求人情報

吉本興業株式会社

吉本に、いてる。

  • 2012/10/18 公開
  • 2017/10/11 更新
※ハローライフでの募集は終了してますが、
採用状況は各社に問合せください

ここ大阪では、土曜日のお昼になるとテレビからホンワカパッパ〜♪というおなじみの曲が流れてくる。
「吉本新喜劇」のテーマソングだ。
今回ご紹介するのは、この吉本興業でのお仕事。
吉本という環境をフルに使って大阪府の魅力を発信する、
イベントプランナーを一名募集します。

この仕事は、大阪府の緊急雇用創出基金事業です。
この事業は、現在働いていない人が次の雇用を得るまでの間、府が企業に委託して短期の仕事を提供するもの。
職場での経験を通じて、就労につながる力を身につけてもらうという目的があります。
そのため、契約期間は来年3月までで更新はありません。応募の際はご注意くださいね。

Prologue お客さんがくると元気になる。


10月1日、僕たちはなんばグランド花月(NGK)を訪れた。
天気は薄曇りで、時折小雨がぱらついていた。
百周年を機にリニューアルしたNGKの入口では、芸人さんのマスコットがお客さんを出迎えていた。

くるりとカーブした階段を降りて、応募者が採用後通うことになる
「よしもと47ご当地市場」(以下「47ご当地市場」)に着いた。
47都道府県に住む芸人が見つけてきた物産を販売しているこの市場。
僕たちが伺ったときはオープン直後で、
まだお客さんは、ぱら、ぱらとしかおらず、
レジに立つスタッフの方々もすこし所在なさそうに見えた。

正午過ぎ。新喜劇が終わり、人がどっと流れ込んで来た。
子どもが通路を走りまわり、レジの音がひびき、「いらっしゃいませー!」がこだまする。
この日からはじまったスタンプラリーのゴール地点には列ができて、
対応していたスタッフがあわてながらも、うれしそうに接客をしていた。

その様子を見ていて、自分が元気になるのを感じた。
お客さんが来てくれるというのは、お店にとってエネルギーそのものなんだな。
表情、声色、なにもかもが変わった。

STORY1 毎週イベントがずーっと続いて入っています。


47ご当地市場からエレベーターで四階に上がり、会議室でインタビューをさせていただいた。
「しゃべるのは苦手なんです」と言いながら、
長井誠さんは、今回の事業について説明してくださった。

長井さんは、47ご当地市場の運営統括をしており、応募される方の上司にあたる。

長井さん(以下、敬称略):
   来年3月までの間、20カ所で大阪府のブースを出店したり、
   イベントを実施したりします。
   先週が1カ所目で、大阪キッズダンスフェスティバルと
   コヤブソニックにブースを出しました。
   今週末は、大阪あきない祭、来週は、御堂筋kappo、
   そのあと、水都フェス、10月末にはよさこい祭、
   毎週イベントがずーっと続いて入っています。

   緊急雇用の事業なので、こうした出店、実施をしながら、
   イベントの頭から最後までできる人間をつくっていくっていうのが
   一個目的としてあります。

「一個」目的としてある、とおっしゃったのは、今回の仕事に目的が二つあるためだ。
一つは、イベントプランナーを育成すること。
もう一つは、イベントを通じて大阪府の魅力を発信すること。

山下なつきさんは、9月11日からこの仕事に携わっている。
今回の緊急雇用では、すでに四名が採用されていて彼女はその一人だ。
現在は47ご当地市場の売り場に立ち、販売の経験を積みつつ、
長井さんたちがプランナーとしてどのような仕事をしているかを学んでいる。

長井:いっしょに打合せや説明会とかにも行って、
   こんな感じでやってるっていうのを勉強してもらって、
   だんだんと年末から来年にかけて、
   イベントの出店者さんとの調整をしたりとか、商品のことを決めていったりとか、
   理想をいうと、会場での限定商品、新商品開発とかまでいけたらなと。

販売からはじまり、打合せへの参加を重ね、調整業務ができるようになっていく。
その後は、長井さんたちと協力しながら、大阪の魅力を発信するイベントを企画し、
47ご当地市場でテストをして、最後は、吉本の施設外で本番、となる。
理想を言えば、新商品開発までいきたい。これが3月までの仕事の概要だ。

