大阪西区にある民間による就労支援・ブックカフェ・イベントスペースなどの複合施設。
グッドデザイン賞受賞
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  • studio-L
    ※ハローライフでの募集は終了してますが、
    採用状況は各社に問合せください

    コミュニティデザイナーの育ち方。

    地域に住む人が自分たちの地域の課題を
    解決するためのお手伝いをする仕事。
    コミュニティデザインを仕事にするstudio-Lは
    自分たちの仕事をそう表現する。

    現在、studio-Lが関わっているプロジェクトは、その数なんと「80」。
    日本全国、各地の様々な場所でそれらは展開されている。
    海を挟んだ「島」でのプロジェクト、人が行きかう「都会」でのプロジェクト、
    緑豊かな「農村」でのプロジェクトなどなど。
    商店街に入ることもあれば、集落に入ることも、
    デパートに入ってお手伝いをすることもある。

    例えば、島根県の離島にある海士町。

    ここならではのまちづくりを追求するためにと、
    公募で集まった60名の地元住民たちに対し、
    「人」・「暮らし」・「産業」・「環境」の4つのチームをつくって
    60回以上にわたるワークショップや勉強会、合宿などを開催。
    15~70歳までという、年齢やバックボーンも全く違う彼らの意見や想いを聞き、
    それを言語化して解決策の糸口が見つかるように導いていく。
    そうすることで、最終的に24の「住民による具体案」が提示された。
    海士町

    また、一方変わって大都市・大阪府。
    大阪市阿倍野で2014年に全館オープンする百貨店「あべのハルカス」。
    買い物だけでなく、“新しい出来事との出会いや思いがけない発見がある店づくりをしたい”
    というデパートとしての想いを実現するため、
    店内に地域の市民団体のみなさんが活動できる場所をつくるという、
    新しい都市型のコミュニティづくりを進めている。
    abe_harukas

    これらすべてに共通することは
    どれもが、「人と人をつなぐ」お手伝いであること。

    ただ、肩書きだけを聞けば全く仕事のイメージがつかない。
    コミュニティデザイナーになるには何が必要なのだろうか。
    一体どんな人が向いているのだろうか?
    そのヒントを探りに三重県にある伊賀事務所を訪ねた。


    そもそものはじまり。初年収70万円。


    ゆるやかな坂を登って、穂積製材所がみえる。
    その隣に伊賀事務所はある。
    夏の暑い日、入口の看板には「日陰はじめました。」と板書されていた。
    026
    そもそも、studio-Lが誕生する以前、代表の山崎亮さんは
    設計事務所で働き、建築やランドスケープの仕事にかかわっていた。
    転機になったのは兵庫県の有馬富士公園の仕事だった。
    公園に来てもらうためのプログラムを公園側自らが考えて
    運営していく仕組みをつくるパークマネジメントにかかわる仕事。
    それは建物や公園という「ハード」の物理的なデザインを変えるよりも、
    その場所を利用し自ら運営していくコミュニティ=「ソフト」を
    マネジメントしていく仕事だった。
    IMG_4320
    このコミュニティの力こそが状況を変えていく
    鍵になるのではないかと感じた山崎さんは同じ想いを持つ仲間と
    studio-Lをスタートさせた。
    027
    立ち上げ当初からのスタッフで、
    現在は伊賀事務所に所属する西上さんは、
    「山崎さんの“これからは建物をつくらない時代だ”という考えに共感して
    勤めていた建築関係の会社を辞めて合流しました。」と振り返る。

    しかし、まだまだ世の中はダムやらビルやらを積極的に作っている時代で
    そうじゃない案件はなかなか仕事にならず、話を頂いても予算の半分は
    交通費に消えるような状況だったという。

