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2015.09.28 公開 2016.01.05 更新
阪神金属興業株式会社
宝の山に挑む、リサイクルのパイオニア

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください

(成分ごとに分けられたステンレスの山。その迫力に思わず感嘆の声しか出ない。)

(成分ごとに分けられたステンレスの山。その迫力に思わず感嘆の声しか出ない。)


およそ900坪もの広い敷地内の奥に、うず高く積まれた金属片やステンレスの塊。
それらを前にして、踊るように滑らかな動きをする一台のクレーン車。
意思を持った恐竜のようにも見えるし、異世界のエイリアンのようにも見える。
その横には、金属を一瞬にしてぺしゃんこにしてしまう巨大なプレス機。
プシュープシューと音をたてている様は、
まるでなんでも飲み込んでしまうブラックホールのようにも見える。
(大きさも形もバラバラのステンレスたち。このあとどうなるのか、興味津々。)

(大きさも形もバラバラのステンレスたち。このあとどうなるのか、興味津々。)


実はこの場所、大阪府高槻市に本社を持つ阪神金属興業株式会社でのひとコマ。
しかしどう見たって、目の前に広がる風景は、
「SF映画に出てくるセットのよう」と言っても過言ではないくらいだ。

「このステンレスの山、正直はじめはゴミにしか見えなかったんですよね」
そう言って豪快に笑うのは、同社社員の平岡大さん。
正直なところ、私の気持ちを見透かされてしまったのか?と、
内心焦ってしまったのだけれど…(笑)

そこで平岡さんが続けるには、
「でも、今では『宝の山』にしか見えなくなりましたけどね(笑)」とのこと。
(プレス機で成形され、積まれたステンレス。その高さ、およそ5mほど!)

(プレス機で成形され、積まれたステンレス。その高さ、およそ5mほど!)


詳しく聞いてみると、ジャングルや砂漠への危険な旅に出るわけではないけれど、
どうやら「トレジャーハンター」のような一面を持つ企業らしい(!)
ということで、今回新たに「営業職」と「生産管理職」の募集を行う阪神金属興業。
そんな同社の秘密に、ぐぐっと迫ってみることにする。


世界経済にも影響する、ステンレスの存在。

今から遡ること、28年前。
ある日、まちの中に掲げられていた「これからはステンレスの時代だ」と
書かれた広告をみかけ、「ビビビッときた」というのが、社長の夏山春夫さん。
それまでは、一企業に勤める普通のサラリーマンだったというけれど、
「自身のひらめき」と「ステンレスの先見性」を信じ、ニッチな業界にもかかわらず、
自らの残りの人生を賭けることにしたのが、ここ阪神金属興業の始まりだ。
(にっこり笑顔で、「どうぞ」と優しく迎えてくださった夏山社長。)

(にっこり笑顔で、「どうぞ」と優しく迎えてくださった夏山社長。)


そんな阪神金属興業の事業を簡単に説明しておくと、食品工場や金属加工会社、
建設物の解体現場から出た金属やステンレスを買い取り、選別・解体・分別をすることで
「高品質なステンレス」へと生まれ変わらせるリサイクル事業が主軸。
加えて、大きなプラントの解体作業や廃タイヤ処分事業など、
多岐にわたった事業を展開している。

実は、取材に訪れるまであまり意識したことがなかったけれど、
自分の身の周りにあるステンレスを思い浮かべてみると…、
キッチンなどのシンク周りに、ホームセンターで売っているような組み立て式家具など、
もしや、あれもこれもステンレス?夏山社長の予見通り、
今ではなんとも身近な金属になっていることに気付かされる。

それもそのはず、ステンレスは「錆びにくい」のが最大の特徴でもあるので、
家庭の水回りにはじまり、食品会社に飲食店、
はたまた液体を常に入れ続ける工業用のタンクに至るまで、
幅広い場所で使用されているというわけなのだ。
(中には、キッチン用品や日用品など、私たちの身の回りで使われているものもある。)

(中には、キッチン用品や日用品など、私たちの身の回りで使われているものもある。)


ということは、つまりステンレスは、
割とどこにでもある「珍しくない金属」ということになる。
さきほど、冒頭で社員の平岡さんが口にした「宝の山」とは、
程遠い気がするのだけれど…?