採用されて二週間。山下さんは、こんなふうに感じながら仕事をしているという。

山下さん(以下敬称略):
   まだちょっとあの、「イベントの頭から最後までできる」のほんとに頭のところで。
   今の段階では、とりあえず47ご当地市場で売り場をさしていただいている状態なので、
   イベント実施にはあまり携われていないというのはあります。

長井:(いまやっているイベントは山下さんが)入ってくる前から進めていたりするので…

と長井さん、すかさずフォロー。
気づかいが伝わってくる。

山下:打合せも長井さんたちが事前にメールでやりとりされているので、
   わたしはほとんど聴いてるだけなんですけど、
   イベントに昨日出させてもらってすごい楽しかったので、
   もっとこう一からじゃないですけど、
   携わらせてもらったら楽しくなるのかなという期待はあります。

昨日のイベントは、どんなふうに楽しかったのだろう?

山下:私は、大阪キッズダンスフェスティバルの担当で
   「大阪ミュージアム」っていうブースを出させていただいたんですけど、
   呼び込みとかして買っていただいたらすごくうれしくなりますし、
   お客さんが商品を手にとっていただいたら、すごく楽しかったり。

   私たちのブースの横、NPO法人さんだったんですけど
   「これ、どうぞ」ってパンフレットをもらった中に
   たまたま吉本の芸人が出ていて
   「あっ、こういうところにも結構つながりがあるんだな」って。
   イベントごとにそういったつながりもできたらなあって思いました。

売り場に立ち、お客さんとかかわる中で
うれしかったり楽しかったりしながら、少しずつ何かを蓄えている。
そんな二週間だったのかなと想像する。
インタビュー前、お客さんが売り場に入ってきたときの
心身が元気になる感じを思い出しながら、お話をうかがっていた。

STORY2 いま、ぐっとこう、つくってる感じがある。


ハローライフでは必ず「どうして、この仕事をするようになったのですか?」という質問をする。
長井さんは、その質問にこんなふうに応えてくださった。

長井:吉本に入ろうと思ったのは、簡単に言うと、お笑いが好きだったのと、
   ラジオが大好きで、マスコミ系のところに就職したいなっていうのがありました。
   で、就職活動になって、関西の放送局とか、東京も全国も受けて、
   それでも不安だったんで、銀行とか商社とか地元の企業とかも受けたり、
   六十社、七十社ぐらい就活してて、唯一合格できたのがここ吉本だったっていう。

   親は、もう地元に帰ってきてほしいって結構反対したんですけど、
   やれるだけちょっとやってみたいと思って就職しました。
   まあ大変だろうなと思ってたんですけど。

入ってみてどうだったんですか?

長井:思ってたよりも大変でした(笑)。
   僕、ラジオも好きだったし、面接でも番組制作がしたいって言ってたんで、
   番組制作の部署に配属になって。毎日連日、真夜中過ぎまで仕事して、
   体調くずしたり、一週間二週間高熱出してとか結構ありましたね。

そんな映像制作の部署での仕事を経て、入社五年目に47ご当地市場の部署に異動になった。

長井:そのなんか
   「お前食べること好きだろ」「そうですね、そうですね」っていう感じで(笑)
   なんか、ちょっとやってみたらって言われて、
   部署は映像制作のままオープン前のお手伝いをしてて、3月に異動になりました。

長井:北海道から沖縄の出店者だとか、商品集めたりとかっていうのが
   4月8日オープンの一ヶ月前ぐらいからちゃんと動き出して、
   かなりドタバタでオープンさせました。

   物産って百貨店だと四十人とか六十人とかでまわす部署なんですけど、
   それを五人(笑)でやって、すごい大変だった。
   ぜんぜんもう覚えてないくらいです。

思わず「お疲れさまでした…」と声をかけてしまった。
吉本に入ってからずっと大変だったんだなあ、お気の毒。
とちらっと思ったのだけれど、次の質問をして印象はがらりと変わった。

「やりたかった映像制作の部署から異動になって、抵抗はなかったんですか?」

長井:抵抗、全然なかった。
   映像制作のときは、スケジュールを調整したり
   社内とテレビ局との向き合いっていう作業ばっかりだったんで、
   番組を一からつくってる感じがしなかったんです。

長井:それがいま物産をやるようになって、
   毎週フェアが入れ替わって、毎日違うお客さんが来て、
   北海道の出店者の人たちがおいしいとこ連れてってくれたりとか
   つながりができたりもしますし、