    山崎さんの初年収も約70万円。
    当時、結婚したばかりで随分心配もされたそうだ。
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    山崎:
    「お前は食っていけるのか?と何度も言われましたね。
    でも、これはやらなければいけないと思うことは切り詰めてでもやる、
    そんな経験があれば、不安をいっぱい抱えながらも笑っていられるんです。
    そこをくぐり抜けているかどうかで、何とも言えない共感が生まれるわけですよ。
    どうやって生き延びるかというところで知恵がでるし、同じ共感ができる人を
    信頼して組むこともできます。
    ですから、studio-Lのスタッフよりも良い仕事ができると思ったら外部の人と
    タッグを組むことも問題ありません。
    僕も含めて1人ひとりが、その高い意識で責任をもっていることでクオリティが上がります。
    だから、studio-Lは全員がインターンからスタートしてスタッフになる。
    それも自立した個人事業主として自分の足で立つ人になるんです。」


    個が組織の先を行くための、インターン。


    スタッフ個々が関心や問題意識を持って
    たとえ、少額の謝礼でも取り組んでいることが未来のstudio-Lの
    やるべきことに結実すると山崎さんは考えている。
    たとえば、社会福祉や社会教育の分野に取り組もうと考えていたときも
    すでにスタッフの数人は公民館活動のお手伝いに関わっていた。
    利益を優先しがちな組織単位では、二の足を踏む案件にも入ることができる。
    その柔軟さと決断力は個人で仕事をする集団だからこそ。
    その個の強さを身につけるための場所が、伊賀事務所だ。
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    かつて建築家フランク・ロイド・ライトがつくった
    建築のすべてを学ことができる場所「タリアセン」。
    「タリアセン」の建築が始まった1911年から100年後の2011年、
    コミュニティデザインのすべてを学べる場として伊賀事務所ができた。
    そういう場をつくりたかったんです、と山崎さんは語る。

    studio-Lに合流する人は経歴も年齢も関係なく、
    インターンとして伊賀に住み、ここでコミュニティデザインを学ぶ。
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    草刈りや田んぼ仕事から、学ぶ。


    伊賀事務所のインターンには「これをやりなさい」、
    「いついつまでにここまで成長しなさい」という定めはない。
    自分から考え動く力が養われるインターン期間をいつまでに
    するかも個人の目標によって変わる。だから厳しさがある。

    ここで実際に携わる仕事は、「穂積製材所プロジェクト」と呼ばれ、
    民有地である製材所の敷地を公共的な空間として展開し、
    都市農村交流を通じて森林問題や過疎化の課題解決につなげている。
    「泊まり込みの家具スクール」や「製材体験」などがその一例だ。
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    西上:
    ここでは、まず穂積製材所を中心にした非営利の活動から始まります。
    資料整理から事務所の掃除のような雑用もこなしながら、たとえば木材を使って
    子どもたちと椅子をつくるプログラムを実施したり、
    地域貢献できる企画を立ち上げ成果が認められれば、
    非営利活動の主担当になり、さらに実績を積むと全国のプロジェクトに
    同行できるようになります。
    だから私や内海や出野は各地の現場にいてほとんど伊賀にはいないですね。」

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    内海さんは、広告代理店から
    インターンを経てスタッフになった1人だ。
    現在は全国飛び回っているが、家族との時間が少なくなっているので
    家族と一緒に現場を旅しながら働く暮らし方を模索している。

    出野さんは来年から東北芸術工科大学で
    コミュニティデザイン学科の教員としても働き始める。
    移動が長時間で大変だが、いつも現場へのルートを考え
    新しい特急や新しい景色と出会えるのが楽しみだという。
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    内海:
    「地域の草刈り、田植え、おばあちゃんが棚に物を移すのを手伝いにいくなど、
    なんでもやります。そこから地域との関わり方を学んでいくんです。
    だから、仕事をしていても「草刈りを手伝ってくれへんか」と言われたら
    「はい」と即答できるかどうか。
    おばあちゃんがタマネギをもって事務所にきたら、まず断らない。
    断ると二度と訪ねてくれませんから。」
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    出野:
    「おばあちゃんは、ただタマネギを持てきたんじゃないかもしれないんです。
    家でたくさんつくって、捨てるのももったいない。まわりに農家も多いし、
    若い人がいるところといったらここしかない。だから来てくれた。
    もしかしたら、本当は何か話をきいて欲しいことがあったのかもしれないじゃないですか。
    ワークショップを開くにしても同じ。
    たとえば商店街の人は働く時間帯が会社員とは異なります。
    電話1本かけるタイミングもすごく相手のことを考えないといけません。」