すると、夏山社長がひとこと。
「ステンレスの主原料は、ニッケルにクローム、それに鉄が入っているんですけど、
それぞれの比率によって、種類やカタチ、大きさが違ってくるんです。
ということは、その比率によって金額も大きく変わってくるということなんですよね」

一般的にニッケルが多く含まれているステンレスが高い相場になる。
ということらしいのだが…、一体その比率をどうやって見分けるのだろう?
まさか、自分の眼力だけを頼りに…?と、いささか不安に思ってしまう。

「そりゃ入社してすぐは、まず『ステンレスとはなんぞや?』という商品知識を、
3ヶ月~半年ほどしっかり勉強してもらいます。それが全ての基本やから。
ただ、そこから5年ほど経ってくると、見ただけでもある程度わかるようになると思います。
それに、今は機械を使ったり、熱を加えたときに出る火花の色で検知したり、
いろんな測定方法があるから心配ないですよ」と、夏山社長は笑う。
(この角材が、金属メーカーや鉄鋼メーカーに販売するための商品というわけだ。)

(この角材が、金属メーカーや鉄鋼メーカーに販売するための商品というわけだ。)


今回募集をする職種のうち、生産管理職に配属されれば、
仕入れたステンレスの山の中から、不要物を分別し、成分ごとに選別し、
重機を操って、純ステンレスの角材をつくりあげていくことが仕事になる。
まさに、平岡さんの言う「宝の山から宝探し」のような仕事だというのも、頷ける。

とすると、営業職も、同じく宝の山から宝探しのような仕事なんだろうか? 

「ステンレスの主原料であるニッケルは、変動相場制の品物だから、
常に価格が変動するんですよ。株だったら東証取引所っていうのがあるでしょ?
同じように、イギリスに『LME』というロンドン金属取引所があるんです。
そこで、全世界の非鉄金属の相場が決まるんですけど、
営業職は毎日欠かさずチェックしているわけです。
つまり、相場を見極めて価格交渉をする役割なんですよね」と、夏山社長。
(時には、現場に出向いて解体作業を行うのも、阪神金属興業の仕事のひとつ。)

(時には、現場に出向いて解体作業を行うのも、阪神金属興業の仕事のひとつ。)


なるほど、不要になったステンレスの 「仕入れの窓口」でありながら、
リサイクルしたステンレスを卸す「販売メーカーへの窓口」でもある営業職。
それは、使われなくなったモノの適切な商品価値を知り、
ここぞという売買のタイミングを知ったうえで新たな命を吹き込む。
まさに目利きの仕事そのものというわけだ。

ここで、現場をよく知る社員の平岡さんにも加わってもらいながら、
日々の仕事について教えてもらうことにする。


人情味こそが、最大の武器。

もともと物流担当としてトラックを運転しながら、生産管理の仕事もこなす日々を5年間、
それから一転、尼崎事業所の総務担当として内勤の日々をこなす5年間と、
外勤・内勤で多くの人と接してきた、入社10年目の“頼れる先輩”だ。
(普段は、尼崎事業所にてバックオフィスを担当する平岡さん。)

(普段は、尼崎事業所にてバックオフィスを担当する平岡さん。)


そんな平岡さんに、阪神金属興業の一日を尋ねてみると、
出社時間は、およそ朝7時~朝7時半。部署ごとに内容は違うけれども、
業界的に「朝早く、夜も早い業界だから」ということで、
夕方18時くらいには退社するという、至って健康的な一日だという。

「ただ、どの職種も入社してしばらくは『覚える』時期ですね。
ステンレスの種類や特徴、取引先に、配送ルート、それぞれの作業内容など、
とにかく覚えることが仕事。例えば生産管理職の場合、
うちの会社で使う重機は、ちょっと他の工場と違う使い方をするんです。
フォークリフトなんかは、モノを運ぶという単純な動きに加えて、
大きな箱を掴んでひっくり返すという操作が必要になってくる。
正直、こんな使い方『どこかで経験したことある』っていう人、
ほとんどいないと思いますよ(笑)」

ただ心配することなかれ、仕事をするうえで必須になる資格は、
会社からのサポート体制が整っているので、
入社後に必要に応じて取得することができる、とのこと。
しかし、生産管理職は屋外での作業が必須になるがゆえに、
下手をすれば危険と隣り合わせと言っても過言ではないし、
営業職だって、多くの商品知識や適切な価格を知る上では、
「こうである」と勝手に思い込むこが、時にビジネスの命取りになる。
(現場では、チームになって先輩指導のもと作業にあたる。)

(現場では、チームになって先輩指導のもと作業にあたる。)


「ステンレスが積んである山って、言い換えれば、
鋭利な刃物が折り重なっている山みたいなものなんですよね。
僕が入社してしばらく経ったとき、先輩たちから口すっぱく言われているにもかかわらず、
自分の不注意で小さな怪我をしてしまったんですけど、
あの時はものすごく怒られましたね…」
と当時を振り返る平岡さん、ちょっと恥ずかしそうだ。