   いま、ぐっとこう、
   ほんとに一からオープンのときからやってたんで、
   つくりあげてる感、やりがいっていうんですかね、
   すごいあって、いまの方が楽しい。
   ぜんぜんなんか吉本って感じがしないんですけど、楽しい。

このときなぜか、鳥肌が立った。
願いがすべて叶ったように見える部署にはなかった「つくってる感じ」が、
吉本という感じがしない物産の仕事に「ぐっとこう」ある。

長井:POPがテロップ、出店者さんが出演者だったら、それをどうよく見せて、
   お客さん、視聴者に喜んでもらえる並びにするかっていうところをやってる。

   いままでは話の上だけのやりとりだったのが、
   ぐっとこう、実際に自分の身体を動かしたり、
   荷物を運んだりとか、指示出したりしてやってるっていう部分、
   ほんとつくってる感じ、47ご当地市場が一個の番組だったら、
   それをつくってる感じがあります。

47ご当地市場に入ったときの第一印象は、失礼を承知で言うと「お金かかってないなあ」だった。
でも、こここそが長井さんの「番組」で、
「つくってる感じ」や「やりがい」が存在しているんだと思うと、
自分はなにかを感じ損ねているのかもしれないと思えた。

そうそう、僕たちが最初に見た山下さんは、
パソコンでつくったPOPをガムテープで銀のポールに貼り付けようとしていた。
あれこそが「つくってる感じ」だったんだ。


Story3 吉本の中でいてるっていうのがよかった。


その山下さんは、こんな経緯で今回の事業に応募したという。

山下:入る前からずっとお笑いが好きで、特に吉本が好きで、
   去年一年間、社会人をやりながら、
   よしもとクリエイティブカレッジ(YCC)っていう
   スタッフ養成の学校で学ばせていただいてました。
   
   卒業してすぐ、いろいろ募集があって応募してたんですけど、
   なかなかうまく決まらなくって、
   今回の事業で採用していただけたので入ったっていうかたちになります。

ちょっと興味が沸いて「吉本が特に好きですって、どんなふうに好きなんですか?」と尋ねた。

山下:えーっ。まあ、ずっと、小学校までは大阪に住んでたので、
   もちろん土曜日の昼には新喜劇をみたりだったりとか、
   劇場とかも行かせていただいたりとか、
   最近だとネット番組とかもいろいろ見たりとかしてて。
   まあ、吉本、すごいと思って。
   やっぱり圧倒的に芸人さんの数とかテレビとかに出てるのが多いので、
   自然に好きになっていったという感じですね。

そんな山下さんの「好き」は「働きたい」につながっていく。

山下:ワンダーキャンプ関西っていうイベントを去年吉本がやってたんですけど、
   YCCの授業の一環として、私たち生徒もスタッフとして働いてたんです。
   ほんとに実際に裏方として入ることができて、
   より実践に近い形で学ばしていただいてたんで、
   すごいよかったのかなと思うんですよ。
   
   より吉本が好きになったというか。
   もともと好きだったのがより好きになったって感じですね。

なんだかのろけ話を聴いているような感じがした。
でも、分かるような気もするけれど、
尋ねても尋ねても吉本の何が好きなのかにたどり着けない。
「吉本の何が好きなんですか?
 芸人さんなんですか、イベント制作なんですか、それともなんなんでしょう?」
と特定を試みると、こんな応えが返ってきた。

山下:YCCを卒業した後に
   「テレビの制作会社の紹介もあるんですけど、どうでしょう?」
   って言われたんですけど
   「私は吉本が好きなんで、吉本のどの部署でもいいから働きたいです」
   って言ったんです。

   なので、今回物産でテレビとか劇場とは違いますけど、
   吉本に携われているっていうので、すごい、楽しいんです、わたしは。
   お笑いとは離れてますけど、なんか吉本の中でいてるっていうのがよかったので。

この日しつこくくり返した質問を、もう一度だけしてみた。

「どうして吉本なの?」

山下:えへへへ。なんで、うーん、なんでですかねえ?
   もちろん芸人さんが好きっていうのもありますし、その根本はお笑いが好きで。

   物産じゃお笑いとは違いますけど、
   吉本の事業ってなにかしらでお笑いが絡んでくるというか、
   47ご当地市場でも一階で若手の芸人さんがライブをしてたりとか、
   なにかしらでお笑いとは関わってられるというか、
   そういうのがよかったのかな、と。

