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株式会社大阪アサヒメタル工場の求人サムネイル
2015.10.07 公開 2022.10.03 更新
株式会社大阪アサヒメタル工場
人の手でしかできない仕事

※ハローライフでの募集は終了してますが、採用状況は各社に問合せください

1分間に何千回も回転するタービンや重荷重を受けるディーゼルエンジンなど、
それらが生み出す高エネルギーを確実に無駄なく伝達し、
シャフト(軸)の回転運動を支える「軸受」。
最も大きな用途は、発電。原子力を筆頭に火力、水力と全ての発電所に対応し、
日本にある40〜50%の発電所でアサヒメタルの軸受が使われています。

(アサヒメタルの工場内。吊られているものが軸受です。)

(アサヒメタルの工場内。吊られているものが軸受です。)


2011年の大震災で原子力発電所が深刻なダメージを受けたことは、記憶に新しいでしょう。
当時は夜通しでその対応に追われていたというエピソードは、
アサヒメタルの仕事が社会インフラを支える重要なものであることを示してもいます。
安部研社長はそんなアサヒメタルの仕事を評して、率直にこう語ります。
「危険、きつい、汚い、3Kの代表的な仕事です。
いいところだけを伝えて『働きにきてください』とは、
なかなか言えないというのが本音ですね」

そこで、「いいところ」も「大変なところ」も含め、
アサヒメタルの全体を少しでもよく知るために、じっくりとお話をうかがいました。


アサヒメタルの「スペシャリティ」

(大阪は西成区にある、アサヒメタルの工場。)

(大阪は西成区にある、アサヒメタルの工場。)


アサヒメタルの創業は、1918年。
今から3年後には、創業100年を迎える歴史ある会社です。
かつては船用の軸受を主につくっていましたが、平成に入ってからは発電所用が増えています。
そんなアサヒメタルの仕事の割合は、65%が軸受の製造、
そして35%が機器素材として使用されるその他の金属の製造です。
後者はスマートフォン、LED、半導体などに使われています。
安部社長がアサヒメタルに入社したのは、1978年のこと。
軸受の営業や関連会社での商品販売などを経験し、
1993年に社長に就任します。当時のことをこう振り返ります。
(安部研社長。専門的なことでもじっくり説明してくださる姿が印象的でした。)

(安部研社長。専門的なことでもじっくり説明してくださる姿が印象的でした。)


「僕が入社した時代は、高度成長期の終わり頃でした。ただものをつくって売るだけでは、
右肩上がりに成長できる時代ではなくなっていたんです。
これから中小企業としてどう生き残っていくかを考えた時、
その会社にしかないスペシャリティを追求する必要があると思ったんです」

そんなアサヒメタルの「スペシャリティ」のひとつが、
ホワイトメタルと呼ばれる、軸受に使われる金属です。
超高速回転する軸とその回転運動を支える軸受の間はなんと0.2mm程度。
その両者が同じ素材だと摩擦係数が高すぎてすぐ劣化してしまうため、
軸受の内側だけをより柔らかい素材で仕上げる必要があります。
そのために使われるのがホワイトメタルです。
(軸受の内側、少し白っぽい金属がホワイトメタルです。)

(軸受の内側、少し白っぽい金属がホワイトメタルです。)


ホワイトメタルは複数の金属によってつくられる合金と呼ばれるもののひとつですが、
社長曰く「不思議なもので金属は正直。
いいものづくりをしたらいい合金になるんです」と語ります。

「必要な金属を一気に溶解炉に入れて溶かして混ぜればそれだけでいい合金が
できるかというと、そうではないんです。最初にある金属を溶かして何度まで上げる。
攪拌(かくはん)をどれくらいの時間、何回行う。
そこに他の金属だけ単体で入れてもうまく混ざらないから、
また別の金属と合金化した後に混ぜる…。そういう細かい手順を踏んではじめて、
複数の金属が均等に一体化して製品にしやすい良い合金ができるんです」

そして合金を使って軸受をつくる際にも、
いかに冷却をうまく行うかなど注意すべきところは多くあります。
「それをいい加減にするといいものができないんです」と社長が語る通り、
金属や製品の製造過程はそのまま質につながってくるのです。


人の手でしかできない仕事

(真ん中は船用のエンジンの写真。想像を絶するほど大きい!)

(真ん中は船用のエンジンの写真。想像を絶するほど大きい!)


