由出勤・残業ゼロなど、
その柔軟な働き方が大注目を集めている、株式会社エス・アイ!
事業内容は、データ入力・WEB制作・コールセンター・
アンケート調査など多岐に渡り、年商は1億5000万円を超えます。
そんなエスアイの代表取締役 今本 茂男氏をゲストにお招きしました。
本記事では、その調査研究レポートの一部をピックアップしながら、
イベントにご参加くださった方の生の声に焦点をあててレポートしていきます。
詳しい調査研究レポートは、次世代ワークスタイル研究所のWebサイトにて
pdfデータで配布していますので、ぜひご覧ください!
第3回 次世代ワークスタイル 調査研究レポート
イベント冒頭では、ニュース映像をもとに、
その「柔軟すぎる働き方」を実現するに至った経緯をお話いただきました。
かつては、自他共に認める仕事人間だった今本社長。
しかしあるとき、闘病中の小さな息子さんが帰らぬ人となったとき
自分が何度、お見舞いに行けたのかを数え、こう考えます。
「家庭を支えるために働いている。
でも、家庭をないがしろにして働いていたら、何のための生活か。」
過酷な労働生活を送ってきた自らの経験をもとに、
同じような想いをする人を生み出さないため45歳で起業し、
「支え合いの精神で家庭と仕事の双方を大切にでき、
両立を実現する働き方」の実現を目指すことに。
では、そのワークスタイルを一部ご紹介。
【残業禁止!自由出勤制度を導入】
エス・アイでは、正社員もパートタイムも区別することなく、
全員が自分の好きな時間に出勤し、仕事をして退勤していけるような制度、
「自由出勤制度」を導入しています。この制度により、
家庭との両立がしやすく、「残業」という観念もありません。
【 完全時給制度とそのシステム】
併せて「完全時給制」を徹底しています。
デスクでパソコンの電源を入れた瞬間に賃金が発生し、
業務の進行状況は、社内メールで共有。
スムーズな進行かつ、自分で決めた時間だけ働いた後、
他の人に業務を引き継ぐことも簡単にできるのです。
【個人の努力にも目を向ける、完全能力給制】
「能力」と言っても、スキル自体を評価するのではありません。
繁忙期や人手が足りない時に出勤した場合などには、
本来の実績にポイントが加算されて給料が上がるという、
個人のがんばりを評価する取り組みです。
「全ての人は必ず何かしらの能力を持っている。その能力を引き出すのが
共に働くスタッフや企業の役割。」と話す今本社長。
上記の他にも、60歳以上のシニア層や、障害を持つ人々も雇用し、
社員それぞれがイキイキと能力を活かせるようなステージと環境づくりにも取り組んでいます。
講演を受けた後は、参加者みんなでグループに分かれ、意見交換を行いました。
多く聞こえた声は、「理想だ!」というもの。
「うちの、ルーティンワークの部分には取り入れられそう」と話すのは、雑貨販売を営む女性。
デザインや地域活性に向けたプロジェクトを行っている方からは、
「うちのところは、引き継ぎがしにくい業種。
やはり、自分たちの業種にあったワークスタイルを見つめ直さなければ…
社員と向き合う姿勢は非常に参考になる」という意見が挙がっていました。
また、経営者ではなく、雇用されている立場の方々からは、
「自分のところの社長はもちろん、世の中のトップの人たちに、
もっとこういう機会・イベントに参加してほしい!」という声も。
最後は質疑応答タイムです。
『現在雇用されている方は女性が多いように見受けられますが、実際どうですか?
また、そうである場合、それは何故ですか?』
「それはよくご質問いただきます。
でも、女性を特に集めているわけではないんです、気づいたら多くなっていた。(笑)
男性ももっと、雇用していきたいですね! 」
きっと、エス・アイのワークシステムが、自然と女性を集めているのでしょう。
さて、次の質問です。
『今後、御社のワークスタイルを他社に広めるなどの展開はありますか?』
「実は、ないんです。それは、会社によって
そこにいる人、そこで起きている問題が違うからです。」
なるほど、自社にぴったりなワークスタイルは自社でつくりあげる、というわけですね。
最後、業務の管理には具体的にどんなソフトを使用されているのか、
気になって聞いてみたところ、「全て自社ソフトです」 だそうです。
…余談ですが、 別イベントで「会社選びでどんなことを重要視するか」を話し合ったとき、
ある男性が「大企業だと大変かもしれないけど、基本的には、その会社の社長が、
社員たちのことをよく知っているかどうか…かな」と答えていました。
今本社長のお話を聞いていると、その言葉がフラッシュバックします。
いかがでしたか? 今回の調査研究で学んだこれらの姿勢で、
それぞれの企業・事業が、自社にぴったりなワークスタイルを見つけ出し、取り組み、
世のたくさんの人達にとって、様々な「働きやすい職場環境」が生まれていくとよいですね…!
さあ、次回は一体どんな調査研究が行われるのでしょう!
今後の「次世代ワークスタイル研究所」にもご期待ください!