そのとき、突然、長井さんが口を開いた。
「話すのは苦手」という長井さんが、尋ねてもいないのに話に入ってくるのは、
このインタビューではじめてのことだった。

長井:その、なんていうか、番組制作だけがしたかったわけじゃなくって、
   だから物産に抵抗がなかったと思うんですけど、
   だから、ほんとに、なんだろう、
   いろんな部署あるんですけど、別にそんな、希望は特にないんです。

長井:物産いまやってても、花月食堂ができたり、毎日生放送のロケ入ったりもしますし、
   NSC(芸人養成学校)の生徒がバイトで働いてるのもそうですし、
   北海道から沖縄までの商品が全部「住みます芸人」が
   チョイスしてきた商品だったりするので、なんかしらお笑いに絡んでいますし、
   ほんとに直球の物産展っていうよりかは、
   なんかしらお客さんに喜んでもらうっていうところに絡んでいる。
   どの部署に行ってもいっしょだと思います。

長井さんの中から間欠泉のように噴き出したこの言葉は、とても信用できる感じがした。
なんかしらお笑いに絡んでいる。長井さんや山下さんにはそれが感じられるのだ。
だから「どの部署に行ってもいっしょ」。
この応えをうかがって、僕は「会社」や「仕事」を
小さく捉えすぎていたのかもしれないなあと思った。

彼らの「吉本が好き」は、地域の人たちが口にする「この町が好き」に似ている。
転勤族の僕には「この町が好き」の本当のところが分からない。
いつも彼らの「ここにいることがうれしい」という気持ちが分からず、
感じ損ねてしまう。このインタビューでもそうだった。
でも二人はたぶん、吉本に「いることがうれしい」のだ。

Epilogue 吉本が好き。


新しく来る方にどんなことを求めますか?と尋ねると
「元気がよくて体力があって、声が大きければなおよし」と聴かせてくれた。
それから「吉本は絶対に挨拶」とも。

元気、体力、大声、挨拶。それを100年やってきたのが「吉本」。
ホンワカパッパ〜♪を聴くだけで「あっ、新喜劇だ」と気づくことができるように、
それは長井さんや山下さんの身体に染み込んでいるものなのかもしれない。
「ぐっとこう」感じられるようなかたちで。

この記事を書くときに、
僕は「3月で契約が終わってしまい更新はない」ことが気がかりだった。
けれど、山下さんの「吉本が好き」を聴いているうちに、
そんなことはどうだっていいことのようにも思えてきた。
とにかくいま、吉本という場所で、「吉本にいてる」ことで
喜んでいる人がいることはたしかなので。

今回の緊急雇用で、すでに採用されている四名の経歴はバラバラだ。
まったくお笑いに詳しくない人もいるし、アルバイトをずっとしていた人も転職組もいる。
「吉本が好き」について長々と書いてきたけれど、
それは、この仕事をするにあたっての条件ではない。

だとすると、求人広告としてどうなの?とも思うけれど、
「吉本が好き」という気持ちに触れられて、僕はとても良かったように思う。
「ここにいてうれしい」という二人がいましたよ、
としか言ってない記事になったけれど、ま、いいかと思っている。

(2012/10/18 インタビューと文:澤 祐典、写真:箭野 美里)

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だれかに教えてあげてね

募集要項

企業名・団体名
吉本興業株式会社
募集期間
採用予定人数に達し次第、終了
募集業種
イベントプランナー
・物産イベント企画、準備、販売など
・府外でのイベントもあり(出張)
雇用形態
契約社員
雇用期間
即日~平成25年3月31日
契約更新の可能性なし
試用期間 3ヶ月
学歴
高卒以上 必要な資格:不問
必要な資格
不問
年齢
39歳以下
(特記事項:未就職卒業者や若年者
 【雇用開始日時点満40歳未満】で
 就職未内定の者等の失業者に対しての募集)
勤務地
〒542-0075 大阪府大阪市中央区難波千日前11-6
勤務時間
9:30~17:45(休憩:45分)
休日
週休二日制(毎週)、年末年始
給与
時給 1,000円
※ 月平均労働日数 20.2日
   1,000円×7.5H×20.2=151,500円
 (月賃金の目安)
賃金締切日・支払日
締切日:毎月10日
支払日:毎月25日
通勤手当
毎月 50,000円まで
昇給・賞与
なし
有給休暇
6ヶ月経過後10日付与
加入保険
雇用・労災・健康・厚生
採用人数
1名
応募プロセス
書類(履歴書(写真付き)・職務経歴書)選考
 ↓
面 接
 ↓
採用決定

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