安部社長が、社長就任後力を入れたことが「仕事の機械化」でした。
これから働く人も減り、厳しい環境で働かないといけない状況を改善するためにも、
機械化できる部分は機械化していこうという方針を打ち出したのです。
一方、こうも語ります。「私たちの仕事は全部機械化できるわけじゃないんです。
人間のスキルがあってはじめてできる仕事なんです」と。

「最近川内発電所が再稼働しましたが、
原子力発電所の部品に要求される精度はすごく厳しいんです。
ここ3.4年で原子力が下火になって、その産業に関わる人が外に出ていってしまっています。
原子力が社会にとって必要かどうかという議論はあるにせよ、
その技術者離れは問題だと思いますね」

職人による手仕事の重要さを十分すぎるほど知っているがゆえの、部分的な機械化。
社長自身がそんな職人の仕事の精密さを実感した、
かつてのこんなエピソードを聞かせてくれました。
(細かなところまできっちりと品質を管理していきます。)

(細かなところまできっちりと品質を管理していきます。)


「軸受の製造で大事なのは、内側だけでなく外側のキメの細かさなんです。
『粗度』という値で示されるんですね。僕がまだ30歳くらいの頃、
仕上がった軸受を見て職人に『綺麗にできたね』っていうと、
笑われたんです。『まだまだ足りませんわ』って。
実際、粗度器で測ってみたら職人の言っていた値とピッタリ合うんです。
すごいなと思いました。日本のものづくりは今も職人の技に支えられていますよ」

現在アサヒメタルでは、研究者との協働も進んでいます。
その一つが、スマートフォンの配線にも使われている高純度マンガンづくりの研究。
機器は年々小さくなるため、それに合わせて配線の電子移動効率を
上げることが必要になりますが、
そのために適した高純度マンガンを日々研究・製造しています。
今回求人のある高純度金属製造は、まさにここに携わる仕事です。原料の精製、加工、
そして梱包から出荷までを担当しますが、研究も行う仕事であるため、
専門性への関心が求められます。
(アサヒメタルによる高純度マンガンの製造方法は、特許を取っています。)

(アサヒメタルによる高純度マンガンの製造方法は、特許を取っています。)


「90年代から東北大学と共同研究を行っていますが、
昔からマンガンが『こう使われる』ということが分かっていたわけじゃないんです。
先が見えるわけでもなく、たまたまそれが必要な時代になった。
今でもいろんな金属の共同研究をしていますが、
次に何がトレンドになるか分からないんですよ」

3ヶ月に1回は東北大学の先生に来てもらって、講義をしてもらい、議論をし、
終わってから一緒に飲みに行くようです。
こうしたことに関心のある社員とともに先生を囲んでざっくばらんに話し合うという、
刺激的な研究環境が生まれているようです。


職人さんの経験と、金属学的な学問の世界

こうした職人技と研究との両方を重視する安部社長。
その背景には、とても辛い時期がありました。
「それまでの私たちは、金属づくりを理論的に知らなかった。
いわば職人さんの経験だけで来てしまっていたんです。
金属学的な裏打ちが足りなかった」と社長自身が語るのは、
20年ほど前の出来事のことです。
9_DSC05258 「うちの鋳造方法がベストな方法でなかったがゆえに、
必要な質が金属に得られていなかったんです。
そのため船に積まれたエンジンの軸受がトラブルを起こし、
世界のあちこちで被害が出てしまった。当社にとって一番の危機でした」

そこで企業の研究所や試験機関などと協力し鋳造方法を改め、
半年間くらい実験を繰り返して現在の鋳造方法を発見します。
「その時うまくいっていなかったら今のアサヒメタルはなかった。辛かった」
という社長の言葉は、合金の質自体がいかに繊細なものかを伝えるものでもあります。

「金属に携わるっていうことには、
そういう外観は同じに見えるような繊細な部分をどうつくるかが一番大事なんです。
高純度マンガンに代表されるように、
私たちにしかつくれないものを国内でいかにつくっていくかが、
今後一層重要になると思います」
12_DSC05228 最後に、今後のアサヒメタルの展望を聞かせてもらいました。
「会社ですから利益追求が基本。それがなければ存続できません。
でも、ものづくりは社会にどう貢献できるかが重要です。
経営者のみならず現場の人がそれを感じてもらえるような会社が大事だと思っています」


