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<香川県小豆島>キャリアを捨て、恵み豊かな暮らしを求めて。の求人サムネイル
2014.10.04 公開 2015.12.25 更新
<香川県小豆島>キャリアを捨て、恵み豊かな暮らしを求めて。

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください

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瀬戸内海にぷかりと浮かぶ、香川県で最大の島、小豆島。
十数年間東京で暮らしてきた眞鍋邦弘さんは、
故郷である香川県高松市に近いこの島に戻ってきました。
東大卒・元外資系という、エリート人生を突き進んでいた彼が、
一体なぜ小豆島への移住を決意したのでしょうか?
自然豊かな小豆島に、眞鍋さんを訪ねました。

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東大を卒業し、リーマン・ブラザーズという一流の外資系企業でバリバリ働く。
キャリアがあって、お金に困らず、欲しい物は手に入る。
そんな、誰もが羨むような暮らしを捨て、瀬戸内海にある高齢化が進んだ島へと移住した人がいます。
株式会社459代表の眞鍋邦大さんが、その人です。

眞鍋さんが住む小豆島は、瀬戸内海で2番目に大きな島です。
自然豊かなこの島は、オリーブの産地として知られるほか、映画やドラマのロケ地としても有名です。

今回取材で訪ねたのは、自宅を改装して作ったというポンカフェ。
オリーブが広がる地域の一角にひっそりと建てられ、車道からは見えない木々の陰にあるこのカフェは、
知っている人しかたどり着けない秘密基地のようで、ワクワクしながら足を踏み入れました。

その秘密基地の持ち主が、今回ご紹介する眞鍋邦大さん。
Tシャツにハーフパンツ、腰に手拭いをチラリとのぞかせる姿は、
どこからどう見ても気のいい兄ちゃん!
その見た目からは、東大卒で一流企業に勤める、バリバリのキャリア組だった過去はうかがえず、
すっかり島の人という印象を受けました。

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もともと香川県高松市で生まれ育った眞鍋さんは、大学入学と同時に上京しました。
十数年を大都会・東京で過ごしながらも、その胸には以前から
「いつか、地方の時代がくる。」という思いがあったといいます。
そんな予測を、言葉だけでなく行動に移すきっかけになったのは、人生に訪れた2つの転機でした。

最初の転機は、自身が働いていたリーマン・ブラザーズの倒産によって、
ぽっかり空いた1か月でした。
それまでは実家に帰省した際、どちらかというと、実家は「泊まる場所」として捉えていました。
でも、十数年ぶりに1か月間、実家で過ごす、つまりこの場所で「暮らしてみた」ことで、
眞鍋さんが抱く地方へのイメージがガラリと変わりました。

「単純に、都会より地方のほうが、笑顔が多いことに驚きました。
それまで、地方は疲弊しているって聞いていたし、自分自身もそう思っていたけれど、
“個人の暮らし”だけを比べたら、都会の方がよっぽど疲弊してるなって思いました。」

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2度目の転機となったのは、東日本大震災です。
眞鍋さんは、あの震災がきっかけで、人々の中でパラダイムシフトが起きた、
つまり、モノの優先順位や価値観がハッキリ入れ替わったと、感じました。
今まで経済大国だった日本で、「お金よりもっと大切なものがある。」
改めて自分自身と向き合い、これまで大切にしていた価値観と向き合い、
多くの人がそう気づき始めた出来ごとだったことに間違いはありません。

2つの契機を経て、眞鍋さんは地元に戻り、地域の可能性を自身の力で証明しようと決心しました。
その時、舞台に選んだのが、地元・高松と同じ香川県にある小豆島でした。

「小豆島は、オリーブ・醤油・お遍路など、たくさんの魅力がありながらも、
全国的にはまだまだその魅力を十分に発信しきれていないな、と。
その一方で、実は、小豆島は香川県のどこよりも、高齢化や少子化が進んでいるんです。
魅力ある可能性の宝庫である一方で、社会問題の縮図であるという、この島の二面性に、
僕は魅力を感じたんです。」

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眞鍋さんのように、地方へ移住したい!と思っている人も、いざ移住しようとする時に
一番の悩みの種は、「地元の人と上手くやっていけるか?」ということではないでしょうか。
眞鍋さんの場合は、すぐには引っ越さず、仕事を続けながら定期的に島に通うことで、
この問題を解決しました。

2週間に1度島に訪れ、地域への想いについてアツく語っていた眞鍋さんは、珍しがられ、
どこに行っても「変なヤツ」として紹介されたそうです。
紹介が紹介を呼び、2か月後、ついに島の人から、眞鍋さんが欲しくてたまらなかった、
こんな言葉を貰うことが出来ました。

「この島に対して、そんなに思いがあるなら、島に来ればいいやん。」

その時を振り返って、眞鍋さんはこう仰います。
「この島には既に文化も暮らしも生活もある。
僕が地域おこしをしたいからって、そこに土足で踏み込むのは違うなって。
島の人に必要とされて初めて、僕も島に来れると思っていました。」

今となっては友人・知人に囲まれ、様々な事業を展開している眞鍋さんですが、
勿論、最初から全てうまく運んだわけではありません。
地域の課題を解決していく中で、苦労した事もあったといいます。

例えば、島外の若者が島の中学生に勉強を教える寺子屋教室“ティーチングツアー”という事業では、
実施にあたり壁となったのは、校長先生やPTAの方々に自分の想いを伝えることでした。

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「最初はやっぱり、すんなりとは受け入れられませんでしたね。
でも、この島には20代30代の若者が極端に少なくて、中学生が若年層と触れ合えない問題があるんです。
僕が解決したいのはそこなんだっていう事を、何度も説明して、理解してもらって、
やっと実現することができました。」