    伊賀の住民として、認められること。


    伊賀事務所は特に生活もこの地域になるので、
    地元の人からの評判がはっきりわかれるという。
    現インターンのメンバーも地域新聞を発行したり、
    祭りの準備を手伝ったり、ゴミだしの日を間違えて怒られたりしながら
    伊賀の住人になりつつある。
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    西上:
    「私たちが出張でほとんど伊賀にいなくても、帰って来たときに街の人から
    インターンの評判を聞けばすぐ彼らの成長や失敗がわかります。
    本当に確かな目です。評判がついてくれば、インターンの得意なことや性格もわかるから、
    じゃあ、あの仕事を一緒にやろうか、外の現場に連れていこうかと思えてくるんです。」
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    つまり、伊賀事務所は最初の人間関係、信頼関係を
    内でも外でも積み上げる場所というわけだ。

    これだけをみてみれば、
    「人に好かれる性格のいい人」が選ばれるのかと思う人も多いかもしれない。
    しかし、その早とちりや思い込みこそが、コミュニティデザインの世界では、
    すごく危険なポイントなのだ。

    西上:
    「実際のプロジェクトでは、地域の人たちとのワークショップで、
    課題解決のためにアイデア出しを行います。
    たとえば、アイデアを付箋に書いて貼りだしていくのですが、
    付箋を貼る手が止まった人がいたとしたら、考えが浮かばないのか、
    書き方がわからないのか、付箋自体が足りていないのか、
    状況を察してフォローします。
    人と関わる中で、たった「一人」に対しての気遣いや心配りができない人に、
    「地域」の課題解決なんてとてもじゃないですけど、できないですからね。」
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    言い換えれば、ものごとを相手の立場にたって読み取る力の
    足腰ができているかどうか。
    一見雑務に思えることにですら、すべてに意味がある。
    インターンは、ここでの生活全部を「学び」ととらえる覚悟が必要だ。


    顔の見える仕事には、でかい感動がある。


    それでは、一体どんな人が向いている仕事なのだろうか?

    内海:
    「ここにくるまでの経験や肩書きをいい意味で全部忘れられる人だと思います。
    自信があっても思ったより人と人はコミュニケーションができないことに気がつくかどうか。
    自信がマイナスにでることもある。気づいたうえでそれを受け止められるか。」
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    西上:
    「そうですね。それを受け止めたうえで、早く前向きな気分にもどせるかも大事。
    私たちは個人事業主の集合体だから心が折れても誰も直してくれないんですよ。」

    出野:
    「全部自分で受け止めるしかないんですよね。」

    実際のプロジェクトは地域毎に異なり
    参考になる事例もなく、予算も少ないことが多い。
    それでもなぜ、みんなこの仕事を続けるのだろうか?
    それは、そこに人の顔が見え、温度が感じられる感動が待っているからだ。
    と、誰もが口をそろえる。

    内海:
    「人の深いところまで入りこむので、変な話、
    僕の葬式がでたら全国から人が一杯来るんじゃないかと思います。
    福山のプロジェクトで嬉しかったのは、内海さんたちは、
    ずっとは居ないから俺たちでやろうぜ、と言われこと。
    最高でした。間違いなく人生が楽しくなる仕事です。」

    出野:
    「例えば地域の人たちと話をするとき、
    自分がいま話をしている方が決められた何かの「担当者」というわけじゃないので、
    自治会長さんは昔こういうこと言っていたなあ、
    酒屋のあの人だったらどう思うかなと考えて仕事をしています。
    その気持ちがわかるまで話す関係になるからこそ、
    突然電話がかかってきてこの話は出野さんに相談したかったんです、
    というプライベートな相談も頂きます。」

    西上:
    「いろんな意見をききながら、時代の流れを考え、
    そこに新しい企画をつくって地域の方と一緒に実現していくプロセスは本当に楽しいし、
    物を買うといった消費文化にはない感動があります。
    全身で感謝されているのが伝わってきますから。」