実は、ゲキが飛ぶような現場を想像していたのだけれど、
社内行事も多く、事業所の垣根を越えて「社員の仲がいい」という阪神金属興業。
しかし、安全第一の現場で見せる気遣いは、やはり優しさとは一味違うのだ。
(相手の行動を読み「阿吽の呼吸」で動けることこそ、現場で必要なスキルの一つ。)

(相手の行動を読み「阿吽の呼吸」で動けることこそ、現場で必要なスキルの一つ。)


「業界的に、職人気質でアクの強い人間が多いんですよね。
だから営業なんか行くと、ルート営業にも関わらず
『また今日も怒られちゃいました(笑)』っていう営業の人間もいるくらい。
でもそれは、信頼できる相手だからこそ、思いやりを込めた愛情表現みたいなもの(笑)
だから、そういう意味でも『いろんな人と話をするのが好き』っていうのは、
うちで働くうえで大事なポイントになってくるかもしれませんね」と、
いたずらっぽく笑う。
(現場では、10代・20代の若い社員も活躍している。)

(現場では、10代・20代の若い社員も活躍している。)


そこで夏山社長も深く頷く。
「例えば、昔の電気屋さんって商品の販売から組み立て、
修理に至るまで全部できたわけですよね。それはなぜかというと、
モノを売ることをそのものが、人と人としての信頼関係を築くものやったからです。
でも今の消費行動は、大手の電気店で買って、壊れたらすぐ捨てるという繰り返し。
『あの人だから』とか『あの人に頼もう』という店と客の信頼が
あまり介在しないような時代になってしまった。だからこそ、うちは、
あえて今でも昔のような営業スタイルを大事にしようって思っているんです」

コミュニケーションツールの圧倒的な拡大によって、
相手が目の前にいなくても、いつでもどこでも会話ができて文字を送り合える時代。
それでも、直筆の手紙をもらうとなぜか心がじんわりと温かくなるように、
時間と労力をかけながらも築いていく関係性は、何より強い絆に変わるもの。

そんな絆を象徴するかのようなエピソードをひとつ、紹介する。
(回収した金属を指定の場所に運搬する様子。専門車の取り扱いは、入社後その技術を習得していく。)

(回収した金属を指定の場所に運搬する様子。専門車の取り扱いは、入社後その技術を習得していく。)


今から20年前に起きた、阪神淡路大震災の時のこと。
大阪から兵庫県・姫路市にある販売メーカーまで、通常なら片道2時間半、
往復でも半日で帰ってこられる道のりなのだけれど、
当時は国道2号線に阪神高速、中国道は一部通行止めとなり、どの道も全て渋滞中。
それにもかかわらず、何とか取引先に商品を届けるために迂回に迂回を重ね、
行き帰りに1日半、下手すれば2日間(!)
帰ってきてまた休むことなく、ピストン配送をし続けたというから驚きだ。

「うちがここまで成長できたのも、
国内のメーカーに育ててもらったからこそ」という夏山社長の言葉通り、
お金も人脈もゼロの状態から出発した社長を支えたのは、
今でもお付き合いのある国内大手の金属メーカーたち。
そこに自らの行動をもって応える男くさい夏山社長の姿を通じて、
「恩義と礼節」を重んじる阪神金属の社風が、垣間見えた瞬間でもある。


視点の変換にこそ、チャンスが詰まっている。

そうやって数々の苦難の道のりを歩み続けてきた夏山社長。
だからこそ、あえて次の質問を投げかけてみた。

「もしこの仕事がなかったら、世の中はどうなってしまうんでしょう?」

その質問に、間髪いれず答えてくれる。
(社員への愛情が深いのも、社長自身が現場を10年経験してきたからこそ。)

(社員への愛情が深いのも、社長自身が現場を10年経験してきたからこそ。)


「もしこの仕事がなかったら、そもそも“モノ”がつくれなくなっちゃうでしょうね。
うちが取引させていただいている金属メーカーは、
製品をつくるときに必ずスクラップしたステンレスを再溶解して、
新たな製品をつくっているわけですから」

驚くべきことに、仮に100トンのステンレスをつくるとしたら、
とあるメーカーによっては、そのうちの80%に割合が
リサイクルしたステンレスを使用している企業もある、とのこと。
もし「ステンレスリサイクル」の概念がなければ、今ある製品の生産ラインが、
根本から崩れてしまうというわけだ(!)
(火気を扱う現場だからこそ、「安全第一」が何より最優先事項なのだ。)

(火気を扱う現場だからこそ、「安全第一」が何より最優先事項なのだ。)