アサヒメタルの現場から

専門的なことも丁寧に分かりやすく説明してくださる安部社長のことを
「考えをしっかりと持っている方だから、
どう説得しようかいつも頭を悩ませています」と評しながら笑うのは、下荒神剛さん。
軸受をつくる仕事、とりわけ鋳造現場の管理を行う42歳の課長です。
アサヒメタルでのキャリアは、およそ20年になります。
(下荒神剛さん。ものすごく率直にいろいろ答えてくださいました。)

(下荒神剛さん。ものすごく率直にいろいろ答えてくださいました。)


「うちの仕事は機械加工、鋳造、検査と、大きく言うと3つに分かれています。
僕は約20年間、鋳造(金属を熱して液体にしたあと、型に流し込み、
冷やして目的の形状に固める加工方法)に携わっています。
仕事の現場は、ものすごい暑いですね」
(鋳造の工場。軸受は、固まっていても手を近づけられないほどの熱さ。)

(鋳造の工場。軸受は、固まっていても手を近づけられないほどの熱さ。)


鋳造は2〜4班でのグループ作業。型枠にもなる台金を300度前後まで温めて、
そこにホワイトメタルを溶かしたものを400から500度の状態で流し込みます。
そして冷却させて固めていく。いわば型枠にコンクリートを流し込むようなイメージです。
鋳造過程が終わった軸受は、最後の仕上げとして機械加工の工程へ。
機械加工は機械ひとつにつき一人が担当します。
熟練度が必要になるため、一人前になるのに5〜10年はかかるとのこと。
(錫(すず)が溶けた状態を見せてもらいました。300度以上の液体です!)

(錫(すず)が溶けた状態を見せてもらいました。300度以上の液体です!)


こうした作業の要所要所に、現在求人中のスタッフが入ります。
製造工程の進捗管理を担当し、予定表の作成や納期管理、製品運搬、現場作業、
簡単な図面作成、外注先への納期管理や打ち合わせが主な仕事内容となります。
「このような工程でつくられた製品なので安心ですよ」という品質管理に携わる、
とても重要な仕事です。
アサヒメタルでの仕事は、ほとんどがチーム同士の連携が重要になります。
社内の雰囲気はどのようなものなのでしょう?
(みなさん慣れた手つきで金属を動かしていきますが、ひとつひとつがものすごく重いものです。)

(みなさん慣れた手つきで金属を動かしていきますが、ひとつひとつがものすごく重いものです。)


「現在の一番の新人は、40歳の中途採用者。鋳造チームだと平均で45歳。
30半ばが一番多いです。比較的ワイワイしてる現場ですね。
どうせやるなら楽しくやろうと思ってます」


常に動いている現場

ひとつの軸受の製造は、3ヶ月〜半年という期間で行われます。
1ヶ月で急いでつくらなければならないことも中にはあるよう。
鋳造は軸受完成までの過程の中の一部を担いますが、
1日かからないくらいで行われます。鋳造以外にも機械加工などの工程があり、
丁寧な品質検査によって着実に時間をかけながら軸受はつくられていきます。
(検査を担当する方も時折力仕事を行います。)

(検査を担当する方も時折力仕事を行います。)


「発電所は定期点検が必ずあります。
全国や海外で定期メンテナンスに入った時にこっちに部品が帰ってくることがありますが、
発電所によってそのタイミングは違います。各発電所には予備の部品があるので、
それと交換して古くなったものをメンテナンスする、というかたちです」

水力発電は冬場に凍ってしまうので止めている間にメンテナンスをする、
など状況に応じて需要が生まれます。数年単位で景気に上がり下がりがあり、
発注の多い時期と少ない時期が生まれるそう。
いわゆる一般的な「景気」状況に対して数年遅れでその影響が出る、とのこと。
とりわけ総務部長の松井進さん曰く、
「造船は去年今年最悪の状態」。
ここ数年中国韓国の活躍がめざましい、と聞かせてくれました。
そうした「発注」の背景の中で、日々軸受をつくる下荒神さん。
その一日を見ていきましょう。
(工場内の様子。手を動かす大きな作業だけでなく、細かな配慮も重要な仕事です。)

(工場内の様子。手を動かす大きな作業だけでなく、細かな配慮も重要な仕事です。)