最初はティーチングツアーに対して懐疑的だった人々も、回数を重ねるごとに、
次第に応援する立場へと変わっていったといいます。
今では町が単独予算を組んで、存続を希望していると聞いて、驚きました。
このように、1つ1つの事業を展開していく中で、眞鍋さんは、島の人と出会い、話し合い、
自分の想いを伝えることで、少しずつ島に馴染んでいったのです。

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また、その過程で役に立ったのは、「地域おこし協力隊」という、人口減少や高齢化の進行が著しい地方に、
外部の人材を移住させることによって、地域の力を高めていこうという制度でした。

この制度を利用したことで、3つのメリットがあったといいます。
1つは、移住当初、報酬を得ることができたこと。
2つ目は職員住宅を借りることができたこと。
最後の1つは、地域での肩書きが出来たことです。

特に、地方に移り住んですぐに「地域おこし協力隊の〇〇です。」と名乗れることは
移住者にとって非常に心強いことではないでしょうか。
肩書きがあるからこそ、広げられた人間関係もあるに違いありません。
縁もゆかりもない場所に移住する時には、是非利用したい制度だと感じました。

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現在の眞鍋さんは、ほかにも島で色々な事業を展開しています。
ポンカフェやティーチングツアーは勿論、小豆島の特産品を使ったギフトカタログの販売、
四国食べる通信という情報誌の発行など、多岐に渡る仕事に携わっておられます。

お話を聞きながら、本当に色々なことをされているなあ!と舌を巻いてしまいました。
しかし、実はここに、都会と地方での働き方の違いがあると、眞鍋さんは言います。
「人口が多い都会では、1つの仕事で食べていく専門職がすぐに成り立つんです。
例えば駅にある靴の修理屋さんを例にとるとわかりやすいんだけど、
島だと、もともとの母数が少ないから、そんなしょっちゅう靴を壊す人っていないですよね(笑)
だから広く浅く、いろんなニーズに対応して少しずつ色んな事をして生計を立てていく、
そうやって“仕事をつくっていく”という視点がここでは必要になってくると思います。
それが、都会と田舎の構造の違いですね。」

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このように、色んな仕事を少しずつ組み合わせることを、
眞鍋さんは「飯のタネを束ねる」と表現されました。
まさに、地域での働き方をうまく言い表した言葉ではないでしょうか。

「それでも、常に、請求書と預金通帳のひりひりする戦いですよ。」
そういって笑う眞鍋さんは、決して贅沢な暮らしをしているわけではないけれど本当に楽しそうでした。

「東京にいた頃の僕は、五感を失っていました。
ここにいると、小鳥のさえずりや波の音が、驚くほど聞こえてくるんです。
匂いも、イチジクの花の香りや、醤油蔵のもろみの匂いを感じることができて、
ああ、都会ではこういうものを失っていたなあって、気づくことができるんです。」

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小豆島で、眞鍋さんは多くの時間をパソコンの前で費やしているそうです。
畳の上で小豆島の光を浴び、風を感じながら、真剣に仕事をする眞鍋さんの姿がそこにありました。
「僕は、ロハスな生活をしたくてここに来たんじゃない。
都会の外資系金融機関で働いていた頃と、同じ緊張感を持ってここで仕事をしています。
その先に、一体何が見られるかを僕は試したいんです。」

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取材を通して、都会への未練を微塵も感じさせない眞鍋さんに一種の羨ましさを感じました。
バイタリティ溢れる人柄とフットワークで、以前と変わらない時間の流れの中、仕事を続けている。
けれども、島と寄り添いながら暮らす眞鍋さんの姿は、まさに自由で、豊かそのもの。

それは“お金があるから幸せ”だとか“好きなことできる時間が多いから自由だ”とか、
そんな通り一辺倒の、見かけだけの幸せなんかじゃない。

個々の“豊かさ”とは何かを、もう一度眞鍋さんの生き方を通じて、
自分自身に問いかけられた気持ちになりました。

(取材・文/山本由美子 撮影/山谷和史 コーディネーター/古市邦人)



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企画名 ティーチングツアー小豆島
日時 ティーチングツアーのプログラムは全て終了いたしました。
活動内容 小豆島の中学生への学習サポート(自習形式)
活動場所 小豆島中学校
応募資格 四年制大学生および大卒以上の20代の男女。
誠意を持って生徒と向き合える方。
(選考あり)
募集人数 各回6名
補助 小豆島⇔神戸のフェリー、島内の交通費、宿泊費、
一日目の昼食・夕食代は全額補助
服装・持ち物 動きやすい服装、宿泊の用意、現金(神戸港⇔自宅の交通費、温泉代、2日目の食事代)
参考webサイト https://www.facebook.com/459.co.jp
スケジュール <土曜日>
08時00分 神戸港出発
11時10分 坂手港到着
12時00分 島の昼ごはん
13時00分 「寺子屋教室」開始
16時00分 「寺子屋教室」終了
16時30分 島の手仕事ツアー
19時00分 島の晩ごはん

<日曜日>
07時20分 坂手港出発(帰りのフェリー出発時間は変更可能)
10時30分 神戸港到着
応募者へのメッセージ 2012年7月から始まったこのツアーですが、これまで28回開催。約150名の『教育』や『地域活性』に想いのあるメンバーが参加してくれました!
小豆島で、島の中学生の学習サポートをしたいという若者を募集します!!アツい仲間の参加をお待ちしています!
参加までのフロー 1.こちらのフォームよりエントリー。
2.眞鍋さんからの連絡後、直接のやりとりをお願いします。
※各回先着順ですので、希望に添えないことがございます。ご了承ください。
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