    ただ、インターン生活は厳しい側面もある。
    期間中の収入はほぼないに等しいため、
    会社を辞めてインターンになった人は、貯蓄を切り崩して生活している。
    大学生はアルバイトの掛け持ちはできない。
    遠方に同行するときは交通費や宿泊費の立替えで
    仕送りがあっても苦しいときもある。
    だからこそ、西上さんたちが語る、お金ではない「儲け」に
    喜びを感じられない人にとってははじめから向かない仕事だと知っておいてもらいたい。
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    お互いの、その後の未来こそが面白い。


    電車は1時間に1本。車でないと移動が不便な場所。
    冬は寒い。娯楽も少ない。
    彼氏や彼女、家族がいてもインターン期間はこの土地に住む。
    決められた時間に終われないこともあり、
    どこからが生活でどこからが仕事なのかもわからない。
    それでも、今年も何人ものインターンが集まる伊賀事務所。
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    ここはコミュニティデザインを学びながら、
    1人ひとりの生きる力をたくましくする場でもある。
    だから、覚悟を持って、その覚悟を楽しめる人が集まってくる。
    内海さんの言葉がとても印象的だった。

    「数年後、伊賀事務所のインターン出身者のネットワークが世界に広がっていてほしい、
    そこでまた新しい関わり方が生まれていくと思います」

    「雇用」という決められた枠の中での働き方ではなく、
    それぞれが独立して互いに関わっている個人事業主の集合体、studio-L。
    インターンを経て「合流者」になるのもいい。
    また、別の働き方を見つけ、パートナーとしてstudio-Lと組むようなこともありだろう。

    もし、地域と関わる覚悟を持ったうえでこの仕事が気になれば
    製材所の木の香りを浴びに、
    伊賀事務所への坂道を登ってみてはどうだろうか。

    ちなみに、隣にある「夢の道」では、
    今日も、インターンたちが慕うおかみさんたちが待っている!
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    (取材:東善仁  撮影:箭野美里 コーディネーター:塩山諒)


    studio-L代表の山崎亮さんの日々の暮らしにクローズアップした
    連載記事「ハローライフなひとびと」も合わせてご覧ください。c0584ed783ccdb04e22a0593c1f456541-578x69

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  • 企業名・団体名株式会社 studio-L
    募集期間2013/12/18 〆切
    それ以降の募集につきましては随時こちらのサイトにてお知らせさせていただきます。
    募集業種コミュニティデザイナー
    ・ワークショップの運営
    ・まちづくりの計画策定
    ・デザイン(建築、都市計画、ランドスケープ、プロダクト、グラフィックなど)
    ・編集(雑誌、書籍など)
    ・映像企画・制作
    ・広告企画・制作
    雇用形態能力や経験にもよるが、
    概ね数ヶ月はインターンとしての参加
    応募資格●概ね35歳以下の男女
    (※若年層の長期キャリア形成のため)
    ●実務経験2年以上
    勤務地大阪府大阪市 studio-L OSAKA
    (大阪市北区芝田2丁目8-15北梅田ビル51)

    三重県伊賀市 studio-L IGA
    (三重県伊賀市島ヶ原5844)
    勤務時間応相談
    給与概ね数ヶ月はインターンとしての参加
    休日・休暇応相談
    待遇特になし
    採用予定人数未定
    選考プロセス本サイトからエントリー

    メールを確認後、弊社より資料を送付致します。

    履歴書・志望動機を返送(作品のある方はお送りください)

    書類選考

    通過者のみ面接

    全員1週間以内に合否結果通知

    採用決定
    応募者への質問どのようなプロジェクトに携わりたいですか?
    webサイトhttp://www.studio-l.org/
    メッセージ与えられるのではなく自分から仕事を探し、生み出し、楽しみながら地域に飛び込んでいける、 コミュニティデザイナーとなる人材を募集します。

    【求められるスキル】
    ●独立した立場で仕事ができる
    ●人前で話すことが苦にならならず、明るく元気がある
    ●企画の立案、プロジェクトマネジメントができる
    ●精神的にも肉体的にもタフである(とても忙しい現場です)
    ●美しく幸せな社会を実現したいという熱意がある
    ※ハローライフでの募集は終了してますが、
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