「7時半には出社していて、8時にスタート。朝は現場の子らとミーティングして、
仕事の進み具合や起こっている問題などがどんな感じかを聞きますね。
注意事項含めてどう進めるかを確認して、
8時半にはミーティングを終えます。
ただ、下手すると午前中いっぱいかかっちゃうこともありますね。
その後僕は事務作業などをしますが、現場は常に動いているので、
途中途中で現場を見に行くというかんじです。
現場は16時50分に終わります。残業は鋳込みの現場だと2時間が限度です。
むしろクオリティが落ちるからそれ以上はやめろ、と言っています」


毎日違う仕事だから面白い

(釣り上げられているものは、鋳造の型枠ともなる台金です。)

(釣り上げられているものは、鋳造の型枠ともなる台金です。)


「ここでできる仕事って大企業と違って毎日違う仕事だからとても面白い」と語る
下荒神さんにとって、大変さを感じるときはどんなときなのでしょうか?

「発電所の中でも水力発電の軸受はとりわけ大きいんです。
最近手がけたもので一番大きいのは直径1.5mの軸を受ける軸受ですね。
樹齢何千年の木くらい。それくらいの大きさになると勘所が変わってくるんです。
作業自体は同じ。でも大きさが変わると同じようにはできない。
その辺りが大変ですね」

「昔は結構荒っぽい教育もうけましたが、
ベテランらのおっちゃんのセンスを感じた時に『すげーな』って感心したんです。
それくらいにならないとな、って」と自身の過去を語る下荒神さん。
新しく入る人たちにはどんな教育を心がけているかを聞いてみました。

「これはどの部門でもそうなのですが、まず工場の中で何が危ないのか、
触ってはいけないのかなど状況含めて知ってもらうことから始めたいです。
とにかく危ない仕事なので、中途半端にははじめさせられないんです。
その段階が終わった後は一緒に作業していきます。
『これやっといて』とは言えない仕事なので」
(現場を楽しそうに紹介してくださる下荒神さん。社員のみなさんとのコミュニケーションも抜群でした。)

(現場を楽しそうに紹介してくださる下荒神さん。社員のみなさんとのコミュニケーションも抜群でした。)


「同じような仕事は多い。しかし、同じものはない。
付帯業務含めて自分のやりたいことを実現できる環境です。一方で、
給料だけもらって常に定時に帰るということも可能な職場。
自分のできることややりたいことを追求しながら、
会社のいわば『駆動輪』になるか、ただの『歯車の一個』になるかは自由です」
こうした言葉が印象的でした。
個人個人のモチベーションや仕事への考え方によって
ここで働く意味もやりがいも変わってきます。

いかがでしたか?安部社長が語った通り、
アサヒメタルの仕事は実際「3K」と言えるかもしれません。
でもそうした状況の中で、経営者の強い理念と現場の熱意ある手仕事が生きています。
ものづくりからいかに社会貢献が可能か?賑やかな現場で、
個性的な先輩方たちとともに、自らのスキルを高めながら、
こうした問いに長い時間をかけて取り組んでみたい方。
また、未経験でも強い熱意があり、「駆動輪」になりたい方。
ぜひ一度アサヒメタルでの仕事を考えてみてはいかがでしょうか?


※本求人記事は、NPO法人スマイルスタイルが大阪府より委託を受け、
「地域人づくり事業(雇用拡大プロセス)未就職卒業者等と
優良中小企業早期マッチング事業(事業期間2015年3月〜2015年12月)」の一環で
作成したものです。

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Job description
募集職種
企業名・団体名
株式会社大阪アサヒメタル工場
募集期間
募集終了
募集業種
①軸受製造部門の製造管理
②高純度金属の製造・梱包・出荷
雇用形態
正社員(試用期間3ヶ月)
応募資格
①未経験可
 要普通自動車第一種
(フォークリフト運転技能・工場内現場作業経験歓迎)
②未経験可(金属に興味のある方)
勤務地
大阪市西成区
勤務時間
8:00~16:50(50分休憩)
給与
180,000〜250,000円
休日・休暇
完全週休2日制(土、日)、祝日
待遇
交通費(全額支給)、精勤手当、健康保険・厚生年金・厚生年金基金・雇用保険・労災保険
採用予定人数
各1名
選考プロセス
1)まずは履歴書・職務経歴書等の書類作成サポートや面接対策、キャリア相談等を実施致しますので、下部のエントリーフォームよりエントリーしてください。ハローライフよりご返答させていただきます。

2)書類選考

3)面接

4)採否連絡
WEBサイト
http://www.asahimetal.co.jp/