「我々のような原料商の原点を辿れば、
戦後、焼け野原の鉄くずを拾っていた『スクラップ』とか『寄せ屋』に端を発するわけです。
だから、世間的に見てもいわば末端の業種とされてきた。
でも、ここ15年間くらいかな、ようやく社会的に認知されるようになってきたんですね。
その背景にあるのが『リサイクル』に対する再認識なんです」

そこで阪神金属興業が、現在とある企業とコラボして研究開発を
行っているというのが、バイオテクノロジーを使った土壌汚染対策のプロジェクト。
本来、生物が持つ能力や性質を上手に利用し、
工場跡地などで傷んだ土壌を綺麗な状態に戻すことで、
環境保全に生かす「次なる一手」に取り組んでいる最中だという。

資源を有効に使い、廃棄されるものを最小限に抑えること。
仮に廃棄が出たとしても、再生できるものは資源として、
新たに再生利用すること。扱うものの差こそあれど、リサイクルとはつまり、
循環する社会、持続可能な社会をつくっていくことだ。
(現場とメーカーをつなぎ、橋渡しをするのが阪神金属興業の役割。)

(現場とメーカーをつなぎ、橋渡しをするのが阪神金属興業の役割。)


「自分がやっている仕事がどこにつながっているのかなんて、
入社して初めの頃は、ほとんど見えないことのほうが多いと思うんです。
でも、僕たちがステンレスを回収して、そのステンレスを原料に、
金属メーカーや鉄鋼メーカーが、また新しい製品をつくって世に送り出す。

例えば、取引先の新日鉄住金さんは
『世界一』と称されるシームレスパイプをつくっておられるんですけど、
継ぎ目がないパイプなので、ガスプラントや油田でよく使われるんですね。
そうやって、僕らが納めた原料で、世界中で使われている製品ができているんや、
っていうことを日々認識するようにしています」
そう力強く話す平岡さんの顔は、なんだか誇らしげに見える。
(このステンレス片が、再び新たなステンレスの商品に生まれ変わるなんて!)

(このステンレス片が、再び新たなステンレスの商品に生まれ変わるなんて!)


見方によれば「いらなくなった、ただのゴミ」に過ぎないかもしれない。
でも、世界一の製品を生み出すための材料として、
また、これ以上無駄なゴミを出さない仕組みの一翼を担っていると考えれば、
「価値を秘めたるもの」にしか見えなくなる。

これを書いている私自身、いつしか取材を終える頃には、
平岡さんが冒頭で話していたように、
ステンレスの山が確かに「宝の山」に見えていたのだった。

そういう意味では、この仕事は
もしかして「人のいいところを見つけるのが得意な人」なら、
向いているんじゃないかな。
(「これからは女性の時代」と夏山社長。写真は男性ばかりだが、ならではの目利きが生きる営業職は女性も活躍できる。)

(「これからは女性の時代」と夏山社長。写真は男性ばかりだが、ならではの目利きが生きる営業職は女性も活躍できる。)


どんなモノやコトにだって表と裏があるように、
光が当たっている部分だけじゃなく、
裏に隠れている部分にまで目を向けられる人ならば、
きっとあなただからこそ見つられる面白さが詰まっているはず。
リサイクルという仕事を通じた、「トレジャーハンター」のような仕事が、
ここにはある。


※本求人記事は、NPO法人スマイルスタイルが大阪府より委託を受け、
「地域人づくり事業(雇用拡大プロセス)未就職卒業者等と
優良中小企業早期マッチング事業(事業期間2015年3月〜2015年12月)」の一環で
作成したものです。

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Job description
募集職種
企業名・団体名
阪神金属興業株式会社
募集期間
募集終了
募集業種
①営業
②生産管理
雇用形態
正社員(試用期間3ヶ月)
応募資格
未経験可
要運転免許
勤務地
①高槻市唐崎北2-15-1
②尼崎市東向島西之町1番地
勤務時間
8:00〜17:00(内、1時間30分休憩)
給与
20万円〜30万円 (経験・前給を考慮し、面談の上決定します。)
休日・休暇
休日/土曜日隔週・日祝日・夏期休暇・年末年始 年間休日101日
待遇
交通費支給(全額、車通勤は当社規定による)
皆勤手当てあり、社会保険完備
採用予定人数
各1名
選考プロセス
1)まずは履歴書・職務経歴書等の書類作成サポートや面接対策、キャリア相談等を実施致しますので、下部のエントリーフォームよりエントリーしてください。ハローライフよりご返答させていただきます。

2)書類選考

3)面接

4)内定
WEBサイト
http://www.hanshin-metal.co.jp/